天の道を往き、総てを司る撃槍   作:通りすがりの錬金術師

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天道響の妹、ひよりちゃん再登場!……本格登場の予定はまだまだ先ですが。

ちょっといつもより1000文字くらい短くなった……。まあ、大丈夫かな?


双翼の歌

 見渡す限りの人、人、人。どこを向いても人。現在、ツヴァイウィングのライブが行われる会場は沢山の人で溢れかえっていた。事前販売のチケットを手に入れて来た人、当日券を求め来た人、グッズを買いに来た人、など様々だ。

 会場に入ったクリスはそんな人の波に驚き、流され、所謂迷子になってしまった。

 

 

「あー、やべぇ。響はどこだ?てか、どの席に行けばいいんだ?」

 

 

 適当にキョロキョロしながらクリスが彷徨っていると、前から歩いてきてた人とぶつかってしまう。

 

 

「あっ、悪い」

 

「いえ、こちらこそ………?」

 

「……あ」

 

 

 クリスはその相手に見覚えがあったから、ぶつかった相手――未来――は、昨日聞いた人物の特徴と目の前の人物の特徴が一致し、硬直した。

 一方クリスは振り向き逃げ出そうとするが、未来はその手を掴み引き留める。謎のデジャヴを感じると共に、未来の笑顔にどこか恐怖を覚え震えるクリス。

 

 

「少しお話しようか?」

 

「え、あ……」

 

 

 恐怖に怯えるクリスだったが、そこに救世主が現れた。

 

 

「あれ?未来お姉ちゃん何してるの?」

 

「あ、ひよりちゃん」

 

 

 そう、立花家次女の立花ひよりである。響をそのまま小さくしたような姿に、クリスは一瞬響と間違えた。

 

 

「……え、響?」

 

「銀のお姉ちゃん、響お姉ちゃんの事知ってるの?」

 

「お姉ちゃん?ああ、お前響の妹なのか。身長以外の見た目はそっくりだな」

 

「ほんと!?えへへ!ボクは響お姉ちゃんみたいに格好よくなりたいんだ!あ、ボクは立花ひより!中学1年生の12歳!誕生日は1月の4日で、好きなのはお姉ちゃんの料理で趣味は機械弄り!身長と体重は……今は秘密だよ!」

 

「お、おう……アタシは、雪音 クリスだ」

 

「じゃあクリスお姉ちゃんだね!」

 

 

 ひよりの見た目は小さくなった響だが、響に比べてよく喋り、とても明るく、それにクリスは気圧された。

 

 

「それで、クリスお姉ちゃんは一人で来たの?」

 

「あー、まあ、そうだな。それで、どこに行ったらいいかわからなくて……」

 

「え?ちょっとチケット見せて?」

 

「えっと、これか。ほれ」

 

「ふんふん。あれ、ここの席って……」

 

「ん?どうした?」

 

「ねぇ、未来お姉ちゃん。この席ってボクたちの隣じゃない?」

 

「ほんとだね。じゃあ行こうか」

 

 

 未来がクリスの片手を取り、ひよりがもう片方の手を取る。そして二人に引っ張られていくクリス。

 

 

「え、いや、ちょっ……。なんでアタシが真ん中なんだよ!?普通ひより(こっち)だろ!てか、そもそもなんで手を繋ぐ必要が!?」

 

「別にいいじゃない。ね、ひよりちゃん」

 

「いーじゃない♪」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「彼女たちのライブの邪魔はさせない。今日は私も楽しみにしているんだ……さっさと終わらせる。クロックアップ」

 

【CLOCK UP】

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 響遅いなぁ。クリスがここにいるから響もここに来るはずなんだけど……。

 

 

「遅くなった」

 

「響!」

 

「お姉ちゃん!」

 

「クリス、それと……ひより?未来も」

 

 

 まさか、響と席が隣だなんて私も思ってみなかった。よく考えれば響は弦十郎さんに貰って、私は翼さんと奏さんに貰った。座席が隣でもおかしくはないのかな。

 

 

「響。ほら、早く。もう始まるよ!」

 

「そうだな」

 

 

 会場が一気に暗くなり、騒いでいた観客たちも始まりを理解して一斉に静かになる。そして『逆光のフリューゲル』の前奏と共にツヴァイウィングの二人がステージに現れる。

 

 

「みんなー!今日は私たちのライブに来てくれてありがとう!」

 

「最後まで楽しんでくれよな!」

 

 

 返事をするように観客から歓声が沸き上がる。ちょうど前奏が終わり歌が始まる。

 

 

「天に」

 

『『解き放て!』』

 

 

 歌に合わせてみんなで合いの手を入れる。会場にいる人たちがまるで一つになったかのように感じる。

 

 

「愛を」

 

『『突き上げて!』』

 

 

 この歌自体はたった5分という短い時間だけど、聞いている私にはとても長く感じた。たぶん他の人たちも同じだろう。

 

 

「もっと高く、太陽よりも高く~~!」

 

 

 一曲目が終わった。始まったばかりなのに興奮からか、私は汗をかいている。周りの熱気もその一因だろう。ひよりちゃんも初めてのライブで目がキラキラして、興奮していた。

 

 

「凄いね、お姉ちゃん!」

 

「そうだな。彼女たちの歌はいつ聴いても良い」

 

「これが、ライブ……。これがあいつらの、歌か」

 

 

 クリスも感動……してるのかな?

 

 

「さあ、ここから二曲は!」

 

「私たちのソロ曲よ!」

 

「まずはあたしから。『逆光のリゾルヴ』!」

 

 

 翼さんが裏にはけて、ステージには奏さんだけに。奏さん一人で歌う曲。全体的に元気を貰えそうな感じで、ところどころに翼さんやツヴァイウィングを思ってるような歌詞があった。

 

 

「――――君、と云う、音奏で~~尽きるまで~!!」

 

 

 そして次に翼さんと入れ替わる。その時に二人は片手でハイタッチしていた。

 

 

「次の曲は私の『疾風迅雷』。……剣と鍛えた私の冴えを見よ!」

 

 

 翼さぁぁぁん!!??アイドルとしての顔じゃなくて、防人としての顔が出てますって!!!大丈夫なんですか!?この歌も聴いている限り、どちらかというと防人っぽさ全開ですし……。

 

 

「いずれ世界に出すのなら、翼さんのこういう面も出した方がよろしいかと思いまして」

 

「へー、そうなんですか。……って緒川さん!?いつから!?」

 

「たった今です。遅かれ早かれ翼さんの一面として出す予定は立てていました。少し早まりましたが問題はありません」

 

 

 なるほど……。そう言えば最初のって私口に出してたっけ?

 

 

「では、僕はこれで」

 

 

 聞こうとしたけど、先にそう言われて姿がぶれたかと思えば、もうどこかへ行っていた。流石、忍者……。

 

 

「―――疾風迅雷!友と往かん!」

 

 

 あ!終わった……。途中から聴いてなかった。CD買うか、翼さんに直接聴かせてもらおうかな。

 

 

「さあ!まだまだ行くぞー!」

 

「最後まで、ついてきなさい!」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「今日は皆、来てくれてありがとう!」

 

「最後に皆に聞いてほしい事がある!」

 

「「私たち、ツヴァイウィングは世界へと羽ばたきたい!」」

 

 

 ライブの終わりに二人がそう宣言した。

 

 

「以前から一部では噂になっていたと思う」

 

「実際にオファーは来ていたんだ。そしてあたしたちは考えた」

 

「マネージャーやサポートしてくれてる皆とも相談した。その結果自分たちの心に素直になることにした」

 

「あたしたちは歌が大好きだ!」

 

「だから、どうか許してほしい!」

 

「「私たちが世界へと羽ばたく事を!」」

 

 

 しんとなる会場。そんな中、誰かが「許すとも!」と叫んだ。それに続くように会場の至るところから声がかけられる。「ずっと応援してる!」だとか、「世界をツヴァイウィングに染め上げて!」とか様々だ。

 

 

「みんな、ありがとう!」

 

「そしてこれからも応援よろしくな!」

 

 

 ライブはこれにて閉幕。そして号外でツヴァイウィングの世界進出が報道された。当然、その報道には日本だけでなく、世界までもが沸き立った。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

「さぁ、いよいよ私の悲願を叶える時だ。長年待ち望んだこの時……絶対に逃さない!」

 

 

 日本、某所。二人の騎士(ナイト)を背後に立たせ、裸に前を開けた白衣だけという格好の女が声をあげた。そして女の高笑いが響く。

 

 

 

 決着の時は近い。




立花 ひより
12歳。性別:女。誕生日:1月4日
立花家次女。
趣味の機械弄りはもはや趣味と言えるレベルを越えているらしい。立花家の地下はひよりの部屋兼作業場(完全防音)になっている。そこには中学生の小遣いでは到底買えないような道具が沢山あり……?


もうすぐゼロワンだ……。逢魔時王(オーマジオウ)も凄かった、過去のライダーの敵をワンパンするとは。
あとXVもヤベーイ!ラスボスモード393事、シェムハさん……。キャロルちゃんの70億の絶唱を凌駕する歌は健在。まさかこんなに早くエクスドライブ出てくるとは。……あれ、キャロルの歌健在ってことはエルフナインの歌も70億の絶唱を凌駕するんじゃ……。

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