東方ドラ伝 ドラえもん のび太の東方日記(ダイアリー)2 作:カニ魂
原作:東方project
タグ:クロスオーバー ドラえもん 短編 東方project 独自設定あり オリキャラ ちょっとバトルあり オリ秘密道具
一作目読み返してからドラえもんでないのはあれかな~と思い続きを作りました。
自分の知ってるドラえもんじゃないと感じるかもしれませんがご了承ください。
※SS投稿掲示板にも投稿しています。
あらすじで言ってましたが実際自分でもあれこれドラえもん?ってなりかけました。
原作のドラえもんみたいなノリでいこうかなと思ったんですがだんだん最近のドラえもんになってってね?てなったり...まあそこは触れないでもらいたい次第です
それではどうぞ
「本当に君はいつまでたっても進歩がない」
のび太が家に帰るとそこには青い狸のようなものがいた。
彼の名は『ドラえもん』。
22世紀、つまり未来からのび太の子孫のセワシからのび太を手助けするよう頼まれてやって来た子守り用猫型 ロボット(友達タイプ)である。
「進歩がないとはなんだ」
のび太は不満を露にするがドラえもんは呆れながら続ける。
「そもそも君は自分に出来ないことですぐ見栄を張ろうとする。なのにそれをやろうと努力もせずに僕に頼ろうとするんだ。これを進歩が無いと言わずに何と言うんだ」
「うわ~~!!ドラえもんにも見捨てられた~~!!もうお仕舞いだ~!!」
わんわんと泣きわめくのび太にドラえもんはやれやれとポケットに手を入れる。
「これで少しは懲りればいいんだけど...」
「おお~!流石我が友よ!」
気前がいいんだから...とドラえもんはポケットから22世紀の道具、秘密道具を取り出した。
「お化け探知機ー!」
ドラえもんが取り出したのは首から吊り下げる感じの箱型の機械と、それにコードで繋がったマイクのようなものがある道具だった。
「なにそれ?」
のび太が質問するとドラえもんは答える。
「これは妖怪やお化けを探す道具で、首から吊り下げて妖怪やお化けが近くにいればマイクが音を出して知らせてくれるんだ」
説明が終えてものび太の新たな疑問が生まれた。
「何処を探すの?」
「それは自分で何とかしなさいよ」
ええ~~っ!?と驚くとドラえもんはのび太を叱った。
「22世紀でだって妖怪なんて見つかってないんだぞ!そんな秘境みたいな場所が何処かなんてわかるか!!」
「わ、わかったよ...」
渋々のび太はドラえもんにタケコプターを貸してもらい出掛けた。
それを窓から眺めてドラえもんはふぅっと一息つく。
「まあ見付からないだろうけど今ののび太くんにはこういう経験も必要だろうな」
「ドラちゃーん、買い物行ってきてくれなーい?」
「あ、はーい」
ママに呼ばれてドラえもんも買い物に出掛けていった。
一方、のび太はドラえもんが出掛けて直ぐに家に戻ってきた。
「よく考えればこの辺に妖怪が隠れられる場所なんて無いじゃないか」
タケコプターで空を飛べても速度はそこまで速くないし夕飯前には帰らないと行けないのだ。
そうなると周辺地域ではなくもっと遠くの山奥とか探さないといけないと考えドラえもんに相談しようと戻ってきた。
「あれ、ドラえもん出掛けたのかな?」
誰も居ない部屋で仕方ないと押し入れからスペアポケットを取り出した。
「これでどこでもドアを...そもそも本当に妖怪の居場所が分かるものは無いのかな?」
秘境とか探す道具みたいのは...と、のび太はポケットの中をまさぐってみると一つの道具を掴まえた。
「なんだこれ?」
取り出すとそれは地図と矢のようなものだった。
はて、と思い説明書があったので読んでみる。
「何々...秘境探しセット、地図に秘境のある場所を矢で刺せばブザーが鳴るだってぇ!!?」
驚くことに本当にあったのでのび太はびっくりすると同時にドラえもんに不満が沸いてきた。
「チクショ~ドラえもんめ、こんなのあるんなら出せばいいのにケチな奴...」
まあいいや、とのび太は矢を持って地図とにらめっこし始めた。
「妖怪は日本だけだからこの部分だけで、あと僕の家の周辺は無いと思うから~...」
とまあ推測してはみるがそれでも十分に面積が広い。
その中からピタリと当ててみせないといけないのだ。
それはもう、駄々っ広いクローバー群から1枚の四つ葉を探すような作業である。
しかも説明書にはご丁寧に0.01ミリの誤差でも反応しないと書かれている。(因みに矢の針は0.004㎜だそうだ)
確かに正確さは大切だが正直当たりやすい方が希望は持てるし探す気にもなれるが...
それにのび太は飽き性なので1分くらい指し続ければおそらく疲れて止め『ビーッ!ビーッ!ビーッ!』
...る前にのび太が刺した矢がブザーを鳴らした。
「やったー!やったー!これで探せるぞー!」
場所が特定出来た事が嬉しくてのび太ははしゃぎ出した。
それにしても凄いのはのび太が矢を刺したのはこれが一発目なのである。
妖怪が隠れ住める様な秘境を探す、気の遠くなりそうな作業になるであろうことを僅か一刺しで当ててみせたのである。
強運どころの騒ぎじゃない。
「よーし!早速探しに行くぞー!」
スペアポケットからどこでもドアを取り出しブザーが鳴った場所とどこでもドアの空間を繋げた。
「いざ、妖怪探しへ!」
そして、のび太が扉を開けると、そこには樹木に囲まれたさながら樹海のような光景だった。
「へ~こんなところあるんだなー」
どこでもドアを仕舞うと早速お化け探知機を使ってみた。
「いるかな~」
するとマイクからピッピッピッと音を鳴らして反応した。
「す、凄いぞ!ホントに妖怪は居るんだ!!」
のび太は待ちきれない様に急いで反応のある方へ向かった。
「ただいまー」
のび太が秘境へ出掛けてから少したってドラえもんは買い物を終えて家に帰ってきた。
「お帰りなさいドラちゃん、おやつあるから食べていいわよ」
「はーい」
ドラえもんはおやつを取ってくると二階へ持っていき食べようとした。
「買い物してる最中急にお腹がくすぐったくなったな...」
疑問に思うが直ぐに答えは出た。
「さてはのび太だな。また勝手にポケットを使って、たぶんそのまま持ち出して...」
部屋に入ると押し入れが開いているのを見て自分の予感が的中したことを知る。
「まったく、これからは隠す場所も考えないと...?」
ふと、床に散らかっている道具を見る。
「あれ、なんだっけこの道具?」
ドラえもんはうーんと思い出そうした後にアッ!?と叫ぶ。
「しまったッ!!?これは秘境探しセットじゃないか!!?」
思い出すとドラえもんはガクブルと震え出す。
「この道具は秘境探しとは名ばかりの危険探索機みたいなもんだ...。開発ミスによって危険な罠が沢山ある神殿とか忘れられた地雷や不発弾が埋まっている危険地帯、果てには肉食生物の巣や溶岩が常に噴き出す火山地帯なんてものばっかりに反応するようになってしまったんだ...。危ないから返品しようと思ってたのにあのバカは何やって...」
と、とにかく!と、ドラえもんは急いでどこでもドアを出す。
「のび太くんのいる場所!早く!」
だがどこでもドアはエラーの音を出して一向に空間を繋げようとしない。
「な、何でだよっ!?のび太くんの命が懸かってるんだぞ!!」
ガンガンどこでもドアを叩くがエラーの出さない。
「もういい!」
どこでもドアを仕舞うと秘境探しセットの矢を持って地図を広げる。
「こうなったらこれで秘境のある場所を探し当てるしかない...」
ドラえもんは手当たり次第に地図に矢を刺していく。
「このっ!このっ!このっ!このっ!このっ!このっ!」
何度も何度も刺し続けるが、やはり中々ヒットしない。
のび太の場合は単に運がとてつもなく良かったからあまり考えなくても当たっただけで、普通にやればこの通りである。
「このっ!このっ!このっ!う~...このっ!このっ!」
次第に涙が出てくるがそれでも諦めるわけにはいかないと刺し続ける。
「このっ...このっ...このっ...」
涙をポタポタと地図に落としながら泣き続ける。
次第に刺し続ける腕がゆっくりと、最後にはやっつけのように刺しながら泣き続ける。
「僕のせいだ...のび太くんを止めなかったから...」
やがて自分を責めだし、地図をくしゃりと握り潰す。
「せめて探すときに一緒にいてあげたら...僕がスペアポケットをちゃんと隠さなかったから...」
そしてうわーーーんッ!!!と泣き叫びながらポケットから100tと書かれたハンマーを取り出す。
そこで突然、のび太の机の引き出しが開きそこから青年、のび太の子孫でありドラえもんにのび太の世話役を提案した人物『セワシ』が出てくる。
「やあドラえもん、上手くいって」
「ウワーーーーーーーーッ!!!」
「キャーーーーーーーッ!!!?」
ドラえもんが物騒な物を振りかぶってるのを見て思わず悲鳴をあげる。
「よ、よせっ!早まるな!!」
慌てて押さえかかるがドラえもんも抵抗する。
「離せーーッ!罪滅ぼしをーーッ!!」
「何やってるの二人とも?」
引き出しから更に黄色いロボット、もう一人の猫型ロボットでドラえもんの妹の『ドラミ』が出てくる。
「頼むドラミちゃん!こいつ押さえつけて!」
「来るなーー妹ーーーッ!!お兄ちゃんは償いをーーーーッ!!」
「え、え、どういうこと?」
「わーーーッ!!?ドラえもんッ!?振り回さないでーーッ!!?」
「うるさーい!!僕もセワシくんももう終わりなんだーーッ!!!」
「もぅ~~...」
だんだん赤くなるドラミはドラえもんのハンマーをひったくる。
「いい加減にしなさーーーい!!!!」
そして二人の頭に大きく降り下ろした。
「「!!!?」」
ゴォンッ!と音を経てて二人は床に倒れ付した。
頭に星が回ってる二人を無視してドラミは怒る。
「先ずは何が起きたのか教えてよっ!いい!?」
「「はい...」」
そしてドラえもんとセワシは状況を説明する。
一方、のび太はお化け探知機の反応のあった所へ行ってみるとそこには階段があった。
「階段があるけどこの上かな?登ってみよ!」
ルンルン♪と陽気に登って行く。
「これでジャイアンたちをギャフンと言わせられるぞ~!」
走りながら階段を登るがまだ頂上までは遠い。
「ランラン♪」
まだまだ走るがまだ着かない。
「ふう...まだかな?」
少し疲れてきたがまだ頑張れる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ...」
次第に息が上がってきたが妖怪に会えるという希望で頑張って登り続ける。
「ぜぇ...ぜぇ...ぜぇ...ぜぇ...ぜぇ」
だんだんペースが遅くなって汗が流れてくる。
「ぜぇ...はぁ...ぜぇ...ひぃ...ひぃ...ふぅ...」
最早ゆっくり歩いているのと変わらないスピードにまでなった。
「この階段...はぁはぁ...こんな...ぜぇぜぇ、長いなんて...それとも...ひぃひぃ...僕が体力...ぜぇはぁ...無いからかな...」
実際普通の小学生ならもう少しいけるのだがそれでもこの階段は長いので駆け上がり続ければ結局は誰だってのび太みたいにグロッキー状態になる。
こんな階段登るのはロッキーぐらいじゃなかろうかと思わせる程長い。(実際ロッキーだって登りきれるかどうか怪しいと思うのび太であった)
それでもここまで来たら何とかジャイアン達を見返したいとのび太はなけなしの根性を何とか振り絞り頑張っていると頂上があと少しのところまで来た。
「ぜぇぜぇ...も...もう少し~...」
そして何とか頂上に着くとのび太はそこで疲れのあまり倒れ伏してしまった。
「はぁはぁ...ダメ...もう歩けない...」
だらしなく口を開けて休むのび太は自分が登った階段を見下ろしてみた。
「うわ~...高いな~...」
のび太はあまりの高さに学校より高いんじゃないかと考える。
実際ここまで登ったら学校どころかビルとだってタメ張れる程である。
そんなのを登りきったのだからのび太にしてもしなくてもかなり頑張った方である。
「ん?」
ふと、頂上はどんなもんかと見てみるとそこには奇妙なものがあった。
「これ、何だっけ?鳥、鳥...鳥門?」
鳥居である。
のび太は鳥の部分しか思い出せないので見かけが門っぽいからその名が出た。もう一度言う。
鳥居である。
「あれ、これって神社にあるやつじゃ...」
奥を見ると確かに木造の建物のが見える。
「もしかして、あれが神社?」
にしてもボロッちいな、とのび太は思う。
何しろ端から見れば廃屋か何かにしか見えないくらい風化して天井や壁に穴が空いている等とても雨風を防げるような建物ではない。
いくら妖怪でもこんなところに住むのかと道具を疑ったがここまで来た以上仕方ないと割りきり探索を始める。
「それにしても不気味だな~...」
見るからに手入れのされていない廃屋、人がこない樹海、更に妖怪の反応アリとここまで揃えば確かに不気味ではある。
まあ、そもそも目的は妖怪を見つけることなのでこのくらいは当然だとは思うが...
「な、何か出たりしないよね...?」
お化け探知機なんて道具使っておいて何を今更、という読者の気持ちはどうかそっと胸に閉まっていただきたい。
何せ目的はどうあれのび太はまだ小学生、加えて普通の子供より極度の臆病ときた。
そりゃこんな子なら例え驚かしに定評のないお化けだろうが傘の妖怪だろうが大成功間違いなしだろう。
しかも場所が場所なのでおそらく失禁くらいはするのではないだろうか?
と、ここでのび太は何かを発見した。
「な、何これ...」
そこでのび太が見つけたのは...
「つまりのび太さんがその道具で危険な場所に行ってしまったと...」
一方、野比家の部屋ではドラえもんがドラミ達に説明していたところだった。
「僕も急いで助けに行こうと思ったけどどこでもドアは使えないし、秘境探しセットは何度やっても当たりが出ないし...」
ズーン...と沈んでいるドラえもんをセワシが慰めようとするが一向に効果がない。
「うーん、その秘境探しセットは?」
「あれ」
指差した方向には地図が涙で濡れて滲みくしゃくしゃになった秘境探しセットがあった。
「あれって履歴とか見れないの?」
フルフルとドラえもんは首を振った。
「あれは個人用で、しかも宝の場所が他の人にバレない様に履歴を保存する機能は無いんだ...」
「まったくっ!そんな気配りするくらいなら開発ミスなんてしないでほしいわ!」
プンプンと頬を膨らませて怒るドラミを他所にセワシはへぇ~っと秘境探しセットを眺める。
「そもそもどこでもドアは何でエラーを起こしたのかしら?次元を越えるでもしない限りめったにそんなことはならないと思うけど...」
「うわーーーーんっ!!のび太くーーーんっ!!」
「ん~もうっ!いい加減泣き止んでよ!泣いたってのび太さんは帰ってこないのよ!」
「か、帰ってこない!!?うわーー僕はなんてことをーーーっ!!」
「あーもう!」
また100tハンマーをドラえもんに降り下ろし冷静にさせる。
「いい?先ずはのび太さんが何処へ行ったのか、それがわからないと始まらないわ。協力してくれるよねお兄ちゃん?」
「う、うん...」
さて、とドラミは考える。
「でも手掛かりが無いのよね...秘境で妖怪ってことは山とかだけど山なんて探せばいくらでもあるしまずそこまでのび太さんが考えたかどうか...」
う~ん、と考えてはみるが全然いい方法が浮かばない。
「はぁ、せめてその秘境探しセットで場所がわかれば話は」
ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「きゃあっ!な、何!?」
「え、え!?な、何か鳴ってるよこれ!?」
突然鳴った音にびっくりして見てみるとセワシが地図に矢を刺していた。
「セ、セワシくん!?秘境を当てたの!?」
「えっ!?今のがそうなの!?」
セワシもびっくりしたようでアワアワと戸惑っている。
何せセワシも当てずっぽうで矢を適当に刺してみただけで本当に当たるとは思わなかったのである。
流石子は親に似るというか何代も前の先祖と同じ偉業を成すとは。
野比家とはこういう運にだけは恵まれているのかもしれない。
「貸して!」
ドラミが地図を見るとそこがどういう場所かわかった。
「...ここは県境だわ。確か大きな山があったはず!」
「どこでもドアーー!」
ドラえもんは直ぐ様どこでもドアを出す。
「お、お兄ちゃん!」
「大丈夫!付近ならエラーは出ない筈!」
「お兄ちゃん!待って!そうじゃなくて!」
ドラミの制止を振り切りドラえもんはドアを潜る。
「お兄ちゃん!待ってよ!
場所わかるの!?」
「......」
「......」
「......」
ガチャっと戻ってきてドラえもんは一言。
「...どこだっけ?」
これを聞いて二人はハァ...とため息をつく。
「「大丈夫かな...」」
それは、眼だった。
眼のような形の穴の中に、何百何千のという眼が散りばめられていた。
そして、その眼の中一つ一つにも同じくらいの数の眼が散りばめられていた。
「な、なんだこれ...!」
のび太は思わず腰を抜かしてしまった。
悲鳴を上げれない、こんなのを見て失神しなかった自分を褒めたいくらいだとのび太は感じている。
あれはオカシイ。絶対に近寄ってはいけないし知ってはまずいものだとのび太の直感が告げている。
こんな樹海の中の廃屋にこの眼なのか穴なのかよくわからない不気味な怪奇現象が起きていては最早探索どころではない。
「か、帰ろ~っと...」
自分はこの場所に居るべきじゃないと思い、何とか立って急いで帰ろうとするが
「あら、こんなところまで影響があるとわね」
「ヒィッ!!?」
突如聞こえた声にのび太はまたもや腰を抜かす。
そして別の場所からまた眼の様な穴が空いたと思うとそこから女性が現れた。
「まったく、本当に勘弁してほしいわね。私もこんなことしてる暇なんて無いのだけれど...」
そう言って女性が指を鳴らすとのび太がさっき見つけた穴は閉じていった。
(き、消えた?一体何が...けっこう綺麗だなって違う違う!)
のび太は疑問と驚きで言葉を失っている。(若干別のも混じってるが)
「さて、じゃあ本命に...ってあら?」
「ひっ!!?」
穴を消した女性がのび太に気付き、のび太は思わず悲鳴を上げる。
てっきりそのまま気付かず去ってくれるのかと期待したがそう上手くはいかなかったらしい。
「どうしたのぼく?迷子にでもなった?」
妙に色気が出ている笑みを浮かべて聞いてくる。
「えっ!?いや、その~...」
そう聞かれのび太はかなり焦ってくる。
(こんなところに妖怪探しに来ました~なんて言えるわけないし...むしろこっちが聞きたいくらいだし...)
「まあいいわ、どの道ただでは帰せないし」
「えっ?」
女性の言葉にのび太はすっとんきょうな声を出す。
「こんなところに普通の子供が来れる訳ないですしね。それも今の時期に。正直言って狙ってるとしか思えないわよ?」
「えっ?いや、なんのはなし...」
だが言い終える前にのび太はその光景に絶句する。
「とりあえず貴方には一緒に来て貰うわ、多少強引にね」
女性の周りに無数の眼の穴が浮かび上がる。そのどれもがこちらを見ているようでのび太の足は動けなかった。
「そうね、まぁ挨拶代わりに...」
と、言うとのび太から床の感触が消えた。
「えっ?」
見るといつの間にか自分の座っていた床は眼の穴になっていた。
「えっうそ!?うわーーーーッ!!!?」
そのまま重力に従ったかのようにのび太は眼の穴に吸い込まれていった。
「...あら?」
あまりに呆気なく終わったので女性でさえ呆然とする。
「...まさか本当に巻き込まれただけかしら?いえでもこのスキマは作られる最中だったし感づかれる様なことはしていないし...」
ぶつぶつと考えた後にまあいいかと開き直る。
「とりあえずあの子は藍にでも任せ...何かしらこれ?」
女性が拾ったのは半月型のポケットだった。
それはのび太が持ってきた『スペアポケット』だった。
おそらくのび太が穴に落ちた時に入らなかったのだろう。
「...まあ一応持っては行きましょうか」
スペアポケットを懐に入れて女性は穴に入るとその穴を閉じながら呟く。
「絶対に思い通りにはさせなくってよ」
軽く笑みを浮かべるがその眼は確かな決意を持っていた。
「ここだ!」
のび太が穴に落とされた頃にドラえもん達は階段の前にいた。
「確かにここなら何かしらあると思って間違いなさそうね」
「早速登ろう!」
三人は長い階段をかけ上がっていく。
「「「わっせ!わっせ!わっせ!わっせ!」」」
のび太と違って体力はある方なのでどんどん進む。
「「「わっせ!わっせ!わっせ!わっせ!」」」
ここまで来て疲労も出るがのび太の為に走り続ける。
「「「わっせ!わっせ!わっせ!わっせ!」」」
汗も出てきて休みたいがそれでものび太の為にと走り続ける。
「「「わっせ...わっせ...わっせ...わっせ...」」」
流石にペースが落ちてきたが止めるわけにはいかないと何とか登る。
「「「わっせ...ハァハァ...わっせ...ハァハァ...わ...せ...」」」
限界だった。
「ハァハァ...な、長すぎるよコレっ!?」
「足の悪い人なら何時間かかることやら...」
セワシやドラミは音を上げるがドラえもんは何とか登ろうとする。
「の、のび太くん...」
「ドラえもん!無理しちゃダメだよ!」
セワシは止めようとするがドラえもんは諦めない。
「いや!僕が早く行かないと!のび太くんが!」
「ん~...あっ」
ドラミがポケットからある道具を出す。
「最初からこうすれば良かったわ」
ドラミは三人文のタケコプターを出す。
「「あっ...」」
二人ものび太に夢中ですっかり忘れていた。
「さ、いきましょ」
そこからはもう早かったとしか言いようがない。
「僕たちの努力は...」
「頂上が見えてきたわ。ん?何かしらあれ...?」
頂上付近で何かを見つけるとドラえもんはあっ!?と驚く。
「お化け探知機!?やっぱりここに来たんだ!」
「でも何でここにあるのかしら?」
「疲れて邪魔だから取ったんじゃない?」
「「......」」
何をバカなことを、とは言い返せなかった。
後にタイムテレビで見直して本当にそうだったと知るのはまだ先の話。
「と、とにかく!ここに来たのは確かなんだ!きっとこの奥に...!?」
「どうしたの...!?」
「え、なに?どうしたの?」
急にびっくりした顔で固まる二人にセワシは聞くが何も答えない。
仕方なく自分も見てみると自分までも同じく固まってしまった。
「な、なんだよこれっ!!?」
眼だ
大きな眼の形をした穴が奥にある廃屋を飲み込まんとしていた。
「な、何よあれぇっ!?」
「わ、わからないよ!?あんなの、22世紀でだって見たことない!?」
ドラミとドラえもんは見たこともない現象に戸惑う中、セワシが別のものを見つけた。
「ねぇ、あれ人じゃない?」
見るとそこには黒い女性のような人物がこの光景を眺めていた。
「あ、あのー!すいませーん!」
するとドラえもんは直ぐ様その人物を呼び掛けた。
「ちょっ!?お兄ちゃん!?」
流石に警戒心のない行動にドラミは止めさせようとするがのび太のことで急いでいるせいかドラえもんはお構い無しに呼び掛ける。
「ここら辺で眼鏡の男の子見ませんでしたか~!丸眼鏡の男の子なんですけど~!」
やがて黒い人物はやっと気付いたのかゆっくりとこっちを振り向いた。
「すいませ~ん!ここらにいる筈なんでッ!!?」
「お兄ちゃん危なッ!!?」
「うえっ!?うそ!?」
三人はその人物の顔を見て驚く。
何故ならその人物は...
「ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...」
服どころか全身、顔や髪、肌まで真っ黒に染まっていた。
何より眼は、目尻は釣り上がりまるで悪役のボスとかに使われるような鋭く光る眼だった。
一目見てわかる、あれは人間じゃない。
あれは間違いなく自分達に友好的な相手じゃない。
「に、逃げるわよ!」
急いで退散しようと二人を呼び掛ける。
「で、でも!」
「まだのび太くんが!!」
「このままじゃ間違いなく私達が危険だわ!早く!」
形振り構っていられないと二人に言うが時間は刻一刻と迫る。
「あ!眼が!」
見ると周囲に眼が展開されて徐々に自分達が出られなくなっていくことがわかり急いでタケコプターを走らせる。
「急いで!どうにもならなくなるわよ!」
「ど、ドラえもん!早く!」
「の、のび太くーーーん!!」
セワシに引っ張られ連れて行かれるドラえもんだが、黒い人物はそれを良しとしなかった。
「ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥアアアアアアアアアアアアッ!!!?」
「そんな!?さっきより早く!?」
黒い人物が叫ぶと眼の穴は更に展開を早くして最早自分達全員が通れる穴はない。
「もうっ!私達が何したっていうのよ!」
「ま、間に合って~~!!」
ドラミとセワシは更に急がせるがここでドラミはあることに気付く。
「セワシさん!お兄ちゃんは!?」
「え、あれ!何処に!?」
見るとドラえもんが一人で黒い人物に向かっていった。
「先に行ってて!僕が何とかする!」
「そんな!ダメよお兄ちゃん!」
「ドラえもーん!」
ドラえもんはポケットから空気砲と名刀・電光丸を取り出すと空気砲を黒い人物に向ける。
(ここに来たのは確かなんだ!なのにのび太くんは見当たらない、しかもこの光景、なら考えられるのは...)
こいつががのび太を連れ去ったに違いない、そう結論つけるとやることは取り返すことに決まっている。
「のび太くんを...」
そして照準を合わせるとさらに加速する。
「返せーーーーーッ!!?」
ドカンッ!と言うと共に空気砲から空気の塊が黒い人物向けて飛び出す。
「!!?」
見たこともない道具に驚いたのか、ろくに防御の姿勢も取らずに直撃を受ける。
その甲斐あってか眼の穴の展開スピードが落ちた。
「やった!これで!」
二人は展開されていないスキマを通り抜けて脱出に成功した。
「よーし!出られたぞー!」
「さぁお兄ちゃん!早く!」
「うん!っ!!?」
ドラえもんも急いで向かうが後ろから何か音を発てて近付いてきたので咄嗟に避ける。
「一体何が...ってええ!?」
ドラえもんの横を通ってきたのは、電車だった。
電車が宙を、自らを後ろから走って追ってきたのである。
避けれなかったら絶対に危なかったと内心ヒヤヒヤしながら向かう。
だが電車は単にドラえもんを轢こうとしたわけではなかった。
「ま、また!?」
今度は別の電車が、また別の電車がと次々と向かってくる。
そして電車達は連結し、突き刺さり、だんだんとドラえもんを囲うように動いている。
「そ、そんな!?」
そして遂には電車による牢獄でドラえもんは閉じ込められてしまった。
「な、ならどこでもドアで!」
急いでどこでもドアを出して外へ出ようとするが、
「な、何でまたエラーが出るんだ!?」
本来こんなことはあり得ない。どこでもドアは空間と空間を曲げてくっ付けるもの。その間に障害物があろうと距離があろうとすぐたどり着ける筈だ。
なのにどこでもドアはエラーを起こして一向に使い物にならない。
「お兄ちゃん!」
「ドラえもん!」
ドラミとセワシの声を聞いて何とか声だけは届けようと叫ぶ。
「二人は急いで逃げてタイムパトロールに通報するんだ!」
「お兄ちゃんはどうなるの!?お兄ちゃんまで居なくなるなんて私やだよ!」
「ドラえもん!諦めないでよ!きっと助かるから!」
二人は何とかドラえもんを説得しようとするがドラえもんはごめんね...と言うとどこでもドアをポケットに仕舞う。
「ドラミを宜しくね、セワシくん...」
「ドラえもーーーーーーーーーーんッ!!!?」
「お兄ちゃーーーーーーーーーーんッ!!!?」
そして眼の穴は頂上一帯を飲み込むとスゥと消えて、廃屋も鳥居も黒い人物も、何も残されなかった。
ドラえもんも。
「そんな、どうしてよ...」
突然の別れにドラミは涙を流す。
「ドラミちゃん...」
セワシは慰めたくてもこんなときに自分に何か出来るのかと思い、止めようとも思ったがドラえもんの一言を思い出した。
ドラミを宜しくね...
(...うん)
セワシは立ち上がるとドラミに呼び掛けた。
「行こう、ドラミちゃん」
「何処へよ...」
「決まってるだろ、タイムパトロールだよ」
これを聞いてドラミは泣きながら叫ぶ。
「無理よ!こんな話、誰も信じてはくれないわ!タイムテレビを見せても信じてはくれない...だってそういうものだったもの...」
あれは最早オカルトだと。とてもじゃないが科学で解決出来る範囲を越えている。
「でも、言わなくちゃ」
「...どうして?」
ドラミはセワシの冷静な態度に疑問を浮かべる。
「のび太さんとお兄ちゃん、二人も失ったのよ?それにのび太さんが危なければセワシさんが...」
「でも生きてるってことは、まだなんとかなるんだよ」
そう、手遅れなら既に自分はいない。
自分は野比のび太の子孫、のび太が居なくなれば自分も生まれない。
消えるのだ、それがタイムパラドックスの最も恐ろしいこと。
でも、まだ時間はある筈。
なら取り返そう。おじいちゃんを取り戻そう。
きっとおじいちゃんなら、ドラえもんを取り返せる。
「それに僕、ドラえもんに任されちゃったし」
そう言うとドラミはハッとしてドラえもんの言葉を思い出す。
「...うん」
そしてそれは叶えないといけない兄との約束だと信じ、ドラミも立ち上がる。
「頑張ろう、二人で!」
「ええ!」
そして、セワシは高らかに宣言する。
「おじいちゃん・ドラえもん奪還(ODD)作戦、開始だ!」
「まず作戦名変えましょ?」
「...うん」
予告!
「う~ん、何処だここ?」
のび太がたどり着いたのは
「何あれ!?羽が生えたり角生えたりしてるよ!!?」
「ここは幻想郷、妖怪や霊、神などの忘れ去られた者達の最後の楽園よ」
妖怪達が暮らす秘境 幻想郷
「あんたが外来人?何かドジそうな顔してるわね」
「ドジとはなんだドジとは!?」
そこには
「アンタ面白いスペカ持ってるんだって?ならアタシと勝負しなさい!」
「だから僕はそんなの持ってないんだってば~」
あらゆる種族がごく自然に生活する世界が広がっていた。
「おう!スペカは幻想郷じゃメジャーな遊びだぜ!」
「僕もスペルカードを使ってみたいよ!」
ところが
「また奴か...」
「最早修復と破壊が五分五分になりました」
幻想郷を襲う魔の手
「何でこんなことするんだよ!?」
「ヴゥゥゥゥゥゥゥゥアアアアアアアアアアアア!!!!?」
「奴は突然現れたのよ」
「あれはもう能力そのもの。大賢者でも手を焼いている」
衝撃の真実
「どうりでタイムパトロールが手間取る訳だわ」
「まさかアイツが!」
今まさに
「何これ?」
「黒い、霧?」
幻想郷史上
「背中を預けるわよ!」
「ええっ!?僕がぁ!?」
最大の異変が
「これが22世紀の力か!大したものだ!」
「いずれそれより良いものを拝めるさ、いずれな...」
幕を開ける!
「お前の野望なんか止めてやる!」
「やってみろ!クソガキがぁ!!」
東方ドラ伝
ドラえもん のび太の東方
公開未定
「ドラ、えもん...?」
「......」
彼は 親友だった
書いてる最中なんかセワシ×ドラミの構図が浮かびました。そんな予定ないですけど。
そういえば予約投稿ってどうやるんですかね?
やっぱり色んな人に見てもらいたいので遅い時間帯に投稿とかしたくないんですけどね...。
まあ早くやればいいだけなんですけど自分夜遅くじゃないと前後書きの話も浮かばなくて...。
まあなきゃこの調子でやりたいと思います。
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