まいふぁみりーいずべりーべりーらぶりー   作:わらびもち

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1週間ギリギリ。
お気に入りありがとうございます!少しずつですが増えていって嬉しい限りです。

そして今回の話の後半はこの物語を作るきっかけになった場面。この場面を書きたくてハルくんは生まれたといっても過言じゃない。ただ一番書きたい場面なのに上手く書けないのが何ともなぁ。
作者はアレンが推しなもんで、アレンを幸せにし隊なんです。ただそれだけ。


第8夜

元帥になったせいであれやこれやが面倒臭すぎてついに教団(ホーム)から逃亡したハルくん。反抗期だろう。

逃亡先でクロスと遭遇し、とある件の真相を知ってブチ切れて殴ったのはご愛嬌。

そのとある件というのがレイラの葬儀の時に聞かれたある事だった。教団で目覚めた直後レイラの葬儀は行われた。そこで中央庁の役人からレイラの死の真相について根掘り葉掘り聞かれた。そこでとんでもないことを聞く。突然こう聞いてきたのだ。

 

「レイラ元帥の遺体の行方を知っているか?」

 

もちろん知るわけがない。そもそもイノセンス暴走させて気を失ってたんだからそれどころじゃなかった。当然「知らない」と答えた。むしろなぜそんなことを聞いてくるのかと問い返した。そしたらこれまた驚愕の答えが返ってきた。

 

「鴉とファインダーが現地に着いた時点で遺体は行方不明になっていた」

 

意味がわからない。少なくともハルが意識があった時にはあった。体はあったのだ。そんな謎が残って逃亡したハルくん。そして逃亡先でクロスと出会い、こいつもしかして?と思い聞いてみた。そうして返ってきたのが、

 

「あー、それなら俺のイノセンスになった」

 

である。こいつ何アホなこと言ってんだ?と思ってたら、

 

「そういう約束だったんだよ」

 

というもんであるから、理解する前に殴っていた。

本気で何言ってるのかよくわからなかった。そこから暫く親子喧嘩(殴り合い)が続き、ひと段落してマザーの元へ向かう途中に詳しく聞いた。

 

「いやな?昔言われたんだよ。もし自分の身に何かあって死ぬようなことがあったら中央庁に身体を奪われないようにしてくれって。あいつら何しでかすか分かったもんじゃないからな。俺は二つ返事でOKしたよ」

 

そこまでは納得だ。理解もできる。だがなぜ“俺のイノセンス”なのか。

 

「ああ、それな。俺も驚いたぜ。あいつが死んだ直後イノセンスが暴走しそうになってな、とりあえず魔術で慌てて柩を作って入れたんだが。そしたらそのまんま俺が適合した」

 

だからこのアホは何を言っているのだろうか?」

 

「おい、声に出してんぞクソガキ」

 

「事実だろ」

 

「俺だってわかんねーよ。だいたい魔術やイノセンス関連で完璧に理解するってのが無理な話なんだ。それに何処もおかしくなんかねーだろ」

 

「は?何言ってんの?」

 

「イノセンスは怪奇現象を起こすものだろ」

 

「ああー。確かに」

 

「まあそういうことだ」

 

「軽いな〜。でもじゃあこれから師匠はずっとクロスの側にいれるってことだ?」

 

「ああ、まあそうなるな」

 

「ははっ、それなら寂しくないね」

 

「レイラが?」

 

「クロスも。あと浮気もできないね」

 

「…うっせーな」

 

そう言ってそっぽを向いてしまった。そこからマザーの元に着くまで碌に見向きもしなかった。

ハルはその悪態吐いた言葉がどっちの意味だったのか、聞く気も起きなかった。リア充爆発しろ!とは思ったようだが。

 

 

ーマザー宅ー

 

「へいへーい、マザー!久しぶり〜!可愛い可愛い孫のご帰還だよ〜」

 

数年ぶりに訪れたマザー宅。いつもなら外でなんかしらやっている子どもっぽい彼は見当たらず、ならばと標的変更で家中にいるだろうマザーに声をかける。そしたら案の定出てきてくれるんだから、マザーは優しい。人を突き放すような言い方するけれどそれもご愛嬌。

 

「誰が孫じゃ!誰が!」

 

「相変わらず元気そうだね〜。もう妖怪だよね妖怪」

 

「喧嘩うってんのかこのガキ!」

 

お婆さんに向かって妖怪はひどい!だが、ハル君がそういうのも無理はない。少なくとも彼の一番幼い頃の記憶から彼女は何も変わらないのだから。妖怪だろう。

 

「こいつの言動いちいち気にしてたら身がもたねーぞマザー」

 

「クロス!なんだ、親子揃ってきたのか?ん?レイラはどうした」

 

「「……」」

 

「なんじゃ?どうかしたのか?」

 

「母さんは死んだよ」

 

ハルは()()()()()()()真顔で答え、クロスは顔を歪めてそっぽを向いた。

 

「は?本気で言っとるのか?」

 

「…」

 

無言こそが肯定だった。

 

「…そうか。死におったか」

 

マザーは一瞬、レイラの死を悼むように目を閉じれば、いつもの捻くれた表情とは違い、聖母のような表情で2人に声をかけた。

 

「とりあえず2人とも家にお入り。こないだバーバがいい茶葉を見つけてきたからね。それを淹れよう」

 

その日、4人は彼女との思い出を朝方まで語り合ったという。

 

 

 

それからしばらくクロスとハルはマザーの所でお世話になった。そしてある日何時ものように突然クロスは姿を消し、半年後にまた現れたと思えば大怪我をした子どもを抱えて帰ってきた。その日クロスが治療をし終わると、ハルに

 

「浮気だ浮気ー!クソ親父、その子どこの子!誰の子!今すぐ返してきなさい!誘拐、ダメ!絶対!もしアンタの息子なら軽蔑する最低論外ありえない!師匠に対する裏切り浮気はないまじでない!」

 

と永遠文句を言われたそうな。

うぜーと思ったクロスとハルくんが殴り合いをし始めるのは最早日常の一コマだった。

ちなみにハルくんはあのアンラッキーボーイだということには気付いていたが、単純にクロスをからかいたくてやったのだと後にバーバに語り、それを偶然クロスが聞いてしまい、また殴り合いに発展したそうだ。どちらも精神が幼すぎて心配になったバーバである。

 

 

 

 

 

「あー、めんどくせー。おいハル!てめーがあのガキの面倒見ろよ!」バキッバキッ

 

相当ストレスが溜まっているのだろう、マザー宅の椅子はクロスの八つ当たり対象にされ見るも無惨な木片と化している。それを横目に見ながらため息を吐く。

 

「知らんし。クロスが連れてきた子だろ、自分で面倒見ろ。飯は作ってやる。それ以外は自分でやれ、巻き込むな」

 

「ああ?お前ガキの面倒見るの好きだろ?やれよ」

 

「嫌だって言ってんだろ!あんたの事情で勝手に連れてきたんだ!最低限の面倒ぐらい自分で見ろバカ親父!」

 

流石にクロスの言い草にカッチーンときたハルくん。この場合、圧倒的にクロスが悪いだろう。

しかしクロス的にも限界であった。そもそも子どもなんて好きじゃないし。しかも女の子ならまだしも男だし。まあそれならハルくんはどうなるんだと言いたくなるが、それはよくある自分の子だと可愛く見えるというやつだろう。

 

「そもそも!惚れた女に恩人に子どもの教育全部任せてたんだから、その子ぐらい面倒見ろよ!」

 

「うぐっ。…それはそうだが」

 

これを言われたらお終いだ。クロスは何も言えない。だって事実だし。

 

「はあ。飯は作ってやるから。むしろあんたは作るな。あの子が可哀想だ」

 

そういうと一人台所へと向かう。置いてけぼりにされたクロスは苦虫を潰したような顔をしていたが、それに気付いた者はいなかった。

 

 

 

それから暫く。

アレン少年はどうにか怪我も良くなりクロスやバーバ、そしてハルくんの懸命な声掛けやらで徐々に精神の方も回復してきた。そんなある日のことだった。

クロスが突然アレンに隣町まで買い物に行くように言ったのだ。それを知ったハルくんは激おこプンプン丸だった。

 

「こんクソ親父ぃぃぃ!!!」

 

ぶん殴ったのは言うまでもない。

 

「何すんだクソガキ!」

 

「それはこっちの台詞だおらぁ!なぁにアレン一人で行かそうしてんじゃい!迷子になったらどうすんの?悪いやつに騙されたら?拐かされたら?どう責任取るんですか?バーカバーカ」

 

「はあ?そんなところまで面倒見れるか!ガキつっても一人で買い物ぐらい出来るだろ!」

 

なんかお互い正論なんだけど、どっちかというと神父ひどいよね。

 

なーんていつも二人の喧嘩に遭遇するバーバは思っていた。そこにアレンが現れた。

 

「す、すいません!あの!僕、一人で行けます!」

 

「あ?」

 

「ほら見ろ!こいつも大丈夫だって言ってんじゃねーかこのブラコンが!」

 

「誰がブラコンだ!しかも大丈夫なんて言ってねーし、何があるかなんてわかんねーだろ!どうすんだAKUMAが現れでもしたら。イノセンスまだまともに発動できねんだぞ!」

 

「あ?それこそ発動できるようになんだろ!」

 

「アンタはいっつも身勝手すぎんだよ!」

 

「レイラも似たようなもんだったろうが!」

 

「一緒にすんなバカ!師匠は少なくとも一人ではやらせてません!兄貴と一緒でした!てかあの人は親バカすぎんだよ!」

 

「関係ねーじゃねーか!」

 

「ああ?」

 

「なんだよああ?」

 

一触即発の雰囲気。渦中のアレンはオロオロするしかなく、バーバはもはや呆れた様子でアレンを二人から遠ざけようとした。そこに救世主が現れた。

 

「アンタらいい加減にしないかい!」スパコ-ン!

 

その言葉とともに二人の頭をスリッパでぶっ叩いたのは我らが妖婆マザーだ。

 

「誰が妖婆じゃ!」

 

おっとっと。危ない危ない。

 

「何すんだババア!」

 

「喧しい!」パコ-ン!

 

さっきよりはましだが容赦はない。

ちなみにハルくんは痛みで頭抱えて蹲ってる。

 

「アンタら親子は喧嘩しかできないのかい?まったく。アレンもバーバも困ってるじゃないかい。やれやれ」

 

もはや呆れてため息しか出ません。もしこれがハルくんでなくハルちゃんだったら万事解決だったのだろうが、残念ながらハルくんは男の子です。

 

「チッ。埒があかねーな」

 

「埒ならあいてんだよバカ親父。俺が一緒についていけばいいだけの話だからな」

 

「はあ?じゃあ最初っから…」

 

「最初っからそれをアンタが俺に言っとけば何にも問題になってねーんだよ。ほうれんそうぐらいちゃんとしろバカ!それとも何か?ほうれんそうの意味すら知らないとか言わないよな?」

 

「…うぜー」

 

そう言うともう疲れたのだろう、部屋を出て行った。どうせ部屋でお酒を飲むに違いない。

 

「あ、あの。僕のせいでごめんなさい」

 

アレンは泣きそうな顔でそう言ってきた。それを見て、ハルくんの中の何かがキレてしまいそうだったが、どうにかそれを押しとどめた。

 

「アレンは何も悪くない。もし罪があるならそれはお前のその可愛さだけだから。絶対悪はクロスだから気にすんな」

 

「へ?」

 

「ハル〜、何言ってるんだ〜?」

 

「おん?事実言っただけだぞ」

 

「アンタやっぱりブラコンだね」

 

「ちょっと待てぇ!俺は子ども苦手なんだよ!」

 

「苦手なやつが言う言葉かい」

 

「ぐぬぬ。俺は、俺は、子ども苦手だ。苦手だもん」

 

そう言うと体育座りして拗ね始めた。

 

「やれやれ。アレン、とっととあいつを連れて買い物に行ってきておくれ」

 

「え、大丈夫なんですか?」

 

「あいつが苦手って言ってるのは、あの表情筋のせいで怖がらせたりするから苦手って言ってるだけさね。クロスみたいに嫌ってるわけじゃないさね」

 

「…はい」

 

 

 

「あ、あの!ハル兄、買い物一緒に行ってくれますか?」

 

「ん?あ、アレンさー、俺のこと怖くないの?不審者に見えない?」

 

「え?どこが怖いんですか?それに不審者って…」

 

「だって表情ないし」

 

「それでもとっても優しい人だってことは知ってます」

 

「……。買い物行くぞ」

 

そういうとアレンを置いてとっとと歩き出してしまった。

 

「あ!待ってください!」

 

その後ろをアレンが追いかける。その後ろ姿は兄弟のようにしか見えない。マザーとバーバは生暖かい目でそんな二人を見送った。

 

 

 

ー隣町ー

 

まだ拗ねているのか照れているのか、汽車を降りるとスタスタ先に行ってしまうハルくん。アレンは必死についていく。

 

「ねぇ、ちょっと何あれ?」

 

「うわー、気持ち悪い」

 

「何かの病気?」

 

「近寄ったらダメだよ」

 

 

アレンの左手を見て好き放題通行人は言う。

アレンとて慣れた言葉だ。けれどそれで傷付かない訳ではない。クロスに連れてこられてからは皆優しく、この左手のことを言う者はいなかった。だからこそ余計に現実に連れ戻されたようなそんな気分がする訳で。

気付けばアレンは足を止めて俯いていた。両手は今にも血が馴染みそうなほどに固く握り締めて。

 

ピタッ「……。おいアレン、置いてくぞ」

 

その様子に気がついたハルはアレンにそう声をかける。アレンが歩き始めた気配を感じ、自分もゆっくり歩き始めるがアレンが追いつく気配はない。

 

「はあ」

 

あからさまな溜め息にアレンはビクッと体を揺らす。

 

「おい、アレン」

 

声をかけてもビクつくだけ。

 

「アレン!」

 

少し覇気を強めて言えばようやくその顔を上げた。

 

「置いてくぞ」

 

そこにはアレンの方は差し出す手があった。

 

「!?」

 

アレンは駆け出しハルの隣までやってくる。その差し出された手に左手を乗せようとするがやはり躊躇する。そんなアレンの葛藤を無視してハルはその手を掴む。一見乱暴そうに見えてそれは優しく、温かいぬくもりに包まれた。

 

二人は再び歩き始める。

 




バーバに心配されるって相当やばいと思うんです、ええ。
ところでバーバとマザーの話し方これでええんやろか?というか幼少期のアレンの話し方難しいな。何というか感覚的な問題で。

次の話は二番目に書きたかった場面。アレンとオリ主であるハルくんの関係性を決定付ける場面だと勝手に思ってます。
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