青年は、ロンの兄弟槍を片手に黄金の杯で酒を飲む 作:儀田 佳宗
···そして、現実は夢とはならない····
という訳で、Die★爆★Cを終えた作者です。
なぜ、沖田にしか使わなかったのか···なぜ、ヒロインオルタにも使わなかったのか····未だに謎です。(自分のことだろうが!)
皆さんは、あれにつられては行けませんよ!
単発乱数調整教なんて、夢のまた夢だったんだ!!!!
そうだろッ!!!!
雄太:そうだー!!!!
オルトリア:知らん。貴様の運の問題だ。それよりも、今度はこのスペシャルビッグチーズマ○クバーガーをよこせ。(もきゅもきゅ)
·····はい·····
第6話 第1村人はトラブルと共に····
「い〜やっほぉぉぉおい!!!!!!」
森の中に男の声が響き渡る。
その声とともに、一陣の風が通り過ぎ周りの葉を落とす。
この一陣の風となって魔物はびこる危険な森を叫びながら走るバカはもちろん雄太だ。
「まさか、
そう、彼はいわゆる
それによって現在、普通の人の肉眼では視認不可能な程に加速している。
俺は今、一陣の風となっているッ‼‼‼‼
·······何故一般人の彼が魔力という代物を扱えるようになったのか。
それは1時間前に遡る。
─────────────────────────
「·····それにしても、ここに置きっぱなしって言うのは、なんか気が引けるなぁ···」
雄太はギャラハッドの遺体を前に悩んでいた。
出来ることならば、彼の遺体は彼の父であるランスロットの元に届けてやりたい。
だが、この遺体を持っていく方法も無いしもしかしたら俺みたいにこの人の残った鎧なんかを剥いでいく人もいるかもしれない。
「どうしたもんか···ん?」
そう言えばと思い、ギャラハッドの日記のロンギヌスの槍の項目をもう一度見る。
「ん〜、これは出来るのか···?」
そこには、ロンギヌスとロンゴミニアドの説明が書かれていた。
『聖槍ロンゴミニアドと聖槍ロンギヌス、2つの槍は根源を同じくしている。
その根源とはすなわち、《人理の保存》この点は性質が変化してしまったロンギヌスも変わらず持つものだ。
ロンゴミニアドは人の《魂の保存》。そしてロンギヌスは人の《肉体の保存》を役割としている。』
確かに、FGOでも女神ロンゴミニアドから同じことが語られていた。
だが、なるほど。魂の器があるのだから、肉体の器もあって然るべきなのか。
「う〜ん、肉体の保存って事は多分遺体も回収出来ると思うんだけどなぁ···、ロンゴミニアドってどうやって魂の保存とかしてたんだろう?」
あとなんか『槍に選ばれる』とかなんとかあった気がしたけど···
「···とりあえず、槍を向けて···《選定》とかなんとか唱えるのかな···ってうおッ!?」
《選定》と言った瞬間、槍の中間部にある螺旋が綻びて膨らんでいる部分から光が溢れた。
そして、槍の先端の方からどんどんと螺旋が解けていく。
まるで、花開くかのように···
「え!?何このギミック聞いてないんですけど!!!」
そして、槍の中間部まで開くと、そこには虹色に光る玉が入っていた。
「うおっ!まぶしっ!」
そして、その光が遺体を照らすと遺体も虹色に発光しだした。
そして、遺体がだんだんと小さくなっていき、最終的には小さな光の玉となって槍の光に吸い込まれた。
「······何この心霊現象···てかなんで人があんなに小さくなるんだよ!
というかこれどうやって取り出すんだよ!」
なんだ?今度は「出ろ」とでも唱えれば出るのか!?
「とりあえず、出ろッ!!!!!」
···出ました。
入れる時は《選定》で出す時は《出ろ》って···なんか、曖昧だなぁ···
まぁ、出す時はそういう意の言葉を言えば出るんだろう。
入れる時だけ、槍が保存するに相応しいかを選定するのだろう。
「···まぁいい、深く考えたら負けだ。」
そうして、旅の準備を終えた雄太は早速森から出ようと思ったのだが···
「····よく考えたらここがどこかすら分かんねぇ···」
今まで衝撃の出来事が多すぎて全く気ななしていなかったが、俺は今どこにいるかすらわからない。
更に、地図にも現在地を指すマークみたいなものもない。
····どうしよ、詰んでるじゃん。
「やばいな···聖杯は今使い物にならないし、この場所を知る術が全くない···だが、ここにいても何も変わらないし····」
位置を知る手がかりと言えば、太陽となんか昔ちらっと本で読んだ『木の切り口で方位が分かる』というそもそも現在地すら分からない今必要のない知識位だ。
「あーあ、川にどんぶらこ〜どんぶらこ〜と流されて行った先で誰か拾ってくんないかなぁ···」
···川?
「そうだ!川にそって歩けば、村かなにかあるかも知れない!」
確かに、昔は水道管も洗濯機もない時代。
人間が川の近くに集落を作るのは当たり前だろう。
いつも考え無しの彼としてはいい考え方だと賞賛しよう。
·····場所がここではなければ·····
忘れてはならない。
この森は未だ神秘が色濃く残り、危険な魔物がはびこる人外魔境だ。
そんな場所に住んでいる人間など、1人ともいないだろう。
「よーし、出発だっ!」
だが、そんなことお構い無し···というか考え無しに彼は進む。
とりあえず、目先のものに走ってしまう。それが彼なのだ。
なぜなら彼は(ry
─────────────────────────
「それにしても体が軽い。」
今彼は川に沿って相当な速さで走っているが、いつまで経ってもまったく疲れない。
しかも、体全体を駆け巡るように力が溢れて有り余っている。
「外見がこんだけ変わったってことは、内側も相当変わっているのか?」
思い出すのは聖杯を体にぶち込まれたワカメ。
あいつも、俺と同じように聖杯を体に入れられたことによって肉体情報が著しく変化させられていた。
それ以外に変わったことといえば····
「···魔術回路·······か?」
聖杯の力によってシンジには強制的に魔力回路が付与された。
その結果、あの
ということは、俺も聖杯によって魔術回路が付与されたってことか?
「うーん、なんかそれっぽいものは感じられるんだけど···どうやって使うんだ?」
体に巡る力はあまりに違和感があるので、その存在をありありと感じることができる。
アルトリアは《魔力放出》が凄かったが···魔力放出ねぇ···
そうだなぁ···放出って付く位だから、この内側で循環しているものを外側に押し出すようにイメージして···
ボンッ!
·····気づいた時にはお空にぷかぷか····
「···え?ってうわぁぁぁぁぁ!!!!落ちるぅぅぅううううう!!!!!!!」
ドガァァァァァアアアアン!!!
「っぷはぁッ!死ぬかと思った····てか、確実に内蔵潰れてたなこれ···」
推定高度100メートル。
そんな所から落ちて人間が生きていられるわけがない。
しかも、落下地点には半径5メートルちょっとのクレーターが出来ていた。
ロンギヌスの槍が無ければ、普通に体がバラバラになっていてもおかしくない。
「なるほど、単に魔力を出すとこんなふうに爆発するのか····」
─────────────────────────
そうして、足の部分の魔力回路だけを反転させて魔力放出が出来るようになり現在に至る。
だが実際、この方法は酷く非効率的である。
何故ならば、無色の魔力をそのまま出して推進力にしているからだ。
普通、魔術師が推進力を得るために使うのは身体強化の魔術か風の属性の魔法である。
身体強化の魔術は遠坂凛の様に、体を強化して速く動くことができる。
また、
しかし、風の属性は希少なもので青崎家の魔術ともされている。
それに対して、雄太がしているのはただの魔力放出だ。
魔力放出とは本来、魔力をジェット噴射の様にして一時的な推進力を得るものだ。しかも、他の魔術に比べてアホみたいに燃費が悪い。
それがどれだけ無駄なことかと言うと、身体強化を使った時、1の魔力を使うとすると同じ力で魔力放出は50の魔力を使う。
つまり、約50倍無駄なのだ。
そりゃ、面倒な詠唱もなしで一気に魔力を放出するのだからこれくらいの燃費の悪さにも頷けるだろう。
だが、雄太はそれを諸共しない。
それは、聖杯によって作られた魔術回路の多さだ。
単純な魔術回路の数ならば、大英雄をも凌ぐだろう。
それ故に50倍の無駄だろうがなんだろうが力技でねじ伏せているのだ。
これを魔術師が見たならば(ry
そんなこんなで視認不可能な速さで走っている彼だが····
「うーん、人影すらない····」
どんどんと川下に向かって走っているのだが、人っ子一人どころか足跡や切り株などの形跡すら見つからない。
もうそろそろ太陽は天頂を迎えるだろう。
「こりゃ、本格的に野宿も検討するか?」
などと思っていると·····
····ドシンッドシンッドシンッ!!!!!
··········なーんか、どっかで聞いたことある足音が···········
「ブモォォォ!!!!!!!」
ウッソだろお前ッ!!!!!!!!!!!
流石にストーカーキツすぎやだー!!!!!
音のする方を見ると、昨日の奴の体に花が生えた
「ちょっと!!!!しつこすぎるわよぉぉぉおおお!」
·····なーんか、昨日の俺と似たようなこと言ってる緑色のフードを被った少女が走ってきた。
······よし、逃げよ。
「あっ!!!!すいませんッ!!!!!そこのお方、助けてくれませんかァァァ!!!!!」
とりあえず、昨日の奴が怒って追いかけてきたわけではなかった。
後ろから少女の声が聞こえてきたが、お構い無しだ。
全速前進!全速前進!全速前進DA★!!!!
「ちょっ!!逃げんなぁ!!!!!!」
お、女の子が声を荒らげるものではありません!!!!
(怯え)
ガシッ!
「·····え?」
「助けてくれませんか槍の騎士様?(怒り)」
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!
え!?速くね!?この子速くね!!!!
「·······きょ、拒否権は?」
「あら、武器をお持ちでらっしゃる方がか弱い乙女をお助けするのは騎士として当然のことでは
うぎゃぁぁぁぁああああ!!!!!!!とてつもなくお怒りでらっしゃる!!!!!!
しかも地味に拒否権は《ありません》って返してきやがったよ!!
「ブモォォォォォォォォオオオオ!!!!!!!!(怒り)」
こちらもお怒りでいらっしゃるぅぅう!!!!!!!
「何したんだよッ!?」
「知らないっ!花畑の中に入ったらいきなり暴れ狂って出てきたのよッ!!!」
·····それ、絶対縄張りに入られたからお怒りになられたんだろ。
「ええい!クソめんどくせぇ!!!!!」
俺はくるっと身を反転させて化け物に向き直る。
「毎日毎日お前みたいな奴に追いかけ回されんのはごめんなんだよ獣畜生がッ!!!!!牛なら牛らしく食肉にでもなってろッ!!!!!猪でも、食肉になれやぁぁぁ!!!!!」
そう言って、ロンギヌスの槍を構える。
そして、その槍を····
「わ、
······投げることも構えて走り出す事もせず、ファン○ル大先生に頼った。
だってしょうがないじゃん!!いくらチート武器やらチートな肉体手に入れたってあのクソでかい体に自分でどうこうすることなんて怖くて出来ねぇよ!!!!!
だが、そんな雄太の考えとは反対に、掲げたロンギヌスの槍からファンネ····もとい、ロンギヌスの槍の分体が一瞬にして5本ほど出てきた。
槍の数は持ち主の意思か、槍自身で判断できる。
今回は、雄太が恐怖で思考放棄したので槍が自ら適正な本数を分離させ、無駄なく相手を殺す。
「うわッ!なんか出てきた!!!!!」
横で雄太にすがりつく少女からも声が上がる。
そして、分離した槍は空中で魔獣に狙いを定め·····
ヒュッ
·····一瞬の出来事だった。
まず、4本の槍が相手の足の全てを地面に縫いつけた。
次に、動けなくなった魔獣は怒りで雄叫びを上げようとしたが、その瞬間に最後の槍がその頭蓋に突き刺さり叫び声を上げることなく絶命した。
かろうじて、雄太はこの一瞬を理解することが出来た。
だが、はたから見たら一瞬すぎて何が起こったかすら理解できないだろう。
ほら、横の少女もぽけーっとしてる。
「ふぃー、なんとかなったな····って、いつまで掴んでるの?というか君誰?」
「······あ。た、助けていただきありがとうございました騎士様‼このご恩は忘れません!ではお元気で!!」
なんちゅー手のひら返しからの逃走。
いっそ惚れ惚れするわ。
「ちょっとまてぃ。」
ガシッ
「·····ですよねぇー·····」
少女はこちらに苦笑いを浮かべながら振り返った。
「とりあえず、君は誤解しているかもしれないが、俺は騎士様じゃない。旅人みたいなもんだ。だから、へんな敬語使わなくていいぞ。」
「そ、そう···というか、騎士様じゃないのにあの魔獣を倒すなんてあなた凄いわね!!じゃ、お元気で!!!!!」
いやー、照れ·······
「だからちょっと待て。」
「なによぉ!!もうお礼言ったんだからいいじゃない!!私は急がなくちゃいけないの!!!!!それとも何?あなたまさか私の体でお礼を·····ってそんなこと考えてたのこのド変態ッ!!!!!」
「だからちょっと落ち着けッ!!!!!俺は一言もそんなこと言ってないし思ってもいない!!!!変な濡れ衣を着せるな!!!!!」
「····証拠は?」
「お前みたいなお子ちゃ「フンッ!!」イテテテテッ!!!こらっ!!!!脇腹をつねるなこの野郎ッ!!!!!」
「いきなり人をお子ちゃま呼ばわりする人には当然の報いよ。····まぁ、遺憾だけどあなたが私に対して変な欲情をしてないことは分かったわ。」
「そうかい、そりゃあ良かった。ところで、君の住んでる場所まで案内して欲しいんだけど···」
「え?や、やっぱり私の体目当てなのねこの変態!!!」
「だから違うって!!!!今日泊まる場所がないから紹介してくれないかってこと!!!」
「え?あぁ、そういうこと。それなら、私の村に来たら食料は自分でどうにかしなくちゃだけど、泊まるだけなら場所はあるわよ。」
「そうか···案内してくれないか?それと、俺の名前は········」
ここで、言い淀む。
俺の名前は明らかにブリテンには相応しくない名前だろう。発音なんかも全然違うし。
そうすると、いつもゲームで使ってるあっちでいいか。
「····俺の名前はガレウスだ。」
この名前は、俺がかっこいいと思った円卓の騎士達の名前を重ねて作ったゲームネームだ。
「いいわよ!よろしくねガレウス!私の名前はリンネイルよ。気軽にリンって呼んでいいわ。」
緑色のフードを取ったそこには、どっかの赤色の悪魔さんの色違いさんがいた。
これが、はた迷惑な第一村人との会合であった。
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