IF:仮面ライダージオウ 『アマゾンズ編』 作:TAC/108
この本によれば、仮面ライダージオウ/
新たに現れたアナザーライダー、アナザーアマゾンネオと戦うソウゴ達。彼らを助けたのは、人喰いの怪物・アマゾンの青年、仮面ライダーアマゾンオメガ/
アバンタイトル
「僕は水澤悠。あの青い『アマゾン』を追っているんだ。そして、僕も人間じゃない。アマゾンだ」
常磐ソウゴと
青年の名は水澤悠。人間の見た目をしているが、その正体はアマゾンと呼ばれる人工の生命体だ。
……と、彼は名乗ったのだが。
「アマゾン……って何?」
「さっき君達が戦っていた怪物。あれがアマゾンだよ」
「そして、あのアナザーライダー……アマゾンネオという名前のようだが、ヤツもそのアマゾンなのか?」
悠は首肯する。彼は『アマゾン』という生命体が何であるかを語った。
人間が作り出した、細胞から生まれた生命体であること。
人肉を食する習性を細胞レベルで保有していること。
それを作ったのが、
さらには、新種として生まれた『人間をアマゾンにしてしまう』細胞まで現れたこと。
「『
悠は自分が『オリジナル』ではないことも含めて、ソウゴ達に伝えた。溶原性細胞は既に根絶されており、本来は存在しないはずのものであることも。
自らの境遇を粗方話し終えたところで、悠は何者かが後ろから駆け寄ってくる気配を感じた。身を翻すと、ハゲタカの怪人……ハゲタカアマゾンにされたスーツの男が立っていた。
「君は……あの男が何者になったのか知っているのか!?」
男は半ば縋るように悠に尋ねる。何があったのか。
「……す、すまない。自己紹介がまだだったな。私は
「(我蘭製薬!)」
「(やはりな……アナザーアマゾンネオは無差別に人々をアマゾンに変えているワケではないらしい……)」
守衛礼二と名乗った男は、悠に名刺を渡す。雨で濡れていたが、確かに名刺には彼の所属が示されていた。
「礼二さん、で良いですか? あの怪物が何者なのか、ご存知で?」
「ああ……彼は、私の同僚だった男だ。名を
高坂大介。その名前をソウゴ達が聞き取った瞬間、彼らの背後に人影が現れる。ウォズだ。
「いつまでも濡れ鼠になっているわけにもいかない。今日は一度退くことを進言するよ、我が魔王にゲイツ君」
「ウォズ!? びっくりしたぁ……今まで何してたの?」
「
ウォズが声を張り上げて悠を呼び止める。
「貴方は一体……?」
「それは後々話すとしよう。すまないが、その男の身柄を我々に——」
「待って、ウォズ」
ソウゴがウォズを制止した。ウォズはソウゴの後ろへと退がる。電子的なクラシック音楽が流れ始めた。守衛礼二が自分のポケットからスマートフォンを取り出す。
「もしもし……ああ、遅くなってすまない。すぐに帰る。それと……これから来客があるんだが……わかった。ありがとう」
礼二の通話が終わった。何やら妙な雰囲気になってきたな、とゲイツが独り言ちる。
「お二人さん、名前は?」
突然、ソウゴとウォズは礼二に名を問われた。
「……えっ、あ、俺? 常磐ソウゴです」
「私はウォズ。彼の同居人です」
ソウゴとウォズの自己紹介を受けて、礼二は信じ難い提案をしてきた。
「ソウゴ君と、ウォズ君か……これ以上帰りが遅くなると、家族が心配する。せっかくだしウチに来ないか?」
数秒の沈黙。
「はい……え? 今、なんて?」
その場の誰もが唖然としていた。