おじさん、今年で36歳になるんだけれども   作:ジャーマンポテトin納豆

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年内に間に合うか……!?
書き始めたのは十二月二十八日(マジです)。

二日ぐらいで書き終われれば良いかなぐらい……
あーでもモンハンやったりWar Thunderやったりで忙しいしちょっと無理そう。餅つきもするし。
お餅美味しいよね。
しょうゆ餅かきなこ。雑煮も美味しい。
食べ過ぎるとガチで太るけど。




前話よりも文章が遥かに短い。

飲酒描写あります。

未成年の飲酒、ダメゼッタイ!









前話の続きはまた今度。
出来れば続けて正月編も書いて行きたい。



閑話その3 クリスマス!

はっはっはっはーーー!!

今日はクリスマスだぜ!別に血塗られたりしてはいない!

って事で今日はクリスマス!イブがどうとか関係無いぜ!だってうちの妹達はめっちゃ良い子だったからな!

 

そんなわけでお兄ちゃんはサンタさんに変装中です。

仕事帰りにこっそりでもないけどお着換えお着換え。

 

おぉ……さむ……

 

モコモコなのが救いか。

赤い衣装を纏って帽子をかぶり、お鬚を付けて。白い袋を担いでさぁ良い子の元へいざ行かん!

 

 

 

「あー、君ちょっとそこで止まりなさい」

 

「あ、はい」

 

「君そんな恰好で何やってるの?」

 

「妹達を喜ばせるのに変装してまして……」

 

「あー、妹さん居るのね。はい身分証出してー」

 

「どうぞ……」

 

「……はーい。それじゃ行っていいよー」

 

「有難うございましたー」

 

 

 

 

職質されました。

まぁそりゃサンタのコスプレした普通働いてる年齢の男が白い袋(四人分のプレゼント入ってて膨らんでる)担いでチャリンコ漕いでたら怪しいわな。

俺だって警察官じゃなかったら遠ざかる。引く。

 

って事で解放された俺は再びチャリンコに跨りシャカシャカとペダルを漕ぐ。

 

「まっかなおっはーなのー、トナカイさんはー、いっつもみーんなのーわーらーいもーのー」

 

トナカイじゃなくて自転車だろ、なんて無粋な発言は止してくれ。

歌を口ずさみながら漕ぐ足を速める。

これでも可愛い可愛い妹達の夢と希望を運んでいるんだから。

 

「ジングルベール、ジングルベール、すずがーなるー。きょうはーたのしいークリスマスー……さっむい」

 

一旦家に自転車を置いて歩いて行く。

今更だけど家で着替えれば職質されなかったんじゃないだろうか。

 

何時も篠ノ之神社へ向かう道を歩いて行くと段々神社がある山というか丘というか。

それが見えて来た。

階段を上がっていき、玄関に向かう。

このお家は煙突が無いからしょうがなく玄関から登場するしかないのだ。

 

呼び鈴を鳴らすと奥からドタドタと走ってくる足音が。

うーん、この足音は軽めだから箒と一夏だな?それに続いてそれよりも大きめの音があるからこっちが千冬と束だな。

 

ガラガラガラガラッ!!

 

「おにいちゃん!……じゃない!?」

 

「だれだー!」

 

一瞬一夏と箒が玄関の扉を勢い良く空け放って飛びついて来るかと思いきや誰だと大騒ぎ。周りをグルグルと走り回りやんややんやと。

後ろから千冬と束、更に師匠と華さんが続いて出て来る。

おぉっとこの空間で俺だけめっちゃ浮いてますやん。顔面偏差値的な意味で。

いや、俺はこんだけ洋風な格好しているのにお二人は普段着の浴衣みたいなやつだからそこも意外と浮いているんだけど。

 

取り敢えず箒と一夏を適当に取っ捕まえて抱き上げてサンタさんだと自己紹介。

しようと思ったんだけど。

 

「あれー?さんたさんからおにいちゃんとおなじにおいがするー!」

 

「ほんとだー!さんたさんおにいちゃんのにおいがするー!」

 

おぉっとマジですか。

え?なんで?匂い?匂いで俺の事判別出来んの?

余りの衝撃でちょっと返答を返すのが遅れた。

 

「……サンタさんだよ。良い子の皆にプレゼントを届けに来たんだよ」

 

「ほんとー!?プレゼントなにー!?」

 

「ぷれぜんとー!」

 

おいおいおい君たち大丈夫かね?

一応役作りで口調とか変えているけど声で気が付かないものなのか。

知らない人に捕まったらこんなに呑気にしてちゃいけないよ?

まぁお兄ちゃんだったから良いけどさ。今度ちゃんと教育しておかなければならない。

それと匂いでどうこう言ってたのにプレゼントをチラつかせた瞬間にアッサリとそっち流れちゃった。

これもこれでかなり心配だ。

 

「一夏ちゃんにはおままごとセットを。前から欲しがってただろう?」

 

「わぁ!ありがとーさんたさん!」

 

一夏には前々から欲しがっていたおままごとセットを

大きな包装用の箱を持ってクルクル回って喜んでいる。女の子だからね、しょうがないね。遊びのバリエーションも増えるもんね。

 

「わたしは!?わたしはー!?」

 

「サッカーボールだよ。これで思いっ切りサッカーをするといい」

 

「おぉ!さっかーぼーるだ!」

 

箒には何故か欲しがっていたサッカーボールをプレゼント。

うーん、やんちゃ坊主見たいな箒だけどまさかサッカーボールをご所望とは……

うぅん、これはそろそろ割と真面目に女の子としての振る舞いを学ばせるべきか?

いやでもこれはこれで個性って事で良いか。

その内落ち着くだろ。だってお母さんが華さんだもんなぁ……

 

続いてその後ろに控えていた千冬と束。

ただし既にサンタさんじゃなくて俺だと気づいておられます。

まぁ二人がそんな感じだって知ってるけどさ、その生暖かい目線は止めてくれない?お兄ちゃん泣くよ?みっともなく泣くよ?

 

「おに……サンタさん私にもプレゼントくださいな!」

 

「勿論だとも」

 

つーかこいつお兄ちゃんって言いかけたな?

まぁでも言い直したから許す。一夏と箒はプレゼントに夢中でそれどころじゃ無さそうだから別に良いけどさ。

 

「(あ、私達が気づいてるって知っていながらまだサンタキャラで行くんだ)何くれるの!?」

 

「(一夏と箒の夢を壊さないで上げて)君にはこれをあげよう」

 

「(りょーかい)おー!包装されてて何か分からないけど何となく私が欲しい物だって分かるよー!」

 

束は俺とアイコンタクトしてから渡したプレゼントを掲げてヒャッホー!と喜んでいる。

因みに束へのプレゼントは半田ごてセット。子供用とかそう言うんじゃなくて完全に工業向けのバリバリなやつね。

あ、行っておくけど半田ごてってそこまで高くないんだよ。

だからご所望品をしっかりお届です。

 

「あ、私のは……?」

 

「勿論有るとも!ほぉら!」

 

「おおぉぉぉ……!!」

 

千冬には意外や意外、熊のぬいぐるみを。

この前の休みに買い物に行った時、このぬいぐるみをものすっごい、ふぉぉ……!可愛い!欲しい!って目で見てたからね。

お財布事情が万年宜しくは無いがこれぐらいならオッケー。

ぶっちゃけ殆ど玩具とかそう言うの買ってあげられないからね。

まぁ人生ゲームとかオセロみたいなボードゲームはあるし、テレビもあったりするんだけどゲーム機はあっても二人はやらないし。俺が家でやるぐらいかな。それを二人が見てたりするけど飽きたらゲームは終わりで別に遊びを始めちゃう。

 

千冬も一夏もどっちかって言うと身体を動かす方が好きなタイプだからなぁ。

千冬がダンベルとか要求してこなくて心底ほっとしています。

 

「皆、喜んでくれたようで何よりだ。それでは私は次の子の所に向かうからこれで失礼するよ」

 

「えー!?さんたさんもうかえっちゃうのー!?」

 

「あそぼー!」

 

「ごはんー!」

 

「二人共、サンタさんは忙しいんだから我儘言っちゃダメだぞ」

 

「だっておにいちゃんおしごとでいないし……」

 

「おにいちゃんきょうもあしたもおしごとだもん。わたしたちはふゆやすみなのに」

 

ごめんね一夏、箒。

お兄ちゃん目の前にいるよ……

それと二十七日までお仕事があるからあと二日待って……

そうしたら冬休みに入れるから……

あと師匠と華さん、千冬に束、そんな目で見るの止めてくれませんか……?

 

これ頼んできたのお二人ですよね?

千冬と束はプレゼントでめっちゃ喜んでたでしょーが。

皆の手の平返しが早くてお兄ちゃん悲しいぜ。

 

「そうだね……一夏ちゃん、箒ちゃん、お兄ちゃんにお家に帰って来て欲しいのかな?」

 

「うん。さんたさんおにいちゃんつれてこれる?」

 

「出来るとも。それじゃ良い子で待って居られるかな?」

 

「「うん!」」

 

「それじゃちゃんといい子にしてるんだよ」

 

「「ばいばーい!!」」

 

玄関の扉を閉める。

向こう側ではちびっ子二人がお兄ちゃんまだかな!?まだかな!?と騒ぎながら待機中。

え?家の中で着替えさせてくれないの?

しょうがない外で着替えよう。

 

くっそぅ、千冬と一夏を養うためとは言え寂しい思いを少なからずさせていたのは残念だ。これからはもう少しだけ早い時間に帰って来れるように努力しなければならないなぁ……

 

箒は、まぁお兄ちゃんっ子だからね仕方ないね。

遊ぶ時は目一杯遊んでやろう。

 

 

一応玄関から見えない所まで行ってそこでスーツに再び着替える。

なんでこんな真っ暗な寒空の下でスーツに着替えなきゃならないのか。

まぁこれも妹達の為だ。

 

「ひゅっ!?あ”あ”あ”……寒い寒い寒い……!」

 

脱いだ瞬間にめっちゃ寒い。

スーツ持って来といて良かったぜ。アパートに置いてこなくてよかった。

つーか何故スーツ持って来てんだ俺。

どう考えたって邪魔でしょうよ。まぁお陰でアパートに帰る手間が省けて良かった。このクソ寒い中また往復とか嫌すぎる。

 

 

……シャキーン!!

 

お兄ちゃんスーツモード!

さて行くとしよう。

つーか俺煙草吸わないし酒も仕事帰りには殆ど飲んだ事無いのに匂いなんてついている筈も無いんだがな。なんで匂いで分かったんだ?

 

再び玄関の所に立ち、呼び鈴を鳴らす。

 

「はーい」

 

中から聞こえてくるのは華さんの返事。

それ以外に一夏と箒がお兄ちゃんだお兄ちゃんだと騒いでいる。

 

玄関がガラガラガラッ、と音を立てて開くとそこには皆が勢揃い。

千冬と束は戻ってるかと思ったんだがな。

 

俺だと分かった瞬間に箒、一夏の順で飛びついて来る。

 

「おにいちゃんだー!」

 

「おにいちゃーん!」

 

「おうふぅ……ただいま。二人共危ないから飛びつくのは止めような」

 

「やー!」

 

「やだー!」

 

「なんで!?」

 

「さんたさんすごーい!ほんとにおにいちゃんつれてきてくれたー!」

 

抱き上げるとそれぞれがわちゃわちゃと、サンタさんがお兄ちゃんを連れて来てくれた!だのなんだのと大騒ぎ。

うん、そのサンタはお兄ちゃんだよ。変装していただけだよ。

 

両腕に抱き上げた二人を相手にしながら、華さんと師範に挨拶をする。

 

「只今帰りました」

 

「はい、お帰りなさい」

 

「お帰り洋介君。随分と遅かったじゃないか」

 

「あはは……」

 

挨拶をすると華さんと師範がそれぞれ答えてくれる。

二人共ニヤニヤとしているがさっきの事だろう。

 

それに続いて千冬と束が。

束は相変わらず器用に俺の頭の付近まで登って来て、千冬は俺の鞄を持つ。お前本当に偉いな。

 

「兄さんお帰り」

 

「ただいま、千冬」

 

「お兄ちゃんお帰り!」

 

「はいただいま。でも耳元で大きい声は止めような」

 

「無理!」

 

相変わらず抱き着いて楽しそうにユラユラと揺れている。

 

「それじゃこれで皆が揃ったからご飯にしましょ」

 

「え?まだ食べてなかったんですか?」

 

「四人がお兄ちゃんが帰って来るまで待ってるって言って聞かなかったんだ」

 

「そうなんですか。てっきりもう食べ終わっているのかと」

 

「そんな事無いわ。私達だって待ってたのよ?」

 

「それはすみませんでした」

 

「こういう時はありがとうって言えばいいと思うよ?」

 

「そうですね……有難うございます」

 

そうやって会話して、リビングに向かい晩飯に移る。

俺は先に手を洗って、うがいをして。

 

席に着くと、右膝に箒、左に一夏と座って来る。

千冬と束はそれぞれ席に着く。

 

「これじゃお兄ちゃんご飯食べれないぜ?」

 

「だいじょーぶ!」

 

「何が大丈夫なのか全く分かんないなぁ。ご飯食べ終わったら一緒に遊んであげっから、今はちゃんと椅子に座って飯食おうな」

 

「じゃぁとなりにすわる!」

 

「それならOK」

 

「いすー!」

 

「あーほら持って行ってやっから」

 

「あろがとー」

 

「ありがとーおにいちゃん」

 

二人の椅子を持って行って、俺の両隣りを固めて座った。

 

「それじゃぁ食べましょうか」

 

「「「「「「「頂きます(いただきまーす!)」」」」」」」

 

神社だからか、七面鳥は無いが代わりに寿司だったりがある。洋食じゃなくて和食で豪華って感じだな。

 

 

 

 

「おすしおいしー!」

 

「そりゃ良かったな。あぁほら零すな零すな」

 

「お兄ちゃん、その烏賊取ってくれない?」

 

「あいよ」

 

「これからい!」

 

「ガリ食ったのか。あぁほらぺッしろ」

 

「箒、ジュースだぞ」

 

「うー……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして食事が終わると皆で人生ゲームやトランプをやったり。

頃合いを見て、次は篠ノ之夫妻へ日頃の感謝を込めて贈り物を。

と言ってもお酒なのだが。

 

この夫婦、結構お酒が好きなタイプでかなり色々なお酒を所有している。

そこまで高くないから並べられると見劣りするが。

だから二人にはそれぞれお酒を送ることにした。

師範には寒梅という日本酒を。華さんにはカルヴァドスというブランデーを。

 

「師範、華さん、これどうぞ」

 

「ん?これは……おぉ、寒梅じゃないか。どうしたんだい?」

 

「日頃お世話になっていますから、感謝の気持ちです。華さんもお酒は飲まれるんでしたよね?」

 

「えぇ。少しだけね」

 

「良かった。華さんにはこちらを」

 

「あら、カルヴァドスね?」

 

「はい。こちらも感謝の気持ちという事で受け取って頂ければ嬉しいです」

 

「勿論有難く貰うよ。それじゃぁ早速三人で飲もうか」

 

「グラスを持って来ますね」

 

「あ、すいません気を使わせてしまって」

 

「なに、なんだかんだで洋介君と飲むのは久々だからね。確か最後に飲んだのは去年のこれぐらいの時期だったかな?」

 

「そうですね。あの時は俺が貰ってしまいましたから」

 

「持って来ましたよ」

 

「あ、注ぎます」

 

「ありがとう」

 

「でもあれだね、何回か一緒に飲んでいるけど、こうすると成人した息子と飲んでいるみたいでなんだか新鮮な気分だね」

 

「そうなんですか?」

 

「そうだね。特に家は娘二人で尚且つまだ子供だからね。嬉しいものだよ」

 

「でもそう言ってくれると有難いです」

 

話ながら師範のグラスに日本酒を注ぐ。次いで華さん。

 

「華さんも、どうぞ」

 

「あら、ありがとう。それじゃ洋介君もどうぞ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

俺は俺で師範と華さんとお酒を少しばかり飲んだ。

と言っても師範は滅茶苦茶酒に強いって言うか、ザルなんじゃないかと思うぐらいにドンドン日本酒を空にしていく。

しかもそれだけじゃ足りなかったのか何処からか追加で数本日本酒とブランデー、ワインを持って来た。

 

「洋介君、これも飲んでみよう。結構前の奴だけどワインだからまぁ大丈夫だろう」

 

「あ、すみません。頂きます」

 

「美味しいわぁ」

 

華さんは俺が送ったカルヴァドスの瓶を空にしてからは酌に周っていた。

というか結構な量あったと思うんだけどそれをほとんど一人で飲み干すって華さんも大概だよなぁ……

一杯だけ師範が味見したいと言って飲んだがそれ以外を全部一人で飲み干したんだぞ?

それなのに全く表情も顔色も変わらないのだからこの夫婦は凄い。

 

俺はちょっとずつちょっとずつ飲み進めて行ってたから大した量は飲まなかった。

コップ二杯ぐらい。だって明日も仕事だしなぁ……

元々大した量は飲まない。

千冬と一夏と暮らし始めたのは19の時だが勿論未成年飲酒なんてしたことも無い。

会社での付き合いも、二人が居るし遅くまでほったらかしにすることも出来ないから飲み会何て言うのは断って来ていた。

幸いにも周りの先輩方は理解のある人達で全く咎めるどころか寧ろ妹さん達の為に早く帰ってあげなさいとも言われた事もある。

優しい人達ですよ。

 

まぁそれでも流石に全部断る訳にも行かないので年に一、二回程度は付き合っていた。

勿論その時は先生か師範の所に預かっていて貰っていた。

出来るだけ早く帰るようにして結局は遅くても十時頃には二人を迎えに行けるようにしていたから長居はしなかったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いちかー、ちふゆー、そろそろ帰るぞー」

 

「えー?もうちょっとー」

 

「そしたら人生ゲームあと一回だけな。それが終わったら帰るぞー」

 

「はーい」

 

「お兄ちゃんも人生ゲームやろうよ!」

 

「んぁ?俺も?」

 

「うん!ほら来て来て!」

 

束にズルズルと引きずられて行き、ボードの前に座らされる。

 

「ほらお母さんとお父さんも一緒にやろう!」

 

「そうね、皆でやりましょうか」

 

「人生ゲーム何て久しぶりだなぁ」

 

師範と華さんも参加し、七人での人生ゲームバトルロワイヤルに発展。

スタートに戻るとか何回休みとかのマスをやたらと皆で踏んだもんだからなかなか決着が着かず長引いた。

 

スタートに戻るのマスの数少ないのになんでこうも皆悉く踏んでいくんだろうか。

 

 

 

「あー!また二回休みじゃんかー!」

 

「束さっきはスタートに戻る踏んでたな」

 

「そう言うちーちゃんだってスタートに戻るを二回も踏んでるじゃん!」

 

「大丈夫だ。もうゴール目前だからな。お、十マスだな……一二三四五六七八九十。……スタートに戻る!?」

 

「あははは!ちーちゃん三回目だ!」

 

「なんでゴール目前にスタートマスに戻るなんてあるんだ!?」

 

「ちふゆねえすたーとにいっちゃった!」

 

「いちか、いまのうちにどんどんすすまないと!」

 

 

 

 

 

 

 

「うぉっ!?またスタートに戻る!?」

 

「おにいちゃんまたさいしょからー!」

 

「あはは!おにいちゃんすたーとだー!」

 

「あら、私も二回休みだわ」

 

「おや、私もスタートに戻るだね。何というか皆運が悪いと言うか、寧ろ奇跡的なほど振出しに戻るを踏みまくっているね」

 

 

 

 

 

「ごーるだー!」

 

「え!?箒いつの間に!?」

 

「わたしもごーる!」

 

「一夏も!?」

 

 

 

 

結局俺達が振り出し戻るだったり二回休むを踏んでいる間にマイペースにマスを一つ二つと少ないながらも地道に進めて行った箒と一夏が優勝準優勝を掻っ攫って言った。

結局俺が三位、束四位、華さん五位、師範六位、千冬が最下位だった。

 

千冬、その、なんかごめんな。

 

 

 

 

「そんじゃ帰るぞー。準備しろー」

 

「「はーい」」

 

二人に準備をするように声を掛けると、駄々を捏ねずに準備を始めた。

すると師範と華さんの二人はどうやら泊まっていくと思っていたらしく声を掛けて来た。

 

「洋介君、泊まってかないのかい?」

 

「そうよ。泊まって行ってしまえばいいのに」

 

「明後日まで仕事ですから」

 

そうなんだよ。

明後日まで仕事があって二十八日から漸く冬休みに入れるのだ。

だが小学生、幼稚園生はとっくの昔に冬休みに入り始めている。だから基本千冬と一夏は二人でお留守番となってしまう訳だ。

まぁそこは篠ノ之神社に来て束と箒を入れた四人で遊んでいるんだけど。

 

でも俺よりも篠ノ之夫妻はもっと凄い。

だって神社だから基本年中無休な訳で。毎朝境内中を朝早くから掃除しているし。

しかもこんなにデカい神社なのに二人だけでやっているのだから凄い。

まぁ流石に年末年始辺りは臨時で雇ったりしているし、なんなら俺も手伝っている。

いっつも千冬と一夏の事を見ていて貰っているからね。これぐらいは何てことは無いのだ。

 

「そうか、まだ休みに入ってないんだね。それなら一夏と千冬を家に預けておけばいいよ」

 

「それもそうね。お仕事でいない間は二人を家につれて来ると良いわ」

 

「いいんですか?」

 

「勿論だとも。まぁ年末の準備も粗方済ませておいたし問題は無いよ。あとはいくつかやる事があるけどそれも十分片付けられる範囲だし。それに束と箒も何か仕事が無い限りは二人だから遊び相手が増えるのは良い事だと思うしね」

 

「すいません、それでしたらお願いしてもいいですか?」

 

「いやいや、構わないよ」

 

「兄さん、準備出来たぞ」

 

「ん、一夏も準備出来たか?」

 

「できたよ」

 

「よし、そんじゃぁ帰るぞ」

 

玄関まで歩いていく。

 

「師範、華さん、お邪魔しました」

 

「いやいや、年末年始も是非おいで。忙しくて挨拶も出来るか分からないけれど屋台もでるしね」

 

「はい。それでは」

 

「うん、気を付けて帰るんだよ」

 

「おにいちゃんちふゆおねえちゃんいちか、じゃーねー!」

 

「バイバーイ!」

 

「じゃーなー」

 

そう言う訳で、帰宅しました。

それからは風呂に入り、歯を磨いて、寝る。

 

一夏は早々に電池切れで布団には言った途端に寝てしまったし、千冬も十分程で寝付いてしまった。

俺も俺で明日の朝飯用にご飯を炊いたりしてから布団に潜り込む。

基本、俺を挟んで二人は寝るものだから、入った瞬間に寄って来る。まぁ拒む理由は無いし寧ろ嬉しいので構わない。

 

でも酒臭くないのかな?普通だったら嫌がると思うんだけど。

それでも擦り寄って来る二人を抱き締めて、寝る。

あと二日。仕事頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして過ぎて行ったクリスマスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




いよっしゃぁぁぁ!!
十二月三十日に投稿完了!間に合ったぜぇぇ!!!





書いてて思ったけど神社がクリスマスって大丈夫なのか……?
いやまぁでも大丈夫だよな。うん、大丈夫。大丈夫なはず……




因みに半田ごての価格はAm〇zon基準です。
だいたい5000円あれば結構いい奴が買えちゃいます。
これ結構本気で驚いたんですけど半田ごてよりもぬいぐるみの方が圧倒的に高いんですよね。

おぉマジか!?

と思わず声を出してしまった。
作者が欲しいと思ったぐらいです。
千冬姉のプレゼント、原作準拠だとお酒一択で問題無いんだけど子供だしなぁ……
つーか千冬姉の好みってなんだ……?と結構悩んだ挙句もう何でもいいやってなった。
ちーちゃんならお兄ちゃんからのプレゼントだったら何でも喜びそうだし。
ぬいぐるみ貰って喜ぶ千冬姉とかギャップがあっていいよね。これだけでご飯4杯はイケます。


因みにですが作者はお酒が全く飲めません。
濃い匂いだけでアウトです。多分下戸というやつです。




次回、閑話お正月編。
多分間に合わない。







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