おじさん、今年で36歳になるんだけれども   作:ジャーマンポテトin納豆

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今日は銀髪、明日は金髪

今日はいつも以上に一日が大騒ぎだった。

朝から転校生が二人も来たと思えば?そのうちの一人は男(女)で?もう一人は俺の事をシスコン呼ばわりして?

 

もう字面だけで何が何だか全く分からねぇな。

まぁでもラウラは何となくだけどシスコンの意味を分かって無さそうだったけどな。

 

まぁそんな訳で今日は大忙しだった。

そんな一日が終わりを告げて、今はのんびりと自室でゴロゴロしている。

 

しっかしあの二人、完全にヤバい匂いがするな。

ラウラは問題無さそうなんだけど、本国のドイツが物凄くクセェ。

そもそもあの年齢の嬢ちゃんを正規軍人としていること自体がおかしい。いや、鈴もセシリアも一夏も専用機持ちには基本的に有事の際に出張らなきゃいけないってなっている。

だが、あくまでもこれは緊急事態のみに限られる。軍人としての訓練は受けてはいるが軍人ではない。

 

と言うのが国の考えらしい。

まじでよく分からん。軍事訓練を受けたらその時点でおかしいじゃないですか。

ISを軍事利用しないって条約どこに行った。仕事しろ。

 

まぁよく考えれば確かに少数精鋭のISを個人に渡しているし、それを無駄に出来る訳が無い。

しかぁし!それとこれとは話が別じゃい!

 

 

あとシャルルって言う子!

どう見ても男じゃねぇだろ!?皆馬鹿なの!?そんなに気が付かないぐらい変装上手くないだろ!どう考えてもバレる事前提みたいな雑さじゃねぇか!

 

やるんだったら徹底的にやってくださいよ!?

髪の毛伸ばしたまんまだし、明らかに話し方も歩き方も、日常における全ての動作が女のそれなんだよ。

 

俺だって丸っきりの素人じゃない。

一応無手ノ型を習った時に人体関連の事を色々と教えられた。

急所、急所の潰し方、関節、関節の可動域とかについて色々と。

身をもって叩き込まれたのだ。

 

素人じゃどうか分からんが多少の知識がある奴が見れば丸分かりなのだ。

どうやったらバレないと思ったんだあれで。ちょっと酷すぎるぞ。

マジで何がしたいんだレベル。炎上待ったなしな気がする。

この学園にはそう言った事に関しての知識は最低限ある筈だ。

予想で言えば千冬は間違い無く気が付いている。

千冬の師匠は俺と同じ師範だ。教えられていない訳が無い。

 

 

 

なんてアホな事を考えていると千冬が部屋に入って来る。

で、話があるとか言い出して部屋で話すことに。

 

「今日転校してきた二人、詳しく言うことは出来ないが兄さん、気を付けてくれ。何か企んでる」

 

「言われなくても分かってる」

 

「なら良いんだ。無警戒でホイホイ付いて行かれては堪ったもんじゃないからな」

 

「それにしても目的って何なんだろうね。俺なのは間違いなさそうだけど」

 

「分からない。学園側から束に依頼という形で調査を依頼してある。それが終わるまでは何とも。凡その目的は兄さんだろうとしか言えない。もし何とかしようとしても証拠が無ければ何も出来ない」

 

「そりゃそうでしょうよ。ま、それに関しちゃ俺は千冬と束を信じてっからなんも言わないよ」

 

「ありがとう兄さん。あ、それとデュノアの事、気が付いているだろう?」

 

「そりゃモチのロンよ。俺は師範から直接色々と叩き込まれてんだぜ?分かんない訳無いだろ」

 

「それもそうか。でも気を付けてくれ。もし何かあったら私が動く前に束がフランスを海に沈めるだろうからな」

 

「ははははなにそれ笑えない冗談ですね」

 

俺が笑えないなと思って言ってみると千冬は真顔で答えた。

 

「冗談も何もあるか。束ならやりかねないし何だったら私も手を貸す」

 

「……やめて。お兄ちゃんに無駄な胃痛を感じさせるのをやめて」

 

思わずそんな光景を思い描いたらちょっと、いやマジで普通に頭痛と胃痛が痛くなって来た。あ、日本語おかしくなった。

 

「多分一夏と箒も加わるだろうな。他にも何人か手伝うだろうな」

 

「分かったから!分かったからもう止めて!」

 

千冬の言う通り何となく予想出来た。いや怖くて出来んかった。

束も千冬もやりかねないし、唆された一夏に箒、鈴ならやる。あいつら結構チョロいからね。

 

「つか学園側で何とか出来んの?」

 

「出来なくも無いが、出来ないと言った方が正しい。この学園はISを専門に教えているただの学園だ。外交能力も無いし国家とやりあうのは無理がある。今ですら表向きはどうという事は無いが、形骸化しているとはいえIS学園への国家の干渉を禁ずる、という条文が無ければ今頃はもっと酷い事になっていただろうさ。武力を以って直接的に兄さんを狙う、なんて当たり前になっているだろうさ。ま、そんな事になるぐらいだったら束と一緒に雲隠れして貰うがな」

 

帰って来た返答は何とも言えない物ばかり。

確かにこの学園は国家ではないし、自治区の様な物でもない。あくまでも特殊とは言っても一つの教育機関でしかないのだ。

外交手段を少なくとも俺が知っている範囲では持ち得ていない学園じゃ最悪、取り込まれるのがオチだ。

まぁ今の今までそう言う事が何も無かった事が不思議な位だ。よく分からん。

何かしらの方法があるのかもしれないが少なくとも俺が知る事じゃない。

 

「千冬まで束みたいな事を考えていたのか……俺としちゃ不安なんだけど」

 

「何を言っているんだ?これからももし危険が迫ったら雲隠れして貰う計画だからな」

 

「え?俺の意思は?」

 

「殺されたり解剖されたり実験動物にされたり種馬にされる方が良いのか?」

 

「いえどうか雲隠れでお願いします」

 

上げられた俺のもしかしたら有り得るよ!な未来を言い並べられて即答で雲隠れを願い出た。というか種馬って。

美人だったらいいけど女権団や政治家の厚化粧の豚共は絶対に御免だ。

 

「兄さん、余計な事は考えない方がいいぞ?問答無用で束の隠れ家にぶち込んでやろうか?ん?」

 

あらやだ千冬さんってば俺の思考を完全に読んでいらっしゃるじゃないですやだー。

考えを読まれて内心冷や汗ドバドバ膝ガクガク。

それでも何とか答える。

 

「何言ってんですか千冬さーん。余計な事考える訳無いじゃないっすかー」

 

「本当だろうな?」

 

必死に言い訳をする俺を冷えた目で見て来る。

いやそんなまさか全部筒抜け?いやそんなまさかねあははは。

 

「うへへへ……本当っすよ」

 

「……ならいい。話はこれで終わりだ。それじゃ、念を押すが本当に気を付けてくれ」

 

「わーってるよ。心配してくれてありがとうな」

 

「ん」

 

「それにしてもフランスもドイツもなのか。教え子が居るからドイツに関しちゃ問題無いとか言ってもおかしくなさそうだけどな」

 

「何を言っている?全てにおいて家族を優先させるのは当たり前だろう。教え子だろうがなんだろうが兄さんと一夏に危害を加えるんだったら敵だ」

 

「そうなのか」

 

「あぁ。それにラウラを含めた教え子はまだしも、ドイツという国自体は私は嫌いだからな。あの時のやり方と言い、軍と言い研究者共と言いあの国は嫌いな事ばかりだ。まぁ国民とかはその限りじゃないが」

 

「おいおい、そんなこと言っちゃっていいの?問題にならない?」

 

「ふん、あの国が隠していることに比べれば何てことは無いさ。それに盗聴盗撮しているんだったらそっちの方が問題だし、前提としてこの部屋にそう言うのを仕掛けるのは不可能だと思っている」

 

「国が隠している事云々はおっかないから聞かないことにしておくとして盗聴が無理ってどういう事?あ、まさか」

 

「そのまさかだ。束にそう言うのが無いか点検して貰っているからな。あいつの前じゃ無駄な努力にしかならんさ」

 

やっぱ束に電子戦なんて挑むもんじゃねぇな。

……もしかして俺の秘蔵フォルダの中身も知られちゃってる?いや、束はそんなことする筈無いよね。うん、そうだ信じよう。

 

 

 

 

それから千冬は最後にもう一度、俺に気を付けるように言って部屋から出て行った。

 

 

やっぱり考えてみると俺には勿体無いぐらいの出来た妹達だよ。全く、妹に守られていないと人として生きていられないなんてな。情けない限りだ。

 

 

何とかならないものか。

ま、今考えても仕方がねぇってことか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。

おじさんは特にやる事も無く、ボケーっとしていた。

だってなぁ、転校生の一人は男の格好した女の子なんだぜ?どうしろって言うねん。いくらおじさんと言えども無理やぞ。

 

 

それになんでだか避けられてるような気がしなくもないんだよね。

あれかな?もしかして女の子だって気付いている事を気付かれた?

 

昨日、着替えたりする時に気を使ったのが分かったんかな?

トイレも場所を案内する関係で付き添ったけど、別に俺がしたかった訳じゃないからとっとと帰っちまったし。

 

……もしかしておじさん嫌われた?

それはそれでなんかあれだな。

いやでもスパイに嫌われても目的は達成しようとするから意味無いじゃん。あれ?これ好かれてこっちに取り込んだ方が良いのでは?

 

…………いや、やめとこ。下手な事したら千冬と束の頑張りが無駄になっちまう。大人しくしとこ。怒られるのもヤダし。

 

そういえば、全く関係ない話だけど千冬に睨まれるのは怖いけど束に睨まれるのは怖くないのだ。

 

千冬はマジで普通に睨んでくるんだけど束はどうしても睨み切れていない。

そこが可愛くて可愛くて、怒られてる気がしない。

しかも結局束は、「しょーがなーいなー!」って言ってあっさり許してくれちゃうのだ。おまけにハグと頬にキスを付けて。

そして俺もお返しでハグをする。

 

 

いやぁ、愛されてるね!

 

 

 

さてさて、そんな事よりも今は目の前に何故か居るラウラちゃんに関してだ。いや、どういう事?俺何かしたっけ?

 

「ラウラちゃんよー、おじさんに何の用で?」

 

「いやなに、ササキと話してみたい、と思ってな。クラスメイトに言われてから気が付いたんだがどうにも私は世間知らずらしくてな」

 

「えー?俺の話を聞くのー?役に立たないかもしれないんだぜ?千冬の方が良い気がするんだけど」

 

「いや、教官は仕事で忙しいだろう?それに比べてササキは顔が暇そうだ」

 

「わぁお。俺の顔って暇そうなのか」

 

これからは忙しそうな顔をしよう。

 

「でもなんで俺なのさ?それこそさっきも言った通り千冬で良いだろうに。俺じゃなきゃいけない、なんて訳じゃないだろ?」

 

「さっきも言ったが教官は忙しいだろう?それにこの学園に居る人間の中で一番の年長者だし、なによりあの教官が唯一気を許している存在だ。家族だ。それだけで十分だ」

 

「えー……まぁ年長者ってのは分かるけどよ。でも千冬が俺に気を許しているなんてどうして分かるん?」

 

「いや、単純に第一回モンド・グロッソの時の優勝インタビューを見た感想だな。あんな笑顔の教官は見た事が無いぞ。あんな笑顔を見せるという事はそれほど、という事だ。ドイツに居た頃は常に気難しそうな顔か無表情が基本だったからな。初めてササキと電話している所を見て笑っているのを見て度肝を抜かれた」

 

「そうなんか。ま、何聞かせりゃ良いのか分からんけど適当に聞きたいことを聞いてくれや。あ、因みに女関係の事は聞かないでくれ。悲しくなる」

 

「そうか。なら好きに質問させて貰うぞ」

 

「バッチコイ」

 

それからは怒涛の質問攻め。

それに答えられる範囲で答えた。いや、昨日の今日で気を付けろと言われたんだからヘマはしない。

 

ってなわけで質問に答えていった。

暫くすると気が済んだのか、腕を組んでうんうんと頷きながら言った。

 

「時間を取らせてしまって済まなかったな。ありがとう。用件は一応終わった」

 

「おう。全然へっちゃらよ」

 

「もし何かまた聞きたい事が出来たら聞きに来るから。ではな」

 

「おーう」

 

そう言ってラウラは帰って行った。

なんちゅーか、あれでスパイなんて務まんのか?

 

…………いや、無理だな。うん。あれでスパイが出来るんだったら俺にでも出来る。

 

俺と話してる時の顔、ありゃ本当に幼児、小学生って言った方が良いだろ。軍人としちゃ優秀なんだろうがありゃ人間としちゃ子供も良い所だろ。世間知らずにも程があるんじゃねぇのかアレ。

 

 

 







今回マジで短いです。しかも内容アレだし。
まぁ感想くださいや。



追記
お気に入りが6500軽く超えてた……
まじびっくりしたんですけど?

ありがとうございます!
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