問題児達を追って火龍誕生祭へ
朝早くから八幡は商店街のギフトゲームに参加していた。
ルールは至って簡単、トーナメント式の腕相撲だった。参加者は大体百人前後朝早くから始まって残り二人になった所だった。
「さぁ、残り最後の二人になりました‼︎ 最後の対戦は比企谷八幡とボルフです‼︎」
八幡の対戦相手はボルフと呼ばれた獣人の男だった。
「にいちゃん、若いのにすごいな」
「そんな大した事ないですよ」
「それでは準備はいいですか?」
「おう」
「うす」
「それでは……レディーゴー」
(さっさと終わらせる)
足腰に力を入れて相手の指先を吊り上げてストロークし、体を思い切り捻る。すると体格差があるはずだが、あっという間にボルフの腕が下がって地に着いた。
「……勝者、比企谷八幡‼︎」
「ふう、終わった」
「はい、優勝商品のお肉と野菜とお菓子ね」
「どうも」
今回参加した商店街のギフトゲームは食材や菓子類を優勝すれば入手することが出来るゲームだった為、先日"ペルセウス"から可能な限り通貨を巻き上げたがあまり無駄遣いはできないと言う事で八幡は今回のギフトゲームに朝早くから参加した。
「さてと、帰りますか」
商品を持って八幡は"ノーネーム"に帰って行った。
* * *
八幡が"ノーネーム"に戻るとアリスとレン、レティシアしか居なかった。
「あれ?黒ウサギ達は?」
「帰ったのか主殿」
「その主殿っての辞めてくれ、比企谷か八幡とかで呼んでくれて」
「そうか、分かった」
「で、黒ウサギ達はどこ行った?」
「それがね八幡。実は……」
レンが八幡に持っていた手紙を見せる。
そこにはこう書かれていた。
『黒ウサギへ。
北側の四◯◯◯◯◯◯外門と東側の三九九九九九九外門で開催する祭典に参加してきます。
貴女も後から必ず来ること。あ、あと八幡君とアリス、レン、レティシアもね。
私達に祭りの事を意図的に黙っていた罰として、今日中に私たちを捕まえられなかった場合
P/S ジン君は道案内に連れて行きます』
「成る程な。火龍誕生祭にアイツらは行って、黒ウサギはそれを走って追って行ったか」
「あぁ」
「確かに黙ってたのは悪かったけど、飛鳥達もやる事が悪いね」
「全くだ。コミュニティに関わってくる大事だけは辞めて欲しいものだ」
今ここにいる四人は頭を抱えてため息を吐いた。
「で、どうする。行くか?」
「行くしかないだろ」
「うん」
「私は後から追うつもりではあった」
「
「それしかないんじゃないか?」
「うん」
「だが、主殿達は金銭に手をつけていなかったぞ?」
「あ〜、多分何も考えずに行動を起こしたんだろうな。で、その後に逆廻辺りが招待状を送った白夜叉に交渉しに行ったろうな」
「……ああ」
「じゃあ私達は境界門を使うの?」
「それしかないだろう」
「全く、アレって確か使うのに一人金貨一枚必要じゃなかったか?」
「"ペルセウス"から巻き上げたとは言え、痛いな」
「致し方ない」
「罰として、後で逆廻達には稼ぎ直してもらうぞ」
八幡達は文句を多少垂らしながら金庫からサウザンドアイズ発行の金貨を持って境界門へ向かった。