今回はこまるんさん主催の「ドレミフラ祭」に参加させて頂きました。滑り込みセーフでの投稿となるし、相変わらず夜の投稿だけど、主催者反応してくれるかなぁ?
とにかく楽しんで頂けたら幸いです。
あ、今回は割と狂ってる上に内容も薄っぺらいものなので、読む際は十分お気をつけ下さい。万が一私の小説を読んで気分が悪くなっても苦情は一切受け付けませんので悪しからず。
「……はぁ? 私のドレスを少し貸してほしい……ですって?」
ある日の夜下がりの事である。妹であるフランとお茶をしていると、不意に彼女からこうお願いをされた。
「そうなの。お姉様のお洋服がどんな感じなのかちょっと知りたくなっちゃった」
無邪気に笑うフラン。本来ならば喜んで貸すのが普通だろうが、私としては少し面食らってしまい、どうしようかと思案してしまう。
霊夢と魔理沙が私たちを楽しませてくれたあの日から、私達姉妹は長い長い喧嘩からやっと解放された。それに伴っていくつかの条件付きではあるが、外に出ることも許可し、屋敷での束縛も幾分か解いた。久しぶりに彼女の笑顔を見た時は、思わず私まで笑顔になった。漸く姉妹としての絆が戻ったのだと、この時になってやっと実感した。
しかし、その反動とも言うべきか、いつにも増してフランはいたずら好きになった。紅茶に変な物を入れるのはしょっちゅうで、酷い時には紅魔館の窓ガラスが全部割れて私にカンカンに叱られた事もあった。最近はチルノや大妖精なんかとつるむようになって、個人的には少し心配してしまう。
「ねぇお姉様〜少しくらいいいでしょ〜?」
ちょっとムッとした表情で、尚もフランは顔を近づけて私にせがむ。圧がすごい顔を手で押さえ込みつつ、私は彼女に尋ねる。
「ま、待ちなさいフラン。貸して欲しいって、一体何をするつもりなの?」
「だから言ってるじゃん。お姉様のお洋服を着てみたくなったの。私の着てるお洋服より少し大人っぽい雰囲気だし、私が着てみたらどんな感じになるか興味が湧いたの。お願い! 古くなった服でいいからさ!」
「ま、まぁそれはいいわ。そんな理由なら貸してあげるのもやぶさかではないけど……いつまで借りるつもり?」
「え〜? ……うーん、大体一週間くらいかな?」
小首を傾げながら出た期間は、予想に反して長いものだった。一週間も私の服を着てどうするのだろうか。
しかしながら、姉である私の気分を味わいたいと思うのは妹として自然な事。私がフランと同じ立場なら、同じように憧れてしまうのも分かっている。
「仕方ないわねぇ、いいわ。少し小さくなったドレスがあるから、咲夜に言って貰って来なさい。すぐに用意してくれるはずよ」
「わーいやったー! お姉様ありがとー!」
「こら、フラン! いきなり抱きつかないの! それから挨拶もしないで席を立っちゃ――」
余程嬉しかったのだろう。私の注意なぞ聞く耳を持たず、一目散に咲夜の元へと駆けて行った。
「全くあの子ったら……まぁいいわ。私も少し似たようなところがあるし……」
それよりも。と気を取り直し、指をパチンと鳴らす。
あっという間に我が紅魔館が誇る瀟洒なメイドが、私の背後に姿を現した。
「お呼びでしょうか、お嬢様」
「私のクローゼットから古くなったドレスをフランに渡してあげて。あの子が着てみたいって言ってるの」
「かしこまりました。すぐにご用意致します」
静かに応答し、彼女はまた姿を消した。相変わらず仕事が早い。今度何かボーナスを考えないといけない。
「……さて、お茶の続きを楽しむとしましょう」
誰にともなくそう呟いて、私はカップに口をつける。舌の上に転がった紅茶の味は、普段よりも美味しい気がした。
◆
「フフ……フフフフフフ……」
暗い、暗い地下室の自室で、私は一人静かに歓喜していた。
「はぁぁぁぁぁぁぁ〜……お姉様いい臭いだったなぁ……柔らかくてフニフニして、まるでお人形さんみたい……もっと堪能しておけば良かった……」
少し後悔は残るが、それでも目的の物は手に入れる事が出来た。
「これがお姉様のお洋服……」
これで漸く、私の長年の夢が実現出来る!
「咲夜にもこっそり協力して貰ってやっと作ることが出来た……ウフフフフ……じゃあ早速……」
だらしない笑みを隠そうともせず、私は
そして出来上がったものを見て、更に顔を緩ませる。
「ウヘヘヘヘ……出来た! 等身大お姉様人形!」
そう。私の長年の夢というのは、等身大のお姉様の人形を完成させる事。そして、その人形を使って思う存分楽しむ事だった。素肌、手触り、香りから全てこだわり、咲夜に特注させたマネキン人形をベースに帽子、リボン、下着まで盗み……もとい、借りてきて、少しずつ作り上げてきた私の最高傑作だ。
「はぁ〜可愛いよう、お姉様可愛いよう。可愛過ぎて……」
もう我慢出来ない!
人形でもこんなに可愛いなんて、お姉様はやっぱり凄い!
ダイブしながらお姉様人形に抱きつく。お姉様の臭いを胸一杯に吸い込んで、お姉様エナジーを大量に摂取する。
お姉様はケンカが原因で私が引きこもっていたんだと勘違いしてるようだけど、それはお姉様の勘違い。本当は、これ以上お姉様と一緒にいると、お姉様が尊すぎて私の方が耐えきれなくなるから。実際それで耐えきれなくなって、紅魔館の壁と結界と、あと美鈴の残機を壊した事がある。あんな風な事はもう起こさないようにしなきゃ。二度とお姉様に口聞いてもらえなくなっちゃう。
閑話休題。そんな事よりお姉様人形だ!
「お姉様ァ……カッコいいよう……でも可愛いよう……好き……」
いつの頃からか、私はお姉様が好きになっていた。憧れから変じたのか、それとも元から好きだったのか、それは今となっては分からない。けど、お姉様が好きだって事は変わらない。
「んぅ……なんだか変な気分になってきちゃった……」
それと同時に、お姉様のお洋服も好きだ。お姉様の臭いが染み付いたお洋服にくるまってると、なんだかお姉様が強く抱きしめてくれているようで、安心と同時にムラムラしてくる。
「誰も来ないし……今日も
私は人形のスカートの中に手を入れ、お姉様のパンツを取り出す。このパンツも、もう一ヶ月も洗ってない。
「はぁ……お姉様ァ……」
これだけでも意識が飛びそうだけど、私は更にそれを頭にかぶり、もう一度深く息を吸い込む。
「アァッ! お姉様ァッ! 好き! 大好き!」
一度こうなればもう止まらない。お姉様と一つになった気がしてたまらない。生身同士ではやった事ないけど、きっと気持ちいいんだろうなぁ。
「ァ……アハ……」
こうして私の全てが満たされる。咲夜にも、勿論お姉様にも知られてはいけない、私だけの甘美で禁断な秘密の遊戯。
「次は……思い切ってお姉様に頼んでみようかなぁ……うん、そうしてみよう。お姉様、どんな顔するんだろ。楽しみだなぁ」
欲望の猛りを抑えた私。その後に思い浮かんだのは、お姉様との甘い時間。最初は驚くかもしれないけど、お姉様なら受け止めてくれるはず。
だって、お姉様は世界で一番私が好きな人だから。
だから……私の全てをぶつけても、いいよね?