新・問題児と人の神が異世界から来るそうデスヨ   作:行くよ!!!!

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エピローグ2&オリ主ステータス

 魔王とのゲーム終幕より五日後の昼過ぎ。

 一足先に亜音は女性店員に連れられて、東の下層に戻って来ていた。

 その前日に色々と女性店員に付き合わされたという話はまた後日ということで。とりあえず、二人は東七桁〝サウザンドアイズ〞支店を訪れ、白夜叉が待つ和室へと向かったのだが、

 

「イヤぁああああああアアアアアアア!!マジヤメロコノクソ駄神がぁ!死ねッ!!」

「げへへへへへ、いいぃぃ!!いいぞ!このロリっぷり!私に新たな英知(※真理を捉えることのできる最高の認識能力の意)をみいだしてくれるぞぉおおい!」

「何が英知だ、マジで呪い殺すぞ!この変態ロリこんジジイめッーーーー ひゃっあ?!」

「さあ、その未知なる頂とピーを共に.........ふふふ」

「こ、この化け物……ぉ、」

 

 和室が混沌としていた。

 ペストは桜色の着物服を着せられており、白夜叉が下卑な笑みでお代官の真似事をしているようだ。

 亜音は眼前の光景に、口を引きつらせながらも女性店員に視線を送ると女性店員はいつの間にか、手でモザイクを作り、見て見ぬ振りをし ていた。いつでもビシッとしている彼女でも、主人の痴情には止める手よりも思わず目を逸らしたくなるようだ。

 そして、白夜叉はキラーんと目を獰猛に光らせると強引にペストの帯を釣り上げる!

 

「フッ、必殺、仕事人☆」

「い.........っやぁあああああああああああ」

 

 ペストは宙でクルクル回り、亜音と女性店員の目下に転がりこむ。

 押さえの消えた着物は少しの動きだけで、防御力を失っていくようにスルスルはだけていき、慎ましやかな胸の谷間と、艶のある白くて熱を帯びる肩の健康肌を露出させる。さらに視線を下へ誘導させると見事な曲線美の太ももと艶やかなふくらはぎが花魁の如く異性を誘惑していた。

 何よりペストの顔が紅潮して、涙目に服を両手でたくし上げて押さえている姿は、とても扇情的である。しかし亜音は、その様子を見てもただただ苦笑し、それほどまでに今の状況は普通から逸脱していた。なぜなら彼女は本来ならここに居てはいけない死人のはずだから、それを証明するように今の少年は治療を受けずして病からしっかり解放されている。

 

(これが、箱庭、か)

 

 亜音は天井を見上げてそう己を納得させた。ペストの姿を、生きているという事実に原因不明な拒否反応を示す己を。

 白夜叉はおっほー!!とはしゃいだ所で、ようやく苦笑している亜音と目を手で伏せる女性店員に気が付いた。

 

「おー、ようやく来たようだの、亜音!「え、」すまんな私ばかり楽しんでしまって」

 

 ペストは白夜叉のセリフに体全体をビクらせて反応し、カクカク震えながら亜音と女性店員に振り返った。

 その際、亜音とペストの視線が交わってしまった。なので、亜音は苦笑いを浮かべ、とりあえず“腫れ物を触らないように”手を小さく振った。なるべく穏便に。

 

「こ、こんにちは、ペストさん?」

「あ、あ……のん………どうして……?」

 

 上目遣い、涙目、紅潮した頬、フルフル震える肩。

 そんなペストを見て亜音はどう助け舟を出そうか、演算を繰り返していたのだが、遅かった。

 

「いただきます─────とう!!」

 

 白夜叉はヨダレをタラタラ垂らしながら勢いよくペストにダイビ ング!!ペストは視界一杯の変態の顔を見て、絶望するしかなかった。

 なにせあちらは日輪を背負いし変体神士、弱点属性には部が悪すぎた。

 

「…………ぁ、あ、ああッ!?いゃ」

 

 ペストは嫌とも言えずに、最後の叫びを上げる。

 そして、二人は盛大に横転して、幼女の百合を咲かせていく。

 その直後、亜音の視界に見えてはいけないーーーーー胸の山頂が、 見事に映ってしまった。

 ペストは仰向けの状態で自身の胸から亜音に視線を移す。視線の先の少年は女性店員と同じように片手で目を伏せ、モザイク声で呟く。

 

「オレハ・ナニモ・ミテハ・イマセン」

「ぅ……………嘘をつけええええええ!!」

 

 ペストから部屋を軋ませるほどの殺気が溢れ始める。

 亜音と女性店員は当然のように避難した。その途端、和室から黒い風の激流が外へと爆発し、白夜叉の言語化?不可能な叫び声が東区画に響き渡るのだった。

 

「............あちゃぁ」

 

 部屋に二人が戻ってみれば、ペストは元々の白黒ワンピースを着込んでふんぞり返っており、白夜叉はというと・・・・和室の、置物などが置いてある壁に並ぶように顔から突き刺さっていた。時折、体がビクついてついてるので無事のようである。

 女性店員は仕方なく億劫な表情を浮かべながらも、白夜叉をそこから抜き取るのだった。

 

 

 

######

 

 

 

 ようやくカオスさが消えた和室。

 ゲンコツを作った駄神様こと白夜叉は、カッコ悪くとも堂々と和室の上座に座っていた。その姿には亜音もある意味で感服する。

 相変わらずの無愛想なペストはというと、避難した亜音の横で今だに殺気立たせていた。

 せっかくの再会なのだが、見事にその感動な未来は駄神によってぶち壊されたようである。

 白夜叉は鼻にティッシュを詰め、アホ面のまま扇子を仰ぎ、話し始める。

 

「ふがぁ、話しづらいがまぁよいわ。サンドラと黒ウサギより話は聞いておる。なので、おんしを呼んだのだ」

「あ、ありがとうございます」(台無しだけどね………)

「フン………余計なことを」

「…………」

 

 女性店員が何故かペストに視線を送り、ペストもそれに合わせて視線を交わす。

 微妙に空気が重い、重くなっていく。白夜叉はやれやれと、扇子を煽るばかりで知らんぷり。

 その状況が理解出来ない亜音はうーん、と苦笑いを浮かべて、白夜叉に視線を移した。

 

「魔王の話は聞きました、それでペストさんはどこに隷属するのですか?」

「っ!」

 

 ペストは少し微妙な表情を浮かべ、白夜叉の言葉を静かに待った。

 亜音はその様子を横目で確認し、視線を白夜叉に戻す。

 白夜叉は少し間を置き、扇子を閉じて口を開いた。

 

「本来であれば階層支配者である“サラマンドラ”、……という所だが、今回の功績とジン=ラッセルのギフトを考えれば、おそらくおんしらに隷属することになる。だが、それは色々とまた手続きが必要だ。確定もしておらんから、他の者には内密にしておいてくれ」

「まだわからない………ということですか」

「…………まぁ、私は何処でも構わないけど」

 

 白夜叉の微妙な発言にペストはふん、と一蹴するものの、明らかに先程までの元気がない。

 話の内容からして、何処の奴隷になるかの話である、わーい嬉しい、元気はつらつ!…………ってなってる方が異常だろう。ましてや一度“死んでいる”のだ。こうして振る舞えているだけでも彼女の過去の深淵が垣間みえる。死ぬよりも、奴隷になるよりも、………地獄だったはずだ。

 けれど、その地獄を乗り越えて今彼女は、革命家として此処に在るのだ。死んだことも、奴隷になることも、辛いこと。でもきっと彼女はそれに耐えているのではない、でなければただ元気がないだけで済むはずがないのだ。

 だとすれば、彼女の元気がない理由は、やはり…………“彼ら”のことだろう、か。

 

「白夜叉様、一つ聞いてもいいですか?」

「ん、なんだ?」

 

 亜音はペストを横目で見ながら、

 

「魔王のゲームシステム、ではクリア条件を全て満たした時、隷属という形で復活する。これの意味する所は立体交差並行の理論を中和するためのものだと自分は思っています。」

「「え?」」

 

「ほー、おんしはおもしろい事を考えるのぉ。ふむ、それで?」

 

 亜音は一息つきながら瞬きをした────その瞬間だった。

 部屋の光が掻き消え、ペストと女性店員は床に手をついて倒れ込みかけていた。

 

「ぁ……………がぁ………」(息が……………あ、あの……んさ……ん)

「くっ………………!?」(……本物の……………化け物……っ!)

 

 ペストはある程度、この暗い闇を支配する大気の圧に慣れてきて、なんとか顔を上げた時、すぐに後悔した。

 少年の瞳は暗闇の中でもはっきり見えるほどに美しくも、禍々しく輪廻を描いていた。這いつくばる少女はそこから放たれている圧の行く末を、さらに恐る恐る追ってしまった。後悔することはわかっていた。見てしまっては“二度”と“復讐”を考えられなくなってしまうと分かっていても、自然な摂理に則るように、スーとこの部屋の主へと吸い込まれてしまった。

 一瞬映り込んだ黄金の瞳を塗りつぶすように、目の前を満月の地表が落ちてきた。その錯覚は一瞬にして掻き消え、月の裏側より迸るは銀色に迸る極光。それもまた一瞬で掻き消え、また猛禽類のような瞳を映し出した。

 そんな異常事態な空気の中で、池に投じる小石の如き、問いかけをする最強の階層支配者。

 

「何をそんなに怒っておる?…………“ノーネーム”の榊原亜音?」

 

 最強の証のごとく余裕のある態度で、亜音の大気を支配する殺気をも呑み込んでいる白夜叉。

 しかし亜音は、それでも殺気を収めることはしなかった。

 たとえ此処で白夜叉と一騎討ちをすることになったとしても。

 

「このシステムから滲んでくる嫌らしさに反吐が出るからですよ、“白夜王”」

 

 少年は上座に座ったまま動かない白夜叉の所に、静かに近づいていく。

 だが、そのたびに輪廻を描く瞳に映る月の影が反比例して大きくなっていく。

 鼻の先に満月の地表があるかのようになった時、少年は足を不意に止めた。────これ以上近づけば物理的に潰すということだろう。

 扇子を煽り、涼む白夜叉は少し少年から視線を外し、夜の空に耽る。

 

「嫌らしさ、か」

「ようは、完全理解を得た後、“脂肪分”を取り除いた天災の利権をコントロールし、二度手間を省く。中途半端な踏破であった場合は、また“やり直させればいい”、────命でお手玉するのもいい加減にしたらどうですか?」

「そう言いながらおんしも中々に酷い言い方をする、脂肪分とはのー。………しかし先に言っておく、私にはそこまでの権限はない、だからそろそろその殺気を引っ込めい」

 

 ちらっと視線でペストと女性店員を一瞥した白夜叉に続くように亜音も二人を見て、その瞳を閉じた。

 その時から、すぐに部屋の明かりが戻る。

 二人はいきなり軽くなった肩に手を添え、息を整えるように荒い呼吸を繰り返す。

 そんな二人に亜音はゆっくり近づき、肩に添えてる二人の手に手を重ねた。

 

「すみません、やりすぎました………本当にす」

 

 すみませんを言い切る前に、乾いた音が2回鳴り響いた。

 その様子に白夜叉は少し苦笑いを浮かべて、嘆息をこぼした。

 亜音は少し赤くなった両側の頰のうち利き手側の頬をさすり、そんな少年を二人は涙目で睨みつけ、

 

「死にたいのですか、貴方は!!」

「死ぬ気なの!?亜音は!!」

 

 二人の怒号が和室に轟き、そこからの説教に亜音は正座していることしか出来なかった。

 だが少し嬉しかったのは、二人とも自分の身を一番に考えて怒っていたからだ。

 と思っていたら、

 

「「じゃあ次は、────私たちを殺す気ですかッ!!」」

「……………ははは、まじ………ですか、」

 

「おおマジです!」

「おおまじよ!」

 

 メラメラと怒りの炎を迸らせる彼女達に少年は完全に敗北するのだった。

 

「お、おーいおんしら、私を空気にするのもいい加減に………………少し寝るか」

 

 白夜叉は二人に仁王立ちされて説教を受ける亜音の様を見て、諦めていた。

 

 

 

#####

 

 

「白夜叉様、早とちりでご迷惑をお掛けし申し訳ございませんでした」

 

 棒読みで謝罪する亜音に、白夜叉ははぁーとため息をこぼす。

 

「おんし謝る気ゼロか、」

「いやー白夜叉様にとってあんなの扇子の風みたいなものですからねー、逆に涼しくなったのなら感謝してください」

 

 満遍の笑みで嫌味をいう亜音。

 よっぽどふたりの説教でストレスを溜め込んだのだろう、が、自業自得のくせにその矛先をさらに他所へ当てるとは。

 

「前から思ってはおったが、あの三人よりもいい性格しておるよ、おんしは」

「ありがたき、お言葉です」

「そういう所だ。まぁよいわ、………で、気はすんだか?いや、解は得たか?と聞いた方が良いか」

 

 亜音は横で静かにしている二人のうち、ペストを見る。

 臍を曲げたように視線を逸らす彼女に、まいったなと頭を掻く。

 

「そー………ですね、とりあえずは」(駄神様に聞くことが間違いだったか)

 

(違いネェぜ、亜音。これ以上の問答は馬鹿と脳筋が感染るからやめときな)

 

 そこへ内側の蚩尤よりジョークが飛んできて、ぷっとふきだす亜音。

 ピキッと白夜叉は、扇子を閉じ、

 

「“おんしら”、今私を笑ったか?」

 

  今は時間を置くべきだろうと亜音は判断し、気を取り直す。

 

「わかりました。子供達が心配なので、俺はこれで失礼します」

「何がわかりました、だ。……………ん?本当にもう帰るのか?」

 

 白夜叉は視線をペストに移して、亜音に問う。

 亜音はそれに対して軽くうなづき、静かに立ち上がって女性店員が見送りについて行こうとする。だがその時、亜音のスウェットの裾をペストの手が小さく掴んでいた。

 

「…………ペスト?」

「まだ説教は終わってないわ」

「あ、うん、また今度話をしにくるから、ね?だから今日はもう」

 

 しかしペストは顔を俯かせたまま、裾を離そうとしない。

 女性店員はしょうがないですね、と動こうとしたが、白夜叉が小さく待て、と静止させる。

 少しの沈黙の後、重い口を動かしたのはペストだった。

 

「違う、違うわ“亜音”。貴方は……………怒っていないの?」

 

 亜音は無表情にペストを見下ろしていたが、優しい声音で問い返す。

 

「怒るって何に対して?」

「化け物うさぎ達から聞いたでしょ?私は最後まで自分のために魔王として…………」

 

 そう、彼女は亜音の誘いも、説得も、闘いも無視した。

 結局、あの神群の戰乙女の言う通り、魔王として殉じた。

 あの戦いで、仲間は傷つき、サラマンドラからは死者も出た。決して軽んじていい戦いではない。

 “戦争”は結果が全てだ。結果を重んじらなればもっと多くの死者を出すだけなのだ。

 だがそれでも、戦いの果てに“願い”を拾い上げてはいけないという決まりはない、たとえそれが敵の願いだったとしても。

 

 

「……………それは違う」

 

 

「………え?」

 

 ペストは突然の、ハッキリとした否定の言葉に、条件反射で亜音を見上げた。

 亜音は無表情から一転して、暖かな笑みを浮かべる。

 

「俺は言った筈だよ 。君は“誰か”のために戦える優しい女の子だって」

「っ!」

 

 ペストの目が大きく見開かれ、驚きの表情と共に頬に熱を帯させていた。

 亜音はそのまま言葉を続けていく。

 

「ヴェーザーとラッテン………主思いの………素晴らしい仲間だったろうな」

 

 ペストは顔を俯かせて、亜音のスウェットの裾から手を離した。

 亜音はその様子に満足そうでありながらもどこか切なそうな笑みを浮かべ、最後の言葉を残す。

 

「全部分かってるから、怒ってなんかないよ……………………それじゃあ、また」

「…………うん」

 

 亜音はまだ話していたい気持ちをグッと抑えて、女性店員と共に和室の部屋を後にするのだった。

 和室に残ったペストと白夜叉は、重苦しい空気を放っていた。

 だが、白夜叉はそんな中でも小さく微笑み、ペストに呟く。

 

「よかったの、ペスト」

「だま、れ…………駄神………ぅ、」

 

 ペストは体育座りで顔を隠し、小さく嗚咽を漏らしていた。

 今、ペストの中で渦巻いている感情は、嬉しい気持ちと悲哀だった。

 嬉しい気持ちは、亜音が自分の事を本当に理解してくれていた事に対して。悲哀は話に出た自身の配下たち、その者達の最期を思い出すだけで胸が張り裂けそうになる。後悔の念が溢れかえり、涙が止まらない。亜音の事を考えても、余計に涙が溢れ出てきた。

 白夜叉はそんなペストを生暖かな視線を送り、優しく見守るのだった。

 

 

#####

 

 

 夕方頃、黒ウサギ達より一足先に本拠へ帰った亜音は、子供達に元気よく出迎えられた。

 魔王の事、どんなギフトゲームをしたのかなど、数えきれない質問攻めに遭った亜音だったが、子供の扱いは慣れているのか、一時間ほどで百人を越える子供達の要望を応え、静かに部屋で休んでいた。

 しかし、部屋に居ても休むことはできなかった。

 

『羨ましいなーおい。金髪の巨乳と熱いキスをしまくるなんてよ 』

『……………しつこいぞ、蚩尤。それに、俺にはそんな記憶は一欠片もない』

 

 亜音は嘆息を零しながら内なる者、蚩尤に返事を返す。

 今、亜音が言ったとおり金髪の巨乳、ブリュンヒルデとキスした記憶は亜音にはない。

 だが、その状況を内側から蚩尤が見ていたのだ。そして、亜音は蚩尤からブリュンヒルデのことを聞いていた。そのおかげで助かったのだとも亜音はすぐに悟った。

 とりあえず亜音は〝蚩尤〞を無視しつつ、ジャージに着替えていつもの日常へと戻るように、別館前でトレーニングを開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

#######

 

 

 

 

 

 

 

 オリ主ステータス

 

《榊原亜音》

【箱庭に来る一年前の測定結果。】

身長、十六夜や飛鳥達より頭一つ出ている

体重、不明。

半年前の体脂肪率、8.0%

 

【ギフトカード】

・〝榊原亜音〞

・〝六道仙人の徒〞

・〝蚩尤〞

・〝雷帝・鬼丸〞

 

 ミドルロングのもふもふな黒髪。

 当初は地味な服装だったが、北の魔王襲来の一件から服装は派手になった。

『明るい赤の薄手のパーカーと白のTシャツ、薄手で迷彩服のような、灰色や白、緑と黒など主に四色が混ざったスウェットを膝小僧が隠れるぐらいまでたくし上げてシワを作り、着ていた。さらに靴も軽くて丈夫な黒と白の靴に変えていた』

 

 〝六道〞と呼ばれる試練をクリアした人間を祖先に持つ榊原家、その子孫である。

 榊原家は先代からずっと医者であり、ある人は最先端を走り、またある人は紛争地域に行って治療したり、ボランティア活動していた、言わば影の偉人である。

 誰一人として力を誇示せず、人から脱線せず、純粋に人助けをしてきた家系。

 祖先が〝人の神〞でもその才能をそのまま引き継げるわけではなく、先代は『六道仙人の徒』という霊格の恩恵以外、六道の世界の力を授かる個数が少なかった。その名の通り最大〝六つ〞だが、一つも貰えない者も最初の頃の先代にはいたようである。それに過去歴史、〝六つ〞すべて手に入れた者はいないとされている。しかし、それは此処にきて覆された。榊原亜音は善因善果の効果で、唯一〝六つ〞 の力を手に入れた。

 ちなみに『六道仙人の徒』の区分に六道の力は入っている。

 亜音の両親は共に海外で医者として働いており、実質一人暮らし。

 小学生になるまでは母親は居たが、小学生に上がると物心もつき、力の使い方、隠し方、それらを認識したのを確認した母親はすぐに職場である海外に戻った。 一年に一回戻ってくるか来ないかの両親だったので、毎日、独学で 生活してきた。 榊原家は代々、医者をしてきた。なので、自分も医者になり、両親 と同じように紛争地域で働こうと思っていた。 そのためにあらゆる国の言語、文化、歴史、医療を小学生の頃から 学んでいき、同時進行で武術と剣術も磨いてきた。恩恵のおかげも あって、飲み込みも早かった。 そして、その成果が中学二年の冬休みに証明された。初の、しかも 麻酔なしの手術を成功させたのだ。 子供の頃からより多くのことを理解し、成し遂げてきたせいか、年 を詐欺しているのではないかと疑われるくらい頭が良く、人をよく見ていた。 紛争地域でもコミュニケーションが上手で、その国のルールや文化 様式にもしっかりと順応していた。 恩恵は、空を飛び、炎を操り、武器を作り、黒い霧を操り、天武の 才覚、幻を見抜く輪廻眼、鬼神の身体能力がある。そして、天雷を宿 した刀を所持している。

 〝蚩尤〞の力には炎を生成し、操る力がある。

 だが、亜音は〝蚩尤〞をその身に宿す前に、何度か炎を操っている。

 明らかになっている使用経歴は、初めて人間を殺した時である。そ の人間達の首を落とした後、骨も残さず火葬した。つまり、他にも炎に関する力を所持していることだ。

 そして、『六道仙人の徒』の精神には霊的存在の救済世界が存在する。

 現在、ニュンペーや獏、フォレス・ガロに殺された一部の子供達が外と変わりない生活を、蚩尤の管理下の元、暮らしている。

 そして、その身に宿している霊体達に変化することも可能で、死んでいる者達の場合は数分しかその姿を保てない。意識の交代には制限はない。

 大体わかっている情報は以上。詳しくは本編を見て確認してください。ここに全部は乗っていないです。

 

 

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