パッパラパー パパパパパパパッパラパー
本編ー 書きため― ありませーん
パパパパー ジャン!
Bullet 8
アーシアがリアスの眷族入りして一週間ほど経った。
アーシアもこれから契約を取って悪魔としての仕事をすることとなる。アーシアも泰助やほかの悪魔同様に魔法陣からジャンプできるようだ。
(つまり俺だけジャンプできないのか……軽く泣けてくるやつだな)
イッセーだけなぜか魔法陣からジャンプできないようで、ひたすらバイクで依頼人のもとに行く日々が続いていた。ただし、イッセーにも一定の常連さんというかファンもいる。
アーシアの初依頼はつつがなく完了し、イッセーとアーシアは家に帰ってきた。アーシアは風呂に入っている。イッセーが自室でゆっくりストレッチをしていると、グレモリーのアカい魔法陣が光って、そこからリアスがやってきた。
「イッセー、至急私の処女をもらってくれないかしら?」
(……は?
いきなりのリアスの発言に、イッセーは困惑を隠せないでいる。
「ちょっと待てよ待てったら。いきなりそんなこと言われても事情が呑み込めてないんだって」
「私には既成事実が必要なのよ。イッセーが一番適任だと思って。それとも私が相手では不満なの?」
「そんなことは一言も言ってないだろう?言ってる内容に目をつぶれば不満はないが……なんじゃありゃ!?」
床が再び輝きだし、メイド服を着た銀髪の大型機のそそる女が現れる。それを見たリアスはため息をつく。
「……一足遅かったわね」
「こんなことをして破談に持ちこもうという心算でしょうがそうは行きませんよ」
破談、という言葉にイッセーは引っかかった。
「私はこの縁談をお父様やお兄様に認めさせるには何だってやる。これもその一つよ」
「それでも下賤の輩に操を捧げること自体がよろしくないといっているのです。なんにせよ、次期グレモリー家当主なのですから、むやみに殿方に肌を晒すのはおやめください。」
この銀髪のメイドはリアスに上着をかけた後、イッセーの方に向き直る。
「初めまして。私はグレモリー家に仕える者、名はグレイフィアと申します。以後、お見知りおきを」
「イッセー、兵藤一誠です。」
「グレイフィア、あなたが人間界に来た目的は誰の意志かしら?」
「自分も含め、グレモリー家、ひいてはあなたの兄の魔王ルシファーの意志です。」
「そう……厄介な話よね。」
イッセーはここまでリアスの話について行けないでいる。
「……グレイフィア、私のベースに行きましょう。ブリーフィングはそこで行うわよ。朱乃も呼んで構わないわね。」
「『雷の巫女』ですか。私はかまいません。上級悪魔たるもの、自分の
「よろしい。イッセー」
「はい゛!」
リアスがイッセーの元へ歩み寄る。
チュッ――リアスはイッセーの頬に
「今宵はそれで許してちょうだい。また明日、ね?」
そういい残してリアスはグレイフィアを伴って魔法陣から移動していく。
イッセーは呆けていると数分後、アーシアがイッセーの部屋に入ってくる。
「イッセーさん、お風呂が空きましたよ」
翌日、基地に行く道中でイッセーは昨日の話を祐斗に聞いてみた。泰助もイッセーと一緒にいる。
「イッセー君が言ってることは恐らく部長の家の話につながってくるんじゃないかな」
そういうと祐斗はバックグラウンドについてはあまり知らないようだ。
基地に入るとリアス、朱乃、小猫の他にグレイフィアがいた。
「全員そろったわね。部活を行う前に重要な話があるの。」
リアスが昨日の話につながる話をしようとした、その時である。
床から突如出火し、その火は魔法陣のような形に燃え上がった。
ピー!ピー!ピー! シャーーーーー!
火災報知機が鳴りだして、防火用のスプリンクラーが作動した。床は濡れた挙句リアスの眷族たちやグレイフィアが濡れてしまった。
魔法陣の火が収まったところで、中から男が現れた。その男はスプリンクラーの水を浴びてしまった。
「うおっなんで水を浴びせられてるんだ!?」
しばらくすると、スプリンクラーの水が止まって、水にぬれた男が現れる。
「ふう……人間界は久しぶりだ」
よく見るとものすごくチャラチャラした輩に見える。
そいつはリアスの方に腕を回して口をにやけさせた。
「愛しのリアス、会いに来たぜ」
(ずぶ濡れなのが締まらねえ……)
Rest in Peace, Antoine Hubert.
アントワーヌ・ユベール選手、安らかに