彰とカレンの原作放浪記   作:はないちもんめ

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分かる人には分かると思いますが、あの話のオマージュです笑


9 夏の食べ物は直ぐに腐るのでちゃんと管理を徹底しよう

「新しいアジトはここから2キロくらいね。しかし、やっぱり彰の作戦は流石ねぇ。周りの人もカレンとルルーシュをあんまり意識してないわ」

 

「…どうやら会長は気付いていないようなので私から言わせて貰いますけど…」

 

見当外れなことを言いながら一人で頷いているミレイ会長に震えながらシャーリーは指を前方の二人に向けながら言葉を絞り出す。

 

「アレは避けられてるって言うんですよ!そりゃそうですよ!誰だってパンイチで四つん這いになりながらリードで繋がれてる下着仮面とそれをご機嫌で引きずってる女の子に関わりたくないですもん!関わったら最後だと思っちゃいますもん!」

 

「お、落ち着けってシャーリー!気持ちは痛いほど分かるけどさ!俺らも目立っちゃうだろ!」

 

ミレイとシャーリーとリヴァルはカレンに人数が多いと目立つからと言われたので、変装しながら二人の後をつけているのだが人数が多かろうと少なかろうと目立たないことは有り得ない二人にツッコマないことは不可能だった。

 

「絶対におかしいよね!?ここまで警官に捕まらずに来れたことが奇跡だよ!黒の騎士団とブリタニアの残念過ぎる不祥事だよ!!」

 

「だから落ち着けってシャーリー!いちいちツッコミを入れてたらきりがないだろ!?」

 

至極真っ当な理由でツッコミを入れているシャーリーにリヴァルが落ち着くように伝える。そろそろシャーリーも諦めという言葉を覚えた方が良い。

 

そんな風に後ろのメンバーが揉めている声は聞こえているのだが、カレンは別の所に引っかかっていた。

 

「おかしいわね…さっきから自然に過ぎ去った人達に会釈をしてるんだけど誰も目を合わせてもくれない…着ている服がおかしいのかしら?」

 

そんなことを一人で呟きながら、カレンは自分の着ている服をチェックし始める。

 

そんなカレンにルルーシュとシャーリーとリヴァルは思った。

 

(((おかしいのはお前の服じゃなくて頭だよ!!!)))

 

しかし、思っただけではカレンには当然聞こえないのでそのまま自身の服のチェックを続けている。

 

そんなカレンに諦めを覚えたのか、はたまた空気を変えようとしたのかは定かでないがルルーシュはため息を吐いて言い放つ。

 

「…おい、カレン」

 

「何よ、イヌーシュ」

 

「不愉快かつ不適切な名前で呼ぶな!俺の名前はそんな名前ではない!」

 

「あんたの名前をこんな場所で呼ぶわけにはいかないんだから、これで良いでしょ。で?何?」

 

「…何時までこんなことを続けるつもりだ?」

 

「あんたが本当のことを言うまでよ」

 

「何処かで分かっているんだろう?そんな日は永遠に来ない」

 

そもそもこのカレンは分かっていない。自分がどういう存在か。自分がどれだけのことをしてきたのか。

 

「お前の世界での俺がどんな奴かは知らんがな。諦めろ。俺はそいつとは違う。お前が幾ら信じても関係ない。信じているだけ無駄だ」

 

ルルーシュは知っていた。自分が犯してきた罪を。

 

どれだけの人を騙しただろう。どれだけの人を殺しただろう。どれだけの人を傷つけただろう。どれだけの人を泣かせてきただろう。

 

それだけのことをしてきた罪を自分は償わなければならない。だとしたら戻るわけにはいかない。許される訳にはいかないのだ。

 

薄ら笑いを浮かべながら吐き出されたルルーシュの言葉を少し考えながら、意外な言葉をカレンは呟く。

 

「そうね。確かに私が知っているアイツとアンタは違うのかもしれないわね」

 

「分かっているなら、サッサとこんな茶番は止めろ。時間の無駄だ」

 

ふんと鼻を鳴らして答えるルルーシュを見てシャーリーは思った。

 

(どんだけシリアスの言葉と雰囲気でも、下着仮面のパンイチ犬が言ったらシリアスになるの無理だよね…)

 

シャーリーの言葉は隣のリヴァルも同意見だった。変態二人がどれだけシリアスを演じてもシリアスになるのは無理である。絵面が酷いことになっている。

 

そんな悲しい現実を知ってか、知らずか気にせずにカレンは笑顔で答えた。

 

「でも関係ないのよ」

 

「何?」

 

意味が分からないカレンの言葉にルルーシュは顔をしかめる。そんなルルーシュの顔を見て、カレンは肩を竦めた。

 

「私はバカだからさ。彰と違ってアンタの嘘を見抜けない。もう少しアンタが素直だったら助かるんだけど、生憎と向こうのアイツもアンタに負けず劣らずに面倒臭い奴よ…でもね」

 

カレンの脳裏に、過去のルルーシュとの思い出が蘇る。本当に面倒臭い奴だった。我ながら良く付き合ってきたと思う。

 

「本当はただのお人好しなのを私は知ってる。世界の誰が信じなくても私は知ってる。アンタが認めなくても私は知ってる。アンタの言葉なんて私は信じちゃいないのよ。私は」

 

そう言ってカレンは自身の指を自身に向けながら続ける。

 

「私が信じてるアンタを信じてる。私の心にいるアンタを信じてる。良く覚えときなさい。アンタがどんな嘘をついても。アンタがどんなシナリオを描いていたとしても。私と彰がいる限りハッピーエンド以外は認めないって言ってんのよ!」

 

迷いなく、力強い瞳で凛とした言葉を発するカレンを見てルルーシュは思わず目を背けた。カレンのその強さは自身には決して持ち得ない物だったからだ。

 

カレンから目を逸らした状態でルルーシュは何とか反論の言葉を紡ぎ出そうとするが言葉が出てこない。

 

その事実に舌打ちをしながら、捨て台詞を吐くことしかできなかった。

 

「…馬鹿が。どれだけおめでたい思考回路をしているんだ。俺は嘘などついていない。お前が信じてる俺は幻だったんだよ。俺からお前に話すことなど何もない」

 

「あら、そう?私はそれでも良いんだけど…アンタはそれで良いのかしら?」

 

「一体どういう意…味」

 

急に意味深な言葉を言ったカレンを追求しようとするルルーシュの顔から急に脂汗が吹き始める。それだけでなく、腹を抑えて急にその場で動けなくなってしまった。

 

どうしたのだろうかとシャーリーは首を傾けるが、カレンは計画通りと言わんばかりに邪悪な笑みを浮かべている。何やら何時もと立ち位置が違う気がするが、今更だろう。

 

そんなカレンの顔を見てルルーシュは自分が嵌められたのを悟った。

 

「き、貴様!俺に何をした!」

 

「嫌ねぇ、大したことはしてないわよ…ただちょっとね…盛っただけよ」

 

「あの昼飯か!?だ、だが俺だけが限定して食べた物などなかったはずだ!」

 

カレンの言葉からルルーシュは自身の腹痛の原因は大体特定できたが、その推理には穴がある。

 

ルルーシュは万が一のことを考えて自分だけが食べるようなものは出来るだけ口にしないように最大限の注意を払っていた。その自分だけを狙って盛ることなどできるはずが…

 

そこまで考えてルルーシュは自分の思考の違和感に気が付いた。

 

何故俺は自分だけが腹痛になっていると思い込んでいる?

 

確かに目の前にいるカレンは腹痛にはなっていないようだ。

 

だが、それだけではまだ確信できない。

 

あの場には後三人いた。

 

会長とシャーリーと、そして…

 

そこに思考が至った時ルルーシュの脳裏にカレンの言葉が蘇った。

 

『まあ、良いわ。私も軽くご飯持ってきたからこれ食べたら行くわよ。ほら、これは男子の分。こっちは私たち女子の分』

 

その言葉からルルーシュはカレンが何に盛っていたのか確信した。そのルルーシュの表情から、カレンもルルーシュが何に盛られていたのか見当がついたと悟ったのか、首を振りながら言葉を発した。

 

「仕方なかったのよ。何かを成し遂げるには何かを失う覚悟が必要なのよ」

 

そのカレンの言葉の真意はルルーシュだけでなく、少し離れた所で聞いていたシャーリーにも分かった。何故なら

 

先程から恐ろしい腹痛に苦しんでいるリヴァルが視界に入っているからだ。

 

((な、仲間(リヴァル)ごと、まとめて盛りやがったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!))

 

目的のためなら手段を選ばないカレンに盛られていないシャーリーですら冷や汗を浮かべる。ましてや、盛られたルルーシュは尚更である。

 

「き、貴様鬼か!」

 

「アンタに言われたくないわよ魔王。で?どうすんの?別に秘密を漏らさないなら漏らさないで良いけど…その場合アンタは四つん這いで歩き続けるのよ」

 

そこまで言ってカレンは口を広げて邪悪に笑う。

 

「公衆の面前で糞尿を垂れ流しながらね!」

 

普通であれば馬鹿なことを言うなと一笑に付すカレンの発言だが、カレンの顔を見たルルーシュにはそんな余裕など全くなかった。分かったからだ。この女は本気だと。このままだと本気でこの女は自分を公衆の面前で脱糞させるつもりだと。

 

そんなことになれば悪逆皇帝ではなく、お漏らし皇帝になってしまう。どんな悪逆を尽くしても、「あいつ、この間ウンコ漏らしてたんだぜ笑」という噂は消えることはないだろう。

 

そんなことになれば自分は精神的に死ぬ。ゼロレクイエムまで生き長らえることはできないだろう。

 

「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そんなことでゼロレクイエムを終わらしてたまるかと思ったルルーシュは必死に全力疾走でトイレに向かう。恐らく人生でルルーシュが出した最速のスピードだろう。だが

 

「あら、何処に行くのイヌーシュ?」

 

カレンにとっては大したことのないスピードであった。笑顔のままのカレンがリードを軽く引っ張るだけで、ルルーシュは再びカレンの足元まで引きづり戻された。

 

「ま、待て!頼むカレン!本当に限界なんだ!」

 

引きづり戻されたことでケツにダメージがいったルルーシュは本当に余裕がなくなったのか、背に腹は変えられないとカレンに頼み込む。そのルルーシュの声を聞いたカレンは更に笑顔を深めて答えた。だが

 

「あら、そうなの?でも大丈夫よ。ちゃんとビニール袋は持ってきたから」

 

楽しそうにビニール袋を取り出して手に装着しながら話すカレンを見て、ルルーシュは絶望に顔を青くさせた。

 

だが諦める訳にはいかない!自分にはゼロレクイエムが待っているのだから!

 

その意地だけを味方にルルーシュは便意を必死に抑え込む。

 

だが、残された時間は長くない。

 

ルルーシュの明日はどちらだ!

 

 

 

 

 

 

 

 




ルルーシュは漏らさずに済むのだろうか!

ルルーシュの戦いはこれからだ!

エンド(嘘)
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