やはり俺達のボーダーでの生活はまちがっている。 作:シェイド
二次創作なんて意欲次第…あ、すみませんお久しぶりです。
最近ワルトリのアニメ見ちゃってこっちに意欲湧きました。
どうせ原作部分に入ったら書くことになるし、それよりカードゲームの話とか広げた方がいいかなとか思いつつ小南がヒロイン枠に入らないことを伝えておいた方がいいかなと思い玉狛の話を。
ヒロイン枠言いつつヒロインは一人なんですけどね。既に決めてしまってます。
…とか思ってましたが、誰にしたか忘れました!思い出すまでは保留で。
玉狛支部、またの名を旧ボーダー本部。
川の真ん中にあるその場所は、どこか秘密基地めいたものを感じなくもない。
最近、俺は週に三回程ここに立ち寄っている。週一で泊まってもいるな。泊まるときは小町も一緒だ。
元々この場所に俺や小町も連れて来られていたし、ボーダーと言えばこっちの印象がまだ強かったりする。あれから4年が経ち、ようやく慣れてきたくらいである。
「あたしのどら焼き食べたの誰!?」
…ここの隊員は全員が超A級レベルの凄腕揃いだ。先々シーズンまで太刀川隊にいた烏丸。元攻撃手一位、現三位の小南。俺と違い、ちゃんとした完璧万能手であり万能手一位の木崎さん。更にはS級の迅さんと、まさに少数精鋭という言葉が似合う玉狛の面々。
「八幡!あんた食べたでしょ!あたしのどら焼き!」
「食べてねえよ、絶対陽太郎あたりだろうが…」
「陽太郎!出てきなさい!!」
標的を変えた小南は、支部内のあちこちを探し始めた。
大体人のもの食べるの陽太郎くらいだし…まあ、今は林藤支部長について行ってるだろうから、本部にいるだろうし見つかりっこないけども。
しばらく探していたが見つからなかったのか、悔しそうな表情をした小南がリビングへと戻ってくる。
現在、玉狛支部にいるのは俺と小南、それと隣でリラックスタイム中の烏丸である。
「うう、あたしのどら焼き…甘いものが食べたい気分だったのに!」
そんな小南を見て、何を思ったのか烏丸が口を開く。
「そう言えば小南先輩、師匠が小南先輩と10本やりたいって懇願してましたよ」
唐突に売られた俺。え、そこは烏丸が相手するんじゃないの?あと懇願て。
「え、そうなの?ま、まぁここに来てるのも大部分はあたしと戦うためだしね!」
「すいません、嘘です」
「……え?」
現A級1位の太刀川隊にいた烏丸が、玉狛支部へ移籍をしてきたのが半年前だが、その半年前より玉狛の日常となりつつあるのが、烏丸が小南に嘘をつき、小南が全てを鵜呑みにする今みたいな光景だ。
「……八幡、鳥丸が言ったこと、嘘なの?」
俺以外が対象の場合、大体は小南がおちょくられて終わるのだが…
「……嘘じゃねえよ。さっさとやるぞ」
出会った時からそうなのだが、俺は小南に嘘をつけない。いや、つきたくないってのが本音か。
旧ボーダーの頃、俺と小町と小南は歳近いもの同士ということもあってか、三人でいることが多かった。俺に戦闘を教えてくれた最初の師匠も小南だしな。
迅さんとも話す時はあったが、まだまだ小学生の子どもだ。学校で孤立してたこともあり、一時期は小南の存在に救われていたりもした。
『八幡!まだまだね!』
『お兄ちゃんまた負けたぁ!』
『ぐっ…小南が強すぎんだよ!』
…懐かしいな。あの頃は友達がいなかったこともあって、小南だけが仲のいい歳の近い子だった。
小町?小町は妹だし流石にノーカウントだろ。
「10本よ!いつも通り、勝った方の言うことを一つ聞くルールでいいわよね」
「おう」
***
「ふっふーん!あたしの勝ち!」
小南との10本勝負は、4ー6で敗北した。
サイドエフェクトを6thまでしか開放していないのもあったが、単純に斬り合いで負けた結果だ。
最近弧月を使う頻度が増えていることもあり、つい受け太刀してしまってそのまま真っ二つ…なんてことが2回もあるとは。一度忍田さんの元で修業し直す必要があるか…?いやないな。個人ランク戦で弧月使いと戦えばマシになるだろうし。
…べ、別に忍田さんの稽古がスパルタ過ぎてやりたくないわけじゃないんだからね!
「え?師匠負けたんですか?」
「負けた。ってかこうなったの、元を辿れば烏丸が小南に余計なこと言ったせいじゃねえか…」
「俺の嘘のせいで…すみませんほんと」
せめてその真顔やめてくれたら、すみませんって謝意も少しは感じたかもしれんが…スン…て感じのなんか面白そうな展開なってるわ~くらいの顔やめてくれない?あと師匠呼びやめよう?
「師匠は師匠です。俺、こう見えても罰ゲームはちゃんと従う方なんで」
「それは従わなくていいやつなんだよなぁ…」
前回泊まりに来た時に玉狛支部+俺と小町でやった、人生ゲームの最下位罰ゲームで、小南が謎に指定してきたのが1週間師匠呼び(俺限定)。
確かにそういうのってゲーム後は盛り上がるもんだけど、時間経ったら「え?まだやってたの~?馬鹿じゃない?」って笑われるもんじゃなかったっけ。あの時律儀に罰ゲームを守っていた俺を笑ってきた斎藤は、絶対に許さないリスト筆頭である。
ま、まあ?烏丸イケメンだし良い奴だし、師匠呼びされるとなんか自己肯定感上がる気がするから、悪い気はしないが…普通に名字で呼んでくれた方が違和感ないな…。
烏丸と話している間、何かごそごそと準備をしていた小南だったが、やっと準備し終えたのか、こちらへと歩み寄ってきた。
「あたしが勝ったんだから、八幡!これ行くわよ!」
小南が胸を張りながら見せてきたのは、近くのスイパラ限定割引チケット。
なんでも学校の友達から貰ったものらしい。
スイパラは俺も好きだが、こういう店に行くのは慣れていない。いつも人に連れていかれるか、小町の誘いで何人かの女子と強制お茶会させられる時くらいである。
女子ってほんと「スイーツ(笑)」みたいなの好きだよな。や、俺も甘いの好きだしこういうところに行く気持ちは分かる方だが、なんだよスイーツパラダイスって。リア充(笑)かよ。
「負けたし行くが…小町も誘っていいか?」
「そうね、小町も含めて3人で行きましょ!」
「え、2人で行かないんですか?」
小町も含めることで、昔馴染みが一緒に行ってます感を出し、女子と二人きりでスイパラの女子しかいないような空間を耐え忍ぶ(耐えられたことない)作戦が、烏丸の一言で罅を入れられる。
おい、余計なこと言うんじゃない。べ、別に小南と2人きりが嫌ってわけじゃないんだけどね!
「せっかくなら人数制限もないし、甘いもの好きな子連れて行くわよ」
「あ、小南先輩。師匠と2人きりで行くのが恥ずかしいから、小町を連れて行こうとするわけじゃないんですね」
「そ、そんなわけないじゃない!別に八幡と2人きりでも余裕よ!」
***
「「……」」
てなわけでやってきましたスイーツパラダイス。
烏丸に煽られた小南は、案の定2人で行く!と言ってしまい、俺達は2人でスイパラに来ていた。
バイキング形式で元をとるために!と普段なら奮闘するところではあるが、割引チケットのおかげでそういうことを考える必要もなく、好きなものをとって食べているわけだが…気まずい。
何故かは分からないが、ここに来る道中も小南は口数が少なかった。さては1dayトーナメント後に、雪ノ下達にドナドナされていって説教を食らった俺のことを案じて…いやないか。どっちかというと説教に加わる側だし。
ケーキをつつきながらテキトーなことを考えていると、口を閉ざしていた小南がついに口を開いた。
「昔は、こうじゃなかったわよね…」
「昔?」
「最近ね、八幡のこと好きなのかーとか、恋愛的な話とか…よく言われるのよ」
「ああ、そういう…確かに俺も言われるが、毎回勘違いですって返してるぞ」
「か、勘違い!?あたしのこと好きだったくせに!?」
小南の声が大きくなると同時に、周囲の人間の視線がこっちへと向くのを一斉に感じた。
全く関係ない人でも、こういう話題はつい気になっちゃうよね、八幡分かります。
「好き
なにせ小南は小さいときから可愛かった。それでいて、学校に友達のいない八幡少年が、秘密の組織に行ったときだけ会える存在の同級生。戦闘を教えてくれて、世話してくれて、何より楽しそうに一緒にいてくれる。好きになるには十分すぎる理由が揃ってるし、当時の純粋な俺が勘違いしないわけがない。
小南がただの良い子だったとしても、当時の俺は好きだったのだ。
「八幡根暗だったしね。…今もあんまり変わらないけど」
「え?喧嘩売ってる?よし、現状使える手全てを使ってボコボコにしてやる」
「次もあたしが勝つわよ!…って、違うの。今日はそういう話をしに来たんじゃなくて…」
若干おろおろとしながらも、必死に言葉を探している小南。
気づけば17になり、高校2年生。当時小学生だったことを考えれば、もう長い付き合いだ。
周りの環境も目まぐるしく変わり、適応することを求められる。
どちらかと言えば、お互い自分を貫いて生きるタイプだし、これまでは気にすることがなく一緒にいた。
けれど、大規模侵攻から4年。戦闘員が増え、同世代の人間が増えたことで、取り巻く環境、見られる関係性が俺らに留まることを許してはくれない。
「小南」
未だにえーっと…という感じで悩ましそうにしている小南を真っすぐに見ながら、俺は告げることにした。
これまでの自分なら、曖昧な関係でいいと思っていた。けれど、俺は
「…なによ」
「俺は、お前のことを家族に近いと思ってる。だから、一緒に居て気疲れしないし、嘘だってつかない。昔は恋心を抱いた瞬間があったかもしれないが、今は違うと断言できる。周りにとやかく言われても、関わるときは関わるんだし…だからな、その、友達…いや、親友になってくれないか」
「…親友、親友ね!いい響きじゃない!」
どこか飲み込むように繰り返し発言する小南。
俺の中で消化できる関係性で、一番しっくりくるのがこの親友という言葉だった。
…正直めっちゃ友達!みたいな奴もいないし、ボーダーでの戦闘が仕事という感覚だから、友達より同僚という感覚が近いのだが。小南はまあ、特別だろ…。
「でもね、八幡…」
「ん?」
だが、俺のそんなちっぽけな考えは。
「親友が恋人になる日が来るかもしれないから、その時はよろしくね」
目の前で茶化すように笑顔でこっちを見ている小南に、散々に砕かれたのだった。
その笑顔はずるいだろ…時間が止まってしまえばいいのに。
そんな叶いもしないことを願いながら、平凡な日常は過ぎ去っていく。
―――比企谷八幡の分岐点まで、あと14日。
はい、すいません嘘です。
ヒロインムーブする小南可愛すぎて(想像上)。
しかし時間を空けると駄目ですね、数年前に書いてたプロットの続きから書き足したのもありますけど、最初から読むと違和感ばりばりありそう。
駄文注意タグ貼り付けときますかね。
次からは原作進めます。