おじさん、今年で36歳になるんだけれども   作:ジャーマンポテトin納豆

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目が覚めたら一週間以上経ってたぜぇい!? おや、妹達の様子が……あ、すいませんBボタン押したいんですが。え?もう進化した後だから無理?ふざけんな!

 

 

 

ヘローヘロー!

 

やぁ皆元気かい?おじさんはなんだか気絶したと思って目が覚めたらベットに寝かされていて束に飛びつかれてなんじゃこりゃぁぁ!?と思っていたら身体が動かしづらくて本気で何があったのか分からず説明を要求しようとしたら俺の事をお父様と呼ぶラウラ似の銀髪美少女が居て思考を放棄したところだ!

 

そう言う訳で束から説明を受けた。

まぁ大体の事情というか、状況は把握した。

よし、そんなわけで今の感想を言わせてもらおう。

 

 

 

OH MY GOD……!

 

 

 

目が覚めたら妹達が進化していたぜ。

ハイライトが消えていたぜ。

Bボタンはもう押せなくなっていたぜ。

ガチで危機だぜ。

 

うん、まぁそう言う訳だ。

束は千冬と一夏、箒、セシリアのヤンデレ?モードに完全に怯えきっていて、目が覚めた時に抱き着いてきたのは千冬達に対する切り札が出来たから嬉しかったというベクトルの違う喜びだった。

 

うん、俺は複雑だよ……!

 

そもそもなんで妹達のハイライトが消えているんですかねぇ!?

そりゃ俺のせいだとは分かってるんだけどさぁ!そこまで大騒ぎする!?

束は束でガッツリ怯えながらもドイツに対する報復準備してるし!それどころかフランスに対しても滅茶苦茶ぶっ殺ってスタイルだし!

……なんだか身体が動かしづらいと言うか動かすのが大変だし!動かせないし!

 

極めつけはなんで俺の事をお父様とか言って来る子が居るんだよぉ!?

俺は彼女とかが居た記憶すら無いんだけど!結婚した覚えも無いしさぁ!

本当にもう何なの!?何なの!?俺をそんなに千冬達と戯れさせたいのか!普通の意味だったら全然構わねぇよ!?だけどそれが命懸けとか勘弁してくれよもうさぁ!

 

 

 

はぁはぁはぁ……

すまん、取り乱したわ……

 

いやでもさ、こうなるのも仕方が無いと思うんだよ。

改めて言うけど意識を失ってから漸く目を覚ましたと思ったら束を除き千冬達はハイライトを何処かへ追いやり、正気な束は千冬達に怯えているし。

 

それだけじゃ飽き足らず何故だか俺の事をお父様と呼んで滅茶苦茶慕って来る銀髪美少女も居る。

……これって何がどうしてもどう説明しても案件なのでは?

 

見た感じ高校生くらいだよな?

しかも面識が無いと来た。あれ?どこかで会った事あったっけ?

 

いや、少なくとも覚えている限りは無い。記憶力そこまで悪い方じゃないんだがなぁ、これで覚えていないとなると完全に初対面となる訳だが。

 

初対面の明らかに血が繋がっていない高校生くらいの女の子にお父様と呼ばれる……

 

たったこれだけの字面からでも漂う犯罪臭が凄すぎてもう思いっ切り吐いちまいそうだ。

 

「?お父様?私の顔を見つめて何かありましたか?」

 

「いんや、何でもねぇよ」

 

「そうですか。お身体の具合が変でしたら直ぐに私に言ってください」

 

「ありがとよ」

 

俺のベットの横で椅子に座り、綺麗な金色の瞳で俺の顔を覗いて来る。

それにしても見れば見る程ラウラとそっくりだな……

そっくりを通り越してそのまんまじゃねぇか。ラウラが全体的に成長した感じがこの子だな。

名前はなんつったっけか、そうだクロエだ。

 

そーもそもなんで俺の事を親父と束の事を母親だと慕っているんだ?

まぁその内束が説明してくれんだろうから今は千冬達の事と俺の身体の事だな。

千冬達の事に関しては束から聞いた通りなんだか訳分からんグッバイハイライト!という訳だ。

 

うーん、やっぱり帰りたくなくなって来たぞぅ……

これ帰ったら大変な事になるのは目に見えてるじゃねーか。

 

まぁ現実逃避しても仕方が無いから千冬達の事に関しては置いておいて、今考えるべきは俺の身体の事だ。

 

 

どうやら三十五年間苦楽を共にして連れ添った俺の身体は、どうにも別物になってしまったらしい。

 

 

なんつーかこう、動かしづらいしなんなら今は殆ど動かせない。

まぁ端的に言ってしまえば俺の身体ではあるが俺の身体ではないと言えばいいのだろうか。

こう、元々の感覚って言うのは異常が無い。だがそれではなく、何と言えば良いのか分からないが何か違うのだ。

 

どういうことなのかさっぱり分からずどうすれば良いのか頭を使っていると束が訪ねて来た。

 

「身体の調子はどう?」

 

「なんつーか俺の身体が俺の物じゃないみたいだ。今は全く動かせないしな」

 

「あー、やっぱり分かっちゃうかー……」

 

「どういう訳か知ってんだろ?つーか原因は束だろ」

 

「うん、そうだよ。まぁ元々説明する気ではあったから今から説明するよ」

 

そして説明された内容は俺を驚愕させるには十分な物だった。

 

「おぉ……マジか……」

 

「マジもマジ、本気も本気だよ」

 

うーむ、いやいやまさかバイオボーグになっているとは。ターミ〇ーターじゃなくてか、とは思ったが嫌な感じではない。

 

「迷惑だった?」

 

「いや、そんな事はないぜ?ま、相談しろとか言えない状況だったからそりゃしょうがないし俺の生死が関わっていたんだから寧ろ助けてくれてありがとう」

 

「ふふ、どういたしまして。でもこれからは本当に無茶したらダメだよ?」

 

「あぁ、重々承知したよ。下手なことすると千冬達がヤバくなるってのも身をもって知ったからな。これ以上馬鹿はやらねぇ」

 

いやもう本当に懲りた。

千冬達の映像を見せて貰ったけどあんなにおっそろしい妹達の姿は初めてだ。

 

「だね。それじゃぁさ、今の本当の気持ち、教えてくれる?」

 

俺がしみじみそう言い終わったら束の奴なんてこと言いやがる。

折角格好良く締めようと思ったのによぉ……キメ顔もばっちりやったってのにそんなこと言われたらもうダメじゃねぇか……

 

「束良くやった!この身体最高!」

 

「やっぱりそんな事考えてたかぁ……なんか本当に緊張感無いなこの人……」

 

「だってお前あれだろ!?お前の事だからただ再生させたわけじゃないじゃん!?こんな身体にしてくれやがってコンチクショウ!マジでありがとうございます!!」

 

「いやまぁ確かに滅茶苦茶な身体にしたのは確かだけどなんかこういう反応されると釈然としないなぁ……それにやった本人だけど納得がいかないと言うか……」

 

「まぁ俺もこんな反応するのはどうかと思うけど。確かに最初はナイーブな気持ちになったけど暫くしたら男としては反応せざるを得ないだろぉ!」

 

「いや普通はもっと頭抱えて悩むもんだと思うけど……?」

 

「いやいやいや、お前身体が若返っただけじゃなくて強化されてんだろ?そんなん喜ばない訳無いじゃん。年寄りからするとそんなもんなんだよ」

 

いや本当にもうこの気持ちは正直な物だ。

一夏の飛びつきで膝や腰を痛めなくて済むってのも正直な所だしな。

それに可愛い可愛い妹が俺の命を助けて挙句に二度とそうならない様にしてくれたと来た。それで俺が怒るとでも?まさか、そんな事ある訳がない。

 

そもそも命を救って貰ったのだ。そんな妹兼命の恩人には感謝はすれど、怒ったりその事実を咎めるなんてのはお門違いにも程がある。

それに、束自身も少なからず俺の身体の事で不安に思っていたようだしこれぐらいお道化てやった方がその不安を取り除くのには丁度良い。

 

「あーあ、なんか心配して損しちゃった気分だよ」

 

「おう、そんぐらいでいいさ」

 

「それで、これからどうするの?ちーちゃん達はあんな感じだし」

 

「んー、取り敢えずは俺の事を教えて、大丈夫そうだったらそのまま学園に戻る。ヤバそうだったらここに残る。どちらにしろやる事は身体を完璧に俺の思い通りに動かせるようになるまでリハビリだな」

 

千冬達の事については正直考えたくない。

だってハイライトが無い妹とか嫌すぎる。どうすりゃいいのだか皆目見当が付かん。

 

「そうだね。それじゃぁまずはご飯食べよっか。腹が減っては戦は出来ぬって言うし」

 

そういやなんも食ってないから腹減った。

束は飯を作ることは出来るがそれ以外の片付けなんかは結構酷い。

千冬と真逆だな。見た感じ自分でも何とかして片付けをしていたようだし、今は多分クロエが片付けをやっているのだろう。

 

「おう。そんじゃぁそん時にあのクロエって子の事しっかりと説明して貰うぜ」

 

「……説明しないって選択肢は無い?」

 

「無いね。そもそも何故面識の無い嬢ちゃんに親父なんて呼ばれているのか訳が分からん。何かしらの理由があるにせよ説明しろ。理由によっちゃ許可します」

 

「えー……分かったよぅ……

 

クロエの事に関してちゃんと説明して貰わにゃならん。

じゃなきゃ俺は犯罪者になりかねない。千冬達に冗談抜きで殺される。その時の説明をしっかり出来るようにしておかなければならん。

 

「あ、それとさ、ラウラちゃんの事、気にかけてあげて」

 

「ラウラ?ラウラがどうかしたのか?」

 

束は最後にそう言って台所に向かって行った。

それと入れ替わりでクロエがラウラを連れてやってきた。

 

「お、ラウラ久し……ぶり……だな……」

 

軽く挨拶をしようとしてラウラの顔を見て束の言葉の意味を理解した。

 

「お父様、お母様はどちらに?」

 

「台所に飯作りに行ったぜ」

 

「そうですか。ならお手伝いをしに行って来ます。少しだけラウラの事見ていて下さい」

 

「あいよー」

 

つってもなぁ……

今のラウラはなんつーか、あの日本を勘違いしていてその話をしていた時のラウラでは無くなっていた。

 

こう、小学生の様な見た目と変わらない無邪気で純粋だったラウラは、今は蛻の殻で、表情は無く、それこそ目を瞑っていたら死んでいるのではないかと錯覚してしまうかもしれない程。

 

簡単に言えば魂が入っていない、只の入れ物のようだ。

 

ただそこにあるだけの存在しているだけの物。

そんな感じがしてならない。

 

人間で、生きて居て、呼吸をしていて、笑って泣いて、喜んで、心配して、信じている事があって、趣味があって、楽しみがあって、旧友と笑い合っていたあのラウラではない。

 

今のラウラは生きてこそいるが人間としてではない、空っぽの中身の何も無い器のよう。本当にそこにあるだけの物だ。

 

何でそうなったのかなんて分かりきっている。

VTシステムの起動によって精神的にダメージがあったのだろう。そりゃ肉体的ダメージだけじゃなく精神的ダメージもあると想定して然るべきだ。

 

何よりも、もし俺や他の皆と戦っている時、自我があって見ていたとしたら?

自分の友人や、教師、千冬という恩師に手を上げ、最悪殺していたかもしれないのだ。

自惚れている訳じゃないが俺自身もかなりラウラとは親しかった。

そんな俺をボッコボコにして、かなり命の危機だったのだからその記憶があれば……

もし当事者が俺だったとして、千冬や一夏達相手に手を上げて、殺し掛けたとなれば多分立ち直れない。自殺する自信だってある。

 

それを考えると精神的負荷は計り知れないものだろう。

しかもそれを受けたのが幾ら軍人とは言ってもまだ十五、十六の子供なのだ。心が壊れてしまっていてもおかしくは無い。寧ろそうなって当然なのだろうか。

 

俺の様な大人ですらそうなるのだから子供がそうなるのは必然とも言える。

本当にマジでドイツのクソッタレは余計な事しやがって。

 

 

 

「ラウラ、元気か?」

 

「……」

 

声を掛けるが反応は無い。

つーか元気かなんて聞かなくても分かる。

ぼーっと何も無い空間を見つめて動かない。

 

どうしたもんかねぇ……

カウンセリングなんてやった事無いからサッパリ分からん。

 

 

「ご飯出来たよー」

 

「お父様、お食事が出来ました。腕も動かせないでしょうから私が食べさせますね」

 

「すまんな、頼むぜ」

 

「くーちゃん、お父さんの事お願いね。私はラウラちゃんの方に付くから」

 

「はい」

 

「ラーウラちゃん!ごっはんだよ!」

 

そして飯を食い始めた。

と言っても俺はクロエにラウラは束に食べさせて貰っているのだが。

本当に自分の身体を自由に動かせないのは辛いな。

 

 

 

 

「クーちゃんの事、ちゃんと説明するね」

 

「あぁ、頼む」

 

暫く食べ進めると束はクロエの事に関して切り出し始めた。

 

「くーちゃんはね?簡単に言うと人造人間、クローンって言われる存在なんだ」

 

「は?クローン?人造人間?」

 

「そう。出生はドイツに在った研究所の一つ」

 

「いや待て待て待て。何故ドイツなのか、とは聞かない。あの国の事だからどうせ碌でも無いに決まってる」

 

「まぁその通りだね。まだ私の作ったISが世の中に発表される前の話だから。まだ私とちーちゃんとお父さんの三人で休みの日にIS開発でわちゃわちゃやってた頃ぐらいかな」

 

ISがまだ開発段階って言うとまだ中学生くらいの頃か?

確かあの頃は束に渡した元手になる数万円を使って師範名義で株取引かそれ以外の方法かどうか分からんが資金を莫大に増やして幾つかの技術の開発が終わった頃だ。

 

「あー、かなり昔じゃねぇかそれ。中学三年生ぐらいの頃だろ?」

 

「うん。それで偶々くーちゃんに関する研究の事を知ったんだ。それでその時はまだ私にはどうこうする力も勇気も無くて、せめて後々どうにか出来るように見に行ったの」

 

「で、そこでクロエと出会ったって訳か」

 

「まぁ大体は。でも出会ったというよりは偶然助け出したって言う方が正しい。あそこは文字通り命を弄んでいた場所だった……」

 

束の顔色が悪くなるが、今此処で思い出したくないんだったら話さなくていい、と言うのは無粋なんだろうか。

 

「目的は戦力として使える人間を人工的に作り出す事。普通なら訓練をして、選抜をしてっていう過程があるんだけどくーちゃんの方は技術さえ完成して安定して人間を作り出す事が出来れば新米兵士をまともに戦える軍人に育てる程コストも時間も掛からない。だって作り始められたその時から戦う技術や心はインストールされているんだから。あとは普通の人間の様に服を着せて識別名を与えれば終わり。これでもう戦力は整っちゃうんだから」

 

「それじゃぁクロエは何故此処にいる?その理屈からしたらドイツ軍に居るはずだ。それに何故そう言い切れる?証拠は?」

 

「それはくーちゃんが、まぁ所謂失敗作だったから。だから本当はくーちゃんは言葉通り廃棄される予定だった。いや実際に廃棄されたんだ。使えないから捨てる。ただそれだけ。言い切れる理由はくーちゃんの髪の色。あの実験で生み出された子達は皆、銀髪なんだ」

 

「皆銀髪、ねぇ……技術者共の趣味って訳か?胸糞悪い話だな、本当に」

 

「くーちゃん以外にも同じ運命を辿った子達は沢山居る」

 

「私が把握しているだけでも第一段階の胚の成熟が出来なかったとして捨てられた子が10892人。

第二段階の胚の成熟はしたけどそれ以上細胞分裂を自力で行えなかったとして捨てられた子が8987人。

第三段階の細胞分裂に成功したけど臓器などが細胞分裂しなかったから捨てられた子が7549人。

第四段階の臓器が作られたけど機能しなかったから捨てられちゃった子が6036人。

第五段階のそれ以前の問題はクリアしたけど成長できずに死んでしまった子が5074人。

第六段階の成長まではしたけどそこで原因不明の理由で使い物にならないと判断されて殺された子が4873人。

第七段階の聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚に異常があるから殺された子が4779人。

第八段階の成長もしてちゃんと人として生きていけるのに、能力が足らないと言う理由で殺された子が4778人。

合わせて52968人が殺されちゃったんだ……」

 

52968人、か。

ふざけていやがる。正気の沙汰じゃない。完全に狂っている。

だがそいつらは口を揃えて言うんだろう。

 

『必要な犠牲だった』

 

なんて馬鹿げたことを。

国や技術の為に必要な犠牲何てある筈が無い。あって良い訳が無い。

 

「で、クロエはその中の一人って事か」

 

「そう。くーちゃんは目が見えなかったんだ。だから殺されて捨てられる……筈だった。くーちゃんが捨てられる日、私が偶々見に行ったんだ。その時、銃で撃たれて捨てられる所だった。でもくーちゃんはもうほとんど死にそうだったとは言ってもまだ息があったんだ。だから助けたの。他の子達はもう手遅れだったんだけどね……欠陥があると分かるまでは親として育てて、分かればその場ではいさようなら。そんな事が毎日毎日行われてたんだよ……」

 

ここまで話す束は、震えていた。

多くの人間が殺される光景なんて気分は最悪だなんて言葉じゃ表せないものだったろう。

幾ら束が世間で天災だ、何だと騒がれて、実際に頭のネジが何本も外れているとしても、それでも束は一人の人間で、女の子なのだ。

 

人間が殺されて捨てられる光景なんて耐えられるはずもない。

俺もその場で吐き出す自信があるし夢にも出て来るだろう。

 

「それとね、お父さんはくーちゃんに一度だけ会った事があるんだ」

 

「それはどういうこった?少なくとも俺の中の記憶には全く存在しないぞ?」

 

「うん、それは当然。だって私が記憶を消したんだから残ってない方が当たり前だよ」

 

「それはまたなんでそんな事を?」

 

「その時、連中に追われてたんだ。それも追われていると気が付いたのはくーちゃんと会った後。だから会っていた事そのものの事実を消す為に色々と動いて、万が一の時襤褸が出ない様に記憶も消して書き換えたの」

 

納得だ。

言っちゃあれだが、少しばかり違和感がある記憶がある。

多分その部分を消して、書き換えたのだろう。この説明をされるまでは特に何の疑問も無く、只違和感があるが気にせずに人生を送っていた事だろう。

 

「そう言う事か。奴らからしたら非合法実験の証拠を握られているようなもんだ。暴露されたら当然困る。そりゃどんな手を使っても消しに来る訳だ」

 

「そう言う事」

 

「でもなんで今このタイミングで俺とクロエを引き合わせた?もしまだその状況が続いているんだったら俺とクロエを間違っても会せるような事はしない筈だ」

 

「うん、まぁさっきの殺された子達、最後の最後で一人だけ成功した子がいたんだ」

 

「成功した?確かに一人だけ死んだ数に入っていなかったがその子がどうした?ドイツに居るんだろ?」

 

確かに最後の最後に死んだ子の数が一人だけ居なかった。

それを考えれば世界で一人、クロエを除く子がいる。

だが俺との直接の関係は全く無い筈だ。面識も無けりゃ俺はドイツに行った事はあるがそこで関わったのは覚えていない。

少なからず銀髪ならば何かしらの記憶に残っている筈だ。

 

「違うよ。その子はお父さんの傍にずーっといた。一人だけくーちゃんにとっても良く似ている子がいるでしょ?」

 

クロエに良く似た、と言われると一人だけ心当たりがある。

同じ銀髪、顔の作りや目、鼻、口、と言ったパーツから耳の形までそのまま。

 

「おい……おいおいおい……そりゃまさかとは思うがラウラの事か……?」

 

「そう。ラウラちゃんが只唯一の成功例」

 

マジかよ……

まぁこの話をし始めた辺りから何となくそうなのではないか、と思っていた。

 

「だが成功したんなら、その、言い方は最悪だが……量産に入るんじゃないのか?」

 

「それが無かったんだよ。ラウラちゃんの年齢は何歳だと思う?」

 

「誕生日が来ていないんなら15、そうでなけりゃ16だ」

 

「生まれてからその年齢になるまでの間に世界を大きく変えた出来事があったでしょ?」

 

その15、6年の間であった世界を大きく変えた出来事、と言われれば多分殆どの人間が一番に思い浮かべる、思い浮かんでしまう事が一つだけ、本当に一つだけある。

それを引き起こした張本人が目の前に居る。

 

「…………ISか」

 

「その通り。私の開発したISのお陰で良くも悪くも一連の計画は中止になったんだ」

 

「どういう事だ?元々の目的ならISを扱わせればそれこそ最強に成りえるだろうが。そこで中止をする意味が分からん」

 

「ISには適性があるでしょ?これが高ければ高いほどISに対して色々と有利に働く」

 

「そうだな。正直な所どれだけ知識と技術があってもIS適性がなけりゃ女だろうとなんだろうと操縦は出来ねぇ筈だ」

 

「そう、ラウラちゃんはIS適性が無かったんだ。一応他の子達の事も調べた様だけど元々IS適性なんてものを想定していなかったからか全くと言っていいほどの皆無だった。だからISが登場してから計画は中止。後々からIS適性を付与する事も考えられたけど、成功しなかった」

 

「良いのか悪いのか分からんが取り敢えずそれ以上犠牲は増えなかった?」

 

「うん、良くも悪くもね」

 

「理由は分かった。それでクロエが何故俺の事を父親と呼ぶのかが分からん」

 

そう、まだこれの説明がされていない。

出生に関しては理解したがそもそもの俺に対する父親呼びに関して全く説明されていない。

すると束は俺の方に顔を寄せてクロエ達に聞こえない様に小さな声で話した。

 

「あー……それね?おじさんと会った事があるって言ったでしょ?」

 

「おう、言ったな」

 

「その時、私がくーちゃんを連れて行って引き合わせたんだ。私がくーちゃんを引き取った時はまだ中学生だったけど引き合わせたのは高校生になってからなんだ。覚えていないだろうけどあの時のくーちゃんはとっても怯えていたんだ」

 

「怯えていた、か。まぁ聞いた限りじゃ人に対して怯えるのも無理は無い」

 

「まぁ、まだ私の所に来て半年ぐらいだったしそれにあの時は私にもまだ怯えてたから……」

 

「それがどうして俺を親父だ何て呼ぶようになったんだ?人に怯えてる子供がそう簡単に他人に懐くなんてそれこそ有り得ないだろうが」

 

「それがそうでもなかったんだよねぇ……あったのが一回だけじゃなくて五回ぐらいだったから何故かその間で滅茶苦茶仲良くなっててさぁ……」

 

「それで?」

 

「最後に会った日にここに帰って来るまでは最初の日の感じに戻ってたんだ。で、帰って来ても暫く黙ってたんだけど、その、いきなり本当にクワッ!!って感じで顔を向けて来て言ったんだよね」

 

「なんて言ったんだ?」

 

「『あの人は誰ですか!?お母様!』ってそりゃもうキラッキラに光った目で私を見つめながらさ。それでなんて返していいのか分からず、私の事お母さんって呼ぶように言ってたからまぁお父さんで良いかなぁって思ってその、『あの人はくーちゃんのお父さんなんだよ』って言ったんだよね」

 

「それで俺の事をお父様なんて呼んでるのか……」

 

納得したわ。

そりゃ俺を親父だって言う訳だわ。

母親と呼んでいる存在からお父さんだよなんて言われたら父親だなんて思うのも必然。

 

「うん。いやぁ、『お父様……!お母様と夫婦という事ですね!』って言われちゃったから、その、上手い返しが思い付かなくてうんって頷いちゃったんだよね」

 

「えぇ……おま、お前ェ……」

 

「本当にごめんね?」

 

「いやまぁ別に良いけどさ。でもまさか結婚してすらいないし彼女が居た事もないのにそれを全部すっ飛ばして娘か……しかも束と夫婦って……」

 

「嫌だった?」

 

「嫌っつーかなんつーか、十八ぐらいだろ?クロエって」

 

「十七歳だよ」

 

はい、ここで問題です。

24-17=?答えはいくつでしょう?正解は七です。

はい、もし俺がそんな束に手を出していたとしたら?答えは明白、誰が何と言おうとその単語に辿り着くはずだ。

 

そう、ロリコン。ついでに犯罪者。

 

「それだとさ、見た目云々は抜いても束が六、七歳くらいの時に生んだって考えられる訳じゃん?………………俺はロリコンじゃねぇ!!」

 

「ちょ!?いきなり何言ってんの!?」

 

「おーぉれはルォーリコンじゃねぇぇーー!!!」

 

クロエが目の前にいようが何だろうが関係無ぇ!俺はロリコンじゃないんだぁ!性癖はノーマル、ボンキュッボンのお姉ちゃんが良いんだよぉ!

そもそも七歳の時の束とかまだ出会ってすらいないし千冬と一夏にも出会ってない!

 

「そんな事分かってるってばぁ!そもそもロリコンだったら私も困るし!」

 

「…………もし俺が刑務所にぶち込まれそうになったら弁護頼むぞ……」

 

「そもそもそんな状況になんてさせないから大丈夫だよ」

 

「……すまん、取り乱した」

 

「うん、別に良いよ」

 

束に謝ると、許してくれた。

するとそれまで黙っていたクロエが口を開いた。

 

「お父様は、私にお父様と呼ばれる事は迷惑ですか……?嫌ですか……?」

 

少し顔を伏せて言うその金色の瞳には不安と恐怖の感情が渦巻いていた。

親父から見放されると思えば子供はそんなもんだし、何よりクロエは一度親だと思っていただろう科学者達に殺されかけたのだ。

 

「クロエ、顔上げろ」

 

「……はい」

 

俺の顔を見つめる。

しかしやはり怖いのだろう。

目元には少しばかり涙が溜まって瞳が震え、揺れている。

 

「迷惑でも無いし嫌でもない。やめろ、だなんて言わない。今まで通り俺の事は好きなように呼べばいい。悪さを働かなきゃ抱き着いても良いし何したって構わん。好きな時に俺のとこに来て好きなだけ居てくれて構わないよ、俺は」

 

「……はい」

 

「あー、まぁ上手く言えねぇけど今まで通りに俺を呼んで接してくれればいい。態度や呼び方を変える必要は無い」

 

本当なら頭の一つ撫でてやりたいが腕が動かせないからしょうがない。

血は繋がっていないとは言っても理由が理由で記憶が消えて今の今までまともに親父として接してやれなかったんだ、こんぐらいは良いだろう。

 

「お父様ッ!」

 

「うおっ!?」

 

「お父様、大好きです。愛してます」

 

「あー、はいはい」

 

抱き着いて、さっきまでの不安や恐怖と言った感情はもうどこにも感じられない。

俺はまだ腕を動かせないからただされるがまま。まぁでも良いだろう、こんなんでも。

 

あと心配する事と言えばもしかすると俺の妹達がちょっとばかり暴走するかもしれんけどそん時はそん時だ、何とかして説得する。きっと分かってくれるだろうさ。

 

「それじゃご飯は終わりにしよう。食器は私が片付けるからそのままでいいよー」

 

「すまん、助かる」

 

「私はお父様とラウラに付いています」

 

「はいはい、久しぶりのお父さんとの触れ合いを楽しんでねー」

 

「勿論です。言われなくてもお母様以上に触れ合いますのでご心配なさらず」

 

「それとさ、お父さんに一つだけお願いしてもいいかな?」

 

「なんだ?」

 

「ラウラちゃんの事、私が引き取る事にしたの。だけど今はその、ラウラちゃんあんな感じだから気にかけてあげて欲しいの」

 

今一瞬だけとんでもないことを言ったような気がするが束の事だからまぁそれは良い。

ラウラの事なら俺にも責任がある。

あの時俺がボコられなきゃこんなことにはならなかったかもしれんし。

 

「なんだ、それぐらい御安い御用だ」

 

「ありがと、おとーさん」

 

「止めろって。なんか照れる」

 

「これから慣れて行って貰うからねー、私達三人からお父さんって呼ばれるんだから。あ、それとも私はあなた、って呼んだ方が良いかな?」

 

「よせよせ。何だかむず痒いし、それこそ本気で千冬達に殺される」

 

それこそ夫婦じゃねぇか。

まだ結婚もしてないんだ、勘弁してくれ。

軽く冗談を言い合いながら、束は今度こそ台所に向かった。

 

「お父様」

 

「どうした?」

 

「私からも、ラウラの事をお願いします。私の大切な、たった一人の生き残ってくれた妹です」

 

「そりゃさっきも言ったがラウラに関しちゃ俺も色々と手伝うさ。でもなんで俺?」

 

「勿論私もお母様もラウラの事を助けます。ですが私もお母様も、お父様が私やお母様、千冬叔母様、一夏、セシリアの心を救ってくれたようには出来ません。だからお父様には同じようにラウラを助けてあげて欲しいんです」

 

「そう言う訳ね……ま、そう言う事なら任されちゃうぜ。可愛い可愛い娘からの頼みだ、それにラウラだって束が引き取るんだろ?そしたらラウラも俺の娘じゃねぇか。そしたら助けないなんて訳が無い」

 

それにしても千冬叔母様って……

本人聞いたらどうなるんだ……?怒るのか、それとも凹むのか?

どちらにせよ俺はその場に居たくないね。とばっちりを食らう事が目に見えてる。もしその場に出くわしたら黙って木のフリでもしておこう。

 

「有難うございます」

 

「あ、それともうちっと我儘言ってくれても良いんだぜ?あと喋り方何とかなる?もっとこう、砕けた感じで」

 

「我儘に関しては努力しますが、喋り方はもうずっとこれですから直すのは難しいです」

 

「ま、しょうがねぇか。これも一つのアイデンティティって事だ、今治せるか聞いた俺が言うのもあれだが大切にな。丁寧な敬語ってのはどこかで必ず役に立つ」

 

「はい。それではラウラを部屋に連れて行きますね。一人でも大丈夫ですか?」

 

「おう」

 

「それでは行って来ます」

 

一言最後に言うとクロエはラウラの手を引いて部屋に行った。

俺はその後ろ姿を見て、今更ながらこの家というか、束の隠れ家ラボの中を見渡す。

見た目は普通の家の内装だ。至って何処にでもある様な家の無いそうだ。ただ特筆すべきはそのサイズだろうか。

 

何というか大小様々な各種機材を置く為か家そのものが大きく、面積だけなら貴族が暮らしている豪邸の様だ。

居住区画はそこまで大きく無く、至って普通だ。

 

しかしながらそれ以外の設備、所謂工房みたいなところなどは扱う物がISと言う事もあってか滅茶苦茶にデカい。

しかもドーム型の建物まである始末。

多分この建物、天体望遠鏡じゃないか?しかも束が自分で作った世界中の天体学者が喉から手が出るほど欲しい、貸して欲しいレベルのエッグい性能のやつ。

 

……この家にある機械とか触らないようにしよう。壊したらと思うと怖くてしょうがない。

 

それと歩き回れないのに何故ここの全容を知る事が出来るのか?という質問に対しては何故か壁に架けてある、

 

『我が家の全体図』

 

なるもので知る事が出来た。

しかしここで幾つか疑問がある。

 

確かにこの部屋は家の中心部に位置していて窓が無いのも頷ける。

だから外の景色を見る事も出来ない。

 

だが、こう何というか全体的におかしい。

地球の重力を感じないのだ。いや、重力自体は感じるんだけどこう、自然じゃないと言うか何というか。

 

タイミング良く洗い物から戻って来た訳だしちょっと束に聞いてみよう。

 

「なぁ束?」

 

「なに?」

 

「お前の秘密ラボってどこにあんの?そもそも地上に存在する?」

 

「えー?今いる此処の事?」

 

「そう。なんか不思議な感じがするからもそこんところどうなんかなー、って思ってさ」

 

「うーん……」

 

「あ、別に教えたくないんだったら教えなくていいぞ」

 

「いや、教える。そもそもここの場所が分かっても手出しできる奴なんて誰一人いないだろうしね」

 

「ん?手出しできない?どういうこっちゃ?」

 

手出し出来ない場所となると地中とか海中だと思うんだがこう、そういう圧迫感は感じられないし何より天体望遠鏡がある時点でその説は無い。

とすると他に思い浮かばないんだよなぁ。

 

「えっとね、私のラボがある場所は、なんと月面です!」

 

「ごめんちょっと何言ってんのか分かんない」

 

本当にこいつは何を言っているのだろうか?

ついに宇宙に行きた過ぎて狂ったか?

 

「もーしょーがないなー。もう一回言ってあげるね」

 

「おう、頼むわ」

 

一息吸い込むと先程より大きめな声で束は言った。

 

 

 

「私のラボがある場所は、なんと月面です!」

 

 

 

おれの、のうみそはうちゅうに、なった。

 

 

 

「あれ?どーしたのー?おーい」

 

ちょっと本気で何を言ってんのかマジで訳わかんないんですが俺はどうしたらいいんだろう?

 

「束大丈夫か?夢を見たのか?」

 

「本当だってば!ちゃんと証拠あるもん!」

 

俺は束に車椅子を押されて何処かへ連れて行かれる。

そこは大きな窓がある場所だった。

そしてその外には青い青い、俺達の故郷、地球の綺麗な姿がそこにあった。

 

 

 

地球って本当に青いんだな……

 

 

 

暫くのフリーズから立ち直り、唖然とすると束は俺の顔を覗き込んでいた。

 

「どうどう?これで信じてくれた?」

 

「うん、信じたわ。なんか映像っぽくないし、それに束ならやりかねんって思ったら納得した」

 

いやぁ……本当に月にいるのか……

ニール・アームストロング船長もこんな気分だったのだろうか?状況が違うとはいえ、同じ月面に立っているという、少なくともアポロ計画以降、誰も成し遂げられていない偉業を図らずもやってしまった俺はもう、訳分からん。

 

「つーか月面なら地球からの望遠鏡で見れるんじゃね?」

 

「ふっふふっふっふ!私がその程度の対策をしていないとでも?」

 

「いや、そんなはずは無ぇな」

 

「そうだね、此処を視覚的に捉えられない様にしてある。だから幾ら望遠鏡で覗こうとしても肉眼で見ようとしても、赤外線カメラを使ってもどんな方法を使っても見えない。本当の意味での隠れ家だ」

 

「ほーん。ゴイスー」

 

「ここに来るには私と一緒じゃなきゃ来られないし入れない。どんな方法で抉じ開け様としても自己防衛機能でサヨナラバイバイ。万が一中に入れたとしても私の許可が無いとこれもサヨナラバイバイ。先ず見つける所から始めないといけないし見つけたとしても、私と一緒で尚且つ許可が無いといけないんだから攻略はほぼほぼ不可能かな」

 

聞いただけでも漂って来る無茶苦茶感とさっきまで居た居住区画の差の凄さよ。

何それ?束は何処の宇宙戦艦や銀河英雄の世界を目指しているのか?

 

そうなったらワープだぞワープ。

いや、既に好きな場所を行ったり来たりしている時点でワープはもう実用化しているのか。こいつならショックカノンとか標準装備ですけど?みたいな顔していてもおかしくないし。

 

「凄さは分かったからもう説明はいいや。これ以上されると脳みその処理機能が限界を迎えちゃう」

 

「そう?ま、詳しく説明すると長くなっちゃうしね。まずは身体をちゃんと動かせるようにならないとね」

 

「あぁ、そうだな」

 

「どうする?今すぐ始めちゃう?身体の検査はもうとっくに終わらせて異常は全く無いから今すぐにでも始められるよ」

 

「あー、そうだな。今から始めよう。早めに動けるようにして千冬達の所に行かないと」

 

「えー?奥さんと娘二人を置いて行っちゃうのー?」

 

「……俺は千冬達が病んで後ろから刺されたりしたくない」

 

「…………それもそうだね。私もとばっちりは勘弁して欲しいからそうしよう」

 

さっきまで楽しく話していたのに千冬達の事になって唐突に二人して肩を震わせ、さっさとリハビリしようって話になった。

 

 

 

 

 

それからガッツリリハビリをして二日で完全に以前と変わらないまでに回復した。

 

 

なんでそんなに頑張るのかって?だって妹達に無事だって事を知らせたいじゃん?

それにさっさと回復して復帰しないと本当に取り返しが付かないことになりかねないからだよ!

 

誰だって自分の妹が自分に向かってハイライト消した瞳を向けてくればそう思うようになるって……

滅茶苦茶怖いんやぞ……本当に後からグサッとやられたり寝込みを襲われちまうかもしれないんだから必死になるって……

 

妹に襲われて既成事実云々とかを言い争うのなんて嫌すぎる。

 

 

 

 

 




ギャグとシリアスがごっちゃになってて申し訳ねぇ。
束さんの主人公に対する呼び方はくーちゃんが居るからという事でまぁその、夢を壊さないと言うか何というかそう言う訳でお父さん呼び。



途中、大きい数字が出て来て漢数字で表されていませんが漢数字にすると読みずらいか?と思ったためです。

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