さて、島に籠ってから数日。順調に機体は仕上がっている。にとりが作った機械でナノマシンを固定化させ、さらにそのパーツとして最適解させる事でフレームなどを作成。その形状と役割を記憶させる事で部分的に変化させてもすぐに形を変える事が可能。
「まあ、とりあえずこんなもんかな。やっぱり、自由に金属の形を変えられるとかずるいよねえ」
「工作機械とかいらないからね」
アリスの目の前には巨大な赤い機械でできたMSが存在している。そう、シナンジュである。
シナンジュはガンダムシリーズに登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ。そこの軍人組織ネオ・ジオン軍の残党、袖付きの首魁フル・フロンタルの専用機だ。
基本的なデータはこんな感じだ。
型式番号: MSN-06S
搭乗者: フル・フロンタル
出力: 3,240kW
推力: 128,600kg
全高: 22.6m
センサー 有効半径: 23,600m
装甲材質: ガンダリウム合金
ちなみにガンダリウム合金はないのでナノラミネートアーマーを使ったナノマシンになっている。ナノラミネートアーマーはエイハブ・ウェーブに反応して鏡面の様な構造の複層分子配列を形成する金属塗料が表面に蒸着されており、これが衝撃を吸収・拡散しビームを反射するため実体弾射撃やビーム兵器に対し、圧倒的な防御力を発揮する。
このためMSの携行火器サイズのマシンガンやMAの大口径ビーム砲では装甲を破壊する事ができず、決定打にならない。普通なら。だけど、アリスは普通じゃない。だから、相手の複層分子配列を計算して無効化するγナノラミネート反応が起こるようプログラムして放つ。ファンネルを含めてメタグロス達が入り込むので計算は余裕でできる。
破壊光線を増幅させて収束させたビーム砲は強力なのである。ましてや様々なレベル3スキルを付与する事によってかなり強くなる。
サイコミュのシステムによる思考制御は阿頼耶識システムで代用可能だし、アリスの能力を使えば全く問題ない。
「ん~」
「どうしたの?」
「うん。カルタ・イシューが鉄火団への攻撃を打診されたけれど断ったみたい」
鉄火団を追うよりも、宇宙に離脱できる宇宙戦艦を用意してアリスに引き渡す事が最優先だよね。
「まあ、そんなのよりマリスの指令が優先だよね」
「だよね~」
まあ、あちらは放置して武器をもっと作っていく。シナンジュの武器だけでも結構あるからね。
60mmバルカン砲×2、ビーム・ライフル×1、ビーム・サーベル×2、ビーム・アックス×2、グレネード・ランチャー×1、ロケット・バズーカ×1。そしてシールド×1。これだけいっぱいある。
『大変だ!』
「どうしたの?」
「ん~?」
にとりとアリスが武器を作り上げ、改造を施しているとビスケットから緊急連絡がやってきた。それによると、鉄火団とギャラルホルンがエドモントンで戦闘が開始されたらしい。
予想より早いけれど、カルタ・イシューが拒否したから列車での戦闘が行われなかったのかもしれない。それによって到着が早まったのだろう。
問題はギャラルホルンがエドモントンに集めた勢力だ。約四個師団。原作では一個師団か多くて二個師団のはず。つまり二倍から四倍の戦力というわけだね。
なんでこうなったかというと、カルタ・イシューが拒否した事でマクギリスの父親が確実に鉄火団を滅ぼすため、他の部隊からも引き抜いて集めたのだろうね。
これはマクギリスが到着しても終わりだろう。戦力差が激しすぎるし、指揮官が奴なので普通に滅ぼすために襲い掛かっていくはずだ。
「鉄火団壊滅のピンチだね」
『頼む。俺を行かせてくれ!』
「駄目だよ」
「駄目だね。まだ開発は終わってないし」
『そんな!』
「まあ、落ち着きなよ。貴方は行けないけれど、ここに完成した兵器を試したい妖怪と女神がいるんだよ?」
『そ、それじゃあ……』
「いいよね、マリス」
「女神様に任せてください。にとり、シナンジュの発進準備。それと弾道ミサイルの用意を」
「もうできてるよ」
『弾道ミサイル? え、ミサイル?』
「ミサイルって乗り物だよね?」
「乗り物だね~」
うん、どこも間違っていない。
「にとりも一緒に行く?」
「あ~私は作る事は好きだけど、戦いは得意じゃないから……」
「実験結果をみられるよ?」
「いや、私が作ったのってあんまりないしね……」
「じゃあ、アリスだけ行ってくるね」
「データの収集だけよろしく~」
「了解だよ」
さて、にとりはここで研究を続けるみたい。MAの復元とかやってるし、お土産を持ってきたらいいか。
「ミサイルのデータってこれでいい?」
「うん、ありがとう」
「じゃあ、さっそく取り付けようか」
「は~い」
数十分後。滑走路を開き、電磁カタパルトに弾道ミサイルを配置。そこにシナンジュを配置し、ナデシコにでてくるブラックサレナのように装甲板を配置。先端が円錐状になっているので、空気抵抗を可能な限り減らしていく。
準備ができたのでコクピットに乗り込む。ノーマルスーツとかは当然、着ないよ。それと現在のシナンジュは副座式で、後ろにはルクスが搭乗している。アリスのハロ代わりだね。
管制塔にはにとりが居て、改造しながらオペレーターをしてくれる。
『発進準備完了。いつでもいいよ』
「うん。アリス・グリモワール、ルクス。シナンジュ、出ます!」
『いってらっしゃい』
『皆を頼みます!』
ビスケットからも通信が送られてきた。それを笑顔で答えてからスイッチを押して発進する。電磁誘導によって高速で空へと打ち上げられ、ある程度上がってからミサイルを点火させて高速で移動していく。
「ルクス、目的地への軌道計算はできてる?」
「……完了。命令を……」
「目標、エドモントンにあるギャラルホルン駐屯地。派手な人形劇をしましょう。アリスと踊ってくれる?」
「……了、承……マスターの望、むま、まに……」
超高速移動をしながら、目的地であるエドモントンにあるギャラルホルン駐屯地へと着実に近付いている。
◇
「オルガ、どうする? このままじゃ押し込まれるけど」
「予想以上に相手の戦力が多すぎるからな」
二人の依頼人をここまで連れてきたが、ギャラルホルンの連中が本気を出したようで、圧倒的な戦力差がある。モビルスーツも数十機単位で送り込まれてきたらどうしようもない。ましてや空中に浮かぶ戦艦まで出されているのだ。
「オルガ、なんか変だ」
「どうした?」
「バルバトスが……おかしい」
「なに?」
ミカが乗っている機体、バルバトスが空を見上げている。ミカが操作しているのでないとすると、何かがくるのか?
「バルバトスが、警戒している何かが落ちてくるって」
「それが味方ならありがたいが……」
それよりも、ミカまでビスケットのように身体の内側から変なのが出たりしないよな? アイツには、ビスケットをあんなふうにした落とし前をつけさせないといけない。
「オルガ……空から何かきた」
「あ? アレは、赤い光か? 大気圏から降りてきたのか?」
その光は途中で分離すると、破片が空を飛ぶ戦艦に命中していく。更に剥がれた装甲の中からミサイルがギャラルホルンの陣地に接近する。ミサイルは対空迎撃されているが、それを全て回避して陣地へ着弾し、大爆発を起こしていく。
「おいおい、まじかよ」
「オルガ、チャンスかも」
「そうだな。全員、突撃する準備をしろ!」
◇
ダイナミックエントリー! ミサイルを撃ち落とそうと対空迎撃しても無駄なのだよ。なにせ、それはアリスだからね! つまり、アリスミサイル! 中身は単純な水素爆弾。つまり、核兵器である。作ったのはにとりだよ。あ、ちゃんとナノマシンで制御して放射能とかはないようにしてある。
「核兵器禁止条約などアリスは結んでないから合法!」
「……合、法……?」
「うん。合法」
さて、ギャラルホルンが大混乱に陥っているので、アリスもシナンジュで突撃する。
「あ、その前にこれをつけないと」
「仮、面?」
「うん。やっぱりつけないとね」
ただ、フロンタルの仮面はいまいちだから、うたわれるものからハクオロさんみたいな仮面にする。
「じゃあ行くから、サポートよろしくね」
「……イエ、スマスター」
「通信回線を開いて……こちらは人類管理局。これより、義によって鉄火団に助太刀します」
スラスターの出力を上げて加速して一気に突撃する。生き残っている戦艦の横を通りざまにビームアックスで戦艦をぶった切り、もう片方の手でビームライフルを持って遠くの戦艦を撃ち落とす。
相手から沢山の銃弾やミサイルによる弾幕が展開されるけれど、機体を高速で移動させてどんどん撃ち落としていく。
『モビルスーツ隊に対処させ……』
指揮官っぽい相手がいそうな船は優先して落とす。敵が多いので戦艦を盾にしつつ楽しんでいたら、モビルスーツがいっぱいやってきた。相手は船からジャンプしているようで、ちゃんと空中戦はできないと思う。
「まあ、ギャラルホルンのモビルスーツの性能とやらを見せてもらおう」
「もう知っ、ているはず……」
「気にしなくていいよ!」
接近戦を挑まず、的確にコクピットを撃ちぬいて殺していく。エネルギーや推進剤の問題はあるけれど、こちらとら動力炉は河童の超技術で作られている。でも、やっぱり核融合炉とかその辺りも使った方がいいかもしれない。
「しかし、ほとんどが近接戦闘武器じゃ、アリスのシナンジュには勝てないか」
アリスちゃんは近接戦闘とか苦手なので、遠距離から一方的に虐殺しているのです。それとエネルギーを回収するために戦艦に突撃して動力炉を貫き、ナノマシンによる浸食と融合を持ってエネルギーを奪って補給したりもしている。
爆散する戦艦を蹴りながらスラスターを使って加速し、殺して壊して殺して壊していく。地上は降り注ぐ破片などで大変な事になっているけれど、仕方のない事だよね。
『速い! 速すぎる!』
『赤い光が襲ってくる!』
相手の攻撃はルクスが予測して弾道線を見せてくれるので、回避もらくちん。そろそろ機体性能で遊ぶのは止めて、次の行動に入る。
「行け、ファンネル!」
「ふぁん、ねる射、出」
シナンジュに取り付けられたある場所から複数のモンスターボールが放たれ、沢山のメタグロス達がでてくる。その子達にはアタッチメントが装備されており、ナノマシンの装甲などが設置されていて破壊光線などで虐殺していく。
空の殲滅が終われば地上に降りる。地上からも攻撃が飛んでくるけれど、回避しながら戦車を踏みつぶして様々な武器を試していく。中には撃ったら壊れるような物もあったので、それはデータを取ったら分解して別の物に変える。
「マスター、接近する機、体を確認」
「また敵なのかな?」
「ガンダ、ム」
「へぇ」
やってきたのはバルバトスだった。その手にはコーネリアとマカナイを乗せている。バルバトスはアリスを警戒して武器を構えてくるけれど、すぐに横にずれて道を譲る。
「通、信来てる」
「出して」
『……あ、アンタは……まあいいや。通してくれるの?』
「アリスは宣言した通り、今は鉄火団の味方です」
『今は、か』
「今回はビスケットさんの意思により、鉄火団を助けにきました」
『ビスケットの……もしかして、死んでない?』
「いいえ、死にました。ですが、甦らせる事は可能ですので」
『本当?』
「はい。まあ、それをするかはまだわかりませんが、前向きに検討しております」
『そっか。嘘はついてないみたいだし、いいか。今は時間もないし、行かせてもらう』
「どうぞどうぞ」
バルバトスがシナンジュの横を通り抜けようとした瞬間、ペンチみたいな武器を振るってくる。ルクスが反応して即座に下がりながらスラスターを使ってバルバトスを蹴り飛ばす。
「ミカヅキさん?」
『ごめん。なんかバルバトスが言う事を聞かない』
「あ~なるほどです。理由はわかりましたが、掌にいる人達は大丈夫ですか?」
『平気みたい。それで襲おうとしているけど、どうしよう』
「ふむ。ならば止めましょう」
即座に動かしてバルバトスへと接近する。バルバトスも攻撃しようとしてくるけれど、その前にペンチを掴み、もう片方の手で腕を掴んで引き千切る。
『ぐっ……痛い……』
「少し我慢してくださいね」
引き千切った部分からナノマシンを注入してバルバトスのシステムにアクセス。管理AIとしての力も使って制御下に置き、ついでにミカヅキさんの身体へも侵入。阿頼耶識システムへと接続し、ミカヅキさんの体内に残っているナノマシンを掌握してアップデート。改造を施して海賊版から正規品へと作り直す。
『あれ、痛くなくなった』
「バルバトスの修復を始めますが……邪魔者が来ましたね」
『アイツか』
「私が相手をしますので行ってください。バルバトス、送り届けるように」
『あ、今度は言う事を聞いた』
追ってきた一基のボス。クランク大尉が大好きなアイン君。彼の相手をするためにバルバトスは先に行かせ、立ちふさがる。
「マス、ター相手、人、形?」
「そうだよ。まあ人が操る人形には変わりない……ある意味では意思を持つ人形かもね」
正直、この人を助ける理由ってないんだよね。復讐鬼なだけだけど、そのクランクさんが殺されたのは一騎討ちの結果なわけで、互いに了承してやったことだし。クランクさんは助けられたら助けてもいいけどね。
「やっぱり、殺さないで適当に倒しちゃおう」
「了、解。戦闘、開始」
『邪魔をするなぁぁぁぁぁっ!』
浮き上がりながらスラスターを使って後ろに下がりつつ、ビームライフルにグレネードランチャーを装備させて放つ。
相手はしゃがみ込んで避け、そのまま低い体勢で突撃してくるので盾は切る。この盾は縁がビームサーベルと同じシステムを搭載しているので切れるのですよ。
頭を切断し、盾を返す勢いで裏側を使って殴打して吹き飛ばす。相手は阿頼耶識だけど、こちらは全身がナノマシンによる集合体。演算能力が違うのだよ。
『うぉおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!』
剣をコクピット目掛けて刺してくるけれど、スラスターを使って横に移動しつつ首のなくなった場所を掴んで地面に叩き付けて埋め込む。
「マスター、警告」
「んにゃ?」
不思議に思ってると、道の奥からランスを持って突撃してくるガンダムフレーム。
「え、なんで?」
『アインから離れろぉおぉぉぉぉっ!』
相手はボードウィン家のお坊ちゃん。とりあえず、機体をルクスが動かして淀みない動作でウエポンラックからバズーカを取り出してビームライフルに接続。そして撃った。
巨大のビームに彼は巻き込まれ──る前に飛び上がって回避した。でも、動かせるんだよねー。厳密に言えばバズーカじゃないし。
上にずらして下半身を焼き払い、胴体になった所でふと思う。このまま復讐仮面になられるのも困るけれど、殺すのもあれだ。あの人妻幼女が悲しむ。どうしようかな、どうしようかな。このまま放置してラスタル・エリオンとかに確保されるよりは連れていった方が安全か。マクギリスにみつかれば殺されるだろうし。
「そこのパイロットさん、聞こえますか? 投降すれば命は取りません。武装を解除しなさい」
『その場合、アインはどうなる……』
「そうですね。彼も捕虜として扱いましょう。貴方次第です。投降しない場合、処分します」
『……わかった……投降する……』
さて、お坊ちゃんを掴んで機体を放置し、アインの方は持って帰る。その辺に落ちて炎上している戦艦や機体にナノマシンを打ち込んでミサイルに変えてから分体を作成。本体はシナンジュにミサイルを取り付けて捕虜二名を入れて本拠地である島へと向かう。
分体ちゃんはこのままここに残り、残骸の回収や救助活動を行うようにお願いしておく。選挙がどうなるかも確認したいしね。
分体ちゃんで残骸をナノマシンで分解して吸収し、壊れた街を修復する素材へと変えていく。エイハブ・リアクターとか動力はかなり美味しいです。壊れていても使えるし関係ない。
「さて、肝心の議会は……」
延期だった。それはそうだよね! 街の至る所に戦艦やMSが落ちていて、炎上までしているのに議会なんて開いてられない。近所にキノコ雲まででたら……うん、延期されるのは当然。
アリスはやりすぎたのでした。ちゃんちゃん。
ミサイルは乗り物。
条約は結ばれていないのでクリーンな核兵器を使用しても問題なし(ありまくり
落ちた戦艦やMSを使って無料で街の修復というなのお片付けをするアリスちゃんは良い子(?)
住民はドンパチやっているので、皆さんシェルターに避難積みなので被害なし。ギャラルホルンは損耗率7割。やったね!
マクギリスは援護に来ても他のギャラルホルンに防がれておられて出番がなし。
アインは……本当にどうしよう?
ルート選択
-
1.鉄火団と共に火星まで進む。
-
2.鉄火団と敵対して暴れる。
-
3.とりあえず、ギャラルホルンに殴り込む