おじさん、今年で36歳になるんだけれども 作:ジャーマンポテトin納豆
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
という訳で新年一発目の投稿じゃい。
今日は一月一日。
普通の家庭ならおせちを食べたり初詣に行ったりするわけだが残念ながら篠ノ之家は寧ろその参拝客達を迎える側で、俺も手伝いに来ている為かなり忙しい。ちゃんと着替えてますよ。
箒と一夏はまだ小さいからという事で手伝いはせずに相変わらずこのクソ寒い中元気に遊びまわっている。元論参拝客の方々に迷惑を掛けない様に。振袖だか何だかに着替えて羽子板大会に参加している。千冬と束は巫女服に着替えてお守りなんかの販売のお手伝い。
師範は宮司としての仕事が数多くあるからそっちに行ってしまっているし、華さんは華さんで巫女としての仕事。
ついでに言うとこの神社って全国的に有名だからか物凄く人が多い。
確かに歴史は古いし道場の方も全国クラスの人間が何人も居るレベルに強いし、夏祭りにでもなると代々その神社の巫女が神楽舞を奉納するという事でも有名だ。因みに神楽舞をやっているのは華さん。
まぁ簡単に言えばめっちゃ美人が神楽舞をやってるから男共を筆頭に引き寄せられてくるという事だ。
何時だったか態々芸能事務所がスカウトに来た事もあるぐらいだしそれは納得できる。速攻で断っていたけど。
それに師範も師範でそこらのモデルやアイドル何て目じゃないぐらいにイケメンさんだから女性のファンみたいなのも多い。
渋谷や原宿を歩いていたら間違い無く声を掛けられるレベルの夫婦が宮司と巫女をやっているのだからそりゃ話題にもなるわ。
今も取材も幾つか来ているみたいだし、師範と華さんはその美男美女夫婦という事で仕事の傍ら取材をされていたりする。まぁ確かにあの篠ノ之一家ホントに美人ばっかだからなぁ……
忙しいから人を雇っているが、それも道場の門下生に手伝って貰っているという感じだし。お年玉を貰えるという事でそれぞれがかなり張り切っていやっている。
お守りや絵馬、破魔矢だったりもどんどん売れていく。
俺はそれの品出しという感じで荷物を抱えて走り回っている。
千冬と束はさっきも言った通り販売のお手伝い。
「ありがとうございましたー!」
「縁結び守りですね。五百円です」
二人は両極端な性格をしているからか二人共可愛いと大人気だ。
確かに巫女服の千冬と束はめちゃ可愛い。異論は認めん。
ついでに言うとこんな俺がお手伝い組の全体を取り纏めていたりする。
というのも結構頻繁に出入りして一夏と箒相手に敷地内を走り回っているから色々と把握している。だから意外と都合が良いのだ。
色々と指示出ししながらあっちへこっちへ荷物を運んだり。
確か明日は明日で餅つき大会があるからそれの手伝い。
いやぁあれ楽しいんだよな。餅を突くのもさることながら食べるのも楽しいのだ。
種類が沢山あってそれはもう色々と食べる事が出来る。
きなこ、醤油、餡子に大根おろし、他にも色々。
そんなわけで忙しくも何だかんだで楽しく過ぎて行った日だった。
次の日、朝早くから予定していた餅つき大会を開催。
一応奉納としての意味合いもある為にちゃんとした手順やらなんやらをして、奉納の餅つきをやってから本格的に始まる。
「おもちだー!」
「わたしきなこー!」
「しょうゆー!」
一夏と箒を含むちびっ子達はどんな餅が食べたいと大騒ぎをして早く早くと催促をしてくる。
「はいはいまだつき始めてないんだからもう少し待ってなー」
「洋介君、今日も手伝って貰っちゃって申し訳ないね」
「いえいえ、楽しみですから何て事は無いです」
「それなら良かったよ。それじゃぁ早速つき始めようか。もち米も予め蒸かしておいた事だし。それにこのまま子供たちを放っておくと暴動が始まりそうだ」
「それもそうですね。それじゃぁ行きましょう!」
「そうだね。気合い入れて行かないとね」
気合を入れて、臼と木槌を持っていく。
そう、俺と師範の二人で餅をつかなければならないのだ。
まぁこれも一つの楽しみという事で。
それから俺と師範の二人で餅つきを行い、時折交代して数時間、延々と餅をつき続けた。
そして振る舞われる各種の餅。
俺は雑煮を食らっております。
どれもこれも華さんお手製なのでびっくりするぐらい美味しい。
餅の方も出来たてということもあって市販の切り餅なんて目じゃないくらい美味い。
そして餅つきを楽しんだその日の夜。
「一日遅れだけれどおせちを作ったから洋介君も千冬ちゃん達と一緒に食べて行って」
「いいんですか?」
「勿論よ。誰よりもお手伝いで頑張ってくれたんだから。まぁそれが無くても食べて行って貰う予定だったのよ?」
「束も箒もお兄ちゃんと一緒に食べたいって言っているから」
「そうですね。御馳走になります」
「良かったわ。それじゃぁ着替えてリビングで待っていて。多分四人はもう待っていると思うから。私達も着替えたら向かうわ」
「了解です」
言われた通りに着替えてからリビングに向かうとそこには既に千冬、束を筆頭におせちをテーブルの上に並べて準備を進める四人の姿があった。
「あ、お兄ちゃん」
「お疲れ様。準備はやるから座ってていいぞ」
「悪い。ありがとな」
ホンマに出来た子達やでぇ……
言われた通り椅子に座っていると準備が終わった一夏と箒が俺の方に寄って来る。
その勢いそのままに抱き上げる。
「よっ……と」
「おにいちゃん、わたしじゅんびおてつだいしたよ!」
「おー偉い偉い」
「わたしもてつだったー!」
「偉い偉い」
箒と一夏を抱き上げて膝の上に乗せると手伝った事を褒めて欲しいのかそれを自慢げに話す。相変わらず元気だ事。
昼間あれだけ羽子板大会やってたのに何故こんなに元気なのか。
俺は餅つきやって腕パンパンだしめっちゃ疲れたんだけど。師範も流石に顔に疲れの色が出ている。
だって朝から四時ぐらいまでずっと木槌振ったり、臼の中の餅をひっくり返したりしてたもん。そりゃ疲れる。
千冬と束は若さ故なのか疲れているという感じは無い。
束なんかは鼻歌を歌っているし。
「待たせたね。準備をしておいてくれてありがとう」
「それじゃぁ皆揃った事だしおせち、食べましょうか」
「そうですね」
「「「「「「「頂きます」」」」」」」
「だてまきー!」
「くりきんとん!」
挨拶をしてから食べ始める。
一夏と箒は真っ先に栗きんとん、伊達巻に手を伸ばす。すると何を思ったのか伊達巻を伸ばし始めた。あれだ、カニカマと同じような感じだ。
千冬は田作を、束は海老を。
俺は数の子。数の子美味いだろ?それにプチプチしててあの感じが好き。
「洋介君、明日は休みだろう?」
「そうですね」
「それなら飲まないかい?」
お誘いだ。
どうするかな。明日が休みとは言え飲んで酔っ払うのはあまり嬉しくないんだが……
まぁでも良いか。飲むって言ってもグラス二、三杯だし、多くても五杯程度で辞めておけば大丈夫か。
「そうですね、頂きます」
「それじゃ取って来るよ」
「すいません」
「なに、誘ったのはこっちだからね。これぐらいはお安い御用だよ」
師範はそう言うとお酒を取りに行った
華さんは予め作っておいた雑煮の汁を温めている。
「お雑煮食べる人ー」
「はーい!」
「わたしたべる!」
「お母さん私も!お餅四個で!」
「千冬ちゃんは?」
「頂きます。お餅二つで」
「洋介君は?」
「お願いします。あ、餅三つで」
「はーい」
そう言うと今日ついたばかりの餅をフライパンで温め直し、温まった雑煮の汁の中に入れてお盆の上にのせて持ってくる。
「はいどうぞー」
「いただきまーす!」
「おいしい!」
「んー!おーいしー!お正月はこれが無いとねー!」
「ふぅ……美味しい……」
「良かったわ。どんどん食べてね」
華さんの言った通り、おせちも雑煮もどんどん無くなっていく。
一夏も箒もパクパクと食べ進め、千冬と束もお代わりしまくりだ。
俺もしっかり頂いています。めちゃ美味しいです。
「洋介君、待たせたね」
そこに師範が戻って来た。
その腕には十本近い瓶が入った袋を持って居る。
師範、俺そんなに飲めないんですけど。
「それじゃぁ飲もうか!」
「頂きます」
お酒の事になると途端に普段の落ち着き払った感じじゃなくなるのは何故だ。
華さんも加わり三人で飲む。
ちびっ子達は食べ終わってからは人生ゲームを始め、楽しんでいる。
トランプでババ抜きや神経衰弱、七並べをやったり。
楽しそうで何よりだ。
大人組はお酒を飲み進めている。
まぁ俺はそこまで飲まずにセーブしているから今現在でも四杯しか飲んでいない。
それに比べ二人は何故あれだけ飲んで酔い潰れないのか不思議なくらい飲んでいる。
本当にザルだなこの人達……
それから数時間飲み続けた師範と華さんは、流石に飲み過ぎたのか師範が気分が悪いと言い始めた。そりゃあれだけ飲んだらそうなるだろうよ……
持って来た十本近い瓶を空にした師範はそれからも何本も何本も持って来ては空にしてを繰り返していたら限界が来るのもしょうがない。
なんでそんなに飲むのか不思議だが、師範は俺と飲めることが嬉しいと何度も言いながら飲み進めていたからそれが原因なんだろうな。
華さんは途中から水に変えていたから普段と変わらない感じだったけど。
「洋介君、今日はもう泊まって行っちゃいなさい」
「それは申し訳ないですよ」
「あら、そんな事無いわ。それに一夏ちゃんと箒はもうとっくにお眠のようだしね」
「あ、ホントだ」
言われて見てみると二人はうつらうつらと船を漕ぎ始めていた。
そりゃ仕方が無いか。
「すいません、今日は泊まらせて頂きます」
「それでいいわ。そしたら二人をお風呂に入れてくれるかしら?私はこの人を連れて行くから」
「分かりました」
「ほら、しっかり。あ、お風呂に入ったら片付けしなくて大丈夫よ。私も入るから。それじゃぁおやすみなさい」
「はい。おやすみなさい」
華さんは師範を担いで行ってしまった。
流石華さん、男一人を軽々と担いで行くとは。
それを見ながら俺は一夏と箒を抱き上げて風呂に向かう。
「ほら、風呂入るぞー」
「んー……ねむい……」
「おにいちゃんとねるー……」
「お風呂入らないとお兄ちゃん一緒に寝てあげないぞー?」
「ならはいるー……」
「はいるー……」
「はい偉い。そんじゃ行くぞー」
風呂に行こうとすると後ろから束が声を掛けて来る。
「お兄ちゃん!私も一緒に入る!」
「一人で入りなさい」
「やーだー!入るもんねー!」
そう言うとさっさと風呂場の方へ行ってしまった。
あいつあの年にもなって俺と一緒に入りたいとか、大丈夫か?
将来が心配だ……
「兄さん、私も一緒に入る。先に行ってるからな」
「千冬も!?」
……お兄ちゃん、妹達の将来が本気で心配だぜ。
風呂場に着くとバスタオルや下着の準備はされていて、風呂場の方から声が聞こえる。
「ほらばんざーい」
「ばんざーい……」
「はい、いい子だなー」
「一夏ー、ばんざーい」
「んー……」
「よーし入るぞー」
風呂に入り、一夏と箒の身体を洗って温まってから出る。
着替えてそのまま布団が敷かれている部屋に向かい、一夏と箒を寝かせる。
部屋に向かっている時に既に気持ち良さそうに寝息を立ていた。
千冬と束も既に布団に入って寝る準備をし始めているし。
俺も寝るかな。
布団に潜る前に、一夏と箒に掛けておいた掛け布団が少し捲れていたから掛け直してやる。
布団に潜ると、直ぐに両隣を千冬と束が固めた。
「酒臭くない?」
「ぜーんぜん!お兄ちゃんの匂いしかしないよー」
「そうだな。風呂に入ったからかシャンプーの匂いと兄さんの匂いがするだけだ」
「それなら良かった。臭いなんて言われちゃ堪らん」
「私達がそんなこと言うなんてあり得ないと思うけどなー」
二人は酒臭くないと言って抱き着いていて、ぐりぐりと頭を擦りつけて来る。
そして何故かクンクンスーハースーハーして来る。
うんまぁもう慣れたから良いんだけどさ。
思う存分堪能されて、気が済んだらしく。
「おやすみお兄ちゃん」
「兄さんおやすみ」
「おやすみ」
そう言ってから直ぐ、千冬と束も寝息を立て始めた。
俺はそれを見届けて、眠った。
間に合わんかったぁぁぁぁぁ!!!!!!!
年越しその瞬間に投下しようと思っていたのに無理だったァァァ!!!
クソがぁぁぁぁ!!これも全部周りに誘惑する物が多かったせいなんだぁぁ!!
因みにお餅はフライパンで水を掛けて温めるとつき立てになります。
電子レンジよりもずっといい感じで仕上がります。
これ本当です。作者はやっています。