キュイだよ、キュイ!とりあえずフリーザさまの元で真面目に働いて死ぬのを避けねば!きたねえ花火になるのはベジータ、お前だ!!
最悪だ…何がって?キュイになっちまったんだよ!!
わからない方に説明しよう!キュイとはフリーザ軍の戦士である。みんなにはきたねえ花火だで通じると思う。
「まーじかよ…こんな顔にされてるとかついてね〜」
風呂上がりに足を滑らせて頭打ったらこの有様、偶然にしては不運すぎだろ…
しかし厄介なことになったな。このままじゃベジータに花火にされちまう。フリーザは嫌いじゃないがZ戦士として戦ってみたいしなぁ…
「キュイさんどうしたんですか?」
兵士の1人のモンレーが話しかけてきた。
「いや、なんでもないんだ。」
部屋に向かった。
「よりにもよってやられ役転生ってのか?シャレになんねえよぉ〜!!」
嘆いたけれども始まらない!とりあえず死を回避するのにはまずベジータをなんとかしないことには始まらない。そもそもキュイが死んだのはベジータに余計なことを言いふらしたからだ。だったら簡単、何も言わない!それだけだ。
あとトレーニングもだな。フリーザ様にお願いして惑星制圧任務にも精を出そう。それに俺にも部下を作ればより今の人生に納得できるんじゃなかろうか?
「うっし!そうと決まればフリーザ様に拝謁だ!!」
フリーザの部屋
「では、ドドリアさん。数名の部下を率いて惑星ジュガーを制圧してきなさい。」
「がってんでさあ!」
「フリーザ様!」
「?おや、キュイさんですか…どうかしましたか?」
「いえ、最近ベジータたち3人のサイヤ人が幅を広げているのでここは私にも活躍の機会を考えていただきたく推参しました。」
「ふむ…ではちょうどいい。ドドリアさんと何人かで制圧に向かいなさい。」
「ははっ!ありがたき幸せ!!」
「よし、んじゃ部下をあつめるぞ!」
「はい!」
それから俺とドドリアは部下を5名集めた。アプールそっくりのナバナにグプレー、ロンメ、ビーチそしてグルドの同族プーリンに決まった。
「よしお前ら、あの星は相当戦闘力の高いやつらがいる。気を引き締めて行くぞ!」
「はい!」
それからサイヤ人の乗ってた1人用ポッドに乗れてちょっと嬉しかった。
「けど…狭いなあ…」
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それから俺は積極的に惑星制圧ならびに反乱の鎮圧といった任務を重ねていった。時には死の危険すらあったがなんとか生き延びるべく行動を続けた。そのおかげでかフリーザ様からは「あなたの戦闘力はもうベジータを超えたかもしれませんね。」という言葉をいただいたがそれでも不安だ。
なにせベジータは悟空たちとの戦いで生死をさまよい回復することで急激な力を得たんだ。しかも戦闘力のコントロールも学んだあいつのヤバさは初見じゃ震えたしな。
「流石ですねキュイさん。」
「ありがとうございます。」
ドドリアとザーボンもふふと笑みを浮かべていた。どうやら彼らにとっても部下として頼れる存在と認めてくれたようだ。
「それではフリーザ様次の任務は?」
「あなたには少し私の留守を任せますね。」
「というと?」
「あのベジータがどうやら地球とかいう星でいい情報をくれたんですよ。なんでも、ナメック星という惑星には願いをなんでも叶えてくれる不思議玉があるらしいのです。」
「なんと!それでどのような願いを叶えるのですか?」
ついにこの時はが来てしまったか…
「不老不死ですよ!無限の時間を得てこの宇宙を制圧するのです!!」
「私たちはこれから出かけるからな。せいぜいしくじらないことだ。」
「分かっています、ザーボン。このキュイめにお任せを!して、ベジータはどのように致しますか?」
「ベジータですか…まあ適当に嘘の情報でも流しなさい。」
それからフリーザ様たちはナメック星に向かった。
(さてここが最大の山場だ。ベジータのやつに俺が余計なことを吹き込まければ奴の妨害はなくなる。それにクリリンたちも流石に妨害はできないはずだ。最悪俺も後を追うことにはなるがベジータを何としても足止めせねば!)
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それから数日経ってベジータのポッドが来た。
案の定回復ポッドに入れられ復活した。物陰からこっそりとのぞいていた。俺はあいつに会わなきゃいいんだ。
「どこにいったんだ?フリーザ様は…くそッ!」
(いいぞいいぞ、施設を歩かせて時間稼ぎになればちょうどいい!)
苛立つベジータをうまいところ足止めさせられそうだな。
「ん?おいキュイ!貴様、フリーザ様がどこに行ったか知らないか?」
ベジータのやつに会っちまったか。まあいい。
「いや、知らねえな?それよりお前こそどうした?ラディッツにナッパのやつが死んだと聞いてお前自身ボロボロにされたと聞いたが?」
「ッ!黙れ、貴様のようなやつの顔も見たくないんだ。さっさと教えろフリーザ様の居場所をな。」
「だから言ってるだろ?知らないってな。」
惚ける、さあどう出てくる?
「チッ、こうなったら!」
ベジータのやつ、まさか!
「待てベジータ、貴様どこに行く!?」
「ふん、決まっているだろう?フリーザ様…いやフリーザの向かった星に行く!」
「ッ!待て!!」
「おい、なんのつもりだ?お前ごときが俺に勝てるとでも?」
「貴様がフリーザ様に刃向かういうのなら、俺が貴様を倒す。」
「ふふっ、面白い!やってみろよ。フリーザ様を前に練習台にしてくれる!!」
「しかしここじゃなんだ。行くぞ。場所を変える!」
それから俺とベジータは廃墟となった惑星に降り立った。
「さぁて…ライバル同士決着をつけるときが来たみたいだな?」
キュイのセリフ、本来じゃズタボロにされて俺が死ぬ。しかし、今の俺は違う!フリーザ様の元で任務を重ねてきた俺なら…!
「ふん、ライバル同士?ならいいもん見せてやる!!」
「そうか…見せてみろよ。」
「地球に行って俺は手に入れたのさ。」
「なんだ?まさか戦闘力を操るとでも?」
そっちの手の内は知ってるんだよ。原作読者舐めんな。
「あたりだ!!はああああああああああああッッッッッッッ!!!!」
一気に気をあげたみたいだな。
「そうか!だがライバル舐めんな!俺も訓練積んでんだよ!」
「ほう、じゃあやってみるか!!」
ベジータから仕掛けてきた。見える!奴の攻撃が!!
「はっ!やっ!たあっ!」
(踏み込みが重い!それに本気みたいだな!!)
「ふん、これくらいは行けるみたいだな!!」
「そりゃ!」
エネルギー波を放つも弾かれる。
「どうした?そんなものか?」
「まさか!本番はこっからだよ!!」
今度は俺からだ。ベジータのやつも避けるだけじゃなく反撃を繰り返している。
「でえええええりゃああああああ!!」
こっちも負けじと攻撃する。すると一発がクリーンヒットした。
「よし来た!」
そのまま蹴り飛ばした。
「くたばりやがれ!」
「でりゃりゃりゃらやりゃらやらやらやらや!!!」
グミ撃ちは負けフラグ?知るかボケ!撃つんだよ!!
「へっ、どうだい!」
「チッ、舐めた真似しやがって!」
ベジータのやつは戦闘服が中破してるな。程よい感じだ。
「さて、お前にもここで絶望をくれてやる。
はああああああああああっっっ!!!」
気を込めたキュイに対してベジータが開口する。
「ほう、瞬間的に戦闘力を引き出したのか…」
「そうだ!今の俺様は瞬間的にもお前と同等。どちらかが倒れるかこれでまたわからなくなったぞ!」
「面白い!では貴様を殺してから俺もナメック星に行くとしよう!!」
突き出された拳と蹴りを交わしてエネルギー弾を発射、しかし状況は変わらない。
「あまいぞ!」
ベジータが背後に回り込んだが俺だって背後にすでに回り込んでいた。
「でやああああ!」
ストレートキックで背後からベジータを攻撃するも空中で一回転され悠々と地面に着地された。
「ふん、少しは楽しめそうだな。」
「抜かせ!お前相手に全力で行くべきだと俺は思っているがお前はまだ本気を出しちゃいないだろ?」
「ほう、いいのか?後悔しても知らんぞ!」
ベジータが気を解放する。しかしそんなのは原作読者なら周知の事実だ。読者舐めんな!
「さぁて…こっからが本番だな!」
気を解放したベジータに臆さず攻める。
一時的に戦闘力を引き上げたベジータのラッシュに俺も最初はついていけず膝をつくも、負けじとエネルギー波を放ち、ベジータの懐に移動してやった。
「こいつ!」
エネルギー波をなんとか払いのけたベジータに隙が生じた。いまだ!!
「なに!?」
やつから冷静さを奪うには簡単なことだ。とにかく俺に一方的にボコればいいんだ。悟空がやったみたいにな。そして俺の賭けが最後に決まれば完璧だ。
「ごあっ!ぐわっ!がああああああああ!!」
さらにタックルで吹っ飛ばし地面に叩き落とす。
「はあっ…はあっ…」
(ちっきしょう、こんなに動くなんてベジータってのはこんなに強いんだな。これがさらに強くなるってのが信じられねえ。)
「ゴミごときがああああああ!地球のカカロットといい、貴様といい、こうもムカつく連中ばかりとはな!」
ベジータのやつは思った通りの激昂だ。これならいける!
「だったらどうする?次で決めちまうか?ライバル同士こいつでやったことはなかったろ?」
「ふん、後悔するなよ!」
ベジータから紫色の波動が!ギャリック砲のお出ましか…
「ぬかせ!」
「はああっ!」「でやっ!」
俺の必殺技はドラゴンボールヒーローズでダスタードブラスターって言う名前になったがまさこれを撃つなんてな。
そして両者の光線がぶつかる。
「ぐぬぬぬ…!」
気のコントロールってのは難しいもんだな。下手すりゃこっちが押されちまう。しかもベジータのやつまだ余裕そうだ…!
「サイヤ人を舐めるなあああああああ!!」
「フリーザ様あああああああああ!!」
渾身の力を振り絞ろうとしたが脱出する。答えはシンプル、やつは戦闘力を上げてるんだ!しかし!
「ム…!この気は!!」
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攻撃を緩めたベジータは開口し絶句する。
「おやおやベジータさん、何を驚いているのですか?」
「ふ、フリーザ?」
なんとそこにはフリーザやザーボン、そしてドドリアがいたのである。
「なぜ貴様らが!?」
「決まっているでしょう?終えたのですよ。ナメック星へのお出かけをね。」
「ま、まさか!?」
「そう、遂に手に入れたんですよ!不老不死の願いを!」
それを聞いたベジータは青ざめた。
「ば、バカな…くそっ!」
ベジータがたまらず逃亡するもキュイが追いつく。
「終わりだ!」
「ど、退け!!」
狼狽えているベジータを見てキュイはニヤリと微笑む。
「あっ!ギニュー特戦隊!」
キュイがベジータの背後を見て目を丸くして嬉しそうに叫ぶ。
「なんだと!?」
振り返るもそこには誰もおらず、そしてエネルギー弾の連続攻撃がベジータの背中を襲う。
「くたばりやがれベジータ!ジース様お得意の必殺技クラッシャーボールのキュイ版、ダスタードプラネットおおおおおおお!!!」
赤いエネルギーの球体がベジータに命中し爆発し弾けた。
「ふぅ…これでサイヤ人も全滅ですね。」
フリーザがふふふと笑んでいるとキュイが降り立った。
「不老不死の願い、おめでとうございますフリーザ様。」
「ええ、あなたもよくぞベジータをこの惑星にとどめてくれました。これで邪魔な障害は失せたでしょう。さあ、私の野望が始まりますよ!」
それからフリーザは全宇宙の制圧を目指すべく動き出した。そして兄のクウラや父をも凌駕したフリーザは無限の時間を得たのだ。
そしてキュイは地球制圧の任務に従軍し制圧後の惑星管理を任されたのである。
「まさか転生してここまで変わるなんてな…でもな〜z戦士としても戦いたかったな〜!」
キュイは今日も退屈そうに愚痴っていた。
完