"どっちつかずの正義" 作:ベン・ベックマン
原作:僕のヒーローアカデミア
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雄英高校のUSJという場所にA組のメンバーは来ていた。ヒーロー基礎学の授業で、様々な災害の場面でのレスキューに関する授業を行うためだ。
USJとは、水難事故、火災、土砂災害など様々な場面を想定して災害救助を得意とするスペースヒーローの13号によって作られたウソの災害や事故ルームの通称。
しかし、13号が授業を始めようとした瞬間、正体不明の黒いモヤが突然現れた。そこから溢れる殺意と悪意に担任のイレイザーヘッドが気づき、叫んだ。
「ひとかたまりになって動くな!」
「これは演習ではありません! あれはヴィランです!」
13号は生徒たちの前に生徒たちを守るように立ち、そう叫ぶ。13号はあくまで災害救助を得意とし、戦闘はそこまで得意ではない。しかし、プロヒーローとして、教師として生徒たちを守るために前に立ったのだ。
ヴィラン達はその底無しの悪意をむき出しにしながらあたりを睨みつける。リーダーらしき男は目当てのものが見当たらなかったようで、イラついていた。
「おいおい、オールマイトはいないのかよ…。まァ、生徒たちを殺せば来るか…可愛い生徒だろうし、何人か死ねば来るよな」
生徒たちを殺すというリーダーらしき男の発言にイレイザーヘッドと13号はさせまいとヴィラン達を睨みつける。そして、イレイザーヘッドがヴィラン達に対して攻撃を仕掛けようとした瞬間、間延びした声が彼らの頭上から響いた。
「あ〜、お取り込み中の所申し訳ないんだけどさァ〜、人を探しててねェ〜」
ヒーローも、ヴィランのリーダーらしき男も柱の上にいる突然現れた想定外のストライプの入った黄色のスーツを着用し、サングラスをかけている何者かを警戒し、距離を取る。
しかし、その男は一瞬でヴィランのリーダーらしき男の目の前に現れた。
「なッ…」
「探しているのは死柄木弔っていう人間なんだけどォ、君だよねェ〜〜」
「死柄木弔!」
黒霧がヴィランのリーダーらしき男──死柄木弔を守るために彼の前に出ようとするが、黄色のスーツの男の指から放たれたビームに貫かれて倒れた。片手間で黒霧を片付けたスーツの男は胸ポケットからスマートフォンを取り出し、突然何処かに連絡をし始めた。
「も〜しも〜し、こちら"黄猿"ゥ〜〜。対象を発見しましたのでェ〜、任務を開始するよォ〜」
「テメェ…!! 電話なんかして舐めてんのか!!」
あまりにも無防備な黄猿の姿にヴィランの一人が殴りかかった。しかし、黄猿には攻撃は当たらず逆にビームで心臓を撃ち抜かれた。
確かに黄猿の顔面に拳は当たったはずだった。だがなんと、そのまま透過したのだ。
意味不明な出来事に、ヴィラン達もヒーロー達も唖然とする。そんな状態を他所に、黄猿はマイペースにスマートフォンをしまい、ヴィラン達をジロリと見渡す。
「さて、君達ィ〜、速度は"重さ"。"光"の速度で蹴られたことはあるかい?」
そこからは光による蹂躙が始まった。