チトとユーリ、二人の少女の終わりの見えない旅は遂に終わりを迎える。



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最近執筆中の小説を見返したら投稿し忘れていたこの作品を見つけたので、これを機に投稿しておきます。

あとがきはあえてそのままにしてあります。矛盾しててごめんなさい。


終わりと始め

「ここが....頂上、なのか?」

 

「きっとそうだよ。だって、上には何もないし。」

 

 私たちの旅の相棒、ケッテンクラートの寿命が尽きて。

 貴重で大切だったがただ重い荷物になってしまった本を燃やして。

 雪の降り積もる坂道を歩いて歩いて、歩き続けて。

 

 ランタンの燃料が切れて暗く寒くなった手を結んで。

 互いの姿が見えなくなっても、ひたすら長い階段を登っていく。

 足が痛くなり、疲れ果てて、感覚がなくなっていく。

 喋れるほどの気力もなくなり、そこにはただ靴の音が響いている。

 

 思えば私たちはなにもかも失っていった。

 

 旅の相棒も食料も本も日記も銃も光もなにもかも。

 

 こうしているうちにも聞こえる靴の音は、目の前の暗闇に消えていく。

 

(これが生きるということなのだろうか....)

 

 今まで出会った出来事を振り返りながら考える。

 

(全ては暗闇の中から出てきて暗闇の中に還っていくみたいに....)

 

 時々ユーの手が震える。

 その手を少し強めに握ると、また握り返してくる。

 

(大丈夫....大丈夫だよ、ちーちゃん。)

 

(わかってるよ.......)

 

 私たちは言葉にしなくても心で通じ合っている。

 

 まるで一つの生き物になってしまったみたいだ。

 

 しかし、もし初めからそうであったのならば、こうして触れ合っている世界が、全てのものが、私たちそのもののようにも感じる。

 

 

------

 

 

「.......。」

 

「.......。」

 

 そこには、何もなかった。

 

 建物も壁もなく、ましては人の影や形も食料だってない。

 

 あるものといえば、ただただ広い空間に積もる雪だけだった。

 

 本当に何もない、広く寂しい空間を二人は呆然と眺める。

 

 期待していた訳ではなかったが、散々雪道を歩き続け、階段を登り続けた私たちの体は既に限界だったのだ。

 

 疲労がたまり眠ることさえ難しくなった。

 

 今では声を出すことさえ、この疲れ切った身体できなかった。

 

 既に食料も底をつき、燃料もコンロの分しか残っていない。

 

 今から戻って食料や燃料を探しても数日が関の山だろう。

 

「....みて、ちーちゃん。真ん中の方に何かある。いってみない?」

 

「ああ....行こうか。」

 

 今まで休んでいたおかげか、割とマシな声が出せていた。

 

 ....

 

 中央に行くと目の前には巨大な石碑のような暮石のようなものがあった。

 

 何と書いてあるのかはわからないが、それそれ以外何もない空間では温かみのある存在感を放っている。

 

「誰かのお墓かな?」

 

「....こんなところにか?」

 

「ほら。ここって一番上だし、見晴らしが良いからじゃん。それに空もこんなに近いから天国も近いんじゃないかな?」

 

「おい、テキトーだな。」

 

 しばらくして、巨大な石の周囲をみてから石を背にして荷物と腰を下ろす。

 

 それを待っていましたと言わんばかりの勢いで隣に詰めて座ってくる。

 

 全体重、とまでは行かないがそれなりに重心を傾けているのか、正直重い。

 

「思い出すね〜」

 

「なにが?」

 

「ほら〜チーちゃんが”あの穴に入ってみよう”とか言って、数日間暗闇の中迷子になった時のこと」

 

「それを言ったのはユー、お前な」

 

「....チーちゃんじゃなかったっけ?」

 

「お前だよ。....記憶をすり替えるな」

 

 たわいのない話が続くもやがては途切れる。

 

「晴れててよかったね」

 

「そうだな。月も星もよく見える」

 

 二人の目線の先には一点の曇りもない星空といつもとは比べ物にならないくらい大きい月。

 

「ふぁぁ〜」

 

「ユー?」

 

 終わりの見えない旅の終着点にたどり着いたのだ。

 

 自然と体から力が抜けてユーに全てを預ける。

 

「疲れたね」

 

「私もー」

 

「....少し眠ろうか?」

 

「そーだね。眠ろうか」

 

 そんな会話をした後、緩みきった体に力を入れユーの腕を力強く握る。

 

 きっと同じことを考えていたのだろう。

 

 ユーも回していた腕にぎゅっと力を入れて来た。

 

(あぁ.....最近、いい夢は見てなかったけど.......今日はいい夢を見れそうだな)

 

 瞼も落ちてきて眩しい月もユーも見えなくなってしまっている。

 

 でも恐怖はない。

 

 隣のユーの体と体温を感じていれば.......

 

 ......

 

 

 

 

 

 

 

 

 .....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ..

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 .

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おい!成功だ....が成功し...だぞ!』

 

 

 

 

 

『.......に.....どこの世界線からだ?直..に装.....番諸々洗いざらい調べ尽くせ!.....んだと!?人口二人だと!?ふざけるなぁ!調べ直せ、ったくどこの世紀末だぁ!』

 

 

 

 

 

『親方!そそそ装置の近くに二人の女の子がぁ!生きてはいますけどこのままじゃっ!?』

 

 

 

 

 

 

『っ急いでポットに突っ込め!....それとどさくさに紛れて親方って呼んでんじゃねー!』

 

 

 

 

『これって半装軌車じゃねぇか?なんでこんなところに....?』




祝・アニメ化!
どこまで進むのか楽しみですね♪





___________

どっかに全42話読み直せるサイトないかなぁ〜(2019/4/4現在)

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