─矛盾─   作:恋音

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5-8.魔法省

 

「……なんでそんな機嫌良さそうなの?」

「やだ、まるで私が不機嫌じゃなければならないみたいな」

「だって君、僕と出掛けてるんだよ?しかも二人で」

 

 私の目の前にいるのは天然パーマとメガネを掛けた──可愛くない方のポッター。

 つまるところまぁジェームズのことだ。

 

 最早ハリーと比べるまでもないくらい可愛くないけど、私が上機嫌なのには理由がある。

 

「ペンフレンドがどちゃクソ好みの美人だってことに、気付いちゃってね……」

「あぁそう……可哀想に……」

 

 まだ見ぬヴォルデモートの過去とは言え、2年もペンフレンドしていたトムがあんなにも美人さんだっただなんて!不覚!

 トムのおかげで私、イギリス英語を覚えられる気がする……!しかも書き文字!

 

「うへへへ」

「気持ち悪い顔しないでよ。誰も得しないんだから」

「こんな顔面美少女を前にしておきながら?」

「君が美少女かどうかは置いておくけど」

「美女?」

「……まぁ、少女では無いかな。美しくはあるけど、美人かと言われるとかなり肯定しずらい」

「酷い話ね」

「自認美少女もどうかと思うよ」

 

 兄さんにそっくりな私の顔なんだから美しいに決まってるじゃん。私の顔で興奮しないだけで。客観的に見ると綺麗だよ。

 

「告白を受けた回数はジェームズとは比較にならないのに」

「告白された回数と振られた回数が同じ数なのに」

「…………」

「君の好みの人間に対する求愛行動は除いて、の話だよ初恋詐欺」

「『好きです付き合ってください』から『ごめんなさいやっぱ無理です』までの速度が速すぎるし逆に私の方が詐欺被害者なのよ」

 

 おかしな話よ。

 

「さ、着いたよ」

 

 ここは魔法省。ジェームズの案内でぽてぽてとやってきていた。

 

 

 大柄な職員が中からガリガリと音を放つダンボールを抱えていて、生物の気配がしたため私は声をかけた。

 

「ねぇ、それ何が入っているの?」

「え、あぁ、よく分からないんだ」

 

 職員は箱を開けることなく

 

「ごくありきたりの鶏だと思っていたんだが、火を吐いてね。どうも、『実験的飼育禁止令』の重大違反らしい」

「火を吐く鶏?伯父様が見つけてない生物だわ。バサンかしら」

「知ってるのか?」

「伝承だけね。一応アジアの妖怪だと思うわ。炎が熱を持たなくてものを燃やさないならさらにその可能性が高いと思う」

「それなら答えはもう既に出てるな。ダンボールに入れて運んでも問題ないくらいだ」

 

 魔法省の職員は私の名前を聞くだけ聞いて去っていった。いい報告期待してるね。

 

「君って本当に他人と距離感ないよね」

「そう?」

 

 

「──ジェームズ・ポッター!良かった、来ていたか!」

「……バーキンズ、だったかな?」

「今そちらに緊急のフクロウを用意したのだが入れ違いになってしまったみたいだな。ポッター少年、じゃなくてコワルスキー少女になったんだったか。彼女の尋問の場所と時間が変わって、八時開廷で、下の十号法廷に変わったんだ!」

「……あと五分くらい?」

「だね。馬鹿だなぁ」

 

 今はギリギリ8時前。

 急な時間変更の情報に対し、ジェームズは鼻で笑ったあと腕を組んだ。

 

「い、急がないのか?」

「どうして僕らが急ぐ必要あるんだい?」

 

 あまりにも堂々としたジェームズの姿に呼びに来たMr.バーキンスはたじろいでいた。

 

「あちらから出向くのが筋ってものだろう?呼びつけておいてそれはなってないよ。親切に魔法省に足を運んだだけでも感謝して貰いたいね」

 

 流石魔法省に入るために杖を回収されそうになったところを、ゴネて所持したまま入った男だ。

 

「わぁ、傲慢」

「さ、ミリ。僕の親友の忘れ形見。近くにドーナツの店があるからそこで時間でも潰していよっか。別に君はイギリス国民ではない。わざわざイギリス魔法省に従う義務なんてちっとも無いじゃないか」

「私貴方のことよく知ってるつもりだったけど、ジェームズってアメリカじゃなくてイギリス人だったのね」

「本当になんだと思ってたわけ?」

 

 感情ドストレートなアメリカ気質の男。

 

 

 

 ==========

 

 

 

 

 ジェームズ・ポッターという男は昨今の魔法界ではとてもとても目立つ男だ。

 『生き残った男の子』としても目立っていたハリーの親であり、そして『死人』であると同時に『生き返った男』だ。

 私の容姿では私を知ってる人しか引っ掛けれないけれど、ポッター家の名前は私と比べるまでもないほど知れ渡っている。ジェームズがいるだけで魔法省からの注目がえげつない。

 

「で、スネイプが駄々こねて『パーティーがしたい』って僕に訴えてきたから、君に内緒で計画を立てることになってさ」

「──ジェームズ・ポッターさん。ミリ・コワルスキーさん」

 

 軽食スペースでドーナツを食べながら学生時代セブルスの可愛いエピソードを興奮しながら聞いていたけれど、息を切らした女性が現れたことでジェームズはピタリと会話を止めた。

 

「──やぁ、どうやらお出迎えらしいよ。随分()()()お出迎えで」

「……っ、法廷においでください」

「いいよ」

 

 優しい声色で返事をするジェームズだったが、私は気味が悪くて仕方がなかった。

 

 

 

 

 案内されて向かった先には法廷があった。まぁ見た目のことどうこう言っても仕方ないけど、薄暗くて厳かで肩が懲りそうな場所。太陽の光でも入れたらいいのに、なんで松明の薄明かりに頼っているのか理解に苦しむわ。今なんて朝の8時半よ?活動はちょうどいいのに。

 

 キョロっと辺りを見渡すと法廷の向こう側から男の声が聞こた。

 

「遅刻だ」

「あらそうなの?遅刻なんて誰でもするものよ、気にしないで」

「いやウィゼンガモットのことではなく、君たちのことだが」

「ウィゼンガモットさんがどなたか知らないけど、あ、私真ん中の椅子に座ればいいの?ちょっとジェームズ、笑ってないで何とか言ってよ。私このままじゃ不審者じゃない」

「ッ、ふふ、そうだね、ミリは真ん中でいいよ。僕は後ろにいるから」

 

 何が面白いのか笑いを堪えてるジェームズに呆れながら、私はスーツケース椅子の横に置いて鎖だらけの椅子に座った。悪趣味な椅子だけど人の趣味には口を出さない方がいいよね。

 

 周りには50人くらいの人数がいた。全員赤紫のローブを着ていて、胸にWという刺繍を入れていた。

 そして真ん中にファッジが座っているし、近くにパーシーも座っていた。知った顔二人だったので笑顔で手を振る。元気そう〜。そっか、パーシーが居なかったのって魔法省に就職して忙しいからだったんだ。

 

「……っ、被告、は、魔法界に重大な混乱を招く虚偽の情報を流布した罪、脱獄犯との共謀の疑い、並びに資格を有しないにもかかわらず姿くらましを行った法令違反の罪に問われています。被告人、ミリ・エミリー・コワルスキー」

「尋問官コーネリウス・オズワルド・ファッジ魔法大臣、アメリア・スーザン・ボーンズ魔法執行部部長、ドローレス・ジェーン・アンブリッジ上級次官。法定書記、パーシー・イグネイシャス・ウィーズリー。被告弁護人、ジェームズ・フリーモント・ポッター」

「え!?ジェームズってミドルネームあったんだ!?」

「君に言われたくはないね!!!???」

 

 驚きの情報が飛び出てきて驚きの声を上げれば言い返された。

 

「失礼ながらウィゼンガモット。ミリが被告人だと言うのに納得はできないね。勝手にハリーやミリを咎人とし、さも正当に裁判を行おうとは。……僕も彼女も、重要参考人なんじゃないかな?」

 

「……しかし、法廷と知り赴いたのはそちらでは無いか。これは同意とみなす」

 

「そう……。裁判にしたいのなら、いいだろう。親切心で言ってあげたんだけど、そうかそうか、そこまで大事(おおこと)にしたいだなんて。ウィゼンガモット……いやイギリス魔法省には尊敬の念すら抱くよ」

 

 だからウィゼンガモットって誰?

 

 私が静かに邪魔をしないように首を捻っていると、扉を開けて入ってきた人物がいた。

 

「──っ!ダンブルドア。あなたは、その、あー、こちらからの…えー………」

「ミリが余計な真似をしてはおらんか!?」

「そっち……か……???そうかそっちか……」

 

 息を切らしたダンブルドアが失礼をしながら入ってきた。主に私に失礼。

 ファッジは何かもごもごと、それこそ先生に悪いことがバレたような表情で取り繕うとしていたけど、ダンブルドアの言い草に納得したかのような顔をした。こちらも失礼。

 

「ダンブルドア、遅刻よ。というか夏休みに会うなんて奇遇〜」

「奇遇じゃな〜では無いが????」

「今から私ファッジと話し合うんだから、部外者は黙っててもらえる?」

「部外者では無いが????」

「まぁまぁダンブルドア先生、相手が悪いですよ。気持ちは分かりますから」

「ジェームズお主………………お主本当に……」

 

 ダンブルドアは歳のせいか疲れ果てた顔をしていて、傍聴人席に座ってふっかいため息を吐いていた。

 

「それでファッジ。私ってなにかの犯罪行為をしたってことだけど、えーっと。なんだっけ?」

「まず、魔法界に重大な混乱を招く虚偽の情報を流布した罪についてだ。被告人はヴォルデモートの復活を目撃した、と報告をあげた。相違ないか?」

「あるわ」

「……どこが相違か?」

 

 私ヴォルデモート卿みたいな美人さんと出会ってないもの。トムなら日記上であったけど。

 

「私が目撃したのは自認ヴォルデモートの方」

「自認」

「復活かどうかも分からないわ。だって元がどうなってたか知らないもの」

「え、えーっと、ではミリ・コワルスキーはヴォルデモートがどのような姿をしているか認識していない、と。相違ないか?」

「若い頃の姿なら知ってるけど、匂いも気配もよく知らないの」

「ではヴォルデモートが復活した、というのは虚言だったと?」

「え、それを調べるのが魔法省の仕事じゃないの?」

 

 私の言葉にファッジは素直に視線を逸らしてしまった。

 

「第一、真偽が定かではないことについて決めつけて仕事をするのはどうかと思うの。直接闇陣営に聞いたり、ヴォルデモート卿に話を聞きに行けばいいじゃん」

「──それが出来たら……!苦労は……!!!」

「可哀想に。私が代わりに聞いてあげましょうか?」

「あ、いや、あー、結構」

 

 ファッジの躊躇いに首を傾げていると、後ろでジェームズが声を殺して笑っていた。

 

「ミリ、魔法省は『ヴォルデモートなんか復活してない!』って言いたいだけなんだよ。そう願っているだけだ」

「あ、願望の話だったんだ。道理でなーんか噛み合わないと思った」

「天使が絡んだ時の君みたいにね。ま、流れ星にお願いでもしてるつもりなら司法行政の仕事は辞めた方が心の安全のためにもいいと思うけど」

 

 物言いが全体的にキツすぎるよジェームズ。

 ほら、傍聴人席のダンブルドアもそうだそうだと頭を抱えているよ。

 

「静粛に。では……えー……脱獄犯との共謀について。まず被告は脱獄していたことを知っていたか」

「脱獄は……いつだっけ?夏休み?そもそもファッジがわざわざ教えに来てくれたんじゃない」

「……?何を言っている?私がミリ・コワルスキーに教えた試しはないが……」

「え、だってハリーと私が一緒にセブルスの家で過ごしていた時、マーリン勲章の話と一緒にしてくれたじゃない。脱獄したからくれぐれも注意するようにとか何とかかんとか。ごめんだけど、ファッジは別に好みじゃないから内容まで細かく覚えてなくって」

 

 セブルスとハリーと一緒に過ごした時間は寝ている時以外全部覚えているんだけどね……。好き嫌い、というより食わず嫌いのハリーと普通に好き嫌い王者のセブルスが結託して好きな物しか出さないように私を丸め込もうとしたりとか。

 

「あ、なるほど。違う、シリウス・ブラックのことではない」

「じゃあ誰のこと?」

「バーテミウス・クラウチ・ジュニアとの結託についてだ」

「バーティ♡♡♡」

 

 脱獄という認識が薄かったけど、たしかにバーティは……。

 

「……え、クラウチシニアがバーティのこと脱獄させたんじゃない。シニアからも話聞いたけど」

「…………っ、く、パーシー・ウィーズリー、記録は止めなさい」

「シニアとバーティのお母様が協力して脱獄させたんだっけ?凄いわ。なんて計画的犯行。私を冤罪でアズカバンツアーに招待してくれたシニアの仕事ぶりったら、有能よね!」

「被告人は言い方に気をつけなさい」

「こんなに褒めてるのに!!??」

「それで褒めてるつもりだったのか!!??それは嫌味っていうんだ!!」

 

 アズカバンあともう1回くらい入りたいところなんだけど……。うーん。

 

「このまま有罪判定になればもしかしてアズカバンにもう1回入れるのでは……?」

「無罪、無罪!!!無罪を認める人間は拍手を!!!」

 

 それはすこぶる嫌なのかファッジが全力で拒否の姿勢を保った。ファッジの言葉に、別のアメリア・ボーンズ?だったっけ。彼女が再度正式に有罪か無罪の過半数を取った。

 

 パラパラと拍手の音がなり始め、私はあっさりと無罪になってしまった。ちぃっ。

 

 

「はー……突つけば突つくほどろくなものが出てこない。ホグワーツ退学となってもいいのか」

「別にホグワーツだけが人生の全てじゃないもの。収入源ならあるし、私の大好きなニュート伯父さんだって卒業してないもの。そうよねダンブルドア?」

「まぁ、左様である」

「ほら〜。それにボーバトンからもイルヴァモーニーからも編入しないかって正式な書類が届くもの。学校卒業という経歴だけならホグワーツじゃなくても全然取れるわ」

「ミリや、それわし聞いとらんぞ?」

「言ってないから」

 

 するとジェームズが立ち上がって私の横に立ち、私の肩に手を置いた。

 手から伝わる圧が、今から余計なことを喋るなよって言ってる気がする。気のせいかもしれないけど。五割くらいの確率で。

 

「さて、僕の出番が無くなってしまったわけだけど。君たち……いや魔法省はヴォルデモートが復活したことに理解をしてもらわなければならない」

 

 ジェームズの言葉に周囲は気圧される。

 

「僕、ポッター家。それから他国の重鎮。どうしてそこまで証言があって信じられないのか。望むなら記憶だって提供するって言っているのに、何が気に入らないのやら」

 

 カッコつけてるジェームズは置いておき、フラー元気かなぁ。交通費は出すから、今度イギリスに招待しようかな。アメリカでもいいけど、フラーは代表選手だったからイギリスの街並みを楽しめてないのよね。

 出かけたそうにしていたから、折角だし誘って遊びたい。ついでにビクトールとセドリックも呼んであげるとして。

 

「あ、そうだ。他国と言ってもフランスやブルガリアの魔法学校のことではないよ。証人はアメリカのMACUSAだ」

「……なぜMACUSAが出てくる?ミリ・コワルスキーがアメリカ国民だと言うことに違いはないが」

「決まってるだろ」

 

「──ミリはMACUSAの職員だよ?将来を期待され、約束された職員。おめでとう、自国の貴族ならともかく、他国の魔法省の人間の発言は、無視できないね?」

 

 MACUSAといえば私の事職員にしてくれた闇祓いの事務のおじいちゃん元気かなぁ。私の親戚に恩があるから、って貴重なポストに着かせてくれたけど、ここ数年会えてないのよね。

 

 というかどの親戚のことだろう。エミリーではないことは確かよね。

 

「さらに言うなら」

「MACUSAだけでも十分すぎるほどの衝撃であるだろうに、まだあるのかジェームズ・ポッター」

「まぁね。ブラック家の後見を受けた人間の証言を無視するなら、彼らも出て来ざるを得ない」

 

「……。シリウス・ブラック当主、いや今のハリーの後見人は先代ブラック、レギュラスか」

 

 レギュラスの名前が出てきたと聞いて!

 私はニコニコとその名前に微笑んだ。こんにちはレギュラス。今日も他人から聞く名前の響きですら愛おしいね。

 

「何を言ってるんだい?」

 

 ジェームズは煽るように首を傾げた。

 

「ミリの後見人は先々代当主オリオン・ブラックじゃないか」

「は──」

「ジェームズ待って!!!???聞いてないんだけど!!!!!!!!」

「言ってないよだってどうせキミうるさいもん」

「お、お、オリオン様が私の、こう、後見人……??????あ、夢?」

「夢じゃないよ。必要とする書類はきちんと提出してるけど、魔法省も忙しいみたいだね」

 

 いつの間に!?

 オリオン様に名前を書いてもらえていたの!?

 

 くっ、もっと早く知っていたら意地でも書面をコピーして家宝にして残すっていうのに!!!

 

「直筆サイン欲しかった……!」

 

「何故オリオン・ブラックが、いくら優秀とは言えミリ・コワルスキーの後見人になど」

「それに関しては秘密で。ただ、アメリカにもブラックはいる、とだけ言っておこうかな。オリオン様はその方経由でミリの後見をすると仰ってくださった」

 

 オリオン様のお父様と私の母方の祖父が兄弟なのよね。だから後見してくれたんだろうけど、ジェームズの言い方ぼかしすぎててムズムズする。

 

「うちの祖ッ」

「──ミリ・エミリー・コワルスキー?」

「黙ります…………」

 

 ハッキリ言ったらダメだったらしい。黙ります……。

 

 はぁ、ジェームズ・ポッターのイギリス人。

 

 

 

 

 

 ==========

 

 

 

 

「ミリ・コワルスキー〜〜〜〜〜!!!!!」

「ファッジ、さっきぶり」

「聞いて!ないが!?」

 

 

 ちょっとした客室でジェームズとダンブルドアと軽い話をしていると、半泣きのファッジが飛び込んできた。その後ろにはガマガエルのようなマダムが着いてきていた。

 

「奇遇ね、私も初耳」

 

 いやぁ、色々初耳なことが多かった裁判だったなぁ。ハリーの身代わりはもちろん当然喜んで熟すどころか、ご褒美のつもりなんだけども。

 

「君本当に恐ろしい人材だな!パーシー・ウィーズリーが『辞めておいた方が……』って事前に忠告してくれるわけだ!」

「さっすがパーシー。監督生ってだけある」

 

 私の事ちゃんと理解してくれてて嬉しいわ。

 

「マーリン勲章は私が授けたからそれはまだ置いておくが!」

「置いてていいんだ?」

「なんだMACUSAって!なんだブラック家の後見って!私は聞いてないぞ!!??」

 

「MACUSAに関しては聞かれなかったからだけど、オリオン様に関してはそもそも私も初耳だったんだってば」

「いつから交流があったんだ!?ここ最近か!?シリウス・ブラックの脱獄のタイミングとかか!?」

「一年生の夏休み」

「限りなく果てしなく最近ではない!!!!」

 

 ファッジは膝から崩れ落ちた。

 

 元気なのは良い事だけどテンション上がりすぎて血管切れそう。可哀想に。

 

「まぁまぁファッジ、オリオン様が美しいのは知ってるから」

「そんな話はしていないのだが……」

 

 頭が痛いのか額を押さえながら私を睨んだ。ファッジは可愛くないのでノーダメージでーす。

 

「ところで後ろの方を紹介してもらっても?」

「あ、あぁ。彼女はドローレス・アンブリッジ上級次官だ。ミリには紹介しておこうかと思って」

 

 そう呼ばれた彼女は小さな咳払いをして話し始めた。

 

「わたくし、ドローレス・ジェーン・アンブリッジ上級次官と申しますの。初めまして、ミリ・コワルスキーさん?」

「初めまして。ミリよ。気軽にミリと呼んでちょうだい」

「そう。Ms.コワルスキー」

「ドローレスと呼んでもいいかしら。ファッジの右腕なの?優秀なのね。ファッジは魔法大臣ってくらいだし、多分優秀なんでしょ?私はイギリス魔法省の仕組みはよく分からないけど、お役所仕事をしてる時点で尊敬する……」

「アンブリッジ上級次官とお呼びなさいMs.コワルスキー」

「あ、今回書記していたパーシーいるでしょ?あの子私のお友達なの。ところでドローレスってもしかして何か魔法生物飼ってる?ネコ科の匂いがするからずっと気になってたの。こっちが本題ね」

 

 ドローレスは別に好みの人間じゃないんだけど、魔法生物が好きとなれば話は別だから。私の予想ではノーブル!

 

 そんなこんなで私が女子会をしていると、ジェームズが項垂れるファッジに詰め寄っていた。

 

「というかさ、一部を除きヴォルデモートに殺された本人がヴォルデモートの復活を目撃したって言ってるんだから、流石に信じたら?」

「ジェームズ・ポッター……!」

「大臣の後押しがあれば、ポッター家は予言のこともあるし魔法省に全面協力するんだけど…。はぁ、参ったなぁ。これでは僕らが妄言扱いだ。そうするとミリみたいに若くしてドラゴン使いを出来るような有能な人間がイギリスに居着く可能性だって、大いにあるし……」

 

 

「だが!不死鳥の騎士団がヴォルデモートではなく魔法省を滅ぼそうと徒党を組む可能性が無いとは限らないのではないか!」

「あのー…ちょっといい?」

 

 私は会話に割り込んだ。

 

「ヴォルデモート卿に関しては無理なんだけど」

 

 好みだから。あんな麗しの塊、滅ぼそうとは思えないんだけどね。

 

「魔法省なら私一人でもやろうと思えば出来るけど……?」

「はい…?」

「私、魔法使い殺しと言われる魔法生物を何匹か飼育しているんだけど、その対処出来る魔法使いって、いる?」

 

 

「いないと思うの。それくらいの危険性だって、魔法界が決めてるんだから」

 

 ファッジはめちゃくちゃ苦虫を噛み潰したような顔をしていた。私の持ってる魔法生物の危険性が分かっててマーリン勲章をくれたんだもの。ファッジは嫌ってほど分かっていたみたい。

 魔法生物への理解がある時点で有能ね!

 

「ジェームズ、ルシーの気配がするから遊びに行ってきていい?」

「変態もそこそこにしておきなよ……」

 

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