兄弟が消えた少年と、蘭華の少女のお話(お花しはわざと)

1 / 1
このお話は、このお話の主人公の兄は、出て来ませんので…次にあげるであろう自分なりのまとめで全部出そうと思います。それからこの物語を見ると、少しわかりやすくなるかな?と思います。まとめは、活動報告からどうぞ。


兄弟が消えた少年と、蘭のお花し

響 明日斗は、兄の響 明日音と二人暮らしだった。

 

「兄ぃはよーっす。」明日斗

 

「はよっす弟よ。もう昼だけどな。」明日音

 

「知☆等☆話☆名☆」明日斗

 

「テキトーな当て字やめろ。」明日音

 

こんな日常が続くと思っていた。

 

「…まぁそんな現実は甘くないって知ってた。」明日斗

 

ある日、明日音が突然消えたのだ。

 

「いや〜いつかアレは死ぬと思ってたけど…」明日斗

 

明日斗には、幼馴染が5人いる。5人は、明日音の事を知らなかった。

 

しかし、明日斗は伝える事にした。明日音がこの世界にいた証を残しておきたいから。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おはよー」明日斗

 

「おはよー!」ひまり

 

「よう!今日もいい天気だな!」巴

 

「おはよ…」蘭

 

「おは〜」モカ

 

「おはよう!」つぐみ

 

「あ、今日つぐの家にお泊まり会するけど、明日斗君もくる!?」ひまり

 

「ちょっと行けないな〜…」明日斗

 

「なんで?」蘭

 

「簡単に言うと…〈うちの兄さん行方不明になっててマジワロタww〉」明日斗

 

「え!?明日斗って兄いたのか!?」巴

 

「ちょっと!?初耳だよ!?」ひまり

 

「あたしは知ってたよ〜?ニュースでやってたし〜」モカ

 

「はいはい…ってえ!?」蘭

 

「大丈夫なの!?」つぐみ

 

「まぁね?アレはいつも言ってた。『私はね…?絶対にトラブルしか起こさないから。何があっても“いつも通り“でいろよ?』って」明日斗

 

「そういう問題かなぁ…?」つぐみ

 

「そういう問題だよ。だって、アイツはシリアスぶち壊したい病だしな」明日斗

 

「とりあえず、なんか困ったらいつでも相談にのるからな!」巴

 

「いつでもひまりちゃんに頼ってね!」ひまり

 

「うーん…巴さんはまだしもひまりはなぁ…」明日斗

 

「ひどーい!」ひまり

 

「あはは…」つぐみ

 

「蘭〜さっきから黙ってどうしたの〜?」モカ

 

「…なんでも」蘭

 

「ふーん…言いたい事があるなら、言っといた方がいいと思うよ〜?」モカ

 

「…そうだね」蘭

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ねぇ…明日斗」蘭

 

「ん?どした?」明日斗

 

「さっきから、やせ我慢丸わかり…」蘭

 

「やっぱり?」明日斗

 

「そりゃそうでしょ…明日斗がこうなってるのを見るの、2回目なんだからさ…」蘭

 

明日斗と明日音は、親を早くから亡くしている。

 

「まぁね…また1人になるのかなぁ?」明日斗

 

「…あたし達がいる。」蘭

 

「え?」明日斗

 

「あたし達がいるから…!」蘭

 

「……」明日斗

 

「明日斗は、1人じゃない…!あたし達がいるから…そんな顔しないで…!」蘭

 

「…それ告白みたい」明日斗

 

馬鹿である。明日斗はこういう奴なのだ。

 

「…悪い?」蘭

 

「いやいや…顔真っ赤ww」明日斗

 

「明日斗も…真っ赤。」蘭

 

「…照れてんだよ。」明日斗

 

「そうだね…こんな所も、惹かれたのかな…」蘭

 

「あれ?そういえばさっき告白みたいって言葉に否定が…」明日斗

 

「今日は帰るから!」蘭

 

「…走ってった…速いなアレ」明日斗

 

「あれ〜?ここら辺で変な“色“を見かけたんだけどな…ちょっとそこの人」??

 

「私っすか?」明日斗

 

「うんうん君だよ君なんだよ!」??

 

「別に教えてあげれませんけどね」明日斗

 

「違うそうじゃない。それは“光るなら“だ」??

 

「で?初対面の人が何の御用で?」明日斗

 

「いやね?ここら辺にシアンの色を出してる人がいたから…」??

 

「色?」明日斗

「あ、自己紹介。僕の名前は“白原 綺咲“よろしくね?」綺咲

 

「ドーモ=キサキサン。ハジメマシテ」明日斗

 

「なんて忍殺語なのかわからんけど…シアンの色出してたの君?」綺咲

 

「そもそも色なんて見えないんで…」明日斗

 

「いやいや、誰にだって見えるよ…ホシノコドウと一緒。自分の中に、何があるかを見直してみると、きっと見えるさ」綺咲

 

「自分の中に…」明日斗

 

「あ、僕そろそろバイトの面接だから。もしまた会えたら一緒に話そ?」綺咲

 

「…わかりました。いつか…未来で」明日斗

 

「じゃね!」綺咲

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…やっぱり逃げた時の蘭はここにいるよね」明日斗

 

「なんで?もしかしたら家に帰ってたかもしれないんだよ?」蘭

 

「だって、蘭って今日つぐの家行くって言ってたやん」明日斗

 

「そうだけど…あたしが、みんなと初めて会った場所にピンポイントで来るとか…ストーカー?」蘭

 

「酷いな…」明日斗

 

「それで?何の用?」蘭

 

「私の想いを伝えにね?」明日斗

 

「想い?」蘭

 

「私はね?蘭の事が好き」明日斗

 

「え///!?」蘭

 

「あれはね…初めて会った時かな?私が1人で遊んでいたら、蘭が『1人ぼっちは寂しいでしょ?一緒に遊ぼ!』って笑顔で言ってくれた時に、もう一目惚れよ」明日斗

 

「///」蘭

 

「だから…」明日斗

 

「あたしも…明日斗が好き。あたしは、お父さんとの事を乗り越えられたのは、明日斗のお陰だと思ってる…凄くカッコ良かったよ?」蘭

 

「別に私は…『蘭は、自分だけで親と向き合うことだけじゃなくて、みんなで協力して…助け合っていこう。』って言っただけだよ?」明日斗

 

「それでも…明日斗は、あたしにとってのヒーロー」蘭

 

蘭と明日斗は、自分の想いを伝えあった。

 

そして、明日斗はこう切り出した。

 

「実は私ね?近いうち、限界を迎える気がするんだ…」明日斗

 

「…なんの?」蘭

 

「わからない。もしかしたらこの世から消えるかもしれないし…絶望して魔女になるかも…」明日斗

 

「男じゃん。」蘭

 

「あれ?言ってなかったっけ?」明日斗

 

「?」蘭

 

「私に性別ないよ?」明日斗

 

「!?!? 」蘭

 

「知らなかったっけ?」明日斗

 

「知らなかったんだけど!?」蘭

 

「私ってね?○○○○○○だから…」明日斗

 

「それ理由?」蘭

 

「案外そんなもんさ。…ねぇ、蘭」明日斗

 

「どうしたの?」蘭

 

「私がもしいなくなった時のために、これを持っててくれるかな?」明日斗

 

明日斗が渡したのは、小さな花。

 

「…随分悪趣味だね…」蘭

 

「“蘭“の花を渡すなんて、中々に悪趣味だろ?」明日斗

 

「しっかり生けとくよ…」蘭

 

「流石美竹のお嬢様ですわ…」明日斗

 

「じゃあ、あたしは行くね」蘭

 

「じゃあね。また…未来で」明日斗

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やっぱ、こうなったか…」明日斗

 

「まぁまぁ、そんな事言わないの」最上神

 

「結局のところ、あんたは何がしたかったの?」明日斗

 

「親が子供になにかを渡すのはいけない事なのかい?」最上神

 

「そうだね…“響 心音“。そういえば、聞きたい事があるんだけど。」明日斗

 

「どしたん?」心音

 

「なんで私も兄さんも、名前が女の子っぽいの?」明日斗

 

「明日斗はそもそも性別ないだろ。まぁ男寄りだな。明日音は…なんとなく?」心音

 

「そっか…」明日斗

 

「じゃ、これからはお前も、世界を見てきな。これが、神になった親の最後に出来る事だ」心音

 

「まぁ、私はこれから色々な世界を見てくるよ…そういえば、兄いは?」明日斗

 

「今頃別の世界で頑張ってるさ」心音

 

「私も苦労すんのかな…」明日斗

 

「アレが特別なだけだ」心音

 

「そういえば、父様はどやって神になったん?」明日斗

 

「えっと…自称唯一神にゲームで勝ったら、神にしてもらえた」心音

 

「さりげにとんでもない事言わないでくれます?」明日斗

 

「ww」心音

 

「はぁ…行ってくる」明日斗

 

「行ってらっしゃい。いつでも帰ってきていいからね」心音

 

明日斗の物語は、語られない。

 

しかし…もっとも“新しい物語“には、明日斗の名前があった。



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。