新・問題児と人の神が異世界から来るそうデスヨ   作:行くよ!!!!

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リメイク始めました。

復活目指して、頑張ります。

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第一章【二度目の邂逅】
プロローグ


 

  少年は雨に打たれながら呆然と立ち尽くす。

 空は影が指したように暗く、晴れる気配はない。

 衣服を伝う雫は、彼の体温を静寂に奪っていく。だがもはや彼にとって体温など無いに等しかった。現実が遠のき、感覚など既に感じてはいないのだ。

 ────いやもう指の感覚さえわからない。

 視界すらも雨粒で良好とは全く言えない.........目の前の景色が、幻であればいいのにと何かを呪うほどにブレブレだった。

 しかしふと我に帰れば、不思議なことに景色(げんじつ)はくっきりと映し出されるのだ───────受け入れたくないものほどに。

 ここには緑がよく映えた“森林”があった。大きく立派な“教会”も、豪華な“屋敷”もあった。日本ではない異国の、辺境な土地。

 つい先日まで普通の日常が続いていたはず。なのに目の前は自分の“絶望”しかなかった。

 たったの記憶の一瞬の出来事だった。大地が焼き焦げたような匂いが充満し、ジメジメした空気が頬を撫でていく。

 文明が滅んだような、灰塵の地、地獄とはまさにこのことだろう、か。

 

 そしてその土地の、焼跡が特別残っている廃墟の中心には───────自分が初めて恋をした少女が倒れていた。

 

 ウサ耳が特徴的で、赤く透き通っていた長い髪は泥にまみれ .........とにかく彼女はボロボロだった。仰向けのままボロボロの姿で雨に打たれていた。何よりいまだ雨が降り続けているのにも関わらず、彼女の体は黒い煉獄の炎に包まれたまま焼かれていた。

 彼女の目はもう色を失いかけている。まるで世界に絶望し、生を捨て、 何かも諦めたような、生命力が消えた瞳だった。

 でもどこか満足げそうに、小さく口角だけはあげていた。

 

「...............なぜだ」

 

  少年は眼前の光景を前に、そう呟くことしかできなかった。

 なぜ、笑っている。なぜ、こうなった。

 こんな絶望が待っていた世界に(自分)は存在する意味があったのだろうか。

 数分間、この雨が降り止むまで彼は呆然と意味のない事を問い続けていたのだった。

 

#

 

 

 朝六時、少年は“夢”から目を覚ました。

 “高校生”の一人部屋にしては殺風景、何もない病室といい勝負な部屋にあるベッドから体を起こし、周りの様子を隅々までチェックすると呟く。冬が近づいてきたせいで、肌寒いなーと思いながら。

「......ふぅ、よかった.......何も壊れてないか」

 部屋の無事を確認したあと、少年はベッドから降り、フローリングの床をペタペタ歩く。

 寝巻きを床に脱ぎ捨て、そこからあまり目立たない服装を選ぶ。

 今は冬の季節でもあるから重ね着をすることにした。紺のズボン、白の長袖Tシャツ、青の長袖ワイシャツ、サイコロ模様の靴下。

 壁に立てかけてあった一本の刀を少し見つめ、ちいさく微笑むと腰にさした。

 そして最後に、遠くから見たら黒に見える紺の長コートを羽織り、コートの右寄りボタンを一番上と一番下を除いた三つのボタンを閉める。

 

「よし、いいな、地味の方が隠れやすい」

 

 あらかた昨日準備しておいた荷物、これまた地味な黒のリュックを背負い、部屋を出る。

 部屋を出ると、下に行く階段が見え、昔ながらの木の階段を降りていく。すると、降りてすぐ目の前に無駄に広い玄関がある。

 玄関には靴は一つ。

 自分の父と母は異国の地で戦っている。戦っているというのは、そのままの意味では無い。医者として紛争地域で頑張っているということだ。だからこそ働いている、ではなく戦っていると表現したい気持ちが少年にはあった。

 親は滅多に帰っては来ないが彼に不満は一切無い。なぜなら、少年もまた新しい夢を叶えるために旅立つからだ。

 加えて先祖ぐるみで医者で純粋に人を助け、世俗に知られていない素晴らしき偉人達だ。少年はその人たちを誇りに思っている。

 でも、それではキリがないことは明白、選ばれた“誰か”が世界を変えるしかないのだ。

 スニーカーを履き、そさくさと家の戸を外に開いた。少しだけ視線を後ろに戻すが、すぐに戸をしめ鍵をかけた。

 もふもふした黒髪を掻きながらほんのちょっぴり後悔しながらも意を決して、家に背を向ける。

 だがその時である。

 

「ん?手紙?」

 

 家の前にポストがあるのにこんな雪が降る中、わざわざ家の“扉の前”に、無造作に手紙が置かれていた。

 少し雪に埋れていた手紙を拾い、手で雪をパンパンとはたき落とす。

 

「誰からだ?宛名は書いてないし、直接届けてくれたのか?」

 

 そんなことを疑問に思いながら、赤いバラのシールで止められた封を優しく外し、一枚の紙を取り出す。

 そこに書かれていたのは───────確認しようとしたら、脳内にとても眠気を誘うような声が直接響いてきた。

『はぁー眠い、ぜ、おい、はぁ〜あったく』

 

その脳内の言葉に精神内から声を返す。

 

『やっと起きたか、し』

 

 と言おうとした瞬間、手紙から吹き出した閃光が少年だけを正確に包み込んだ。

 

「うおっ 」

 

 少しの静寂。

 視界から光が晴れていくと同時に“下から”吹きつける暴風に襲われ、少年は咄嗟に目を大きく開ける。

 視界が捉えた世界を、いや太陽の光が降り注ぐ晴天を捉えた。

 世界はそのままの意味で姿を変えていた。

 驚愕に染まる顔の少年の脳内に、先ほどの図太い声が響く。

 

『朝っぱらから自殺する気か〜やめとけ、この高さじゃあフツウに死ねないぜ?』

 

 高度何千メートルから落ちている少年にそう言ってきた。流石にこのまま落ちたら死傷だわ、失笑だけに。つまらん、か。

 と一人突っ込みしながら、先程のボケ?に対して突っ込むか、それとも先に現状を確認するか。

 どちらを選ぶか迷っていた少年は、後者と無視を選ぶことにしたようで結論。

「俺はまさかの、まさかの世界境界を超えるほどの瞬間移動をしたんだぁああああ!!」

『そんなキャラじゃないだろう、お前』

『………………まあな。一度言ってみたかっただけだ、突然、異世界に瞬間移動なんて滅多にないし』

 

 脳内の語り相手は、少年の言葉に飽きれながら

 

『滅多にというよりか、まずねーよ。それにもう状況に対して結論を出し理解するとはな、流石のワシもこの状況は思考を止めちまうか、幻覚か疑うもんだ…………全く利己的なバケモンだな』

 

 少年はその言い分に小さく笑うだけで、後は世界を見渡すことに専念していた。

 何かが始まる予感を感じる。

 この世界で何ができるのか、そんなことは思考する必要はあるまい。少なくとも今だけはこの高揚感を味わっていたい。

 

 

 

 なぜなら何処に行こうとも、自分の生き方は“変えられない”のだから。

 

 

 

 

 

 





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