「内側からではなく、外側から殺す毒?」
「どうかな?」
今日も今日とて、胡蝶さんとのワクワク実験教室だ。別にワクワクはしないし教室でもないけどそこは気にしないことにしておく。胡蝶さんのこれまでの毒を試してみたり資料を読んでみたりとしたが、胡蝶さんの毒で一貫しているのは内側から殺すというものだった。まあ確かに普通は内側に摂取して中毒を起こしたり内蔵を壊死あるいは麻痺させて殺すのだろうが、私は考えた。皮膚に触れたらそこから腐敗するような毒は作れないのか?と。
「肉体の腐敗、ですか。しかし内側に侵食しないのであれば切断されればおしまいでは?」
「それでも少しは隙を作れないかな?顔面とかにぶっかければ、相手も怯むと思うのよね」
「・・・なるほど。ですが現状ではそのようなものが作れるかどうか・・・。藤の花の成分では限界もあるでしょうし」
「日輪刀で頸を切れば鬼の身体は崩壊するのよね?日輪刀に使われている鉄の成分を配合とか、出来ないかな?」
「!猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石ですね」
考えが纏まってからは早かった。すぐさま猩々緋砂鉄を調達し、藤の花の毒との調合を始めた。調合しては私の肉で試し、駄目ならまた別の配合を試すというものを1週間ぶっ続けでやった。その間の任務は大丈夫なのかと思ったが、継子のカナヲちゃんや他の隊士が率先してやってくれているらしい。曰く、今まで以上の最高峰が出来るかもしれないのならそれに専念するべきだ、と。
そして1週間が経過して手のひらサイズの小瓶に入っている毒が完成した。今までの実験結果を踏まえればこれが完成品であるはずだ。せっかくだからと、切り落とした肉片ではなく私の肉体そのものに毒を垂らしてもらう事にした。でも腐敗の広がるスピードが予測できないから爪先だ。
「では、いきますよ。いいですか?」
「うん、大丈夫」
そういうと、胡蝶さんは私の爪先に毒を1滴垂らした。親指に雫が触れたと認識すると同時に爪先の感覚が消え、瞬く間に膝まで崩壊が広がっていく。それを確認した胡蝶さんは日輪刀で私の太腿を切断した。・・・成功だ!
「やはり、他の実験と同様切り落としてしまえば崩壊は止まってしまうのですね」
「いや、これは表面だけに垂らしたからだと思う。傷口から毒を入れれば、血管を通って全身崩壊させられるんじゃないかな?」
そう言って、私と胡蝶さんは顔を見合わせた。考えることはきっと同じだ。鬼を生け捕りにして、合っているか確かめるために実験をしてみよう。
くどいようですがネタ募集してます!!ネタ!ください!
にしても1滴垂らすだけで崩壊が連鎖する毒とかえげつないな・・・
遊郭編にシロを同行させるか
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させる
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させない