ヤツの行動により被害は甚大なようで・・・・・・(いつものこと
某所 鉄血最重要大規模基地 司令部
「・・・・・・ハァ」
そこでメイド服を着た女性がため息を吐いていた。その姿は誰もが一目で美人と答えるほどの美貌を持っていた。
「あらぁ?代理人あなたがため息を吐くのって珍しいじゃない?」
そこに長い黒髪が特徴的な女性がクスクス笑いながらやって来た。その手には巨大なライフルのようなものを持っていた。
「ドリーマーでしたか・・・・・・最近までの『厄災』による被害の統計をやっていたのですが・・・・・・ご想像の通り前代未聞レベルの大規模な被害が出ていました」
「・・・・・・ああ」
ドリーマーと呼ばれた女性はそのことを聞いてさっきの笑う姿から打って変わって真顔になった
「・・・・・・重要拠点が二つ壊滅、大攻勢の為の戦力も壊滅、『厄災』討伐のための大部隊も壊滅・・・・・・挙げ句の果てにハイエンドモデル数名に致命的なトラウマができる・・・・・・泣いていいですか?」
「だ、代理人お、落ち着いて色々と崩壊しているから、あなたハイエンドモデルのトップの存在でしょ⁉︎」
代理人の涙目で静かに正気を削れていく姿にドリーマーは普段まずすることがないなだめる行動をする羽目になった
「・・・失礼しました。少し正気を失ってしまいました」
「・・・・・・しっかりしてちょうだい・・・ただでさえ今鉄血でまともに動けているハイエンドモデルが少ないのにあなたまでそんなことになったら・・・・・・想像したくないわ・・・」
なお、現在『厄災』と交戦したハイエンドモデルの状態はこんな感じである。
スケアクロウ
『厄災』によるトラウマにより『厄災』恐怖症発症、なんとか落ち着いたようなので『改造者』の調査に出すも不運なことに『厄災』と再度遭遇、形的には助けられた形ではあるものの恐怖症再発により安静中
処刑人
『厄災』の鉄筋コンクリートの柱による攻撃により大破、なんとか完全に修復されるも、鉄筋コンクリートの柱を見ると軽度の震えが起きるというトラウマができている模様、現在回復の兆しが見えているものの『厄災』との交戦は控えさせられている
デストロイヤー
『厄災』の道徳の授業(物理)により「ごめんなさい」を繰り返して言う機械と化すことになったものの、現在回復に成功し、恐怖を克服しているのか精神的に成長しているところが見られ、ドリーマーの悪戯にも恐れず反抗するようになっている
ただし『厄災』に関しての恐怖はまだ完全には抜けきってはいない模様
ハンター
『厄災』と交戦したハイエンドモデルの中では珍しくトラウマができておらず、むしろ『厄災』を狩るために色々考えている模様、なお今は処刑者などの看病を手伝っている
侵入者
この中で最も精神的に重症なレベルのトラウマを抱えてしまっており、現在懸命な治療をしているものの、何かブツブツと呟いており未だに回復の兆しが見えないため、精神初期化が検討されている
「・・・・・・そうでした。私が倒れたら本当にまずいことになりますね・・・胃が痛い・・・・・・」
「しかし・・・・・・『厄災』め・・・私の可愛いデストロイヤーを変えてしまうなんて・・・許せない」
※馬鹿が本当にすいませんでした
「ところで代理人?そのデータってなに?最重要機密情報って書いてるけど」
「・・・・・・詳しくは言えませんが・・・対厄災兵器のプランの一部だと言えば分かりますね」
「ふーん・・・・・・そんなものができてるってことはやっぱりヤツが最大の敵と認識しているのね・・・」
「ええ、ご主人様もできればヤツを生かしたまま鹵獲が望ましいと思っていたようですが、流石にここまで被害が酷いと厄災の破壊を考えているみたいです」
「なるほどね・・・・・・・・・」
「どうなるかしらね・・・・・・この戦いの行方は・・・」
その言葉の答えはまだ誰にも分からない
鉄血最重要拠点 ???
ケース31245 対厄災戦開始・・・・・・・・・
厄災の攻撃により本機の行動不可・・・・・・厄災小破
結果 敗北
ケース31246 対厄災戦開始・・・・・・・・・
厄災の攻撃により本機大破・・・・・・厄災損害なし
結果 大敗
そこには「なにか」がいた。
ケース31247 遠距離による対厄災戦開始・・・・・・・・・
厄災の攻撃により本機完全破壊・・・・・・厄災小破
結果敗北
その「なにか」は計算をやっていた・・・・・・
来たるべき時が来るまで「なにか」は計算を続ける・・・・・・
ケース31248 格闘による対厄災戦開始・・・・・・・・・
『厄災』を◼︎◼︎、その目標を達成するその日まで・・・
某所 地下鉄
「‼︎⁉︎」
「ドウシタ 」
「いや、なんかさっき変な寒気がしてな・・・・・・なんか俺に殺意のようなのがある感じなのかな・・・?」
『万能者』と『蛮族戦士』が暗闇の中を歩いていた
「ところでだが・・・オマエがさっき戦ってた戦術人形・・・・・・ありゃミュータント関連の復讐者だなありゃ・・・オマエ変な奴に絡まれたな・・・」
「カンケイ ナイ カワッタ コウドウ ヲ シテクル ガ オマエ ト オナジ ツワモノ ニ カワリナイ ツギアウ トキ ヤツ ガ ワレ ノ カテ ニ ナル カ ギャク ニ ワレ ヲ カル カ タダ ソレダケ ノ ハナシ ダ」(ニッコリ笑顔で
「・・・・・・ある意味懐が広いなオマエ・・・」
「オマエ モ ソノ ヒトリ ト イウ コト ヲ ワスレル ナ」
「あっ、やっぱり?(勘弁してくれ・・・)」
そんなことを話しながら彼らは進む・・・・・・先に何があるかもわからぬ暗闇の中を・・・・・・
(・・・あの戦術人形の無線の会話・・・・・・微かに聞こえたな・・・BLACK WATCHって言葉がな・・・ってことはこの地下にいる可能性があるな・・・・・・道徳の授業(物理)ついでに出口も聞き出せるかな?)
一人物騒なことを考えているがきっと些細なことである・・・
※馬鹿がすいません
おまけ
私はあの日、恐怖を知った。今までの恐怖が小さいものだと認識させられる恐怖を。
同時に私は自分の未熟さを知った。
あの『厄災の怒り』によって
「・・・・・・アイツ成長したな・・・ドリーマーが『厄災』を恨めしく思うわけが分かるな」
ハイエンドモデル『アルケミスト』はそう言いながら笑っていた。その視線の先には・・・・・・
「えっと・・・ここの配置は危険だから・・・・・・ここに自走砲を配置をすれば・・・・・・」
戦術関連の勉強を一人で学んでいるデストロイヤーがいた。
「ある意味『厄災』に感謝しなければならないな・・・・・・わがままな子供を初めて真剣に叱ってくれたことをな・・・・・・」
厄災は被害をもたらすだけではなく、経験や益をもたらすことだってあるのです・・・・・・大体は被害を凄まじすぎてプラマイゼロどころかマイナスな感じですが