青年は、ロンの兄弟槍を片手に黄金の杯で酒を飲む 作:儀田 佳宗
時代遅れの前書きは削除しますた。
········夢を見た。
まず、自身の体に雷が落ちた。
痛みは一切無いが、体の隅々にその雷が迸り体中に小さな穴を開けた。
そこから、黄金の光が俺の中に入ってくる。
入ってきた光は、体中に開けられた穴を通り·····体を循環して行く。
それはまるで、陽だまりの中に落ちたかのように暖かく、そして美しかった。
すると、体の中にだんだんと活力が湧いたきた·····と思ったら、体全体が書き換えられていくような感覚を覚えた。
隅々まで至った黄金の光が循環している場所から染みだし、内蔵から骨に至るまでそれが染み込んでいく感覚。
そして、ついには光は溢れ出し、
溢れ出した光は繭のように俺を包み込んだ。
その中はただ暖かく、安らぎを与えた·······
『ねぇ◻️◻️?人間は凄いのよ!!!』
────酷く、懐かしさを感じる声を聞いた────
─────────────────────────
「ふぁ〜。よく寝たわ〜。」
1日寝たら流石に体も軽いわ〜。
·····あれ、軽すぎね?
まぁ、いっかぁ〜、多分昨日走り回り過ぎて相当疲労が溜まってたんだろうな。
「ん〜、顔でも洗うか。」
そう言って立ち上がり、川の方へと行く。
「あ、布団どうしよ。」
立ち上がったのはいいが、この森の中に布団なんて明らかに不自然だ。
てか、なんで布団にしたんだっけ?アウトドア用の寝袋の方が良かったんじゃね?
なんか寝返り打つたんびに草が入ってきてすげーチクチクしたし·····
·····今度からは寝袋にしよ。
「ん〜、でも布団どうしよ·····あ、」
こんな時の聖杯じゃなイカ‼(Theダメ人間‼)
「おっしゃ!」
掛け声とともに聖杯を体から出そうとする。
すると、俺の胸がほわっと輝いて······
「·········え?」
っとぉ······これ大丈夫?
明らかにやばそうだけど·······
「·······布団を魔力に還元して。」
そう願った途端、布団は消え······そして聖杯も
···················
「ウ゛ェ!!!!????」
ちょ、ちょっと待てぇぇぇぇ!
割れた聖杯はバラバラになったまま俺の胸の中に吸い込まれた。
え!?待って!これ大丈夫なの!?
すると、体に入ってきた途端·····なんとなくだが、聖杯の現状が分かった。
「······魔力不足か····」
っぶねぇ!初期の内からこれ無くしたらハードモードまっしぐらだぞ!
良かったぁ、とりあえず無くなりはしなかった。
まぁ、魔力不足ということはまた魔力を再充填すれば········
···········あれ?
魔力ってどうやって補充するんだっけ·····
うわぁぁぁぁぁ!!!!!!
お先真っ暗だァァァァァァァ!!!!!!!
ヤバいって!これ無いと俺生きていけないよォ!(薬物乱用者みたいなこと言うな)
ん?
何か違和感が·····
·····魔力が少し少し増えてる!?
うぇ!?なんで!?魔力ナンデ!?
······これ、自然に空気中の魔力を吸い込んでるのかなぁ·····
あ、なんかそんな感じっぽい。
んー?それと···これはどっからか分からんが、他にも魔力供給源が、あるような···
まぁ、どっちにしても···
良かったァァァ!
なんか、水族館の巨大水槽に1滴ずつ水が入っていく感じしか感じられないけど、少しずつだが増えてる····
·····なーんか微妙だなぁ〜
それにしてもなんで聖杯のことが分かるようになったんだ?
·····わからん。
とりあえず、顔洗うか。
そう言って川へと向かう。
「······えーっと·····誰?」
たどり着いた川で顔を洗うため川を覗き込んだ俺の視界に映ったのは、
····というか、俺だった。
えーっと、何これ?一体全体何がどうなったらこうなるの?
てか、金髪金目になってかっこよくはなったけど·····
····もともと日本人特有の平たい顔にこの色って
·······おっそろしく似合わねぇな‼
てかまじでどうしてこうなったよ!
······まぁ、思いつくのは1つしかないが。
多分これも聖杯だろう。
どこぞのワカメみたいに聖杯の器として体をより強固なものに作り替えたのだろう。
んで、その際に別に急ぐ必要はないし聖杯の汚染も無いから原型を留めたまま肉体を改造して聖杯の状況も汲めるようになったのだろう。
····それにしても、もっとなんか他に無かったもんかね?
まぁいいや、とりあえず今日は日記にそって旅に出よう。
「あ〜、でも腹減ったなぁ····」
···そう言えば、今は聖杯と繋がっているからわかるけど、俺ってホント馬鹿なことしかしねぇなぁ···
普通に考えたら第3魔法なんて規格外なもの使ってるんだから、1の作業で済むものを、わざわざその手間を惜しんで何億倍のエネルギーを使ってようやく1の事をしてるんだから
·······無駄すぎ‼
「しゃーない、水で腹をたぷんたぷんにするか」
とりあえず空腹は水で紛らわせる。
ごキュッ!ごキュッ!ごキュッ!
·····うっ、歩く度にお腹の中の水が揺れて気持ち悪っ!
「うっ······ふぅ。さてと、日記では·····お?」
早速地図を見ようと日記を取り上げるが、その時にまだ見れていなかった日記の最後のページに挟まっていた何かが落ちてきた。
「ん?なんだこりゃ?·····手紙か····『親愛なる我が王と父に捧ぐ』?」
えっと····これは俺が見ても大丈夫な奴だろうか?
封に入れられている訳でもなく、ただ折りたたまれた紙だから、開けば見れるのだが·····。
「ま、気になるんだし、是非もないよネ★」
····何度でも言おう。この男、ア(ry
そして、内容を見て·······すぐさま泣いてしまった。
「うっ、ぅぅぅぅう·····泣かせてくれるじゃねえか·····」
そこには、本と同じように血と火によって焦げた黒い部分のせいで読めないところも多々あったが、だいたいこう書かれていた
まず初めに王への謝罪が書かれていた。
『誠に申し訳ございません、王よ。先に旅立つことをお許しください。あなたの命に逆らい、この聖杯を届けられなかったことを心より謝罪致します。』と。
そこから、王に対するこれまでの感謝やこの旅で感じたことなどが全て書かれていた。
そして、最後の辺りは父であるランスロット卿に当てられた文面があった。
『最後に、我が父ランスロット卿へ。あなたは知らないでしょうが、息子である私が、先に旅立つことをどうかお許し下さい。私の産まれ方はどうであれ、私は卿の息子であることに誇りを持っています。どうかこの先、同じ過ちを繰り返さないでください。そしてどうか、幸せになって下さい。』
そう、締めくくられていた。
「うっ、ぅぅぅぅ!おもばずないじまっだじゃねぇがよォ!(訳思わず泣いちまったじゃねえかよォ!)」
·······三度言おう。この男(ry
まぁ、これは単に感受性が強いだけだが。
「うぅぅ·····ズズッ!·····これは、絶対に届けてやらねぇとな!」
旅に、第1の目標が出来た。
「俺は絶対!アーサー王に会うぞぉぉぉぉおお!!!!!」
天を仰ぎながら、彼は決意を口にした。
───ゔっ!
「ヴェェェェェェェエエエエエ!!!!」
びちゃっ!びちゃびちゃびちゃっ!!!
──────なんとも閉まらない旅立ちである···
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