①
「被告人の逮捕の決め手となったのはこの鉄パイプッス」
②
「鉄パイプからは被害者の血液と被告人の指紋が検出されたッス」
③
「まず、被告人はこの鉄パイプで被害者を殴り気絶させたッス。その後、気絶した被害者を屋上から突き落として殺害した。これが我々の考えッス」
―――――
証言はここまでか……。
「久しぶりの法廷だね、なるほど君」
真宵ちゃんが話しかけてきた。
「そうだね。ここ最近は、ずっと遊んでばっかりだったもんなー」
「はみちゃんと一緒に、公園でボートを漕いだり、楽しかったよねー」
「……ところで、真宵ちゃん。なにか、ムジュンとか見つけられたりはしないかな?」
「……なにかを考えるには、データが足りないかな」
お得意の受け売りのセリフで返されてしまった。
仕方ない。基本に立ち帰って、ゆさぶりまくるか。気になる情報は、細かく突っ込んだりしてもみるとしよう。
「待った!」
「この鉄パイプが逮捕の決め手とのことですが……入手経路などは分かっているのでしょうか」
イトノコ刑事に問いかける。
「そりゃあ、さっき話した工事現場から持ってきたと考えるのが自然ッス。工事現場に行けばいくらでもあるし、凶器にするにはお手軽ッス」
やはり、この鉄パイプは工事現場から持ってこられたものなのか。まあ、普通に考えればそうか……。
……どうやら、ここをゆさぶっても、あまり意味がないみたいだ。
「待った!」
「鉄パイプに付着した指紋と血液は、本当に被告人と被害者のものだったんですか?」
一応、確認しておく。そそっかしいイトノコ刑事の事だ。勘違いしている可能性もあり得るからな……。
「勿論っす。我々の科学力を舐めないで欲しいッス!」
妙に自信満々のイトノコ刑事。科学調査をしているのは彼ではないはずだが……気にしたら負けだな。
「ちなみに、一つ補足しておくッスが、この鉄パイプと被害者の頭の傷は、完全に一致しているッス。被害者は間違いなくこの鉄パイプによって殴られたッス」
他の鉄パイプで殴られたわけではない、と……。別のもので殴られた可能性を示せればいいと考えていたけれど……道をふさがれてしまったな。
「そして、この凶器に関する我々の見解についてッスが……」
「待った!」
「被害者が頭を殴られた回数は一度だけだった。間違いないですね?」
「間違いないッス。解剖記録にもそう書いてあるはずッスよ」
……確かにそう書かれている。聞くだけ無駄だったかな。
……でも、この話、まだ掘り下げられるかもしれない。もう少し、この路線で攻めてみるか。
殴られた被害者に関する情報……何かないだろうか?
うーむ、どうやらここはもう少しゆさぶる余地がありそうだ。
でも、何を聞き出せばいいものか……。
「悩んでいるみたいだね、なるほどくん」
心配した真宵ちゃんがぼくに話しかけてきた。
「うん。殴られた被害者のことについて聞いていこうと思うんだけど……なにを聞いたらいいのか思い浮かばなくて」
「そっか……」
真宵ちゃんも真剣に考えてくれているのか、しばらくの間俯いて何かを考えていた。ぼくも、法廷記録のデータをもう一度洗い直しながら、一緒に考える。
しばらくして何か思いついたのか、「ひらめいた!」と大きな声を真宵ちゃんが上げた。
「何か思いついたの?」
「うん。なるほどくんが見直していたデータを見て思ったんだけど、今までに提出された資料には、“被害者は頭部を殴られた”ということしか書かれていないなって」
確かに……“頭部を殴られた”としか資料には書かれておらず、その他の具体的な情報は記載されていない。
「……ありがとう、真宵ちゃん。おかげで何とかなるかもしれない」
「ほんと? 役に立てたのなら何よりだよ」 嬉しかったのか、真宵ちゃんはその場で小躍りをする。
さて、早速イトノコ刑事に聞いてみるか。
「解剖記録に“頭部を殴られた”と記載されていますが、具体的には頭のどの辺りを殴られたのでしょうか?」
質問を聞いたイトノコ刑事は、一瞬頭の上に疑問符が浮かんだような顔をした。が、すぐに何かを思い出すと、資料が入ったカバンを取り出した。
「そ、そういえば、監察医の人がどこを殴られたかきちんと話してくれたはずッス!」
イトノコ刑事は彼の物と思われるコートと同じ色の小さな手帳をページが破れそうな勢いで捲り始めた。
しばらくして、「あったッス!」と言うと、そのページに書かれている内容を読み上げた。
「えーっと……被害者が殴られたのは頭頂だと言っていたッス」
頭頂……要は頭のてっぺんというわけか。これは新しい情報だ。解剖記録に書き加えておこう。
・被害者の解剖記録
被害者の解剖記録。
下部に詳細あり。
※詳細
被害者 女性(身元不明)
死因 高所からの転落による脳挫傷
追記 頭頂部に鉄パイプのようなもので殴られた形跡を発見。一度だけ殴られた模様。
「どうやら、新しい情報が出てきたようです。証人。証言を訂正していただけますかな?」
「了解したッス」
裁判長の要請を受けて、イトノコ刑事が返事した。
ふむ……新しい情報が手に入ったが……。少しこの情報、”ムジュン”を感じるな……。この証言が怪しいかもしれない。
ひとつ“つきつけて”みてもいいかもしれないな。
……いや、特にゆさぶるべき事も思いつかないし、こんなものでいいか。
「? どうしたッスか? 急に黙り込んで」
イトノコ刑事が困惑した様子でこちらに問いかける。
「あ、ああ。ちょっと考え事をしていただけです。気にせず続きをどうぞ」
「わ、わかったッス……」
①
「被告人の逮捕の決め手となったのはこの鉄パイプッス」
【法廷記録】
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
これがないと、
誰もぼくを弁護士として
みとめてくれない。
──────────────────
──────────────────
・被害者の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
下部に詳細あり。
※詳細
被害者 女性(身元不明)
死因 高所からの転落による脳挫傷
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
現場の様子を写した写真。
※詳細
被害者は、あおむけに倒れている。
被害者の身長は、180~185cmほど。
頭から血が流れているが、髪に隠れて傷跡は見づらい。
校舎によって、影ができており、周囲に飛び散った血も見づらくなっている。
──────────────────
──────────────────
・現場の地図【つきつける】
現場となった学校の地図。
監視カメラの設置場所なども記入されている。
※作者注…画像を用意できていないため、
この証拠品を使う場面は、答えを掲示します。
──────────────────
──────────────────
・ネクタイピン【つきつける】
被害者が所持していた。
数日前に発生した空き巣事件の盗難品。
被害者と空き巣事件の関係は現在不明。
──────────────────
──────────────────
・謎の紋章【つきつける】
現場に落ちていた謎の紋章。
金メッキで加工されているようで、
ところどころはがれてしまっている。
──────────────────
──────────────────
・鉄パイプ【つきつける】
被害者を死に至らしめた凶器。
殴った衝撃で、一部が曲がってしまっている。
被告人の指紋と、被害者の血液が付着。
──────────────────
──────────────────
・工事現場の写真【つきつける】
イトノコ刑事が、現場近辺で撮影してきた写真。
全部で二枚ある。
※詳細
一枚目…地上から撮られた写真。足場を覆うように向こう側の見えない白色の幕が張られている。一見するとなんてことの無いただの工事現場。
二枚目…屋上から取られた写真。鉄パイプで作られた足場が写っている。
一か所、鉄パイプが抜けている部分がある。
──────────────────
《人物ファイル》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・岡瑠波(17)【つきつける】
今回の事件の被告人。
事件の起こった学校の生徒。
隠れオカルトマニアのようだ。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
弁護の依頼人。
瑠波さんの学校の先生らしいが
どこか怪しげな雰囲気がある。
──────────────────
──────────────────
・亜内武文(54)【つきつける】
どこかさえない中年検事。
昔は凄腕だったとかなんとか。
──────────────────
──────────────────
・糸鋸圭介(32)【つきつける】
おなじみイトノコ刑事。
相変わらずビンボーで、
そうめんばかりすすっているらしい。
──────────────────
②
「鉄パイプからは被害者の血液と被告人の指紋が検出されたッス」
【法廷記録】
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
これがないと、
誰もぼくを弁護士として
みとめてくれない。
──────────────────
──────────────────
・被害者の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
下部に詳細あり。
※詳細
被害者 女性(身元不明)
死因 高所からの転落による脳挫傷
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
現場の様子を写した写真。
※詳細
被害者は、あおむけに倒れている。
被害者の身長は、180~185cmほど。
頭から血が流れているが、髪に隠れて傷跡は見づらい。
校舎によって、影ができており、周囲に飛び散った血も見づらくなっている。
──────────────────
──────────────────
・現場の地図【つきつける】
現場となった学校の地図。
監視カメラの設置場所なども記入されている。
※作者注…画像を用意できていないため、
この証拠品を使う場面は、答えを掲示します。
──────────────────
──────────────────
・ネクタイピン【つきつける】
被害者が所持していた。
数日前に発生した空き巣事件の盗難品。
被害者と空き巣事件の関係は現在不明。
──────────────────
──────────────────
・謎の紋章【つきつける】
現場に落ちていた謎の紋章。
金メッキで加工されているようで、
ところどころはがれてしまっている。
──────────────────
──────────────────
・鉄パイプ【つきつける】
被害者を死に至らしめた凶器。
殴った衝撃で、一部が曲がってしまっている。
被告人の指紋と、被害者の血液が付着。
──────────────────
──────────────────
・工事現場の写真【つきつける】
イトノコ刑事が、現場近辺で撮影してきた写真。
全部で二枚ある。
※詳細
一枚目…地上から撮られた写真。足場を覆うように向こう側の見えない白色の幕が張られている。一見するとなんてことの無いただの工事現場。
二枚目…屋上から取られた写真。鉄パイプで作られた足場が写っている。
一か所、鉄パイプが抜けている部分がある。
──────────────────
《人物ファイル》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・岡瑠波(17)【つきつける】
今回の事件の被告人。
事件の起こった学校の生徒。
隠れオカルトマニアのようだ。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
弁護の依頼人。
瑠波さんの学校の先生らしいが
どこか怪しげな雰囲気がある。
──────────────────
──────────────────
・亜内武文(54)【つきつける】
どこかさえない中年検事。
昔は凄腕だったとかなんとか。
──────────────────
──────────────────
・糸鋸圭介(32)【つきつける】
おなじみイトノコ刑事。
相変わらずビンボーで、
そうめんばかりすすっているらしい。
──────────────────
③
「まず、被告人はこの鉄パイプで被害者を殴り気絶させたッス。その後、気絶した被害者を屋上から突き落として殺害した。これが我々の考えッス」
【法廷記録】
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
これがないと、
誰もぼくを弁護士として
みとめてくれない。
──────────────────
──────────────────
・被害者の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
下部に詳細あり。
※詳細
被害者 女性(身元不明)
死因 高所からの転落による脳挫傷
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
現場の様子を写した写真。
※詳細
被害者は、あおむけに倒れている。
被害者の身長は、180~185cmほど。
頭から血が流れているが、髪に隠れて傷跡は見づらい。
校舎によって、影ができており、周囲に飛び散った血も見づらくなっている。
──────────────────
──────────────────
・現場の地図【つきつける】
現場となった学校の地図。
監視カメラの設置場所なども記入されている。
※作者注…画像を用意できていないため、
この証拠品を使う場面は、答えを掲示します。
──────────────────
──────────────────
・ネクタイピン【つきつける】
被害者が所持していた。
数日前に発生した空き巣事件の盗難品。
被害者と空き巣事件の関係は現在不明。
──────────────────
──────────────────
・謎の紋章【つきつける】
現場に落ちていた謎の紋章。
金メッキで加工されているようで、
ところどころはがれてしまっている。
──────────────────
──────────────────
・鉄パイプ【つきつける】
被害者を死に至らしめた凶器。
殴った衝撃で、一部が曲がってしまっている。
被告人の指紋と、被害者の血液が付着。
──────────────────
──────────────────
・工事現場の写真【つきつける】
イトノコ刑事が、現場近辺で撮影してきた写真。
全部で二枚ある。
※詳細
一枚目…地上から撮られた写真。足場を覆うように向こう側の見えない白色の幕が張られている。一見するとなんてことの無いただの工事現場。
二枚目…屋上から取られた写真。鉄パイプで作られた足場が写っている。
一か所、鉄パイプが抜けている部分がある。
──────────────────
《人物ファイル》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・岡瑠波(17)【つきつける】
今回の事件の被告人。
事件の起こった学校の生徒。
隠れオカルトマニアのようだ。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
弁護の依頼人。
瑠波さんの学校の先生らしいが
どこか怪しげな雰囲気がある。
──────────────────
──────────────────
・亜内武文(54)【つきつける】
どこかさえない中年検事。
昔は凄腕だったとかなんとか。
──────────────────
──────────────────
・糸鋸圭介(32)【つきつける】
おなじみイトノコ刑事。
相変わらずビンボーで、
そうめんばかりすすっているらしい。
──────────────────
「異議あり!」
ぼくは指を思いっきりつきつけた。
「裁判長! ただいまの証言は、この証拠品のデータとムジュンしています!」
「……? どこがですか? 特におかしいところは見当たらないようですが……」
裁判長はけげんな表情を浮かべる。
「あれ? ……そうですかね?」
「異議は認められません」
裁判長は無慈悲にも首を振る。
「弁護人は、もっと慎重に発言してください!」
しまった! 失敗してしまったみたいだ……。
どうやら、つきつけるべき証言が違う、もしくは証拠品が間違っているみたいだ。
もう一度考え直さないと……。
①
「被告人の逮捕の決め手となったのはこの鉄パイプッス」
②
「鉄パイプからは被害者の血液と被告人の指紋が検出されたッス」
③
「まず、被告人はこの鉄パイプで被害者を殴り気絶させたッス。その後、気絶した被害者を屋上から突き落として殺害した。これが我々の考えッス」
―――――
証言はここまでか……。
「久しぶりの法廷だね、なるほど君」
真宵ちゃんが話しかけてきた。
「そうだね。ここ最近は、ずっと遊んでばっかりだったもんなー」
「はみちゃんと一緒に、公園でボートを漕いだり、楽しかったよねー」
「……ところで、真宵ちゃん。なにか、ムジュンとか見つけられたりはしないかな?」
「……なにかを考えるには、データが足りないかな」
お得意の受け売りのセリフで返されてしまった。
仕方ない。基本に立ち帰って、ゆさぶりまくるか。気になる情報は、細かく突っ込んだりしてもみるとしよう。
「待った!」
「この鉄パイプが逮捕の決め手とのことですが……入手経路などは分かっているのでしょうか」
イトノコ刑事に問いかける。
「そりゃあ、さっき話した工事現場から持ってきたと考えるのが自然ッス。工事現場に行けばいくらでもあるし、凶器にするにはお手軽ッス」
やはり、この鉄パイプは工事現場から持ってこられたものなのか。まあ、普通に考えればそうか……。
……どうやら、ここをゆさぶっても、あまり意味がないみたいだ。
「待った!」
「鉄パイプに付着した指紋と血液は、本当に被告人と被害者のものだったんですか?」
一応、確認しておく。そそっかしいイトノコ刑事の事だ。勘違いしている可能性もあり得るからな……。
「勿論っす。我々の科学力を舐めないで欲しいッス!」
妙に自信満々のイトノコ刑事。科学調査をしているのは彼ではないはずだが……気にしたら負けだな。
「ちなみに、一つ補足しておくッスが、この鉄パイプと被害者の頭の傷は、完全に一致しているッス。被害者は間違いなくこの鉄パイプによって殴られたッス」
他の鉄パイプで殴られたわけではない、と……。別のもので殴られた可能性を示せればいいと考えていたけれど……道をふさがれてしまったな。
「そして、この凶器に関する我々の見解についてッスが……」
「待った!」
「被害者は、頭頂部を殴られた。間違いないですか!」
「間違いないと断言できるッス! 監察医の先生に、きちんとメモした内容まで確認してもらったッスから!」
「そ、そうですか……」
流石にそれはやりすぎなんじゃ……。
ま、まあなんにせよ、この情報は確実性のあるものだということが、確認できたな。
しかし、この情報、やはり“ムジュン”を感じるな……。この証言が怪しいかもしれない。
ひとつ“つきつけて”みてもいいかもしれないな。
①
「被告人の逮捕の決め手となったのはこの鉄パイプッス」
【法廷記録】
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
これがないと、
誰もぼくを弁護士として
みとめてくれない。
──────────────────
──────────────────
・被害者の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
下部に詳細あり。
※詳細
被害者 女性(身元不明)
死因 高所からの転落による脳挫傷
追記 頭部に鉄パイプのようなもので殴られた形跡を発見。一度だけ殴られた模様。
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
現場の様子を写した写真。
※詳細
被害者は、あおむけに倒れている。
被害者の身長は、180~185cmほど。
頭から血が流れているが、髪に隠れて傷跡は見づらい。
校舎によって、影ができており、周囲に飛び散った血も見づらくなっている。
──────────────────
──────────────────
・現場の地図【つきつける】
現場となった学校の地図。
監視カメラの設置場所なども記入されている。
※作者注…画像を用意できていないため、
この証拠品を使う場面は、答えを掲示します。
──────────────────
──────────────────
・ネクタイピン【つきつける】
被害者が所持していた。
数日前に発生した空き巣事件の盗難品。
被害者と空き巣事件の関係は現在不明。
──────────────────
──────────────────
・謎の紋章【つきつける】
現場に落ちていた謎の紋章。
金メッキで加工されているようで、
ところどころはがれてしまっている。
──────────────────
──────────────────
・鉄パイプ【つきつける】
被害者を死に至らしめた凶器。
殴った衝撃で、一部が曲がってしまっている。
被告人の指紋と、被害者の血液が付着。
──────────────────
──────────────────
・工事現場の写真【つきつける】
イトノコ刑事が、現場近辺で撮影してきた写真。
全部で二枚ある。
※詳細
一枚目…地上から撮られた写真。足場を覆うように向こう側の見えない白色の幕が張られている。一見するとなんてことの無いただの工事現場。
二枚目…屋上から取られた写真。鉄パイプで作られた足場が写っている。
一か所、鉄パイプが抜けている部分がある。
──────────────────
《人物ファイル》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・岡瑠波(17)【つきつける】
今回の事件の被告人。
事件の起こった学校の生徒。
隠れオカルトマニアのようだ。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
弁護の依頼人。
瑠波さんの学校の先生らしいが
どこか怪しげな雰囲気がある。
──────────────────
──────────────────
・亜内武文(54)【つきつける】
どこかさえない中年検事。
昔は凄腕だったとかなんとか。
──────────────────
──────────────────
・糸鋸圭介(32)【つきつける】
おなじみイトノコ刑事。
相変わらずビンボーで、
そうめんばかりすすっているらしい。
──────────────────
②
「鉄パイプからは被害者の血液と被告人の指紋が検出されたッス」
【法廷記録】
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
これがないと、
誰もぼくを弁護士として
みとめてくれない。
──────────────────
──────────────────
・被害者の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
下部に詳細あり。
※詳細
被害者 女性(身元不明)
死因 高所からの転落による脳挫傷
追記 頭部に鉄パイプのようなもので殴られた形跡を発見。一度だけ殴られた模様。
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
現場の様子を写した写真。
※詳細
被害者は、あおむけに倒れている。
被害者の身長は、180~185cmほど。
頭から血が流れているが、髪に隠れて傷跡は見づらい。
校舎によって、影ができており、周囲に飛び散った血も見づらくなっている。
──────────────────
──────────────────
・現場の地図【つきつける】
現場となった学校の地図。
監視カメラの設置場所なども記入されている。
※作者注…画像を用意できていないため、
この証拠品を使う場面は、答えを掲示します。
──────────────────
──────────────────
・ネクタイピン【つきつける】
被害者が所持していた。
数日前に発生した空き巣事件の盗難品。
被害者と空き巣事件の関係は現在不明。
──────────────────
──────────────────
・謎の紋章【つきつける】
現場に落ちていた謎の紋章。
金メッキで加工されているようで、
ところどころはがれてしまっている。
──────────────────
──────────────────
・鉄パイプ【つきつける】
被害者を死に至らしめた凶器。
殴った衝撃で、一部が曲がってしまっている。
被告人の指紋と、被害者の血液が付着。
──────────────────
──────────────────
・工事現場の写真【つきつける】
イトノコ刑事が、現場近辺で撮影してきた写真。
全部で二枚ある。
※詳細
一枚目…地上から撮られた写真。足場を覆うように向こう側の見えない白色の幕が張られている。一見するとなんてことの無いただの工事現場。
二枚目…屋上から取られた写真。鉄パイプで作られた足場が写っている。
一か所、鉄パイプが抜けている部分がある。
──────────────────
《人物ファイル》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・岡瑠波(17)【つきつける】
今回の事件の被告人。
事件の起こった学校の生徒。
隠れオカルトマニアのようだ。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
弁護の依頼人。
瑠波さんの学校の先生らしいが
どこか怪しげな雰囲気がある。
──────────────────
──────────────────
・亜内武文(54)【つきつける】
どこかさえない中年検事。
昔は凄腕だったとかなんとか。
──────────────────
──────────────────
・糸鋸圭介(32)【つきつける】
おなじみイトノコ刑事。
相変わらずビンボーで、
そうめんばかりすすっているらしい。
──────────────────
③
「まず、被告人はこの鉄パイプで被害者を殴り気絶させたッス。その後、気絶した被害者を屋上から突き落として殺害した。これが我々の考えッス」
【法廷記録】
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
これがないと、
誰もぼくを弁護士として
みとめてくれない。
──────────────────
──────────────────
・被害者の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
下部に詳細あり。
※詳細
被害者 女性(身元不明)
死因 高所からの転落による脳挫傷
追記 頭部に鉄パイプのようなもので殴られた形跡を発見。一度だけ殴られた模様。
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
現場の様子を写した写真。
※詳細
被害者は、あおむけに倒れている。
被害者の身長は、180~185cmほど。
頭から血が流れているが、髪に隠れて傷跡は見づらい。
校舎によって、影ができており、周囲に飛び散った血も見づらくなっている。
──────────────────
──────────────────
・現場の地図【つきつける】
現場となった学校の地図。
監視カメラの設置場所なども記入されている。
※作者注…画像を用意できていないため、
この証拠品を使う場面は、答えを掲示します。
──────────────────
──────────────────
・ネクタイピン【つきつける】
被害者が所持していた。
数日前に発生した空き巣事件の盗難品。
被害者と空き巣事件の関係は現在不明。
──────────────────
──────────────────
・謎の紋章【つきつける】
現場に落ちていた謎の紋章。
金メッキで加工されているようで、
ところどころはがれてしまっている。
──────────────────
──────────────────
・鉄パイプ【つきつける】
被害者を死に至らしめた凶器。
殴った衝撃で、一部が曲がってしまっている。
被告人の指紋と、被害者の血液が付着。
──────────────────
──────────────────
・工事現場の写真【つきつける】
イトノコ刑事が、現場近辺で撮影してきた写真。
全部で二枚ある。
※詳細
一枚目…地上から撮られた写真。足場を覆うように向こう側の見えない白色の幕が張られている。一見するとなんてことの無いただの工事現場。
二枚目…屋上から取られた写真。鉄パイプで作られた足場が写っている。
一か所、鉄パイプが抜けている部分がある。
──────────────────
《人物ファイル》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・岡瑠波(17)【つきつける】
今回の事件の被告人。
事件の起こった学校の生徒。
隠れオカルトマニアのようだ。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
弁護の依頼人。
瑠波さんの学校の先生らしいが
どこか怪しげな雰囲気がある。
──────────────────
──────────────────
・亜内武文(54)【つきつける】
どこかさえない中年検事。
昔は凄腕だったとかなんとか。
──────────────────
──────────────────
・糸鋸圭介(32)【つきつける】
おなじみイトノコ刑事。
相変わらずビンボーで、
そうめんばかりすすっているらしい。
──────────────────
「異議あり!」
ぼくは指を思いっきりつきつけた。
「裁判長! ただいまの証言は、この証拠品のデータとムジュンしています!」
「……? どこがですか? 特におかしいところは見当たらないようですが……」
裁判長はけげんな表情を浮かべる。
「あれ? ……そうですかね?」
「異議は認められません」
裁判長は無慈悲にも首を振る。
「弁護人は、もっと慎重に発言してください!」
しまった! 失敗してしまったみたいだ……。
どうやら、つきつけるべき証言が違う、もしくは証拠品が間違っているみたいだ。
もう一度考え直さないと……。
「異議あり!」
ぼくの声が、静かな法廷中に響く。
――さあ、反撃開始だ!
「糸鋸刑事、あなたは今“被告人は被害者の頭頂部を殴った”と証言しました」
「そ、それがどうかしたッス?」
「被告人が被害者の頭頂部を殴る……それはどう考えても不可能なのです」
「ど、どういうことですか?」
裁判長も驚きを隠しきれないようだ。法廷中の視線がぼくに向けられる。
「まず、この証拠品を見て下さい」 そう言って、現場写真を取り出す。
「これは……ただの現場写真ですな」
「その通りです。今回注目していただきたいのは、そこに移っている被害者の“身長”です」
「し、身長ッスか……」
「目測ではありますが、この写真を見る限り被害者の身長は、百八十から百八十五はあるでしょう」
「確かに。女性にしてはやけに身長が高いですな。しかし、これがどうしたというのですか?」
「では次に、ある人物に注目していただきます」
「い、一体誰ッス?」
「それは被告人、岡瑠波さんです」
「わ、私ですか?」
法廷中の視線が、今度は瑠波さんに向けられる。
「被告人、あなたの身長を教えていただけませんか?」
「私ですか? えっと……確か百五十センチくらいでしょうか」
「被告人の身長は百五十センチ。被害者の身長は百八十センチ。その差はおよそ三十センチです」
「さ、三十センチも……」
話をずっと黙って聞いていた亜内検事が思わず言葉を漏らした。その顔には、徐々に焦りの色が見え始める。
ぼくは気合を入れ直すために机を両手で勢いよく叩くと、そのままの勢いで人差し指を突きつける。
「三十センチもの身長差がある以上、被告人が被害者の頭頂部を殴ることは不可能なのです!」
「み、見おとしていたッス!」 イトノコ刑事が頭を抱えながら大声を上げる。傍聴席からは少しざわめきが起こった。
なんとか突破できた。が、油断はできない。検察側から反論が飛び出してくるかもしれないからな……。
「異議ありィ!」
そう思ったのもつかの間、案の定検察側から異議が唱えらえた。
「弁護側のただいまの立証……ムジュンがあると私は考えます!」
「む、ムジュンですか。具体的には?」
裁判長が聞いた。
「弁護側は身長差の影響で、被告人が被害者を殴ることが出来ないと主張しました。しかし! 例えば被害者がしゃがんでいたらどうでしょう?」
「しゃ、しゃがんでいた時?」
「その通りです。例えどんなに身長差があろうとも、被害者がしゃがんでしまう。もしくは、被告人が被害者よりも高い位置にいたとしたら、身長差などまったくの無意味になるのです!」
……痛いところを突かれた。確かに、被害者がしゃがんでしまえば、身長差は関係なくなってしまう。……すぐに考えればわかる話なのに……盲点だった。
「さらに付け加えると、鉄パイプには被告人の指紋が残っていました。この指紋がある限り、被告人が被害者を殴ったという事実は揺るぎないものとなるのです!」
うう……完全に逃げ道をふさがれてしまった。せっかく突破できたと思ったのだが……どうやら、振出しに戻ってしまったようだ。
「……どうやら、弁護側からの反論は無いようですな」
裁判長が、何も言わないぼくを見てそう言った。うう、出来る事ならば反論したい。けれど、何も思い浮かばない。下手に責めない方が今は良いだろう。
「ふふふ……この反論に手も足も出ないようですな。亜内武文、久々にいっぱい食らわせてやりましたぞ! ふふふ……」
嬉しそうに、そして皮肉たっぷりに、亜内検事が大きな独り言をつぶやく。
……大丈夫、まだどうにかなるはずだ。気持ちを落とさないで行こう。
しばしの間喜びに浸っていた亜内検事だったが、すぐに元に戻ると「それでは、次の証人を呼ばせていただきます」と言った。
「え! 自分の出番、もう終わりッスか?」
「はい、下がってもらって結構です」
「そ、そんな。昨日あれだけ練習した意味がなくなるッスよ……」
肩をガックリと落し、イトノコ刑事は法廷を後にした。……お気の毒に。
「それで、次の証人は誰ですかな?」
裁判長が聞く。
「今回の事件の通報者兼、遺体の第一発見者です」
「なるほど」
第一発見者……確か警備員さんだったよな。恐らく、この裁判の山となるのはこの証人だ。より一層気を引き締めよう。
「では、証人の管椎名さんを入廷させてください」
亜内検事がそう言った直後、法廷の扉が大きな音をたてて開いた。後ろの方に座っていた傍聴人たちが驚く様子が見える。
入ってきたのは大柄な男だった。身長は百八十代ぐらいだろうか。年齢は二十代後半くらいで、アスリートのような顔つきをしている、やや暑苦しそうな雰囲気の男性だ。
体つきが良いせいか、警備服のボタンが今にもはじけ飛びそうになっている。頭には、紺色の警備員用の帽子をかぶっている。
……なぜだろう。この帽子、何かが足りないような気がするけど……まあ、気のせいか。
証言台に男が立つと、「証人、名前と職業を」と亜内検事が身分確認を行う。名前を聞かれた証人は「ハッ!」と大きな声で言いながら敬礼した。……なんだか軍人さんみたいな人だな。
「自分は、管椎名(かん しいな)と申します!」 敬礼したまま自己紹介をする。
「職業は……そう、東深見高校でアルバイトの警備員を務めさせていただいております!
一瞬、管さんは言葉を詰まらせたが、すぐに職業を答えた。
「椎名、ですか。少し女性っぽい名前ですな」
裁判長が言った。
「ハッ! よく言われます!」 敬礼をして答える。
「それにしても、ずいぶんと板についた敬礼ですね。警備員歴はどのくらいになるのでしょう?」
完全に興味本位だろう。裁判長が聞いた。
「ハッ! 実を申しますと、自分つい昨日警備員として着任したばかりなのであります! そのせいで、まだ警備会社の名簿に名前すら載っていないのであります!」
「そ、そうなのですか……」
何かを期待していたのだろうか、裁判長はやや落胆したような雰囲気になった。別に、そんなことどうでもいいと思うんだけどな……
しかし、あの敬礼毎回するのか? 見ていて疲れるんだけど……。
身分確認を得た亜内検事は、「証人は事件当日被害者の遺体を校舎裏で目撃した……間違いないですね?」と確認する。
「ハッ! この目でしっかりと!」
「では、その時のことについて証言をお願いします」
「了解いたしました!」
亜内検事に促され、証言が始まった。