【悲報?】ウチの鎮守府に三下なセントーが来たってよ【朗報?】 作:嵐山之鬼子(KCA)
「あ、アズールレーン!? まさか……いや、そんなバカな!」
俺の言葉に、一気に表情を険しくして考え込む様子のセントー(偽)。
「何か知ってるのか、雷電?」
「うむ…………さっぱりわからんスけど、とりあえずソレっぽい演技してみました」
某不〇家のペ〇ちゃんの如き表情でテヘッと舌を出したコイツの頭に、思わ俺が両拳でウメボシグリグリの刑を加えたとしても、誰が責められようか、いや、責められまい(反語)。
「まーじーめーにやれ! まったく、ホントに心当たりとかはないのか?」
「い、痛いイタイ! そ、そんなコト言われましても……スマホのゲームランキングでよく見かけたことがあるくらいっスね。例のダチに聞いたら艦これのパクリゲーだって言ってましたけど」
「パクリは言い過ぎだな。たくさん出た『艦これ』フォロワーのひとつであることは否定できんが」
あえてたとえるとすれば、『モ〇ハン』に対する『ゴ〇ドイーター』か『討〇伝』、くらいの立ち位置だろうか。
そもそも、『艦これ』がシミュレーションなのに対して、『アズレン』はアクション、いやシューティングの亜種だしな。
「ま、その辺のゲーマー的こだわりはひとまずおくとして。お前さんに関して問題点がふたつある」
顔つきを真面目なものに戻して、俺はコイツに言い聞かせるべく、あえてもったいをつけて、そう告げる。
「え!? な、何かマズいんスか、オレっち?」
案の定、相手は心配げに食いついてきた。
「うむ。まずひとつは、お前さんが、英国軍艦セントーを擬人化した存在だってことだ。現在、俺の知る限りでは、セントーの“艦娘”は存在しない。これは、この世界の海軍だけじゃなくゲームの方の『艦これ』も含めての話だ」
「ほぅほぅ、そいじゃ、オレっちが世界で最初のセントーなんスね!」
なんで嬉しそうなんだよ。いや、“世界初”って言葉で、なんとなくテンションが上がる気持ちはわからなくもないが。
「まぁ、そういうことになるな。だが、海軍に所属する者としては、ファーストボーン──これは「原型艦から初めて顕現した艦娘」を指す言葉なんだが、そのFB艦娘が現れたということを
「はぁ……」
あ、コイツ、「それのどこが問題なんだろ」ってのんきな顔してやがるな。
「今まで未成艦だった艦娘が
「! あ、あの~、それって、モルモットとか言うんじゃ……」
お、ここまで言えば流石に多少の危機感は抱いたみたいだな。
「安心しろ。10数年前の黎明期ならいざ知らず、今の日本では艦娘にも人権は(一部を除いて)認められてるから、そうそう無体なことはされんし、できん」
それでも、数日間は明石の工廠にカンヅメで、身体の隅から隅まで検査されることになるとは思うけどな。
「ま、ソレについては、それほど心配する必要はない。どの道、ファーストボーンなんだから、他と比べておかしいとかはわからんし、
それよりもヤバいのは……お前さんが「艤装と一緒にそれをまとった
「?」
よくわかっていないようなので、この世界において艦娘とは
「えっと……つまり、フツーはケンゾーしてもギソー“だけ”しか作れないんスか?」
「そういうことだ。
FB艦がどうとかよりも、コッチの方が100倍ヤバい。
仮にコイツが年間艤装発見数がもっとも多い吹雪型だったとしても、慢性的艦娘不足に悩む大本営に、艤装と艦娘が一緒に建造されたなんて
そういうことを懇切丁寧に説明すると、セントー(偽)のヤツ、涙目になってガクガク震えだした。どうやら、自分に関わる事態の深刻さを理解したみたいだな。
「お、オレっちはいったいどうなるんでヤンスか!?」
こ、こら! 半ベソ上目遣いで俺の胸にすがりついてくるな。その服装(下乳が見えるファンタジー風衣装)と巨乳(推定Fカップ)のおかげで、煩悩刺激度がハンパじゃないんだから。
中身が
「安心しろ。乗りかかった船だし、同郷人のよしみもあるからな。カバー設定を考えて誤魔化してやろう」
とは言え、現代日本(ちなみに“西暦2018年”だ)で、法的にいないはずの人間を真っ当に“存在”させるのは、本来ならかなり難度が高いミッションなんだが……艦娘だからこそできる“裏技”もある。
「いいか、お前さんの設定はこうだ」
・今朝、鎮守府近くの浜辺に、弓のようなモノと一緒に、女の子が流れついていた
・調べてみると、その弓や女の子の履いていた靴はは艦娘用の艤装らしいと判明
・目を覚ました女の子は記憶の大半を失っていたが、自分のことを「セントー級航空母艦HMSセントー」だと主張
・実際、その子に弓を持たせると同調を開始し、艦娘としての能力があることがわかった
「俺は「以上から推察して、おそらく少女は天然艦娘としての素質があり、浜辺に流れ着いた艤装を発見、接触した際に覚醒したのだろう」……と、いう報告書を
天然艦娘が偶然艤装に触れて覚醒する可能性はあるし、その際に容姿が変わったり記憶が曖昧になったりする例も、過去にいくつか見受けられるからな。
「……ありがたい話っスが、わざわざおエラいさんにウソついてまで、オレっちをかくまってもらって、いいんんスか?」
と、神妙な顔つきでセントー(偽)が聞いてきたんで、俺は“深海事変”云々の説明をして、
* * *
握手をして協力関係を結ぶことをお互い了解した後、セントー(偽)は上喜提督に連れられて、彼の執務室へと足を運ぶことになった。
「この無茶な
道すがら、上喜提督はセントー(偽)に説明する。
「ひとりは明石だが、あの子はコミュしょ…もとい、おとなしくて無口だから、無闇に言いふらしたりはしないはずだ。無論、あとで口止めはしとくが、それよりも、もうひとりの方が問題だな」
(さて、ここで筆頭秘書艦殿の協力を得られないと、セントーの件を上に誤魔化すのは難しいだろうなぁ。はてさてどうしたもんかね)
そんなことを考えながら上喜が執務室の扉を開けると、室内には銀髪を緑のリボンでポニーテイルにまとめた、セーラー服姿の少女が彼を待ち受けていた。
「あ、提督! おはようございまーす! 朝からどこに出かけてたんですか? あ、もしかして久しぶりの建造、もうヤっちゃったんですか!? うーん、残念。わたしも立ち合いたかったのに」
元気に朝の挨拶をする外見年齢17、8歳のその少女こそが、上喜の