私とタバコとあの先輩   作:ましろん

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こうして一色いろはは、少しだけ報われる。

「よっし!着いたよいろはちゃん!ここが八幡くんの家だよ!」

 

「へぇ〜ここが。」

 

大学から徒歩20分程度、まぁまぁな距離を歩いた私たちは、ついにせんぱいの家にたどり着いた。

外見は少し年季が入った木造アパートだった。

 

「八幡くんの部屋は二階の1番奥だよ!さぁ!レッツゴー!」

 

「お、おー??」

 

理恵せんぱいのテンションがいまいちわからない私は、そのまま後ろをついていき、せんぱいの部屋のインターホンを鳴らした。

 

ピンポーン。

 

「あれれ??おかしいな?居ないのかなぁ〜?」

 

「せんぱいの事ですから居留守じゃないですか?ていうか理恵せんぱい、お見舞いに行くって伝えてないんですか?」

 

「え〜?伝えたら面白くないじゃん??ほら!サプライズって奴だよ!」

 

そう言いながら理恵せんぱいはスマホでせんぱいに電話をかけ始めた。

 

「あ、おーい八幡くん!お見舞いに来たよ〜!開けて〜!」

 

そう言ってから数秒でドアが開いた。

 

「ゴホッゴホッ、おい、なんで一色もいるんだよ‥つか来んなって言っただろ。特に理恵は体弱いんだから移ったらどーするんだよ‥」

 

「私は、理恵せんぱいに誘われたんですよ。」

 

「あは、サプライズ大成功って奴だよ!風邪は移ったら八幡くんといろはちゃんでお見舞いに来てよ!」

 

「いや、お前お見舞いに行くって言っても来んなって言うだろ‥まぁいいや、入れよ」

 

「お邪魔しまーす。」

 

「おっ邪魔しま〜す!」

 

せんぱいの部屋は特になんの特徴も無い、強いて言うなら本がいっぱいある部屋だった。

 

「へ〜意外に綺麗なんですね。」

 

「まぁ置くものがないからな、麦茶で良いか?」

 

「あっ、八幡くんは寝てて!私が入れてくるから!」

 

「そうか、悪いな」

 

「いやいや、お見舞いに来たんだから当然だよ!ちょっと待っててね!」

 

そう言って、理恵せんぱいはキッチンの方に向かって行った。

 

「せんぱい大丈夫ですか?熱あるんですか?病院には行きましたか?」

 

「あんま大丈夫とは言えねーな‥熱はめんどくさいから測ってない‥病院もめんどくさいからな‥」

 

「いやいや、ちゃんと病院とか行かないとダメですよ?はいこれっ!ポカリとかゼリーとか買ってきましたよ。」

 

「おう、ありがとな」

 

せんぱい結構辛そうだな。。まぁそうだよね、風邪引いても一人暮らしだから、自分の事自分でやらないといけないからそんなゆっくり休めないよね。

 

「いろはちゃん麦茶持ってきたよ!はいどうぞ!」

 

「あっ、ありがとうございます。」

 

そんな事を考えていたら理恵せんぱいが麦茶を持ってきてくれた。

 

「それにしても八幡くん、風邪ひいたならすぐ連絡ちょうだいよ、いつから引いてたの?」

 

「ゴホッゴホッ、あぁ、二日前の朝からかな?1日で治ると思って連絡しなかっただけだよ。」

 

「なるほどね〜、じゃ〜とりあえず洗濯物とか私やっちゃうね?いろはちゃん確か料理出来るんだよね?悪いけどお粥作ってくれない?」

 

「あっ、はい!わかりました!」

 

「それじゃ〜がんばろ〜!」

 

そう言われて私はキッチンの方に移動した。料理道具や調味料などはすべて台所の上に置いてあった。多分理恵せんぱいが全部用意してくれていたんだろう。流石だな〜。

ていうかまさかこんな形で料理が役に立つとは思わなかったよ。でもせんぱいに初めてちゃんと料理を振る舞うんだから頑張ろう!

 

そう思いながら私は調理を開始した。

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

調理を開始して20分、お粥が完成した。

正直会心の出来だと思う。せんぱい、喜んでくれるかな??

 

 

「理恵せんぱ〜い!お粥出来ましたよ〜!」

 

「はーい!私もあと干すだけだから先に八幡くんに食べてもらってて!」

 

 

「だそうですよせんぱい。食欲ありますか?」

 

「正直無いけど‥このお粥みてるとなんか食欲湧いてくるわ‥すげぇうまそう。いただいて良いか?」

 

「はい!是非是非!召し上がれ。」

 

内心ドキドキしながら私はせんぱいにお粥を振る舞った。

 

「はむっ、んお、これめっちゃうまいな!」

 

「本当ですか!?えへへ、良かったです!ゆっくり食べてくださいね!」

 

やばい‥ニヤニヤしてしまう。でも良かった‥正直、好きな人に褒められるのがこんなに嬉しい事だとは思わなかった。料理がんばって良かったって本当に思う。

 

 

せんぱいは結局五分と掛からず食べきってしまった。

 

「ふぅ〜美味かったよ。ありがとうな一色、ご馳走さま。」

 

「お粗末様です!」

 

私は上機嫌になりながら食器を片付け始めた。

 

「なになに〜八幡くん、そんなに美味しかったの?」

 

「あぁ、正直言って理恵の作る飯より美味かったわ。」

 

「もぉ〜そーゆーの彼女に直接言うのどうなの〜?」

 

「仕方ねぇだろ、本当の事だし。」

 

「はいはい、わかりましたよ〜だ。はい、薬も買って来たからこれ飲んで早く寝な?」

 

「おう、悪いな本当に、ちょっと寝かせてもらうわ、何時に起きるかわからないし、お前たちも帰って良いぞ?」

 

「何言ってるの?起きるまでちゃんと居てあげるよ?ねぇ〜いろはちゃん!」

 

「勿論です!お付き合いさせていただきます!」

 

丁度食器を片付け終わった私に話しかけて来た恵理せんぱいに対して私は上機嫌で返事を返した。

 

「お前ら‥ありがとな。でもいつでも帰って良いからな?。。ふぁーあ、じゃーおやすみ。」

 

そう言ってせんぱいは眠りについた。普段はカッコいいって感じなのに寝顔は可愛いな。それにしてもふふっ、

 

「理恵の作る飯より美味かったわ」っか、

 

来る前はずっとネガティブだったのに今は幸せな気持ちでいっぱいな私は、やっぱりチョロいんだな〜

 

そんな事を思いながらしばらくの間、せんぱいの寝顔を私は眺めていた。

 

 

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