「異議あり!」
……まさか、この情報が役に立つとは思っていなかった。やはり、人……いや、鬼の話はきちんと聞いておくべきだな。
「証人。あなたが吐き気を感じる前に飲んだお酒には、“えぐみ”があった。断言できますね?」
「ええ。忘れようのない味でした。断言できます」
「ありがとうございます。証人。……これで、どうやら証明できそうです」
「異議あり!」
検察側からの異議だ。
「飲んだ酒にえぐみを感じた……。ふん、それがどうかしたのですか。そんな些細な情報、気にかけるに能わないものです!」
自信満々に言い放つ四季検事。が、ぼくはその言葉に思いっきり首を振ってやった。
「ところが四季検事。この話は、とある証拠と決定的にムジュンしているのですよ!」
「む、ムジュンですって?」
ぼくは、法廷記録からメモを取り出した。
「あの日宴会では、二種類の酒がふるまわれていたようです。名前は、“鬼殺し”に、“神便鬼毒酒”。それぞれ、辛い味と、甘い味を特徴とする酒です」
「辛いと甘い……あっ!」
四季検事は、こちらの意図に気づいたのか、顔をしかめた。
「先ほどの尋問で、証人は宴会でふるまわれた酒以外の液体は、一切口にしなかった、と証言しました。……しかし、彼女は、“えぐみ”のある液体を口にしている。これは、明らかなムジュンです!」
「ぐううっ!」
四季検事が叫んだ。傍聴席からは、少しざわめきが起こる。
「静粛に!」
紫さんが、そのざわめきを制止した。それを確認したぼくは、そのまま続ける。
「さて、ここで“なぜ証人はえぐみのある液体を口にしたのか”という疑問が浮かびます。宴会場でふるまわれた酒の中に、えぐみのあるものはない。つまり、これらの酒を飲んだことは、原因とはなりません。では、いつこのような状況が成り立つのか。……考え得る状況は一つです。何者かが、えぐみのある液体の入ったお猪口を、証人のものと入れ替えた時。それ以外ありえない!」
「異議あり! どうやら、弁護側が主張したムジュンは正しいようです。しかし、その液体と事件との間に、関連性は見受けられない! えぐみのある液体が事件に関係していると証明できない以上、あなたの主張は何の意味も持たないのです!」
「異議あり! お言葉ですが、このえぐみのある液体は、事件に大きくかかわっています! ……四季検事。この液体の正体が何か、あなたも既に知っているはずだ!」
「ぐっ……。そ、それは……!」
四季検事はこちらから視線をそらした。気づいているとみて間違いないようだ。
「さて、舌戦はそこまでにして……。弁護側に問うわ」
紫さんが木槌を打ち鳴らしながら言う。
「証人が飲んだ、えぐみのある液体。その正体とは一体……!」
……ついに、ここにたどり着けた。液体の正体、それは決まり切っている!
ぼくは、机を叩き、そして叫んだ。
「証人が口にした液体の正体、それは……。被害者を死に至らしめた、鬼殺の秘薬です!」
「ぐううっ!」
四季検事が再び叫ぶ。傍聴席からは、今回の法廷で一番のどよめきが起こった。
「静粛に! 静粛に! 弁護人。続けて頂戴」
「被害者の殺害に使われた毒物、鬼殺の秘薬。その特徴の一つに、“強いえぐみ”があげられます。そして、証人が吐き気を感じる前に飲んだ液体もまた、えぐみがあった。証人が鬼殺の秘薬を口にしたことは、明白な事実です!」
「異議あり!」
四季検事は苦しい顔を見せたが、それでも引き下がる。
「えぐみという共通点だけで、証人が毒物を飲んだと判断するのは、あまりにも早急です! あなたの理論で言うならば、この世に存在する全てのえぐみのある液体は、鬼殺の秘薬ということになってしまいますよ!」
「異議あり! 証人が飲んだのは、間違いなく鬼殺の秘薬だったのです! 弁護側は、それを証明する証拠品を提出する準備があります!」
「分かったわ。では、証拠品を提出してもらいましょう。証人が飲んだ液体が、鬼殺の秘薬だったことを示す証拠品を!」
【法廷記録】
《証拠品》
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
ぼくの身分を証明するためのバッジ。
これが無いと誰もぼくを弁護士として認めてくれないが‥‥幻想郷で付けていてもあまり意味がないような気がする。
──────────────────
──────────────────
・鬼道酒華の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
※詳細
・被害者 鬼道酒華
・死因 鬼殺の秘薬の摂取による内蔵出血。
──────────────────
──────────────────
・鬼殺の秘薬【つきつける】
被害者を死に至らしめた毒物。鬼族の血の濃さに応じて毒性が変化する。
鬼族以外の種族には一切反応を示さない。えぐみのある味をしているらしい。
──────────────────
──────────────────
・宴会参加者の情報【つきつける】
名琴から教えてもらった宴会の参加者の情報。
※詳細
宴会の参加者は妖怪がほとんどを占めていて、
人間は唯一名琴のみ。鬼が全部で六人、残りの二人は妖怪だった。
──────────────────
──────────────────
・名琴の証言書【つきつける】
名琴から聞いたことをメモしたもの。
「萃香が被害者に酌をしたとき、彼女は盛大に酒をこぼしてしまった」
──────────────────
──────────────────
・被害者のお猪口【つきつける】
被害者が座っていた席に置かれていた。
牡丹と鶯色の鳥が描かれている。
──────────────────
──────────────────
・華扇と勇儀たちの関係【つきつける】
華扇は昔、鬼の勇儀と萃香、さらにもう一人別の鬼と、
四人でよくつるんでいた。
──────────────────
──────────────────
・茨木の百薬升【つきつける】
華扇の持ち物。病気やけがを治す力を持つが、
使用し続けると体が少しずつ鬼になるらしい。
──────────────────
──────────────────
・鬼殺し【つきつける】
宴会でふるまわれた酒。
強い度数と辛みが特徴。
──────────────────
──────────────────
・神便鬼毒酒【つきつける】
宴会でふるまわれた酒。
弱めの度数と甘い味が特徴。
──────────────────
──────────────────
・お猪口と徳利セット【つきつける】
萃香が持参したお猪口と徳利のセット。
お猪口はペアになっているものが5セット入っている。
※詳細
それぞれのお猪口の柄は以下の通り。
風:表に雲、裏面に風が吹いている様子
花:表に彼岸花、裏面に川
雪:表に降雪の様子、裏面に月
月:表に月、裏面にすっぽん
鳥:表に鶯色の鳥、裏に牡丹の花
──────────────────
──────────────────
・鬼の四天王【つきつける】
その昔、妖怪の山に君臨した四人組の鬼の集団。
メンバーは萃香、勇儀、そして残り二人のうち一人は……?
──────────────────
──────────────────
・鬼の四天王時代の写真【つきつける】
妖怪の山に鬼の四天王が君臨していた時に撮られた写真。
鬼だった頃の華扇と、勇儀、萃香が写っている。
──────────────────
《人物》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
ぼくを幻想郷に連れてきた謎の妖怪。
スキマ、というワープホールを使うことができる。
──────────────────
──────────────────
・四季映姫(??)【つきつける】
幻想郷の裁判長。紫さんの挑発に乗って検事になった。
色々とフクザツな事情を抱えていそうだ。
──────────────────
──────────────────
・小野塚小町(??)【つきつける】
法廷係官。
サボり癖がひどく四季検事にいつも怒られている。
──────────────────
──────────────────
・鬼道酒華(??)【つきつける】
今回の事件の被害者。
彼女に関する情報はまだ少ない。
──────────────────
──────────────────
・メディスン・メランコリー(??)【つきつける】
今回の事件の被告人。毒を操る程度の能力を持つ。
大人の女性に憧れている節があるようだ。
──────────────────
──────────────────
・河城にとり(??)【つきつける】
刑事兼エンジニアの河童。
四季検事に怒られたせいか、機械いじりは慎むようになった。
──────────────────
──────────────────
・名琴為人(24)【つきつける】
宴会の参加者の一人。自称物書き。
掴みどころのない印象を受ける。
──────────────────
──────────────────
・茨木華扇(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。
生真面目そうな印象の人だ。
──────────────────
──────────────────
・星熊勇儀(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。でかいほうの鬼。
豪快な性格で小さなことは気にしない人のようだ。
──────────────────
──────────────────
・伊吹萃香(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。小さいほうの鬼。
見た目とは裏腹に酒のみ。常に酒の入ったひょうたんを携帯している。
──────────────────
「これが、液体の正体を示してくれます!」
「……その証拠品。確かに正体を示してくれているようですね。……弁護人の正体が嘘つき、という揺るぎない事実を!」
「ぐぎゃあ!」
……間違えてしまったようだ。
「間違えてしまいましたが……。それでも、証人が飲んだのは、間違いなく鬼殺の秘薬だったのです! 弁護側は、それを証明する証拠品を提出する準備があります!」
「分かったわ。では、証拠品を提出してもらいましょう。証人が飲んだ液体が、鬼殺の秘薬だったことを示す証拠品を!」
【法廷記録】
《証拠品》
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
ぼくの身分を証明するためのバッジ。
これが無いと誰もぼくを弁護士として認めてくれないが‥‥幻想郷で付けていてもあまり意味がないような気がする。
──────────────────
──────────────────
・鬼道酒華の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
※詳細
・被害者 鬼道酒華
・死因 鬼殺の秘薬の摂取による内蔵出血。
──────────────────
──────────────────
・鬼殺の秘薬【つきつける】
被害者を死に至らしめた毒物。鬼族の血の濃さに応じて毒性が変化する。
鬼族以外の種族には一切反応を示さない。えぐみのある味をしているらしい。
──────────────────
──────────────────
・宴会参加者の情報【つきつける】
名琴から教えてもらった宴会の参加者の情報。
※詳細
宴会の参加者は妖怪がほとんどを占めていて、
人間は唯一名琴のみ。鬼が全部で六人、残りの二人は妖怪だった。
──────────────────
──────────────────
・名琴の証言書【つきつける】
名琴から聞いたことをメモしたもの。
「萃香が被害者に酌をしたとき、彼女は盛大に酒をこぼしてしまった」
──────────────────
──────────────────
・被害者のお猪口【つきつける】
被害者が座っていた席に置かれていた。
牡丹と鶯色の鳥が描かれている。
──────────────────
──────────────────
・華扇と勇儀たちの関係【つきつける】
華扇は昔、鬼の勇儀と萃香、さらにもう一人別の鬼と、
四人でよくつるんでいた。
──────────────────
──────────────────
・茨木の百薬升【つきつける】
華扇の持ち物。病気やけがを治す力を持つが、
使用し続けると体が少しずつ鬼になるらしい。
──────────────────
──────────────────
・鬼殺し【つきつける】
宴会でふるまわれた酒。
強い度数と辛みが特徴。
──────────────────
──────────────────
・神便鬼毒酒【つきつける】
宴会でふるまわれた酒。
弱めの度数と甘い味が特徴。
──────────────────
──────────────────
・お猪口と徳利セット【つきつける】
萃香が持参したお猪口と徳利のセット。
お猪口はペアになっているものが5セット入っている。
※詳細
それぞれのお猪口の柄は以下の通り。
風:表に雲、裏面に風が吹いている様子
花:表に彼岸花、裏面に川
雪:表に降雪の様子、裏面に月
月:表に月、裏面にすっぽん
鳥:表に鶯色の鳥、裏に牡丹の花
──────────────────
──────────────────
・鬼の四天王【つきつける】
その昔、妖怪の山に君臨した四人組の鬼の集団。
メンバーは萃香、勇儀、そして残り二人のうち一人は……?
──────────────────
──────────────────
・鬼の四天王時代の写真【つきつける】
妖怪の山に鬼の四天王が君臨していた時に撮られた写真。
鬼だった頃の華扇と、勇儀、萃香が写っている。
──────────────────
《人物》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
ぼくを幻想郷に連れてきた謎の妖怪。
スキマ、というワープホールを使うことができる。
──────────────────
──────────────────
・四季映姫(??)【つきつける】
幻想郷の裁判長。紫さんの挑発に乗って検事になった。
色々とフクザツな事情を抱えていそうだ。
──────────────────
──────────────────
・小野塚小町(??)【つきつける】
法廷係官。
サボり癖がひどく四季検事にいつも怒られている。
──────────────────
──────────────────
・鬼道酒華(??)【つきつける】
今回の事件の被害者。
彼女に関する情報はまだ少ない。
──────────────────
──────────────────
・メディスン・メランコリー(??)【つきつける】
今回の事件の被告人。毒を操る程度の能力を持つ。
大人の女性に憧れている節があるようだ。
──────────────────
──────────────────
・河城にとり(??)【つきつける】
刑事兼エンジニアの河童。
四季検事に怒られたせいか、機械いじりは慎むようになった。
──────────────────
──────────────────
・名琴為人(24)【つきつける】
宴会の参加者の一人。自称物書き。
掴みどころのない印象を受ける。
──────────────────
──────────────────
・茨木華扇(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。
生真面目そうな印象の人だ。
──────────────────
──────────────────
・星熊勇儀(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。でかいほうの鬼。
豪快な性格で小さなことは気にしない人のようだ。
──────────────────
──────────────────
・伊吹萃香(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。小さいほうの鬼。
見た目とは裏腹に酒のみ。常に酒の入ったひょうたんを携帯している。
──────────────────
ぼくはメモを取り出すと、心の中で「くらえ!」と叫ぶ。
「証拠品……それは、鬼殺の秘薬自体です!」
「ど、毒自体が証拠なの?」
紫さんが聞く。
「鬼殺の秘薬が身体に及ぼす影響の中に、吐き気があげられます。証人の吐き気は、鬼殺の秘薬によって引き起こされた可能性がある!」
「異議あり! 鬼殺の秘薬は、摂取した者に流れている鬼族の血に反応して、効果を示します。……しかし! 証人は仙人。鬼ではないのです。つまり、鬼殺の秘薬が反応するはずがない!」
「異議あり! 残念ですが、検事。あなたの主張は間違っている!」
「ぐ……ぐうっ!」
四季検事が奥歯をギッ、と噛みしめた。
華扇さんが、自身の正体のことを四季検事に話しているかどうか、ぼくは知らない。
しかし、華扇さんが証言台に立つことを彼女が恐れていたということは、四季検事は華扇さんの正体を知っているはず。だからこそ、今のぼくの言葉に、彼女は動揺したんだ!
ぼくは、机を叩いて続きを言おうとする。が、ここで、華扇さんが自身の正体のことを隠したがっていることを思い出した。思わず、証言台のほうに目が行く。
すると、華扇さんは観念したように目を閉じ、こちらに向かって頷いてくれた。
……話してもいい、ということのなのだろうか?
確認の意味も込めて、目配せすると、彼女は再び頷いてくれた。
……華扇さんは、こちらに味方してくれたみたいだ。ならば、遠慮なく、彼女の正体を明かさせていただく!
改めて机を叩く。
「裁判長! 弁護側は、証拠を提出する準備があります!」
「証拠……証人の正体を示す証拠ね」
「その通りです!」
「分かったわ。では、弁護側に提出を命じましょう。……この証人の、正体を示す証拠とは!」
【法廷記録】
《証拠品》
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
ぼくの身分を証明するためのバッジ。
これが無いと誰もぼくを弁護士として認めてくれないが‥‥幻想郷で付けていてもあまり意味がないような気がする。
──────────────────
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・鬼道酒華の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
※詳細
・被害者 鬼道酒華
・死因 鬼殺の秘薬の摂取による内蔵出血。
──────────────────
──────────────────
・鬼殺の秘薬【つきつける】
被害者を死に至らしめた毒物。鬼族の血の濃さに応じて毒性が変化する。
鬼族以外の種族には一切反応を示さない。えぐみのある味をしているらしい。
──────────────────
──────────────────
・宴会参加者の情報【つきつける】
名琴から教えてもらった宴会の参加者の情報。
※詳細
宴会の参加者は妖怪がほとんどを占めていて、
人間は唯一名琴のみ。鬼が全部で六人、残りの二人は妖怪だった。
──────────────────
──────────────────
・名琴の証言書【つきつける】
名琴から聞いたことをメモしたもの。
「萃香が被害者に酌をしたとき、彼女は盛大に酒をこぼしてしまった」
──────────────────
──────────────────
・被害者のお猪口【つきつける】
被害者が座っていた席に置かれていた。
牡丹と鶯色の鳥が描かれている。
──────────────────
──────────────────
・華扇と勇儀たちの関係【つきつける】
華扇は昔、鬼の勇儀と萃香、さらにもう一人別の鬼と、
四人でよくつるんでいた。
──────────────────
──────────────────
・茨木の百薬升【つきつける】
華扇の持ち物。病気やけがを治す力を持つが、
使用し続けると体が少しずつ鬼になるらしい。
──────────────────
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・鬼殺し【つきつける】
宴会でふるまわれた酒。
強い度数と辛みが特徴。
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・神便鬼毒酒【つきつける】
宴会でふるまわれた酒。
弱めの度数と甘い味が特徴。
──────────────────
──────────────────
・お猪口と徳利セット【つきつける】
萃香が持参したお猪口と徳利のセット。
お猪口はペアになっているものが5セット入っている。
※詳細
それぞれのお猪口の柄は以下の通り。
風:表に雲、裏面に風が吹いている様子
花:表に彼岸花、裏面に川
雪:表に降雪の様子、裏面に月
月:表に月、裏面にすっぽん
鳥:表に鶯色の鳥、裏に牡丹の花
──────────────────
──────────────────
・鬼の四天王【つきつける】
その昔、妖怪の山に君臨した四人組の鬼の集団。
メンバーは萃香、勇儀、そして残り二人のうち一人は……?
──────────────────
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・鬼の四天王時代の写真【つきつける】
妖怪の山に鬼の四天王が君臨していた時に撮られた写真。
鬼だった頃の華扇と、勇儀、萃香が写っている。
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《人物》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
ぼくを幻想郷に連れてきた謎の妖怪。
スキマ、というワープホールを使うことができる。
──────────────────
──────────────────
・四季映姫(??)【つきつける】
幻想郷の裁判長。紫さんの挑発に乗って検事になった。
色々とフクザツな事情を抱えていそうだ。
──────────────────
──────────────────
・小野塚小町(??)【つきつける】
法廷係官。
サボり癖がひどく四季検事にいつも怒られている。
──────────────────
──────────────────
・鬼道酒華(??)【つきつける】
今回の事件の被害者。
彼女に関する情報はまだ少ない。
──────────────────
──────────────────
・メディスン・メランコリー(??)【つきつける】
今回の事件の被告人。毒を操る程度の能力を持つ。
大人の女性に憧れている節があるようだ。
──────────────────
──────────────────
・河城にとり(??)【つきつける】
刑事兼エンジニアの河童。
四季検事に怒られたせいか、機械いじりは慎むようになった。
──────────────────
──────────────────
・名琴為人(24)【つきつける】
宴会の参加者の一人。自称物書き。
掴みどころのない印象を受ける。
──────────────────
──────────────────
・茨木華扇(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。
生真面目そうな印象の人だ。
──────────────────
──────────────────
・星熊勇儀(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。でかいほうの鬼。
豪快な性格で小さなことは気にしない人のようだ。
──────────────────
──────────────────
・伊吹萃香(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。小さいほうの鬼。
見た目とは裏腹に酒のみ。常に酒の入ったひょうたんを携帯している。
──────────────────
「これこそが、証人の正体を示しているのです!」
「……事件現場の前で私とした話、もう忘れたんですか?」
「あれ、これだったはずじゃ?」
「違います!」
……どうやら、間違った証拠を提示してしまったようだ。
「改めて、裁判長! 弁護側は、今度こそ正しい証拠を提出する準備があります!」
「証拠……証人の正体を示す証拠ね」
「その通りです!」
「分かったわ。えは、弁護側に提出を命じましょう。……この証人の、正体を示す証拠とは!」
【法廷記録】
《証拠品》
──────────────────
・弁護士バッジ【つきつける】
ぼくの身分を証明するためのバッジ。
これが無いと誰もぼくを弁護士として認めてくれないが‥‥幻想郷で付けていてもあまり意味がないような気がする。
──────────────────
──────────────────
・鬼道酒華の解剖記録【つきつける】
被害者の解剖記録。
※詳細
・被害者 鬼道酒華
・死因 鬼殺の秘薬の摂取による内蔵出血。
──────────────────
──────────────────
・鬼殺の秘薬【つきつける】
被害者を死に至らしめた毒物。鬼族の血の濃さに応じて毒性が変化する。
鬼族以外の種族には一切反応を示さない。えぐみのある味をしているらしい。
──────────────────
──────────────────
・宴会参加者の情報【つきつける】
名琴から教えてもらった宴会の参加者の情報。
※詳細
宴会の参加者は妖怪がほとんどを占めていて、
人間は唯一名琴のみ。鬼が全部で六人、残りの二人は妖怪だった。
──────────────────
──────────────────
・名琴の証言書【つきつける】
名琴から聞いたことをメモしたもの。
「萃香が被害者に酌をしたとき、彼女は盛大に酒をこぼしてしまった」
──────────────────
──────────────────
・被害者のお猪口【つきつける】
被害者が座っていた席に置かれていた。
牡丹と鶯色の鳥が描かれている。
──────────────────
──────────────────
・華扇と勇儀たちの関係【つきつける】
華扇は昔、鬼の勇儀と萃香、さらにもう一人別の鬼と、
四人でよくつるんでいた。
──────────────────
──────────────────
・茨木の百薬升【つきつける】
華扇の持ち物。病気やけがを治す力を持つが、
使用し続けると体が少しずつ鬼になるらしい。
──────────────────
──────────────────
・鬼殺し【つきつける】
宴会でふるまわれた酒。
強い度数と辛みが特徴。
──────────────────
──────────────────
・神便鬼毒酒【つきつける】
宴会でふるまわれた酒。
弱めの度数と甘い味が特徴。
──────────────────
──────────────────
・お猪口と徳利セット【つきつける】
萃香が持参したお猪口と徳利のセット。
お猪口はペアになっているものが5セット入っている。
※詳細
それぞれのお猪口の柄は以下の通り。
風:表に雲、裏面に風が吹いている様子
花:表に彼岸花、裏面に川
雪:表に降雪の様子、裏面に月
月:表に月、裏面にすっぽん
鳥:表に鶯色の鳥、裏に牡丹の花
──────────────────
──────────────────
・鬼の四天王【つきつける】
その昔、妖怪の山に君臨した四人組の鬼の集団。
メンバーは萃香、勇儀、そして残り二人のうち一人は……?
──────────────────
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・鬼の四天王時代の写真【つきつける】
妖怪の山に鬼の四天王が君臨していた時に撮られた写真。
鬼だった頃の華扇と、勇儀、萃香が写っている。
──────────────────
《人物》
──────────────────
・綾里真宵(19)【つきつける】
ぼくの助手。
倉院流霊媒道の使い手。今もなお修行中。
──────────────────
──────────────────
・八雲紫(??)【つきつける】
ぼくを幻想郷に連れてきた謎の妖怪。
スキマ、というワープホールを使うことができる。
──────────────────
──────────────────
・四季映姫(??)【つきつける】
幻想郷の裁判長。紫さんの挑発に乗って検事になった。
色々とフクザツな事情を抱えていそうだ。
──────────────────
──────────────────
・小野塚小町(??)【つきつける】
法廷係官。
サボり癖がひどく四季検事にいつも怒られている。
──────────────────
──────────────────
・鬼道酒華(??)【つきつける】
今回の事件の被害者。
彼女に関する情報はまだ少ない。
──────────────────
──────────────────
・メディスン・メランコリー(??)【つきつける】
今回の事件の被告人。毒を操る程度の能力を持つ。
大人の女性に憧れている節があるようだ。
──────────────────
──────────────────
・河城にとり(??)【つきつける】
刑事兼エンジニアの河童。
四季検事に怒られたせいか、機械いじりは慎むようになった。
──────────────────
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・名琴為人(24)【つきつける】
宴会の参加者の一人。自称物書き。
掴みどころのない印象を受ける。
──────────────────
──────────────────
・茨木華扇(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。
生真面目そうな印象の人だ。
──────────────────
──────────────────
・星熊勇儀(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。でかいほうの鬼。
豪快な性格で小さなことは気にしない人のようだ。
──────────────────
──────────────────
・伊吹萃香(??)【つきつける】
宴会の参加者の一人。小さいほうの鬼。
見た目とは裏腹に酒のみ。常に酒の入ったひょうたんを携帯している。
──────────────────
提出すべき証拠は、明白だ! ぼくは法廷記録から、写真を取り出した。
「その証拠は、こいつです!」
「それは……写真ね」
「この写真には、かつて妖怪の山に君臨していた、鬼の四天王達が写っています。この写真に写った、桃色髪の鬼……見覚えがありませんか?」
「……証人にそっくりね」
紫さんが言った。
「その通りです。証人は、元鬼族だった! 仙人になる修行の過程で、その血は薄まりましたが、彼女の中には、まだ鬼族の血が流れている! だから、彼女は鬼殺の秘薬を摂取し、吐き気を感じてしまったのです!」
ぼくは、机を目いっぱい叩いた。……これで終わりだ!
「つまり! 事件当時、宴会の場には毒の入ったお猪口があった! このことから、被害者が、そのお猪口から毒物を摂取して死亡した可能性が浮上するのです!」
「き…………きゃあああああっ!」
四季検事が悲鳴を上げ、机に突っ伏した。……どうやら、しのぎ切れたようだ。
「……今の話を聞いていて、一つ思い出したことがあります」
ほとぼりが冷めたころ、華扇さんが言った。
「なんでしょう?」
証言で思い出せないと言っていたことについてだろうか。ぼくは即座に華扇さんに思い出したこと、について聞いてみた。
「吐き気を感じて厠に向かう前、私が使っていたお猪口には鳥の絵が描かれていました。しかし、厠から帰ってきたとき、私の席においてあったお猪口には……川の絵が描いてあったのです」
「先ほどの鬼たちの話と一致する内容ね。証人は当初、鳥のお猪口を使っていた。しかし、席をいったん立って戻ってきた時には、お猪口は華のお猪口に入れ替わっていた……ということね」
「そのようです。このことから、鳥のお猪口に毒が仕込まれていたと導くことができます」
紫さんとの会話で、自分の中で情報の整理ができてきた。今の話を総合すると、鳥のお猪口を使っていた人物が、自らのお猪口に毒を入れ、それを同じく鳥のお猪口を使っていた華扇さんに手渡した、ということのようだ。
もし、真犯人が鳥以外のお猪口を使っていたとした場合、華扇さんと真犯人の間でお猪口が交換されたタイミングで、柄が変わっていることがばれてしまう。つまり、同じ柄を使っていないとこの方法は成り立たないという事だ。
……これで、調査で調べるべき対象が見つかったな。探すべきは、鳥のお猪口を持つ人物だ。
「……どうやら、新たな可能性が浮上したようね」
紫さんが言った。
「当初、現場からは毒物は被害者の体内以外から検出されていなかった。しかし、たった今、弁護側が毒物の入ったお猪口が存在していた可能性を主張したわ。この時点で、検察側の主張は崩れてしまう。だけど同時に、弁護側が存在を主張する毒の入ったお猪口が発見されていないのもまた事実だわ。……今の時点で判決を下すのは、まだ無理なようね」
紫さんは、木槌を鳴らす。
「果たして、被害者の体内以外に、毒物が現場に存在していたのか? 弁護側・検察側ともに、再調査でこの点を明確にしてきて頂戴」
「分かりました」
「……御意に」
双方とも、異議もなく紫さんの要請を受け入れた。
「では、本日はこれで閉廷!」
木槌が打ち鳴らされ、今日の法廷は終了した。
……た、助かった、みたいだな。
【同日 午後2時23分 裁判所 被告人第2控室】
「な、何とかなったみたいだね……」
控室に戻ってくると、真宵ちゃんは冷や汗をかきながら言った。
「あ、ああ。華扇さんがお猪口のことを覚えていないと言ったときは、流石に終わったと思ったよ」
「いやー。やっぱりなるほどくんの弁護は、綱渡りになる運命なんだね」
「……ぼくだって、そうせずにすむのなら、そうしたいものだよ」
ああ、汗でシャツがべったりだ。このまま弁護士を続けていたら、命がいくつあっても足りないよ。
「弁護士さん」
控室に、メディスンさんが入ってきた。
「あ、メディスンさん。お疲れ様です」
「まずはありがとうと言っておくわ。何とか、首の皮一枚つながったみたいね」
「ええ。結構ギリギリでした」
「そうみたいね……被告人席で聞いていて、生きた心地がしなかったわ。開廷前に、真宵さんが言っていたことは、確かだったようね。隣に座っていた死神に、鎌をつきつけられる幻覚が危うく見えかけたわ」
メディスンさんは、頭を抱えてフラフラとする。
「……とにかく、これで一日延命することができました。この後は、調査でどのようにして華扇さんのもとに毒入りのお猪口が届けられたのか。そして、そのお猪口がどのようにして被害者の元に運ばれたのか。その二点を調べる必要があるようで……」
「あー、その前にちょっといいかしら?」
ぼくの耳元で声がした。思わず、「ふわあああ!」と情けない声が出る。
「紫さん! 何ですか急に!」
「あら、驚かしちゃった? ごめんなさいね~」
……嘘だ。絶対に驚かしに来てる。
「意気込むのはいいのだけれど……。今朝言っていたことについて、少しお話しさせていただけないかしら?」
「け、今朝……。ああ、そういえばそうでしたね。……でも、今は調査が」
「ああ、それなら大丈夫よ。そんなに長くならないし、安心して頂戴!」
「で、でも……」
「つべこべ言わないの。……しかたないわね。それっ!」
紫さんは、床に向かって空を割くように指を動かす。すると、浮き上がったような感覚がやってくる。と、思った次の瞬間、ぼくの体は、深い穴に落ちていった。す、スキマだ!
「あ、そのスキマは私の家に繋がっているから安心して~! 後で会いましょう~!」
紫さんは、スキマの入り口から顔を出し、こちらに呼びかける。
「ちょ、ちょっと紫さん! やり方が強引ですよ!」
徐々に遠くなる控室を、ぼくは見上げながら落ちることしかできなかった。……なんでこう、何度も穴に落ちないといけないんだ!
目玉模様だらけのスキマの中で、ぼくは一人抗いようのない理不尽に怒るのだった。
どうも、タイホくんです。第3話法廷1日目はこれにて終了です。
なるほどくん側の方針がある程度定まった状態での裁判でしたので、思ったほど波乱が起こせなかったというのが、作者としての感想です。
探偵1日目のサイコロックのくだりを裁判中にやった方が、もう少し盛り上がったのではないかと思っているのですが……まあ、後の祭りという事で。
予告通り、一カ月の休載を挟んだ後、探偵二日目を始めていこうと思います。
連載再開予定日は、6月19日です。以前言っていた6月26日だと、一カ月と一週間だったので。数え間違いしていました。
また一カ月後にお会いしましょう。
では。