唐突に思い付いたネタを衝動的に書きました。公開はしていない。たぶん続かない。

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ワンチャンしたらチートだった件

緑谷出久の代わりに、女オリ主が出ます。

たぶん、単発。

『亜人』の佐藤さんにインスピレーションを受けました。

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

人は、生まれながらに平等ではない。

 

4歳にして、私。不死身 ひいろが思い知った現実だ。

 

 

"個性"というものが発現してから、世界は大きく変わった。

 

あるものは、空を飛び。あるものは、姿を変え。あるものは、手のひらから氷を操る。

 

そんな、マンガやアニメみたいな世界に。本当にマンガやアニメみたいな存在も現れ始めた。

 

"個性"を悪用し犯罪をおこす【敵《ヴィラン》】。そして、その敵を同じく"個性"を使って捕まえる【ヒーロー】。

 

敵を捕まえ、脚光を浴びるその姿はまさに皆の憧れであった。私は、その中でも【オールマイト】というヒーローが大好きだ。

 

髪は金、身長は200cmを超え、常に笑顔を絶やさない筋肉モリモリマッチョマンのNo.1ヒーローだ。

 

私は、その笑顔とどんな困難にも立ち向かい人々を救うその姿に憧れた。

 

彼みたいになりたいとは思わなかったが、彼のようなヒーローにはなりたい。と、私は思っていた。でも。

 

 

 

 

「――諦めた方が良いね。彼女は、"無個性"だ」

 

 

 

認めたくない現実が、私を貫いた。

お父さんやお母さんは、私を抱き締めて泣きながら謝罪していた。

幼稚園の友達は皆。私の事を馬鹿にして虐めた。

 

 

「ひいろの奴、ムコセーなんだぜ!ダッセー!!」

 

 

そう言うのは、私の幼馴染。"かっちゃん"こと【爆豪 勝己(ばくごう かつき)】だ。

かっちゃんは、《爆発》という、非常に強力で派手な個性を持った人気者で、頭も良く運動神経も良い。色々な才能に恵まれた男の子だ。

 

 

「・・・ぐすっ。ひどいよかっちゃん」

 

 

「ちかよるな!ムコセーが移る!!」

 

 

家は隣同士で、両親同士も仲が良いのだが、その子供は仲が良いどころか、いじめっ子といじめられっ子の関係になってしまっていた。

それでも、彼のそばをついてまわるのは。私が完全に孤立し一人ぼっちになると必ずかっちゃんがやって来て、私にちょっかいをかけてくるからだ。

 

実際、近寄るなと言いつつもチラチラと私の方を振り返り、私が立ち止まっていると。

 

「ぼさっとしてんじゃねーよ!ノロマ!!」

 

そう言って、私の手を握り乱暴に引っ張る。

そして、いつも遊んでいる―――私からだと、いつも虐めてくる―――子達が見えてくると、ぶんっと私の手を振り払いその子達に駆け寄る。

 

虐めるけど、決して私を一人にしないかっちゃんは、苦手だけど嫌いではなかった。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

時が流れ。私とかっちゃんは中学生となった。

私とかっちゃんの関係は変わらなかった。

昔のように手を引っ張って連れ回す様な事はしなくなったが。

 

それでも、学校へ行くときには必ず二人で通学している。会話は全くせずむしろ、私が一方的に話してかっちゃんがたまに返事をする程度。

 

そんな、私達を見て。回りは、"夫婦"、"カップル"、"ご主人と奴隷"等と言うがそれが聞こえる度にかっちゃんは個性を使って黙らせる。

 

 

「騒がしいぞー。席につけー」

 

 

担任の先生が入ってきてHRが始まる。

 

「えー、お前らも三年ということで!!!本格的に、将来を考えていく時期だ!!今から進路希望のプリントを配るが・・・。だいたい、ヒーロー科志望だよね~」

 

先生がそう言うと、クラスの皆が"個性"は発現して返事をした。私は"無個性"なので、小さく手を挙げるだけに済ませる。

 

「先生!!!皆とか一緒くたにすんなよ!」

 

そう叫んだのはかっちゃんだ。

周りの皆が文句を言うが全く異にも介さない。

 

「あー、確か爆豪は『雄英高』志望だったな」

 

先生の言葉にクラスの皆が驚愕する。

それもそのはず、雄英高校とは、最も人気で最も難しい。倍率300を超える名門高校だ。

私が好きなヒーロー【オールマイト】の母校でもある。

 

成る程、かっちゃんの夢である『オールマイトを超えるトップヒーローになり、高額納税者ランキングに名を刻む』事を目指すならば当然だ。――――でも。

 

「そういえば、不死身も雄英志望だったな」

 

その言葉に、教室は騒然となる。

 

「いやいや!勉強できるだけじゃヒーロー科は受からねぇぞ!!」

 

「志望まで一緒とかさすが夫婦!」

 

「そこまで、幼馴染と離れるのが嫌なのか・・・」

 

「うるせぇぞ!!!モブ共ォ!!!!」

 

かっちゃんが掌を爆発させて、教室は静まりかえる。

 

「ヒイロォ!!テメェどういうつもりだ!!"無個性"のお前がなんで俺と同じヒーロー科を受けてェンだよ!!」

 

「どうもこうも、ヒーローになるのは私の小さい頃からの夢だよ」

 

かっちゃんは、私を睨み付けそういった。私は、その視線を気にせずに自分の気持ちをぶつける。

 

「・・・それに、かっちゃんが傷付く姿を見たくない」

 

そう言うと、クラスメイト達から黄色い歓声が上がった。

 

「ヒューーーーーー!!!!愛されてるな!爆豪!」

 

「いや、もはやこれプロポーズじゃね??」

 

「これ!ヤバい!これ下手な少女漫画よりドキドキする!!」

 

かっちゃんは、俯いてぷるぷると震えていた。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

放課後。私は、かっちゃんに呼び出されて屋上に来ていた。

 

「なに?話って」

 

「テメェが、ヒーロー科受けるって話だよ。"さっき"の、本気なのかよ」

 

かっちゃんは、どこか不機嫌そうにそう言った。

 

「さっきの??」

 

「俺が傷付くのを見たくないってヤツだボケッ!!!!」

 

「ああ」

 

成る程、かっちゃんはプライドが高いから守られる事とか助けられる事とかが大嫌いなのだ。

恐らく、私の言ったことが気にさわったのだろう。

 

「本気だよ、だってかっちゃん絶対どんな状況でも逃げたりしないでしょ?」

 

「当たり前だ!!クソ敵から逃げてたらNo.1ヒーローになんぞなれんわ!!」

 

「だからだよ。かっちゃんを"止められるのは私だけ"。だから、私もヒーロー科に―――」

 

「――――ふざけんな」

 

その言葉に私は、思わず息をのんだ。

かっちゃんは、今まで見たことのない怒りが篭った目で私を見ていた。

動悸がする、嫌な汗が全身から溢れ出す。

 

「・・・テメェは、俺の保護者かよ。ふざけたこと抜かしてんじゃねぇよ」

 

「ふざけて・・・なんかない・・・よ。私は、本気で」

 

「じゃあ、なんだ?俺が危険な目にあったらお前が身代わりになって死ぬのか??・・・ふざけんな」

 

なぜか、かっちゃんとの距離が離れていく様な気がする。嫌な予感がする。胸騒ぎがする。

 

「ひいろ、お前。雄英受けるな」

 

「ッ!!!!なんで!!」

 

「現実を見ろや、"無個性"のお前がヒーローになんてなれるわけがねぇ」

 

「そ、そんなのやってみなくちゃ」

 

「何が、やってみなくちゃだ!記念受験か?!テメェに何ができるんだ!!」

 

そう言われて、私は何も言えなくなる。

胸をぎゅっと握り締める。過呼吸のように息が上がる。

 

嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!!

何か言え!言うんだ!でないと私は!私は!

 

 

 

 

 

 

"一人"になる!!

 

 

 

 

 

 

かっちゃんがいたから私は一人じゃなかった。

 

かっちゃんがいたから私は寂しくなかった。

 

かっちゃんがいたから私は耐えられた。

 

かっちゃんがいたから私は生きてこれた。

 

かっちゃんがいたから私は頑張れた。

 

かっちゃんがいたから私は自分自身を好きになれた。

 

"かっちゃんがいるから、私は存在できるんだ"。

 

 

 

"個性"が当たり前となった世界で、"個性"が無いのは存在する価値もないからだ。生きる価値もないからだ。

 

社会の、いや、世界の役立たず。

 

それが、この世界の現実だ。

 

それに耐えられるのは、よほどの狂人か、その事を全く気に求めない愚者だけだ。

 

私は無理だ。私はできない。

 

そんなの絶対耐えられない。

 

"かっちゃんが私を見ていてくれたおかげで私と言う存在に価値が産まれたんだ"。

 

そんな彼に、突き放されたら。もう私――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

"生きる価値がないじゃないか!!"

 

 

 

 

 

 

 

「・・・かっちゃんは、私が無個性だからヒーロー科に行くことを否定するんだね??」

 

「・・・??あ、ああ。そうだよ。たく、ようやくわかったか」

 

「・・・そう、ねぇかっちゃん?」

 

「なんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来世でも、幼馴染になれると良いな」

 

「・・・は?」

 

そう言うと私は、勢い良く走り出した。何かかっちゃんが叫んでいるが気にしない。

私は、柵を踏み越え勢い良く―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「状況はどうなってますか?」

 

「は!敵は複数の人質を取って立て籠っています!何人か警察やヒーローが突入しましたが全員返り討ちにされました!」

 

警察の方に状況を聞くとあまり良い状況とは言えないようだ。

 

警察やヒーローが返り討ちに会うとはなかなかに強力な"個性"の持ち主らしい。

 

「"リヴァイヴ"どうしますか??」

 

サイドキック達が指示を仰ぐ。

 

「私が行きます。助けはいりません」

 

「なっ?!一人で無茶ですよ!!」

 

警察は驚いて止めようとするが、私は大丈夫といって一人で建物の中へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、また死に損ないが突入してきたぜ??」

 

「お?なかなかの美人じゃねぇか!」

 

「良いねぇ、俺の"麻酔針"で眠らせて楽しむとするかぁ!!」

 

「「「「賛成ッ!!!!」」」」

 

建物に入ると、銃で武装した強盗と腕が注射器とマシンガンを組み合わせた様な形をした敵と両手がハンマーの様な形をした敵がいた。

 

その足元には、注射器が無数に刺さったヒーローや叩き潰された警察の姿があった。

 

「ヴィランネーム、【シリンジガン】と【ハンマーフィスト】。成る程、並みのヒーローなら返り討ちに会うのもわかります」

 

ふむふむと頷きながら言うと、腕が注射器の【シリンジガン】が腕を構えた。

 

パシュッ、という音と共に私の腕に注射器が刺さった。

 

「アフリカ象でも数秒で爆睡する麻酔針だ!!なぁに、安心しなぁ~おめぇは可愛いから殺さずに楽しむからよぉ~~~」

 

ゲラゲラと嗤うシリンジガンを気にもとめず私は、腰の鞘から引き抜いたマチェットで注射器の刺さった腕を"切り落とした"。

 

「・・・は?イッテェ!!!???」

 

ぽかんとした、シリンジガンの足に左の太股に取り付けたホルスターから拳銃を取り出し発砲する。

周りにいた強盗団にも発砲する。

弾丸は、強盗団の持っていた銃と肩、あるいは足に命中する。

 

「この、クソアマァァァァァァ!!!!!」

 

シリンジガンは、両手を構え我武者羅に撃ち始めた。

素早いステップでそれを避けつつ拳銃で反撃するが、その、圧倒的な弾幕の前についに数本の針が体に突き刺さった。

 

「勝ったッ!!!!眠れぇ!!」

 

シリンジガンが叫ぶと同時に、私は"拳銃を顎に突き付け引き金を引いた"。

 

辺りに血を撒き散らしながら私は倒れた。

 

 

 

「はぁ、はぁ。なんだよこいつ。自殺しやがったぞ」

 

「一体何を考えてやがんだ??」

 

「つーか、お前!!何ぼさっとしてるんだよ戦えよ!!」

 

「いや、すぐに終わると思ってたのと躊躇わず腕切ってたからビビってた」

 

「ビビってんじゃねーよ!!デカイ図体して!」

 

「いやいや、ビビるだろう??腕切り落としたら・・・あれ?」

 

シリンジガンに怒鳴られた両手がハンマーの様な敵は、あることに気がついた。

先程自決した、彼女の腕、確か右腕。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが、"何事もなかったかのように彼女の体についていた"。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、彼女は上体を起こして近くにあったアサルトライフルを手にした。

 

 

「ッ!!!!来るぞ!!!」

 

「いっくよ~~~♪」

 

アサルトライフルが火を吹き、シリンジガンの腕が弾けた。

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「テメェェェェ!!!!」

 

ハンマーフィストが激昂して、その腕を振り下ろす。早い。避けきれずにそのまま私は叩き潰された。

 

「ああ~~くそ。殺しちまった。せっかくの美人だったのに」

 

グチャグチャのミンチになったそれを見てハンマーフィストが愚痴を言った。

 

「おい、シリンジ!大丈夫か??・・・シリンジ??」

 

腕を破壊されたシリンジガンの方を振り替えると、なぜかシリンジガンは顔を青ざめさせて震えていた。

 

「・・・あいたた。やっぱり圧死はキツイですね」

 

「ッ!!!!????」

 

驚いて振り返るとそこには、"叩き潰された筈のヒーロー"がそこにいた。

 

「なっ、なんだよお前!!なんで死なねぇんだ!!!!」

 

「死にませんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の"個性"は《不死》ですから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

爆音と銃声が鳴り響くこと数分。

 

建物の中から一人の人物が出てきた。

 

白、いや、銀色のショートボブに雪の様に白い肌。銀灰色の瞳の小柄な少女だ。

 

白い軍服の様なコスチュームには様々な口径の拳銃やソードオフショットガン、マチェットやサバイバルナイフ等が取り付けられていた。

 

そして、それらが全て紅く染まっていた。

 

 

 

「いや~~~、疲れたねぇ~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の名は【不死身ヒーロー リヴァイヴ】。

 

本名を、不死身 ひいろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

"個性"―――《不死》。

 

 

 

 

 

 

 

 


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