ーーー兄弟の師匠は世界を救ったが、世界は師匠を救えなかった


ーーー兄は世界を嘆いた、なぜ師匠を救わぬのかと


ーーー弟は師匠を誇った、師匠は世界を守ったと


 しかし見た物は同じでも、行く先は違うのだから、それが最初で、始まりへと至る話

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世界に死が降りて来た時の、その背中をはっきりと覚えている


「私はこれから死ぬかも知れない、だけど心は死なない、君たちに後を託す、だから死なんて怖くない」


ーーーへいき、へっちゃら


オール・フォー・ワンとワン・フォー・オールの話

ーーーオールマイトに、初代ワン・フォー・オールの話を聞いた

 

 

「個性による犯罪が頭角を表した時、全てのヒーローの原点とも言うべきヒーローが立ち上がった、それが初代ワン・フォー・オールだ、だが、そもそもワン・フォー・オールとは、元々オール・フォー・ワンと1つだったらしい」

 

「オール・フォー・ワンと?」

 

 

 それは意外な話だ、全てを奪うあの個性が、元々1つだった? なら、悪に個性を売ったことになるけど

 

 

「そして、元々の個性は【繋ぐ】と言う個性だ、それを弟子とした兄弟2人に分けた、個性としての特徴は、ワン・フォー・オールは縦、歴史を繋ぐ個性とし、オール・フォー・ワンは横、人を繋ぐ個性とした」

 

「ワン・フォー・オールは、聖火の様に、人に渡す個性、次に繋ぐ個性、言わば足し算だ、1から1に繋ぎ2となり、更に繋ぎ3となる」

 

「オール・フォー・ワンは、個性と個性、人と人とを繋ぐ個性、複数人の別の個性達を、或いは似た個性達を繋ぎ、その式を足し算から掛け算へと昇華させる個性、それは元々、1つの個性から始まった」

 

 

ーーーそして、2人の兄弟は道を違えた

 

 

「僕は、師匠の救った世界を守る」

 

「俺は、師匠を救わなかった世界を壊す」

 

 

 それが、戦場以外で交わした、最後の言葉だったらしい、同じ点を見たが、同じ線ではなかった、そこからは血で血を洗う戦争とも言える戦いが続く

 

 

ーーー1人はヒーローを組織して、正義の志を集めた

 

 

ーーー1人は悪の組織を作り、世界を壊す力を求めた

 

 

「それがヒーローとヴィランの始まりだ、私達ワン・フォー・オールは繋ぐ時、この話をする、だが向こうは、失伝しているだろう、個性だけが独り歩きする状態だ」

 

「そんな」

 

「そもそも、オール・フォー・ワンは個性を持たぬ子に、親が自分の個性を渡す為に使用したのが最初らしい」

 

「親が、子供に?」

 

「あぁ、とても、平和な使い道だ、オール・フォー・ワンの個性は、初代がこの使い方をした時に考えて、編み出した物らしい、一度自分に繋ぎ、そして渡す者に繋ぐ、リレーの様に、橋渡しの様に、今とは似つかぬ、人を笑顔にする力だ」

 

 

 そう言ったオールマイトの拳は、膝の上で、強く握られていた、悔しいのだろう、笑顔にする力が、人に恐怖を与えることが

 

 

「あの個性は、葬り去らねばならぬ、それは今や悪の象徴となった正義に対する、ワン・フォー・オールが背負う責務だ、だからヴィランと戦おう、数多の個性との戦闘経験を繋ぎ、数多の個性との共闘経験を繋ぎ、全を一とする支配(オール・フォー・ワン)ではなく、一を全とする虚像(ワン・フォー・オール)でもない、一の為に全が繋がり(ワン・フォー・オール)全の為に一が繋がる(オール・フォー・ワン)世界とする為に」

 

 

 そう言ったオールマイトの顔は、最早自分に出来ぬと言う苦渋から来る苦い顔を浮かべていた、だけど僕は

 

 

「オールマイト、なら僕がやるよ、僕がその願いを繋いで走る、リレーは1人じゃない、みんなと言う全が居て、平和と言う一の為に走るから、それはリレーになるんだから」

 

「出久少年、あぁ、安心した」

 

 

 そうして、火継ぎは今ここに完了した




 最早短編しか書けぬ身なれど、

 その思いだけは湧き出る故に、

 抑えられぬ思いを紡ぐ


訳:ワン・フォー・オールとオール・フォー・ワンの設定を見て、これはビッキーの【繋ぐ】能力で補完出来そうでは、などと考えた結果、文を考えましたが、長編になりそうで、書けそうにないので、短編に纏めてみました、誰かこの設定で僕アカでビッキーを書いてもいいのよ?(チラッチラッ


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