おじさん、今年で36歳になるんだけれども   作:ジャーマンポテトin納豆

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おいこれどういう事や……?
思ってたアンケート結果と全然ちゃうぞ……?
お主ら束さん好き過ぎじゃない?

まぁいいや。
あ、でも内容とか展開とかには期待しないでね。
他の話よりも薄っぺらいような感じがしなくもないから。
だって束さんとの絡みはこれから濃くなって行くだろうし。
臨海学校とかねぇ……?

それとは別問題だろって?
まぁまぁ。誰もデート回が1話で終わるとは言ってねぇだろ?2回目3回目とあるかもしれないから期待しておけって。


それと投稿が遅れたのはモンハンワールド:アイスボーンとエスコン7にどハマりしちゃって……
めっちゃモンスター強くてクソがぁぁぁ!!なんて叫んでたよ。
ジンオウガ強かった。それ以外も強かったです。



閑話その1 〜おじさん、束とデートする。

 

 

 

おじさんは今現在、隣にめっちゃ気合入ってるのが分かる様な格好の束と一緒に歩いていた。

 

 

イタリアの街を。

 

 

……うん、不思議だよね。

おじさんもホントに訳分からないんだよね。!!納得したけど。

 

 

さて、まずは何故こんな事になっているのか思い出してみよう。

遡る事凡そ五分ほど前。

 

はいそこ、ついさっきじゃんとか言うんじゃありません。

こういうのには大体マリアナ海溝よりもふかーい理由があるもんなのだ。

まぁ別に無いんだけども。

 

 

今度こそはちゃんとその時を説明すっから。静かに聞いていてくれたまえよ。

 

 

 

 

 

別に何かやっていたわけでも無く、休日をのんびりと過ごしていた。

千冬、一夏共に出掛けちまった。家に居るのは俺だけって事だ。まぁこんな時は大体束が来てもおかしくないんだが今は八時。

なんか今日は来なさそうだしこのまま身体を何時も通り動かしたらのんびりとするとしよう。

 

 

 

 

 

それから一時間後、ランニングと筋トレ、身体を動かして汗をかいた俺はシャワーを浴びてソファに座っていた。するといつも通り何も無い空間からいきなり束が現れた。

そして当たり前の様に後ろから抱き着いてくる。

……後頭部に胸を押し付けて。毎度の事だけどなんで態々?

おぉ、めっちゃやわらけぇ。

 

「おーじさん!おはよう!」

 

「はいおはよう。相変わらず急に出て来るね」

 

「えへへ」

 

「今日は来るのがいつもより随分と遅いじゃないの。来ないかと思ってたぜ」

 

「えー?私の事がそんなに恋しかった?」

 

「そりゃもう。寂しくて死んじまうかと思ったぜ」

 

「ほんとー?」

 

束は嬉しそうに笑いながらより一層ギュっと俺の頭を抱きしめて来る。そしてむぎゅぅっと押し付けられるお胸。うん、ここは天国だったんだね。

 

「本当だって」

 

「ならそんなおじさんに超耳寄りなお話があるんだけど、聞きたい?」

 

「何それ超聞きたい」

 

俺が聞きたいと言うと嬉しそうにしかしチェシャ猫みたいな笑みを浮かべてスルスルと対面座位になる束。よく表情が変わる事。嬉しそうにしたり恥ずかしそうにしたり。本当にコロコロと変わる。それを見ているこっちはそれが楽しくてしょうがない。

しかし、なぜ今ここでその笑みなんだ。なんかヤバそうな関係?

 

「それはねー、今から私とデートに行きましょう!」

 

「……デート?」

 

「うん!」

 

「デートかぁ……」

 

「ダメ?」

 

上目使いで俺の事を見て来る束。

それはズルいぜ束さんよ……勝てる訳ないじゃないですか……

元々断る気なんて無かったんだけど。

 

「よっしゃ行こう」

 

「ほんと!?やった!」

 

「それで?どこに行くのさ」

 

「ふっふーん!それは到着してからのお・た・の・し・み!」

 

「なら早く準備しなきゃな。出来るだけ長く一緒にあちこち見て回りたいしな」

 

「そうそう。あ、ちょっと見てて。多分ビックリするよー」

 

そう言うと何故か束はその場で一回転。

何をしたいんだと思ったその瞬間、束の何時もの格好から随分とまぁ気合の入った服装に大変身。あの束がこんな格好をするなんて……

おじさん、びっくりしすぎて声も出ねぇ。

 

「……何今の」

 

「ISの粒子変換技術の応用です!どうどう!?凄くない!?」

 

「おうすっげぇわ。技術の無駄遣いが」

 

「え~?そんなこと言わないでよ~。技術って言うのは無駄遣いするためにあるんだよ?」

 

「そんなん初めて聞いたわ」

 

「それに、これを使えば仮面ライダーとかになれちゃうかも?」

 

「なにそれすっごい気になる。ちびっ子たちにバカ売れしそう」

 

「でしょでしょ?」

 

「うん。ドイツ語みたいに無駄にカッコいいわ。憧れる」

 

「照れるな~。それじゃおじさんも着替えてきてよ。それで早くイチャイチャしようぜ!」

 

なんて盛り上がっている場合じゃない。部屋に着替えに行って。

そこまでオシャレな服なんて持って無いもんだから適当に見繕って着る。

 

「お待たせしましたおじさんでございます」

 

「おー。おじさんの私服久々に見たなー」

 

「そうかー?」

 

なんて会話する。

すると束は何故かステッキを何処からか取り出してクルリと一度回してから言った。

 

「それじゃぁデートに行きましょう!これから起きるは世にも不思議な世界を巡るデート。瞬き一つで何処にでも!そんなデートにご招待!それでは一度瞬きをしてみて!」

 

うん?訳が分からん。というか世界って言った?

取り敢えず言われた通りに瞬きした。してしまった。

そして目を開いた瞬間にどこかテレビなんかで見覚えのある光景が広がっていた。

いやいやいや……んなはずは……でもあれって多分コロッセオとか言われているやつじゃ?しかし今自分の身に起こっていることが信じられずに恐る恐る束に聞いてみた。

 

「ここどこ……?」

 

「ここはイタリアの首都ローマだよ!」

 

「そっかぁ……ローマかぁ……随分と遠くに来ちゃったなぁ……」

 

やっぱり規格外な束の行動に自分でも分かるぐらい遠い目をしながら街並みを眺める。

うん、やっぱりここローマだわ。コロッセオある時点で明らかにじゃんか。あんなサッカースタジアム見た事ねぇもん。

 

「……嫌だった?」

 

束は少し不安そうにこっちを見上げて来る。

あ、俺の反応がイマイチだったからか。

 

「いんや?嫌じゃねぇけど。まさか海外に連れて来られるなんて思っても見なかったからびっくりしただけだって」

 

「それじゃあ嬉しい?」

 

「まぁ嬉しいけどもさ」

 

「良かった~!」

 

「でも不法入国とかにならんの?」

 

「その辺は大丈夫だよ!この束さんが対策も何もしない訳ないでしょ?」

 

「……それもそうか」

 

「うん!それじゃぁ早速行こう!時間は限られてるからね!」

 

 

 

 

こうして最初の時に戻るんだけど。

それからはもう凄いぜ?コロッセオから始まり街をブラブラ歩いたりトレビの泉、フォロ・ロマーノって言う遺跡にも行ったりした。ピサの斜塔、にも行ったりフィレンツェ、バチカンにも行ったぞ。取り敢えずあちこち行ったわ。

 

 

 

 

「うぉ、まじで傾いていやがるぞ。どうなってんだまじで」

 

「おぉー、直で見るとなんか凄いねー」

 

ピサの斜塔が本当に斜めっているのに驚いたり。

 

 

 

 

「なんだこの噴水」

 

 

 

トレビの泉に行って縁に座っている束が妙に、やたらと美人に見えて思わず何枚か写真を撮ったり。

 

 

 

 

 

 

なんかフォロ・ロマーノとか言う古代ローマ時代の遺跡に行っておぉ……と何とも言えぬ感動を覚えたり。

 

 

 

フィレンツェでは束の案内によりフラフラと歩き回って。

 

なんか飯はめっちゃ美味い店でピザとか色々食ったり。俺イタリア語なんてわからんから知らん。美味かったです。

 

 

 

 

そんなこんなであちこちを巡る旅はとても楽しかった。移動手段が瞬間移動なのはご愛嬌って事で。あれは慣れないぞ。こう、とんでもなく不思議な感覚だ。せめてどこでも〇アにしてほしい。

 

 

「あ”ぁ”……疲れた……」

 

「どうだった?楽しかった?」

 

「そりゃ勿論楽しかったぜ?見た事無い物、触った事のない物ばっかりで、食い物も全然違ったし」

 

「それなら良かった。結構心配だったんだよね。こんな外国にまで連れて来ちゃって。楽しく無いんじゃないかなー、とか」

 

「束が俺に色々してくれた時、有難いとか嬉しいとか楽しいとか思う事はあっても迷惑だとか嫌だなんて思った事なんて一度もねぇよ。心配すんなって」

 

「うん。おじさんがその言葉を言ってくれて安心した」

 

 

束は結構周りの反応とかお構い無しって感じのタイプなんだが、意外と豆腐メンタルだったりもする。さしずめ寂しがり屋のウサギさんってとこだな。そのくせ周りの目を気にしたりしなかったり。

今でこそしっかりとちゃんとした格好をしているが昔はそれすら面倒くさがって同じ服を着続けたりしてヨレヨレだったり風呂には入らず飯も食わずなんてのが当たり前だった。

 

それが今ではこんなにちゃんとしている。

服どころか化粧までしているし。人間変わればとんでもないぐらいに変われるもんなんだな。束を見ていて改めて思う。

 

しっかし本当に黙って歩いてりゃこんなに美人なのか。

薄化粧で普段ノーメイクな時よりも、一層際立っている。

しかも何故か知らんが男が一番心をくすぐられるようなやり方をしているからタチが悪い。

こう見えて束は凝り性な所がある。それも他の人よりも数倍増しで。だから何時ぞや聞いたことがあるがISの開発に必要な知識や技術以外にも数多くの知識と技術を持ってる。

それは化粧という分野でも遺憾無く発揮されているようで……

 

並んで歩いている横顔を見てみればその飛びっきり美人な顔がある。こっそり見ているつもりなんだがどうせ束にはバレてる。正面から見てもどの角度から見ても変わらず。

 

事実今日だけでかなりナンパされていた。まぁ一人になったらなんだけど。

これで少しばかりの落ち着きと家事が出来りゃ完璧なんだがなぁ……その気になれば料理なんてお手の物だろうに。まぁでも夢の事もあるからそうは行かないんだろうけどな。

あれちょっと待て。こいつ普段何食ってんだ?……急に束の食生活がとてつもなく心配になって来たぞ。

後で聞いておこう。酷かったら一夏に頼んで作って貰おう。

 

 

 

 

 

それからのんびりまったり二人で歩く。

すると唐突に束が俺の手を握って話し始めた。

 

「おじさんはさ……すっごく優しいよね……」

 

「急にどうした変なもんでも食った?」

 

「違うよ!もう、真面目に聞いてってば」

 

「そりゃすまん。それで?」

 

「えーっとね、今までおじさんと一緒に居てそう思ったの。色んな意味で私ってコミュ障だったでしょ?周りを拒絶して受け入れようとしなかったし、周りも私を拒絶して受け入れなかった。でもおじさんは何故だかそうじゃなかった。私と普通に話して接してくれたし」

 

「そんなん俺的には普通だと思うけど。コミュ障の部分はまぁ……」

 

「ひどーい。おじさん私の事コミュ障だって思ってたんだー。否定して欲しかったんだけどなー?」

 

「んなこと言っても」

 

「まぁ、心当たりは沢山あるから仕方ないんだけどね。ほら、私って周りの子とは全然違かったからさ。距離を置かれるなんて優しい方だったし。化け物扱いされるなんて日常茶飯事。教師達も表向きはそうじゃなかったけど裏じゃ私が居ないからって好き放題言ってたし。束さんにはあちこちに耳と目があるって言うのにね」

 

「そんな環境でよくこんなにまともに育ったな。流石師範」

 

「うーん……確かにお父さんも私をちゃんと育ててくれたよ?でも一番の要因はおじさんの存在なんだよね」

 

「俺はなんもしてねぇよ」

 

「そう思っているのはおじさんだけ。私が変われたのはおじさんのお陰。おじさんが居てくれたから」

 

「そうでもねぇよ」

 

「そうなの。初めて私と会った時の事、覚えてる?」

 

「そりゃ勿論。幼女にあんな対応された事なんて初めてだったからなぁ。結構傷付いた」

 

あれは人生の中でもトップクラスに苦い思い出だ。

家に帰ってから幼女にあんな対応される俺って……と自問自答したし。

 

「うっ……それは悪かったけど、理由があったの。あの時の私ってさ、この世界に絶望してたんだよね。誰にも考えを理解して貰えない。受け入れてくれることすらしてくれない。どれだけ私が努力しても拒絶されて化け物呼ばわり。そんな時にちーちゃんと出会って、少しは希望が出来た。でもちーちゃんは身体能力は私と同じでも、それ以外は普通だった。私の事を理解しようとしてくれたけど、理解出来なかった。私はまた希望を失って周りは真っ暗。でもまた希望が来た。それがおじさんだよ」

 

「俺はそんな立派なもんじゃねぇよ。ただのお節介なだけだ」

 

お節介を焼いて、偶々それが良い方向に向いたに過ぎない。

誰だって出来るようなちょっとした、人によっては迷惑だと思うようなお節介。

 

「そうかもしれないね。でもそのお節介のお陰であの時私って言う存在は、人間は救われたんだ。泥沼に嵌って、いや、底無し沼の方が合ってるかもしれないね。絶望してた私を引っ張り上げてくれたのはお父さんでもお母さんでも箒ちゃんでもちーちゃんでもいっちゃんでも無い。他でも無いおじさんだったんだ」

 

「そうか。でも束なら自分だけでも変わる事なんて出来ただろうよ」

 

「それは無いかなぁ。あれでもまだ小学生だったし。変わってたとしても人格とか思いっきり歪んでたと思う。今考えればお父さんもお母さんもちーちゃんも居たのにその存在に気が付けて居なかった時点でおかしいでしょ?」

 

「それもそうか。それでも俺はあくまで束が変わる為に背中を軽く一押ししただけだ。助けた記憶なんてこれっぽっちもありゃしない」

 

「そう思ってるのはおじさんだけだよ!だってさ!」

 

束は俺の手を握って、前に出る。そして満面の笑みを浮かべて言った。

 

 

 

 

「私が今こんなにも幸せで心の底から笑ってるんだもん!それが一番の証拠だよ!」

 

 

 

 

不覚にもその笑顔に見とれてしまった。

こいつは普段からよく笑うがそのどれもが魅力溢れる笑顔だ。今のはそんな何時もの笑顔の何億倍もの魅力を持っていた。

 

おじさんじゃなかったら惚れてたぜ。危ねぇ危ねぇ……

 

そして手を離すとくるりと一回転すると俺の目を見て笑って言った。

 

「おじさん、私の事をこんなにした責任、ちゃーんと取ってもらうからね!」

 

その笑顔も魅力的だった。

そんなプロポーズみたいなこと言われても……嬉しいけどさ。

 

「わかったよ。ちゃんと責任は取らせて頂きますぜ?」

 

「うん!」

 

そう嬉しそうに返事をすると抱きついてきた。

 

「やっぱりおじさんはあったかいね」

 

「そりゃ生きてるからな」

 

「そうじゃなくて……まぁでもいっか。今はそれでも。そのうち絶対に私があったかいって言った意味、分かってもらうんだから」

 

そう言って手を握ってくる束。

その手は俺からすればとても小さい手だった。

束はご機嫌そうに鼻歌を歌いながらニギニギと俺の手を握ってくる。

そういやまだ束も千冬も小さかった頃こんな風に手を繋いで歩いたっけなぁ。あん時は皆小さかったんだが気が付けばでっかくなったなぁ……

 

なんでだろうか、やっぱり感傷に浸ってしまう。

 

 

 

 

それからはしっかりと楽しんだ事もあり結構疲れていたから束と一緒に家に帰った。と言っても一瞬で家の玄関前に立って居たんだけども。

 

 

その後、我が家で晩飯を一緒に食った束は暫くのんびりした後いつも通り、

 

「じゃーねー!」

 

なんて言いながら帰っていった。帰り方はあのいきなり現れたり消えたりするやつ。本当にどうなってんだあれ。

 

 

 





どうでした?皆さんの性癖満たせたかなぁ?


それでは今回の感想をば。

いやはや、デートって難しいね!

うん、本当に難しかった。
そもそも作者自身に経験があまり無いから余計に……

アンケート結果が予想外過ぎてどうすりゃいいのか悩みに悩んだ結果がこれです。
難産だったぜぇ……

しかも束さんの性格というか行動を考えたらですね、そもそも普通のデートをあの束さんがするのか?なんて考えたり考えなかったり。
その結果が主人公、海外進出ってなワケです。

結局後半の方なんかデート要素あったっけ?もうイチャつかせりゃ良くね?デレ束とか最高やんけ。
デート?知らない子ですね(すっとぼけ)

何故か後半デート要素皆無、迷走してる。



関係無いけど大事だから言っておく。ヤンデレはないぞ。そもそも書けないし。嫌いじゃないけど。ヤンデレはないぞ。大事だから二回言った。



それと二人の私服だけど敢えて書かなかった。
だって作者ファッションセンス壊滅だし。読者の皆さんに自由に妄想してもらったほうがいいんじゃね?なんて思ったり(面倒だからとかでは無い)

そして読者の皆様が束さんに着せた洋服を出来れば感想に書いてくれたら個人的に嬉しいなー、なんて思ってるからどうぞヨロシク。


それではまた次回。









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