誤射姫のことじゃないです。
誤射率100%
当たれば死ぬ
続きとかは考えてないです。
私的には昔のゴッドイーターが好きです。ゲームプレイというよりも、バレットの威力検証みたいなあの感じが狂おしいほど好きでした。
今でもたまにネタバレットの動画とか見てます。
一条流星は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の室長に異議を申し立てねばならないと決意した。
一条流星はベテランである。若くして入隊した彼は齢20にしてゴッドイーター歴は7年。さらに言えば極東支部での実力は遠距離型でありながら、単騎の戦闘でも雨宮リンドウやソーマ・シックザールと同等のものとして考えられているほどだ。
そして、何よりも彼を語るには外せないことが1つある。それは、第1世代第から第2世代へとコンバートした特例の人物でもある。
彼はもともと、作戦の立案や戦術などのプロフェッショナルでもあった。周囲のゴッドイーター達の戦いやすいように立ち回り、ずば抜けた空間把握能力により、誤射は0%という驚異的な腕の持ち主だ。だが、その華々しい記録も彼が第2世代へとコンバートした際瞬く間に消え去った。
きっかけは、第2世代特有のオリジナルバレットと呼ばれる自身でバレットを編集できる技術である。それまでは、アサルトを愛用していたが気分転換にブラストを使ってみることにした時だ。
「え、嘘だろ?」
世界が変わった。
これまでのバレットをちまちまと撃つ戦い方とは打って変わって、全てを薙ぎ払う一撃。たまたま思いついて作ったそれは、まさに隕石が如く頭上からアラガミに向いて降りかかり全てを破壊する大爆発を起こす。
大型アラガミ3種を同時に一発で仕留めたこのバレットは、のちに『メテオ』と命名されるバレットである。
だが、このバレットには欠陥があった。
一つ目は、彼以外が使いこなせない事。彼の作ったバレットは超広範囲且つ超高火力であり、ミスをしたら放った本人すら致命傷になりかねないのだ。故に、彼以外の使用は禁止されている。
二つ目は、上記で述べた火力。彼の作ったバレットは、あまりに強大だった。人知を超えているというべきだ。その一撃は地形を変えるほどの破壊力を秘めており、アラガミを効率よく殲滅することに長けている。ある特務で腹がタプタプになるまでOアンプルを飲んだ一条がそのバレットを乱射し、数百ものアラガミとともに草原一帯を消し去ったことは記憶に新しい。
三つ目は、誤射の多さ。地形を変えるほどの威力を持つバレットは、その余波だけで傷を負うことになる。彼がバレットを放てば、1人は必ず医務室に運ばれるのだ。まだ奇跡的に1人も死者は出ていないが、怪我人だけで言えば3桁を超えた。それにちなんで、流星は『誤爆王』などと不名誉なあだ名を命名された。
他にも様々な問題があるが流星は持ち前の戦闘力故に支部長からの信頼も厚く、特務や極東最強格雨宮リンドウですらこなせないような任務量を抱えていた。だからこそ、階級は極東支部の現役神機使いの中でも一番高い【中尉】なのだ。
数分前までは。
「お前三階級降格だってよ。どんまい一条流星上等兵」
「は?」
何を言っているのか流星は理解できなかった。これまで流星はとんでもない数の任務をこなし、支部でもリンドウやソーマに次いで実力にも自信があった。
「お前さんが乱射しまくって、旧文化遺産を破壊し尽くしたらしいからな」
「そんなの今のご時世役に立たんだろ。そんな事で、三階級も降格させられる意味がわからん」
「人類復興に役に立つ資料や資材があって、奪還する予定だったんだと。まあ、お前が消しとばしたけどな」
はははっと大笑いしながら流星の肩をバシバシと叩くリンドウを他所に、彼はぷるぷると怒りで震える。
リンドウが流星を煽るのには理由があった。複雑な理由ではなく、流星と一番ミッションに同行するリンドウは一番誤射にあっている。
誤射に会うだけならまだいい。怪我を負い医務室に運ばれたとしても、数時間後には再度同じミッションを受けなければならないのだ。
そして、またリンドウは爆撃される。
こう煽ってストレスを発散しなければ、ミッション中に流星を神機の錆にでもするかもしれないと思うほど追い詰められているのだ。
ふぅ、と一服しながら流星の様子を見るリンドウ。しばらく流星はピクリとも動かなかったが、急に思いついたかのようにターミナルの方へと走って行く。
リンドウもその後についていき、黙々とターミナルを操作する流星の肩を叩く。
「ありゃ、流星怒ったか?」
「………める」
「は?なんだよ」
「……………る」
「聞こえねーよ」
「ゴッドイーター辞める!!」
「はぁ!?」
驚くリンドウを差し置いて
「隠居だ。ゲンさんとおんなじだよ俺も年だし」
「お前俺より年下だろ!20にもなって間もないガキが辞めれる訳ねぇだろ」
「知ったことか!何、金ならある!!」
「お前新型だろ!」
「明日、新しい奴来るじゃねーか。俺より有望だよきっと」
「お前自分の実績わかってんのか!?」
「知るか過去は振り返らん。これ以上俺を止めるなら、極東支部にメテオ落とすぞ」
ふはははは!などと笑いながら、ターミナルを操作していた彼の手が止まる。
「は!?」
画面に表示されていたのは、所持金0というという悲しき数字。これまで溜め込んでいた資金は全て、何者かに奪われてしまったということだ。
それ以外にも予備の神機パーツ、換金素材アラガミのレアな素材なども多数売却されていることがわかった。
極東支部でこんなことできる者は、ペイラー榊か支部長しか存在しない。おそらく後者が流星の行動を予知し、こんな強行に移ったのだろう。
「ぶっ殺すぞシックザール!!」
「………何を騒いでいる」
エントランスで騒ぎまくる流星を見に来たのは任務終わりのソーマだった。ソーマの顔を見るや否や笑顔になった流星は、両の手をソーマの肩におき逃さぬように力を込める。
「あ?ソーマかよく来たな」
「お前、何を企んでいる?」
「イーブルワン売って、その金俺にくッ!」
「ソーマに絡むなアホ!」
スパン!と鋭いチョップが後頭部に直撃し、流星は自分の頭を叩いたリンドウを睨む。ソーマはそんな二人のやりとりに大きなため息をついて、こんなアホどもが人類の希望とは笑えるななどと零す。
「おい、ボンボンのシックザール。俺がこれまでこつこつ貯めた金、お前の親父に没収されたんだが」
「知るか」
「ソーマに絡むなよお前」
ソーマを睨みつける流星にリンドウは呆れたように言った。だが、流星は止まらない。
「リンドウさんわかってないっすねー。神機使いで一番重要なのはチームワークですよ、こいつはそれを蔑ろにする」
「お前が言うなよ」
「やだなー、メテオは娯楽ですよ。ぶっちゃけ、支部長が俺の資金と予備パーツ奪ったことに関してキレてるだけです」
「バリバリ私怨じゃねーか」
そうツッコミを入れるリンドウは、先程から黙り込んでいるソーマの方をちらりと見る。ソーマは興味なさそうにいきり立っている流星を無視し続けていた。
「なんか言えやゴラァ!!」
「自業自得だろ、上から元のアサルトに変えろと言われていたんだろ。こうなるのは目に見えていただろ」
その発言で流星の理性が弾け飛ぶ。
「むきー!殺す!!任務中後ろ気をつけろよガングロ野郎」
「ふん、やってみろ」
元々ではあるが、流星とソーマは性格的に相性が悪い。極力他人と関わらないソーマと、仲間を生かすことを主軸にする流星は何かと衝突していた。
性格の相性は悪いが、戦闘面では二人はこの上ないほど相性が良かった。それは二人とも『全員生還』を第一に考えているからである。
ソーマは自身で戦いチームが傷つかないように、流星はアシストとして仲間が十二分に戦えるように、やり方が違えども二人の目的は同じであったのだ。
睨み合う両者を前にリンドウはぽりぽりと頭を掻きながら、手に持っている携帯端末で明日入隊する新人【神薙ユウ】の資料に目を通す。彼は、流星のように第1世代からのコンバートとは違い初の新型適合者である。これまでは、
流星のように第1世代の経験がある者は、慣れない近接や銃に戸惑い敬遠する者もいるが今回の新人は初めからそれができるのだ。第1世代の者達が戦い方を教えれば第2世代の者1人で第1世代2人分、2人で一つの小隊並みの戦果が期待されている。
そして、願わくばこの新人が
そして、そのリンドウの願いはことごとく裏切られることになる。
***
翌日のラウンジ。
一台のターミナルの前に青年二人が騒いでいた。
そう、神薙ユウと一条流星である。
「神薙!俺もこんなヤベェのは思いつかんかったわ。『脳天直撃弾』かアラガミ単体ならこのバレットがベストだな」
「流星さんこそこの『メテオ』は誰も思いつきませんよ!支給された神機でもここまでの予測ダメージ値がでるなんて思いませんでした」
これが、のちに極東に神薙ユウありとまで言われる英雄と永遠の反抗期と他のゴッドイーター達から鼻で笑われる流星との会合であった。
一条流星の名前の由来は、蒼銀のフラグメンツのアーチャーから取りました。みなさんが使っている周回のたびに体が砕け散るアーチャーさんですね。