青年は、ロンの兄弟槍を片手に黄金の杯で酒を飲む 作:儀田 佳宗
1話1万文字は地味に初めてですし、この前言った通り、ケータイも変えたんですが、このケータイで文字を打ち込むと、誤作動が多く、Androidと勝手も違うため、誤字や設定違いがあるかもしれません。
その場合は、報告をお願いします。
「・・・そう言えば、その妹さん以外にも誰かいるのか?」
村に入ったあと、脇道に入って人目に入らないようにと前を歩くリンに尋ねる。
「いえ。おじいさんがいたけど、その人も私たちに自分の畑を残して2年前に亡くなったわ。今いるのは、私と病気の妹だけよ。」
その年で大人がいない環境でよく生きられるな。とは言えなかった。
その環境に慣れなければ、彼女らが生き残ることは出来ないのだろうから・・・
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「ただいまー、ブロウ、大丈夫?」
俺達は、村へ入ると直ぐに村の東端の家屋へ入った。
俺は、そのリンの妹が怖がらないように少し後ろを歩く。
中には、簡素ながらも清潔なベッドに頭に冷やすためのタオルのような物を付けて横たわった一人の少女がいた。
少女が、扉開けた音に反応しこちらに顔を向ける。
その顔は、少々やつれていて、髪も短髪になっており、目の色や髪の色などもリンの色そのままだったが・・・
・・・Fate/zeroの桜にそっくりだった。
・・・いや、なんでやッ!?
まぁね!?リンの妹は桜であって然るべきなんだけどね!?
ここまで一緒とか・・・もう訳わからんわ・・・
なんなのさ!?遠坂家はブリテン生まれの魔術師だったのかえ!?
「・・・あ、姉さ・・コホッ!ケホッ!・・・おかえり・・なさ・・・ゲホッ!ケホッ!・・・」
ブロウと呼ばれた少女は姉を迎えるためにその体にムチを打って起き上がろうとする。
「ブ、ブロウ!!無理して起き上がらなくても大丈夫よ・・・」
それを見たリンはすぐにブロウをゆっくりと寝かせる。
「ゲホッ!・・ごめんなさい・・姉さん・・・まだ、体がだるくて・・・動けそうも・・・」
「そう・・・でも、大丈夫よブロウ!!今日は凄いの持って来たんだから!」
ブロウは、その言葉を聞いて表情を驚かせた。
「持ってきたって・・・姉さ・・・ゲホッ!!・・・ん、また・・・森に入ったんですかッ!?」
「あ、あはは・・・」
どうやら、リンが森に入ったことを酷く心配しているようだ。
「なんでまた入ったんですかッ!!この前だってあんなに酷い怪我をして帰ってきたのにッ!!姉さんがいなくなったら・・・私・・・・っ!ゲホッ!ゲホッ!!」
「ご、ごめんなさいブロウ・・・少し落ち着いて・・・・でも、私は大丈夫だから・・・こ、今回は、凄い助っ人もいたんだし!!」
「助っ人?・・・それは一体・・・」
リンは、俺にチョイチョイっと手を振ってこっちに来るように合図した。
「え・・・えっとぉ・・・ご紹介に預かりました、助っ人です・・・。」
ちょっともじもじとしながらそう言った。
・・・俺ェ!?もっとなんか言うことあるだるぉぉ!?何萎縮しちまってんだよ!?
「え・・・あなたは・・・?」
「こらガレウス!あなた自己紹介くらいちゃんとしなさいよ!なんでそんな緊張してるのよ!!」
いや、ほんとなんでだよッ!?リンの時は全然気にしなかったくせに、すげぇ緊張してるし!
・・・あ、よく考えたら俺、この1年間くらいずっとへこへこしてて、他人とまともな会話した事ねぇわ(白目)
リンは勢いで喋ってたけど、歳下にも腰が低くなりそうになるって、どんだけだよ・・・
「はぁ・・・まぁブロウが可愛いのは分かるけど、そんなに緊張しなくてもいいのに・・・てか、なんで私の時はそんな反応しなかったのよ?まさか、魅力なかったとか!?」
「いや、リンも十分可愛いぞ?」
「そ、そう・・・ありがとう・・・(/// 」
「胸ないけ「 フンっ!!」グファッ!!」
「一言多いのよ!まだ子供なんだから胸なんてあるわけないでしょッ!!これからもっと大きくなるのよっ!!」
グブォ・・・俺の・・・ゴールデン・・・が・・・ガクッ
「・・・ふふっ・・・姉さんと仲がいいんですね、助っ人さん?」
すると、さっきまで戸惑いと困惑の表情を浮かべていたブロウがこちらを向いて笑みを浮かべていた。
「ばっ!そ、そんなわけないでしょ!?私とこいつが仲良いだなんて・・・」
「はいはい、姉さん・・・ずっと私に付きっきりだったし、村では変な子扱いで、友達いなかったから、仲良くしてあげて下さいね?・・・えっと・・・ガレウスさん?」
「え・・・あ、はい。旅の者で、ガレウスと言います・・・。」
「そんなに畏まらなくても・・・ゲホッ!・・・いいですよ。」
「あ・・・はい・・・じゃなくて・・・よ、よろしくな?ブロウ?で良かったっけ?」
そう聞きながらリンの方を向く。
「・・・この子の名前はブロウディアよ。ブロウでもディアでも、好きに呼べば?」
素っ気なく返すリンの顔には、何か面白くなさそうなものを見たような表情が浮かんでいた。
「?なんでそんなに拗ねてんだ?」
「別に!!拗ねてなんかないし!!」
またフシャーッ!!っと擬音が付きそうな表情で睨まれた。
照れたり怒ったり、忙しい奴だな。
その後、ブロウに自身の事情を話して俺がここに一晩泊めてもらうことを理解してもらった。
下手に反対されなくてほんとによかった。
「・・・そうだリン、さっさとあの黄金草とかいう胡散臭い草で薬作ろうぜ?」
「胡散臭いって何よ!?・・・まぁ、その前にブロウの体を拭かせて。ずっとベッドに入ってて汗をかいてるし、この子もこのままじゃ気持ち悪いでしょ?」
「そうか。・・・え?体を拭く?」
え?それって服脱ぐよね・・・
「そうよ?なんでそんなうろたえて・・・え・・・?」
途端に、怒りで熱を帯びていたリンの目が汚物を見るような目に変わった。
「嘘でしょ・・・ガレウスあなた、こんな年端もいかない女の子の体に欲じょ・・・」
「ワァーッ!!!!ワァーッワァーッ!!そ、それ以上は言うなリンッ!!変な誤解を招くぞッ!?俺が好きなのは一人しかおらんのじゃい!!!んな幼い体見せられたって、別になんとも!!」
「じゃあ良いじゃない。わざわざ外に出なくても大丈夫よ?今のあなた、この辺じゃ珍しい格好してるから、下手に見られると周りの人に変な誤解を招くわ。」
表情を変えて、部屋の隅にでも座ってなさい、と言ってリンはタオルを取る。
リンは頭のタオルを取って、自分の手を置く。
「・・・うん。熱はだいぶ下がって来たわね。」
「あ・・・姉さんの手、冷たくて気持ちいい・・・」
・・・・・・
じゃあ体を拭くわよ、と言って1度布団から体を起こし来ていた白い着物のようなドレスのような服を脱がせる。
そこにあらわになったのは恐ろしいまでに白い肌だった。
そして、お腹の辺りが少しむくんでいて、反対に胸の部分は胸骨が見えるほどガリガリだった。
・・・皮膚蒼白、浮腫、発育不良、脱力感・・・・・
俺は、仕事のために買った本の中で世界問題について取り上げられていた本を思い出した。
世界には今何が必要か。それを見極めるために買った本だが、この症状はその本で見たことがあった。
確か・・・・
「・・・・栄養失調症」
ボソリとそう呟いた。
そうだ。アフリカや中南米の子供たちが、これと全く同じ症状になっていた。
村の環境を見るに、近くの森には魔物がうじゃうじゃ。ということは農作物を育てるしか方法がなく、されど満足に農作物を育てることが出来ずに食物が一切手に入らないのだろう。
なるほど、発熱や咳は栄養失調による免疫低下によって引き起こされたものか。
「はい、終わったわよ。」
「ありがとうございます・・・姉さん・・・少し楽になりました・・・。」
にこりと力なく微笑むブロウだが、実際気分はどんどん悪くなっているだろう。
きっと、今までもリンは森に入って様々な病気の治し方を試してきたのだろう。
だが、それは確かに免疫低下で発病した病には有効だっただろうが、根本的な解決にはならない。
だが、姉の努力を無駄にしたくなくてこの子は無理をしているのだろう。
・・・・・はぁ、どうにか出来ないもんかなぁ・・・
「よし、じゃあいよいよこれを使って・・・」
「・・・リン、ちょっと待って。」
勢いよく黄金草を出そうとするリンに待ったをかける。
「な、なによ、神妙な顔して・・・」
「・・・残念だが、黄金草ではブロウは治せない。」
「・・・・・・え?」
俺の言葉を聞いたリンはほうけた顔になって動かなくなった。
「ど、どうして!?黄金草があればどんな病だって治せるのよ!?・・・まさか、まだ信じてないの!?」
「いや、それが本当でも嘘でも、ブロウの病気を治すことは出来ない。」
そこから、栄養失調症について簡単な説明をした。
それを聞く度に、だんだんとリンの顔から血の気が引いていく。
「・・・うそ・・・でしょ・・・・・じゃあ、私は・・・なんのために・・・」
「姉さん!!」
よろよろと力なくリンが床にへたりこんだ。
それを心配するようにブロウが姉の方に体を寄せようとする。
「・・・ブロウ・・・?・・あなた・・・本当は私が持ってきた薬を飲んでも、ちっとも楽になってなかったの・・・?」
「ッ!そ、そんなことありま・・・ゴホッ!・・せん確かに体が楽になりました!」
「あぁ・・・確かに、引き起こされた別の病気はある程度治ったんだろうけど、それでも本当に少しだけ楽になっただけで、翌日にはもっと酷くなっていたんだろう?」
「そん・・・な・・・」
リンは更に落ち込んだ。
それを見たブロウは、俺の方にキッ!と力なく睨みを聞かせる。
そこには、余計なことを言うなという意味が込められているのだろう。
これ以上、姉に心配をかけたくないが故にこの子はいつもこうして自分で抱え込んできたのだろう。
本来なら、栄養失調症の患者は感情の起伏だってほとんどないはずなのに。
・・・性格までそっくりだな。
だが、本当のことを言わなければいつまでも伝わらなかっただろう。
そして、本当のことを知らないまま死んでしまえばここまで手を尽くしてずっと看病をしていたリンの方が辛くなるだけだ。
「ごめん・・・なさい・・ブロウ・・気づいて、あげられなかった・・・」
リンはリンで、自分の苦労が実は問題の解決になっておらず、ただ期限を先延ばしにしただけで、しかもそれにたいしてブロウが与えた笑顔と自分の達成感に満たされて本当のことが見えなかった自分に責任を感じているのだろう。
「・・・ねぇ・・ガレウス・・どうしたら、ブロウは治るの・・・?」
だが、さすがリン。決して泣くことだけはせず、今やるべき事を正確に行う。
「そうだな・・・リン?一宿一飯の恩って知ってるか?」
その言葉に、リンは少し考え込み首を振った。
「いえ・・・知らないわ。それが今関係あるの?」
「あぁ。簡単に言えば一晩飯を食って、家に泊めてもらうならば、その恩は返さなければならないという事だ。」
「え?・・・・まさか!?」
リンは、目を大きく見開いて俺の方を見る。
「そういう事だ。俺が何とかしてやる。」
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栄養失調症は、栄養が足りないのだから色々なものを食べさせれば良いじゃないかと思われがちだが、実際にそんなことをすれば大変なことになる。
栄養が足りていないということは、食糧を食べていないという事だ。
今まで何も食べていなかった胃に、いきなり固形物をつっ込むと、体が拒絶反応を起こして逆流する。
更に、口に食べ物を入れるだけでも消化器官中にカビが生えていたり、筋肉が萎縮したりしているから壮絶な痛みを伴う。
しかも、無事入ったとしても栄養を吸収する器官すら弱っているため、栄養を効率よく吸収することが出来ずそのままだす。
そのため、有効な治療法はミルクなどに栄養分をふんだんに溶かした飲み物を飲ませるか、単純に点滴で栄養を血中にそのまま突っ込むかなどだ。
だが、こんな時代に点滴などないし、栄養をふんだんに含んだミルクなんてものはもっと無い。
だが、俺には手段は関係なく、
・・・ならば、それを使うしかないのだが・・・
「・・・聖杯、か・・・」
出てきたのは、透明な杯の形をしたものだった。
この状態では、今すぐに集められるだけの魔力を集めたところで第3魔法の行使はまず無理だろう。
かと言って、魔力がなければ完治は不可能だ。
どうしたもんか・・・
「なぁリン、さっき言ってたモヤが凄い濃い草ってあるか?」
俺が出した聖杯をじっと見つめていたリンに問う。
「え?・・・・えっとたしか・・・」
そう言いながら、リンは部屋の奥にある棚の中から真っ黒なコケ?を取り出した。
「・・・この黒いコケがそうなのか?」
そう言うと、ブロウが不思議そうな顔をしてこちらを見る。
「黒?・・・ガレウスさん、私には緑にしか見えないんですけど・・・」
「え?何言ってんだ?どう見てと黒じゃ・・・」
「いえ、緑で合ってるわ。」
俺が反対しようとすると、リンがそう言った。
困惑する俺の顔をみて、リンが補足説明をする。
「これはね、《ニゴリゴケ》っていう魔物がほかの場所よりも多く集まる場所に生えてるコケで、魔物の死骸や分泌物によって集められたたくさんの栄養を吸って成長するの。その時に、魔物達が発したあの玉達が集まりすぎて、たくさんの色が混ざり合い黒く見えるの。しかも、その濃度が濃すぎて目を凝らさなくても黒く見えてしまうの。」
・・・なるほど。純粋な魔力の集合体みたいなもんか。
確かに、黒い色をしているのかと思ったが、よく見ると細かく揺れていたのでモヤだと言うことが分かった。
「・・・でも、なんでリンはこんなもの持ってたんだ?」
「実は、この力が手に入った時に、その不思議な力で何とかブロウを治せないかと思ったのだけど・・・さすがにこんな得体の知れない怪しいものを妹に渡すなんて出来るわけないわよ。」
なるほど。確かに、こんな怪しいコケを妹に渡そうとは思わないな。
だが、これで何とかなるかもしれない。
「じゃあ、これ貰ってもいいか?」
「いいけど、そんなのどうやって使うの?」
俺は、リンに貰ったニゴリゴケをそのまま
・・・マッズ!!!
「・・・うえっ!?何してるのよあなたッ!?」
うぇー・・・苦いしネチョネチョするし、ただただ生臭い。
あまりの不味さに吐きそうになったため、リンに飲み物を持ってくるようにジェスチャーをする。
それを理解したリンは、台所の水瓶から水を1杯木のコップに汲んできてくれた。
それを手を伸ばして受け取り、即座に口に流し込む。
あー、まっずかったぁ・・・もう絶対したくねぇ・・・
・・・まぁでも、無駄じゃ無さそうだな。
「ゲホッ!ゲホッ!・・・・・なぁリン、ブロウのお腹が膨れ始めたのはいつ頃からだ?」
「えっと・・・確か5ヶ月くらいだったと思うけど・・・」
多く見積ってだいたい8か月前。
・・・なら、ギリギリ何とかなるか。
無理やり体に突っ込んだ魔力と、俺がさっき使った魔力放出の残った魔力を使い、それから・・・
「リン、少しお願いがあるんだが。」
「何?」
「今集められるだけの光の玉を全て集めてこの杯に突っ込んでくれないか?」
「・・・分かった。それでブロウが治るのね?」
少し考えたが、今は妹を優先したようだ。
「あぁ、必ず直してみせる。」
リンは俺を信じてくれたのだから、何としてもそれに答えなくては行けない。
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聖杯に、ありったけの魔力をそそいで、更にリンからの補助も受けて何とか目標の魔力量をためることが出来た。
これで、何とかなるだろう。
「___我、聖杯に願う。」
一応、人前で使う時には儀礼には従っておく。
・・・そんな軽いノリで願い叶えてたらねぇ・・・(今更かよ・・・)
そうして、俺は願いを言った。
途端に、それに呼応するように聖杯が輝き出しその輝きがブロウの体を包み込む。
その光が高まっていき、その眩しさに耐えられずリンも俺も目を閉じた。
・・・そして、光が収まった時に目の前にいたのは・・・
「あ・・・・あれ?・・・」
自分の体を起こして不思議そうにお腹や腕を見る
「良かった・・・」
そこまで見届けたところで、俺は意識を手放した。
この時、結局ガレウスは第3魔法の行使をすることが出来なかった。
ガレウスの残りの全魔力とニゴリゴケのそれ、リンの集めた魔力を持ってしても、圧倒的に足りなかった。
では、何をしたのか?
答えは、《第2魔法による体内環境の逆行》だ。
第2魔法は、莫大な魔力やものすごい神経要する作業を経てやっと行える魔法だが、第3魔法に比べると圧倒的に消費魔力量が少ない。
しかも、聖杯を用いたことで面倒な作業は全てノータイムですっ飛ばし、ブロウの体内に発動場所を限定することでなんとか行使できた。
もともと、発育不良で成長も止まっていたためそこまで体格も変わらないだろう。
まぁ、何とかなって万々歳だ_____
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____戦いに◻️◻️を持ち込んではいけない。
____仲間に◻️◻️を求めてはいけない。
____家族に◻️◻️を願ってはいけない。
____自分が◻️◻️のなら、それを受け入れよう。
____他人が◻️◻️のなら、それを何の感慨もなく見つめよう。
____そうして自身の◻️を◻️で覆い隠そう。
____その足は
・・・・・・・◻️でおおった◻️の中で、ただ、1人の男が◻️の海で泣いていた。
結局、男は選択を間違えたのだろうか?
結局、この世に◻️◻️など無かったのだろうか?
男の瞳はいつしか視界を無くし、それでも戦場で培われ研ぎ澄まされた感覚によって磨かれた技は、戦場で若いものから年老いたものまで数多の血花を咲き誇らせた。
そうして歩き続けた男は、折れることをしなかった。
◻️で◻️をおおっていたから。
それでも、後悔も◻️◻️も無くなるわけがなく、むしろ前に進む度に増えていくばかりだった。
周りの人が◻️◻️だと讃えようと、◻️◻️に階級を上げられようと、男はただ、何の感慨もなく結果だけを残した。
自分に◻️◻️は許されず、他人に◻️◻️を送られても全てが皮肉にしか感じられない。
1人を◻️◻️した時から、万人を◻️◻️す覚悟をしていた。
だが・・・本当にこれで良いのだろうか・・・。
最終的に男は、自身の存在意義さえ理解できなくなり、だが、それでも歩みを止めることはしなかった。
・・・・出来なかった。
◻️で◻️をおおっていたから。
その男は、人よりも不器用だったために、こんなことしかできなかったのだ。
止まることは決して許されず、進むならば必ず大きな
・・・・だが、男は確かに・・・
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「・・・て、・きてよ!ガレウスッ!!!」
必死なリンの声に目を覚ます。
まず目に入ったのは、必死な形相のリンと、赤く染った空だった。
リンの必死な叫びの中に、聞き慣れない鳥の鳴き声が混ざっている。
自分の体を確認すると、さっきまでブロウが寝ていたベッドの上に寝ていることがわかった。
こんな大人の体を持ち上げるなんて、ブロウと協力していても結構大変な作業だっただろうに・・・
そう思うと、感謝よりも先にこんなに幼い子供たちに迷惑をかけたことに対する申し訳なさの方が先に込み上げてきた。
「ッ!!ガレウスッ!!目を覚ましたのね!!」
俺が目を覚ましたのを見て、リンの顔がぱっと明るくなった。
「ごめんな、リン・・・余計な心配かけた上に看病までしてもらって・・・それと、看病してくれてありがとう。」
「ほんとよ!!あなたが倒れた時、すっごく心配したんだからね!!しかも途中から凄くうなされてたみたいだし!!せっかくブロウを治してくれたのにあなたが倒れたら元も子も無いわよ!!・・・でも、私からもお礼を言わせて・・・・・・ありがとう。あなたがいなかったら、ブロウも私も悲しいままお別れする所だったわ。」
リンとブロウにも相当心配を掛けてしまったようだ・・・。
それに、うなされていた?
・・・そう言えば、何か怖い夢を見ていたような・・・
・・・まぁいっか、所詮夢は夢だし。
ん?そう言えばブロウの姿が見えないが・・・
「なぁ、ブロウはどうしたんだ?」
「あの子は、今日あなたが狩ってきた魔牛の肉を焼くための薪を取りに行って貰ってるわ。病み上がりなんだし、もともと、体も弱いんだから私が行くって言ったのに、『姉さんはガレウスさんの看病をお願いします。』って、異論は認めないって言う顔で一点張りするもんだから、さすがに折れたのよ・・・」
あの子たまに私の言う事聞かないのよね・・・と疲れた顔で言った。
だが、俺の頭にはもうお肉のことしか無かった。
結局、昨日の夜にバカみたいに魔力を消費して行った1人宴会以降、なんにも食べていないので、お腹がペコペコなのだ。
「よっしゃ、じゃあリン、もう体は大丈夫だから俺もブロウのとこに手伝いに行ってくるわ。今日の朝からなんにも食べていないからさすがに腹が減った。」
そう言って立ち上がると、リンも着いてくると言うので2人でブロウの元に向かった。
あまり俺も悪目立ちしたくないので、隠れながら家の合間を通っていた。すると・・・
「ねぇ、そろそろかしら・・・」「クソッ!!もう限界だって言うのにッ!!」「集められるもんは全部かき集めて地下に隠せ!!急げッ!!!」「女子供もなるべく見つからないようにしろよッ!!」
という声が周りから聞こえてきた。
近々この村で何か行われるのだろうか?
そのまま森の前まで行くと、そこには巻で組み立てられた山とそれをくみたてたであろうブロウがいた。
「あ、姉さん。それにガレウスさんも・・・よかった。目を覚まされたんですね。」
そうして、ブロウもブロウでリンと同じようにお礼を口にした。
「本当にありがとうございました・・・あの痛みの中で、しかも姉さんを置いて妹である私が先に死んでいくのは、さすがに耐えられませんでした。なにか、お礼が出来たらいいんですが・・・」
「あぁ、いいよいいよお礼なんて。そんなことよりも早く肉焼こうぜ!もうお腹がやばいからさ・・・」
その言葉と同時に、キュルキュルとお腹がなった。
・・・だが、俺のお腹では無い。
ブロウも、そんな表情ではなかった。
ということは・・・
俺はリンの方を向く。
「な、なによっ!!悪い!?」
そこには、顔を真っ赤にしたリンがいた。
そいえば、リンもお昼を食べていなかったな。
「はははっ!ほら、お姉さんの腹の虫も早くしろって急かしてるぞ?」
「うるさいわね!!ほらっ!とっとと帰って食べちゃうわよ!!」
もう、リンの方も焦らされてなりふり構っていられないようだ。
「ふふ、そうですね。それじゃあ、早速焼いちゃいましょうか。」
「え?まさか、ここで焼くの?」
「はい、どうせなら私の回復祝いとガレウスさんへとの出会いを祝して、パーっとやっちゃおうかなって思って・・・だめ、ですか?」
「いやいや、そんなことない!逆に今すぐにかぶりつきたいくらいだったからちょうどいいよ!ありがとうブロウ。」
「そうね、ブロウ、気を利かせてくれてありがとう。」
早速、リンの力で火をおこしていつの間にか串に刺してあった魔牛の肉を炙る。
色合いは、少し紫がかった赤色でスジも多いが、この程度なら味付けでごまかせるだろう。
「よっし、ちょうどいい焼き加減だな!ほれリン、お先にどうぞ。」
「あ、ありがとう。でも、もっと加熱しないとお腹壊すわよ?」
「いんや、このくらいじゃないと固くなりすぎて美味しくなくなるんだ。それに、リンの方の肉は凄い火に近づけてるけど、そんなに近づけてると焦げるぞ?」
火に近づけすぎている肉を遠くに置いて、焼けた肉をリンに渡すと、そのままかぶりついた。
「リン・・・お腹すいてるのは分かるけど味付けくらいしたらどうだ?さすがにそのままだと肉が臭いだろ?」
「え?そんなことないわよ?そのままでも普通に美味しいわ。久しぶりのお肉だもの。ほら、ブロウもどうぞ。」
「あ、ありがとうございます姉さん。・・・・・うん、姉さんの言う通り、そのままでも十分行けますよ?」
そうなのか?やっぱり
焼けた肉を頬張る。
・・・・・・・・・・・不味い。控えめに言って不味い。
いや、普通に肉が臭いよ!?しかも下準備に肉を叩いて焼いても普通に硬いよ!?何!?俺の味覚がおかしいのか!?
「・・・なぁ、これ普通に生臭いぞ?しかも硬いし。・・・やっぱり味付けくらいしようぜ?」
「そう?私は全然大丈夫だし、いつも食べてるお肉よりは柔らかいわ。それに味付けって言っても今はそれらしいものなんて持ってないわ。」
ぬえっ!?味付けが無いだとぅ!?しかも、これより硬いもんたべてんのか!?
そんなバナナ・・・俺、いくらお腹が空いててもさすがにこれは食えんぞ?
「あ、私一応持ってきましたよ?使いますか?」
お、おぉ、女神はここにいたのか・・・
「だ、大天使ブロウディア様、私に調味料を恵んでください!!」
「そ、そんなにおだてなくても・・・その、チョウミリョウ?が何かは知りませんが・・・はい、どうぞ。」
そうして差し出されたのは1粒の緑色の実だった。
・・・うぇ?
「あれ?ガレウスこれ見るの初めてなんですか?」
俺の不思議そうな顔を見て、ブロウが補足説明をする。
「これはゴラの実っていう実で、食材にかけると甘みと少しの酸味が効いて美味しくなるんですよ。」
「・・・は、初めて知った・・・じゃあ、味付け頼んでもいいかな・・・?」
「あ、ちょっと待ってくださいね。」
そのままブロウはゴラの実?を手で握り潰して、出てきた汁を俺の肉の上にかけた。
ふ、不衛生だよぉ。
「はい、どうぞ。」
そうして渡された肉をさっきよりはマシになっていればいいなと言う期待とともに頬張った。
・・・・まじゅい。非常にまじゅい。
なんだろう。臭い肉の上に、みかんの汁を掛けて食べてる感じ。
・・・余計気持ち悪くなってきた。
「ご、ごめんブロウ。普通の塩とかはないかな?」
「塩ってあなた、今そんなもの手に入るわけないじゃない。それでなくても戦のせいで物流が滞ってるんだから。」
え?塩ないの?塩ないの!?
ふ、ふひっ、ふひひひ・・・
「ぬがーッ!!!もう我慢ならん!!!」
俺は、また美味しい肉にと取っておいたステーキ重に着いていた塩コショウの小袋をだした。
聖杯に頼んだ時、俺のステーキ重のイメージは弁当のようなものだった。
それを食べ終わる前に肉単体でも食べたいと思って聖杯に出してもらった塩コショウの残りを使う。
こんな、元から固くて臭い肉なんかじゃなくて、もっと上等な肉を食べる時に取っておいたのだが、このままでは俺の腹が死ぬ。
そして、それをふりかけて肉にかけてかぶりつく。
「むぐむぐ・・・んくっ!・・・まぁ、多少はマシになったな。」
ついでに、塩コショウを不思議そうに見ていた2人の肉にも、残ったものをかける。
それを食べた2人は、大きく目を見開いて、一心不乱にかぶりついて行った。
えぇ・・・たかが塩コショウだけでそこまでなるか・・・?
人は、本当に美味しいものを食べると言葉が出ないそうだが、それはどうやら本当のようだ。
食べ終わった2人は、名残惜しそうに串を見てから、こちらにばっ!と顔を向けた。
「ねぇガレウス?あなた、まださっきの持ってないの?」
「あの・・・すいません。私も、欲しいです・・・」
これそんなに量ないんだけどな・・・
・・・・・まぁいっか、きっと旅の途中でコショウは手に入らなくても塩は手に入るだろう。
2人はここから動けないんだから、この場限りのものになるだろうし。
「・・・うん。いいよ。」
「ほんとっ!やった!」
「すいません、お礼をするのはこちらのはずなのに、本当にありがとうございます!」
「いいって、俺の方はまたどうにかするし。」
そうして、みんなで楽しく肉を食べていた時だった・・・
・・・そういえば、イギリスって自他ともに認めるメシマズって聞いたけど、こんな時代からなのか?などと呑気なことを思っていると・・・
「みんなぁぁぁああ!!!!騎士達が来たぞォォォおおおおおおおッ!!!!」
・・・1人の村人、
あの夢はなんだったんでしょうねぇ・・・
それに、何故村人は騎士に怯えているのでしょうか?
《追加情報》
《黄金草》
あらゆる病を治すと言われる霊草。
本来の名前は黄金草では無く、《月桂草》と呼ばれるが、その価値が黄金と同じように貴重なためその名が付けられた。
冬頃に銀色に輝く綺麗な花弁を持つ花が咲く。
花言葉は《夜の女王》《不屈の精神》《永遠の愛を求める》
《ニゴリゴケ》
様々な魔獣、幻想種の廃棄物や血や《魂》を吸収して育った濁った緑色のコケ植物。
性質は限りなく幻想種に近く、独自の生態系を持っている。
また、この植物は生殖機能が失われているため個体数を増やすことは出来ず、自然発生するしかない。
花言葉は《永遠に混ざり合い溶け合う多元》《安らぎの収束点》《不要な愛》
・・・これらが後に意味するものとは・・・・・
高評価やお気に入り登録をお願いします!!
・・・次回は少し胸糞悪い展開になる予定です・・・