彰とカレンの原作放浪記   作:はないちもんめ

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今更ですけど、このSS書く前に3パターン考えてたんですよね
①コードギアスの世界で彰が解放戦線にいる
②コードギアスの世界で彰がユーフェミアの側近
③ ガンダム00の世界で彰が王 留美の側近

それで結局①のパターンで書いてる訳です。

②はその時に考えた話を結構使ってるんですけど③に関しては出しようがなかったので折角だから書こう!と思って何となく書きました笑

続く予定もなく、本編と何の関係もないので興味なければ読み飛ばしてください

ちなみに場面はアニメ1話のちょい前です。


if〜もし、彰がガンダム00の世界に居たら

「世界が灰色ねぇ…そりゃ、世界じゃなくてお前の問題だろ」

 

そう。その男は確かにそう言った。

 

「生き方が決められた?お前、何歳だよ。今まで決められてたなら、これからはテメェで決めれば良いだけだろ。顔もスタイルも頭も良いんだからいくらでもできるっつーの。悪いのは性格だけだ」

 

その男との出会いで私の世界には

 

「この借りは忘れねぇ。そうだな、一つ約束してやる。お前が自分の人生を歩めるまでは俺がお前のことを守ってやるよ」

 

光が灯ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミス・スメラギ。今後はそのようなプランで進めてくださいね」

 

「ええ、了解したわ。王留美」

 

行動開始前の最終チェックとしてソレスタルビーイングと王留美達は確認の会話をしていたが、それも終わったのか主に話していたスメラギと王留美は笑顔で握手を交わす。

 

それを王留美の背後で見ていた桐島彰はスッと前に出てきてスメラギの手を握り、話しかけようとしたが寸前に笑顔の王留美に手を掴まれて阻止された。それを見て笑顔で彰は王留美に問いただすが、王留美も笑顔で返した。それを見たスメラギは苦笑しているが、紅龍はため息を吐きながら黙っている。

 

「お嬢様。何をなさってるんです?」

 

「もう用事は終わったわ。帰るわよ」

 

「いえ、私の用事は終わってないので私を置いてお嬢様は紅龍とお帰りください」

 

「あら、貴方は私の下僕でしょう?下僕が主人の命令に逆らって良いと思ってるのかしら?」

 

笑顔で会話を交わす2人だが、背後に阿修羅が見えるのは気のせいではあるまい。とは言え、ぶっちゃけよく見る光景なのでこの場の全員、全く気にしていない。ガンダムマイスター達に至ってはロックオンとアレルヤを除いて部屋から退出しようとしている。

 

「分かった、分かりましたよ、帰ります。帰りますからスメラギさん。その前に結婚しましょう」

 

「5年後にまた言ってくれたら考えるわ彰君」

 

「お前もこりねぇなぁ、彰」

 

ロックオンはクククとスメラギと彰のやり取りを聞いて笑う。ちなみに、彰とロックオンは何故か仲が良い。本人たち曰く、不思議と波長が合うらしい。

 

「そんな!?じゃあ、せめてベッドインだけでも!!」

 

「貴方のせめての基準が分からないんだけど…」

 

「というか、言ってること最低だって気付いてますか彰さん」

 

「女の敵…」

 

彰の発言を聞いてクリスはジト目で彰を見遣る程度だが、フェルトに至っては完全にゴミを見る目で見つめてくる。思わず変な性癖に目覚めてしまいそうだった。

 

そんな彰の反応を見て王留美は手で頭を押さえる。今となってはお約束のポーズとなっている。

 

「いい加減に気付きなさい。貴方はミス・スメラギから嫌われてるのよ。分かったら、これ以上無様な姿を晒さないことね」

 

「誰が無様ですか。一縷の希望を諦めない男の姿を馬鹿にしないでください。諦めたらそこで試合終了なんですよ!」

 

「残念だけど、貴方の試合は終了してるの。安西先生だって、もうどうしようもないの」

 

「試合が終了してる何て誰が決めたんです?私が諦めなければ試合は終了しないんです。まあ、恋愛経験もなければ友達もいないお子ちゃまなお嬢様には分からないかもしれませんが」

 

半分馬鹿にしたような彰の物言いに王留美の額に青筋が浮かぶ。

 

「私は恋愛経験がないんじゃなくて敢えてしてないだけなの。私に釣り合う男性が現れないだけなの。貴方みたいに分別も誇りもなく、盛ってる猿みたいに女ならば手当たり次第にアタックする人とは人種が違うのよ」

 

「高望みって知ってますか?そうやって自分のこと高く見積もっちゃてるから、何時迄経っても経験積めないボッチなんですよ。世界の変革をするとか中二病みたいなこと言い出すんですよ。世界を変革する前に自分を変革したらどうですかお嬢様」

 

「そうね、確かに世界の変革の前に私の変革は必要ね。正確には私の下僕の性格とか口調とか私への態度とかその他諸々ですけれどね!」

 

色々限界だったのか顔中に青筋を浮かべた王留美はそこまで言うと、彰のことを思いっきり蹴り付けながら言葉にするのが憚られるレベルの悪口を言い続けているが、最早慣れているのか紅龍はそれに全く構うことなくソレスタルビーイングの一同に頭を下げる。

 

「お嬢様と私の同僚が申し訳ない」

 

「いえ、お二人のお陰で助かっていますし、何より…何時ものことじゃないですか」

 

「…本当に申し訳ない」

 

スメラギの寛大な態度に心からのお詫びを紅龍は告げる。そんなやり取りを耳の端で聞いていた王留美は、彰を蹴りつけるのを止めてコホンと咳払いをしてから帰り支度を始める。ちなみに彰はボロ雑巾のようになっているが無視されている。日頃の態度の問題だろう。

 

「私は貴方達ガンダムマイスターの実力を信じていますわ。では、失礼します。紅龍。それを運ぶのは任せたわ」

 

ニコリと笑ってスマートに帰ろうとする王留美だが、彰の返り血を浴びながらの笑顔なので全くスマートではない。ただの狂気的殺人犯である。紅龍が血だらけの彰を抱えながら着いて行くのが尚更そのイメージを加速させている。流石のスメラギ達も顔を引きつらせながら見送った。

 

「…不思議なんだけど、何で王留美は桐島に支えさせてるんだろう」

 

「そりゃ、優秀だからじゃないんですか?彰さんやる時はやりますから」

 

アレルヤは首を傾げながら、日頃から良く思っている疑問を独り言のように呟きそれにクリスが答える。

 

しかし、その答えに思うことがあったのかスメラギとロックオンは苦笑する。

 

「それもあると思うけど、それだけじゃないと思うわ」

 

「ああ。俺もそう思うな」

 

「え?お二人は何でだと思うんです?」

 

そんなクリスの純粋な問いにスメラギが少し楽しそうに笑いながら答えた。

 

「多分だけど…彰君と話している時だけは17歳のただの留美になれるからじゃないかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様…いよいよ始まりますが…本当によろしいのですか?」

 

「その質問の意味が分からないわ。良いに決まってるじゃない」

 

当たり前のことを言うなと言わんばかりに留美は振り返ることもなく答えるが、紅龍はそれに言い返すことなく押し黙る。それを担がれながら聞いていた彰はため息を吐きながら付け加える。

 

「本当にそれで良いのかって聞いてんだよこのシスコンは。今ならまだ戻れるからな。戦争の根絶なんて夢物語の実現自体に興味なんて無いお前がそれに参加するのが兄貴として不安なんだろうよ」

 

普通に聞いたら彰の発言は従者として無礼以外の何物でもないが、自分と紅龍しか居ない所では敬語は不要としているので王留美はそれ自体に思うことはない。まあ、内容は別だが。

 

「私の目的が世界の変革なのは承知のはず…それに対する反論は受け付けないわ。同時にそれへの命令の拒絶もね」

 

「知ってるよ。だから、兄貴は聞いたんだろ?本当に良いのかってな。お前がそれで良いなら構わねぇさ。俺もこいつもな。だがな。前にも言ったが改めてもう一回言っておく。戦争の根絶が仮にされても。世界の変革が実現できても。お前が本当に欲しいものは手には入らねぇよ。まあ、本当に欲しいものが何かすら分かってねぇんじゃそれ以前の問題だがな。それまでは付き合ってやるさ」

 

そこまで言うと、彰はよっと言いながら紅龍の手から降りて着地する。すると、そのまま一人で何処かに行こうとするので慌てた紅龍は何処に行くのか尋ねるが彰は事前準備とだけ伝えてそのまま何処かへと消える。

 

一瞬、紅龍は追いかけようとしたが王留美に止められた。様子を見ても全く動じていない。どうやら、この行動も二人の予定の範疇のようだ。自分を差し置いて勝手なことをしている彰に思うことがないわけではないが、彰のことは信頼しているし、何より後で聞けば済む話なのでとりあえず良しとする。

 

「気に食わないわね…」

 

「留美?」

 

珍しく額にシワを寄せている妹の様子に紅龍は意外という気持ちで声をかけるが、留美は返事もせずに何やら考え込んでいる。

 

妹がここまで考えるというのは極めて珍しい。兄からの目線というものを除いてもかけねなしで王留美は優秀だ。殆どのことであれば、即座に答えを出せる。その留美がここまで考えなければ答えを出せない問題というのが紅龍には分からなかった。

 

今までの会話の中で留美が考えていると思われることを紅龍なりに考えた。そして、一つの結論に辿り着いた。確かに、これは留美には案外難しいかもしれない。でも、留美ならできる。そう考えた紅龍は留美の肩にそっと手を置いた。

 

流石に現実に戻った留美は何のようだと言わんばかりに紅龍を睨み付けるが、紅龍は気にせずに笑顔で告げた。

 

「友達や彼氏がいないぼっちだからって気にすることないさ。留美なら、きっと頑張れば作れる」

 

「殺すわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに王留美の付き人にしたのは色々ツッコミたいことが多すぎるキャラだったからです。もちろん、ルルーシュやスザクとかのギアスキャラも同様にツッコミたいことが多い笑

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