おじさん、今年で36歳になるんだけれども   作:ジャーマンポテトin納豆

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筆が乗ると執筆が速い作者でっす!













臨海学校だぜ!水着の準備をしろ! おじさんを悩殺できるかな!?優勝商品はおじさんだ!

 

 

 

 

VTシステム関連の世界規模での大騒ぎが収まってきたこの頃。

 

まぁ未だに騒ぎは続いているんだけども最初よりはずっと落ち着いて来た。

で、変化が幾つか。

 

まず、ラウラが所属していたドイツ軍のIS部隊、シュヴァルツェア・ハーゼ、黒兎隊って呼ばれてんだけどもそれが丸々束に雇われた。その人数、12人になる。

 

いやね、ちょっと何言ってんのか分かんないと思うんですけど説明しますとね?

 

彼女達、黒兎隊は分類としては特殊部隊となる。

がその性質が大きく通常の部隊とは違っていた。

 

というのもだ、ISを扱わない歩兵や機甲部隊はそれぞれの兵器の扱いを十分に学んでいるし、銃の撃ち方ならばそれなりに出来るんだが黒兎隊は完全にIS専門の部隊。

 

射撃訓練こそ生身で行うがその他の訓練は一切行って来ていなかった。

 

だから他の部隊に配属しようにも、言い方はキツイが使い物にならなかった。

 

まぁ、体力や学力に関しては軍の中でもトップクラスに優秀だったんだがそれ以外が点で駄目となれば、現状のドイツ軍にはそれを養える余裕なんてどこにも無い。

 

そこで黒兎隊は全員が軍を追われた。

今のドイツ軍とフランス軍はISが登場する以前の戦車や戦闘機などが再び大きく息を吹き返していてそれらの再配備を進めている。

 

まぁ、財政的にかなり厳しいから陸上戦力を中心としている。

しかも驚いた事にドイツとフランスの両国が防衛協定を結んだんだよ。

 

流石におじさん、びっくりしちゃったね。

 

まぁ、当然っちゃ当然か。

一国ではISを持つ国に対抗することは出来ない。

 

だけど隣に自分と同じ状況の奴がいる。なら手を組むのはある意味で必然と言えた。

 

 

 

 

 

で、職を追われた黒兎隊のメンバーなんだけど当然、民間での常識なんて無いからドイツとかいう超絶不景気な国の中じゃどこにも再就職先なんて無かった訳だ。

 

まぁ、彼女達、VTシステムの件で軍に相当不信感を募らせて軍に残るべきかどうか悩んでたらしいからある意味で解雇されたのはフッキリが付いていたらしい。

 

で、まぁ軍に居た頃の蓄えもあったから暫くは暮らしていけるけどそれが尽きたらどうしよう、ってなって迷ってたんだな。

そんな時、ラウラがそんな現状を聞いちゃったから束ママン、娘の為に解決しちゃおう!ってなった。

 

で、なんならウチ来る?的な感じで話がトントン拍子に進んで行って気が付いたら束が警備員兼テストパイロットとして雇ってたって訳。

 

まぁ警備員つってもISを全員が装備してるから私設軍隊って言った方がしっくり来る、なんて事は言わないであげて欲しい。

 

で、警備員として雇ったってのは納得出来ると思うんだけどテストパイロットって何?って当然思う。テストパイロットのはだな?

束は未だに宇宙に、月以外の惑星、例えば火星だとか水星だとか、太陽系外を出て天の川銀河すら飛び出る事を諦めていないどころか現在進行形でその計画を実行に移そうって考えている訳だ。

 

だけど、そんな宇宙空間や環境の全く違う惑星に何の準備も無く降り立ったら大変なことになる。ISがあったとしても何が起きるか分からない。

そこで束は黒兎隊に新しく開発した装備なんかのテストパイロットをやってもらう事にした。新しい装備ってのは宇宙空間や他の惑星での大気圏内での行動をする為のなんか良く分からん諸々の装備の事だ。

 

おじさん、説明して貰ったけど全く分からんかった。

 

何となくスゲー、って思った記憶しか無い。

まぁでも束の事だから分かる人が聞いたらしりもち就くなんてレベルじゃないぐらいに驚くんだろうな。それこそ気絶したりするかもしれん。

 

まぁそんなわけで黒兎隊が束に雇われたよ、って話でした。

 

因みにラウラに変な事を吹き込んだクラリッサには現実を突きつけるというお仕置きしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も今日とて何時もと変わらず、朝起きて顔を洗い飯を食い歯を磨き制服に着替えて教室に向かう。

 

うーん、慣れたけどやっぱし俺が制服着てると違和感しか感じないな。

そりゃ高校生が着るようなデザインの服をおっさんが着てるんだぜ?そりゃもう傍から見たら痛い人ですよ。

良くみんなはそんなこと言わないね。言われたら部屋に引き籠る自身あるよ、俺。

 

 

今は千冬と同じ部屋で寝起きしている。

ってのも束の月面秘密基地からでも通えるっちゃ通えるんだけどまぁ、あの瞬間移動が慣れなくてですね……

緊急時は速攻で月面基地送りにするって約束させられましたけどね。

 

ラウラはシャルロットと同じ部屋で寝泊まりして、毎朝早くから食堂で俺の事を待っているらしく、一緒に飯を食おうと必死になっている。

 

まぁ、流石に何時までも待たせるはあれだから今は時間を決めてその時間に集合する事になっているけど、その度に他の皆も一緒になって付いてくるのは何故だ。

別に嫌だって訳じゃないよ?

 

でもよ、毎回何人ものJKに囲まれるのはすっごい変な気分……

しかもラウラは束の説明により俺の事を父親として認識してるからそりゃもう膝の上に座って来たりするんだよ。

まぁそこは可愛いから全然おーけーなんだけどそれにジェラシーを感じちゃった一夏がズルいと飛び付いてきて、それに感化された皆が突っ込んでくるからもうね。

 

まぁ、いいや。

 

それで今日はですね。何時も通り千冬と山田先生が教室に入って来てHRを始めて各種連絡事項を通達していく。

それで千冬が言いました。

 

「諸君、臨海学校が2週間後に迫っている。そこで3日後までに班を作れ」

 

はい、そうです。

遂に臨海学校が迫ってきました。

 

まぁぶっちゃけ班を作るってのは専用気持ちの一夏達には関係無いんですけどね。

というのも専用機持ちはそれぞれ自分の国から送られてきた新しい武装やらなんやらのテストを行う訳だ。

 

で、それ以外の俺みたいな専用機を持ってないのは班を作りなさいってことなんだね。

因みに箒とラウラ、シャルロットもこっち側。というのもそう言う物のテストは黒兎隊の皆がやってるからラウラにやってもらう必要が無いんだな。それにラウラ自身が今でもISを展開する事に怯えてるからってのもあるけど。

一応、専用機としてそのまま持ってもらってるけどシャルロットはそもそも国から送られてくる装備なんて無いからだな。

 

 

 

で、それが問題だったんだな。

 

「お兄ちゃん、一緒に班組もうよ」

 

「ねぇ、俺は専用機持ってないよね?知ってるでしょ?」

 

「知ってるよ?だから一緒に班組もうよ」

 

「一夏よ、人の話聞いてくれない?」

 

一夏は専用機を持ってない俺と班を組もうとしてくるし。

 

「小父様、私と共に班を組みませんか?」

 

「ねぇ、だから俺は専用機持ってないって言ってるよね?」

 

チクショー!二人はもう駄目だ!

 

「はぁ……おい、お前達、兄さんは専用機を持っていないからお前達とは班を組めない。良いな?」

 

「はーい……」

 

「むぅ、仕方ありませんわね……分かりました」

 

千冬が呆れながら説得してくれたお陰で二人は漸く納得してくれたぜ。

もうこの子達ったら、大丈夫かしらん?

 

 

 

 

 

 

で、その班を組む事になったんだけど当然箒とラウラ、それにシャルロットが固めに来た訳だな。

 

で、4人班ってなったんだな。

そこは別にいい。

 

良いんだけど。次に放った千冬の一言が嵐を巻き起こしたんだなこれが。

 

「あぁ、臨海学校は四泊五日だがその内の初日と2日目は自由時間だ。目の前は海だからな。入りたい者はしっかりと水着を用意しておけよ。まぁ、学園指定の水着でも構わないと言うのならそれでも良いがな。最悪、下着さえあればまぁ入れなくもないだろう」

 

この言葉で千冬と山田先生が出てった後がもう本当にね大変だった。

 

 

 

 

 

簡単に言っちゃえば何時ものメンバーとなんやかんやあってお買い物に行くことになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳でやってきましたレゾナンス。

 

メンバーは一夏に箒、鈴とセシリア、それにラウラとシャルロット。

 

IS学園のモノレールに乗ると終着点、というよりここしかない訳なんだけど、レゾナンス駅ってのだ。

他の路線に乗るならここで乗り換える必要があるんだがまぁそんなことはいいや。

 

で、朝早く、8時に待ち合わせをしてそっからモノレールに乗り込みレゾナンス駅で降りる。で、皆で遅めの朝飯を取った。

 

 

 

 

もうね、俺は今とっても居心地悪い。

だって周りを多国籍な美少女に囲まれてんだぜ?

しかも皆はやたらと気合の入った服で来てるのに俺はまぁ、普段通りで良いかってって白の半袖に紺色の短パンだぜ?それにサンダルを履いているんだから色んな意味で俺は目立ちまくりよ。

 

そりゃ傍から見たら冴えないおっさんが金髪銀髪入り混じった美少女に囲まれて歩いてんだから好奇の視線に晒されるってもんよ。

しかも男共はめっちゃ嫉妬の視線を惜しげも無く向けて来よる。

 

どーだ、羨ましいか。ならここに立ってみろ、嬉しいのはほんの少しだけだから。直ぐに胃が痛くなるから。胃薬手放せなくなるから。

 

「……小父様、緊張していらっしゃいますの?」

 

「うん、もう今すぐ帰りたい」

 

「んもう、そんなこと仰らないで下さいな。ほら、あちらのお店に行ってみましょう」

 

そう言ってセシリアは俺の手を引いてなんか高級そうな服屋に連れて行く。

いや、そう言ってくれんのは嬉しいっちゃ嬉しいんだけどよ、考えてみて欲しい。

 

 

 

俺を兄と呼ぶ俺とはどう見ても兄妹とは思えない黒髪の二人。

 

あくびをしながら付いてくる高校生には見えないちびっ子。

 

俺を小父様と呼ぶ金髪っ子。

 

俺を父と呼ぶ、到底娘には見えない似ても似つかない銀髪っ子。

 

俺をさん付けで引っ付いてくる金髪っ子。

 

 

 

はい、もう一人だけでも事案なのに五人も揃っているって俺はどこの金持ちだよと言いたいね。

まぁ俺が何を言ってもこの子達は気にしないでそのまま俺を連れ回すんだろうけどさ。

 

 

 

 

 

 

「あー、箒、ラウラ、シャルロットちょっと集合」

 

「洋介兄さんどうかしたんですか?」

 

「ん?父よ、どうかしたのか」

 

「佐々木さん、何かありました?」

 

俺はセシリアに連れ回された後にラウラとシャルロットを呼ぶ。

 

「はい、今日は君達にお小遣いをあげます!」

 

「何!?それは本当か父よ!」

 

「本当だぜー?どうする?欲しい?」

 

そう、今日は代表候補生じゃなくなっちゃった娘っ子二人とそもそも代表候補生でも何でもない、アルバイトも出来なくてお金が無い箒にお小遣いをあげるのだ。

 

まぁ、ラウラとシャルロットの二人は今までの貯金とかあるだろう。下手をしなくても俺よりお金持ちだろうし。だけどそのお金はこれからの人生の大事な時の為に取っておいて欲しいからな。

 

一夏とセシリア、鈴はあげないのかって?

あいつら、俺が働いてた時よりもずっと高給取りなんだぞ!知ってるか!?代表候補生でも俺の月収30万の倍は貰ってるんだぜ!?15、16歳で給料60万以上貰ってるとかこいつら凄すぎだろ!

 

まぁそれ相応以上の努力をしてきたから、っていうのもあるけど。

 

 

そういう事で、払える人は自分でお願いします!

 

 

 

 

 

「でも、大丈夫なのか?」

 

「え、何が?」

 

「父は働いていないのだろう?無理をする必要は無いと思うのだが……む、どうした父よ、何故膝を抱えて座ったのだ?」

 

「ラウラ、今のは言わない方が良かったかなー……」

 

「いいんだ……いいんだよシャルロット……確かに俺ぁ、無職で何故か学生やってるオヤジだからな、ラウラの疑問は尤もな疑問なんだ……」

 

「洋介兄さん……」

 

箒は俺の肩をポンポンと叩きながら何故か頭を撫でてくる。

うん、今はその心遣いが傷にめっちゃ染みるぜ……

 

「私は何か言ってはいけない事を言ってしまったのか……?父よ、それは済まなかった……」

 

項垂れて申し訳なさそうに謝ってくるラウラ。

うん、大丈夫よ、お父さんはこのぐらいじゃ何とも無くってよ……

 

ラウラの言葉は悪意無しの純度100%。

それも俺の懐事情を心配してくれたんだから怒れないし、そもそも怒る気なんて無いわけだ。

だけど純度100%の言葉ほど心に突き刺さるんだな……身を以て体験するなんて思ってもみなかったぜ……

 

 

 

 

 

「ほら、初めてのお小遣いって事で取り敢えず1万づつ渡しとくからこれで好きな物買いなさい」

 

「おぉ、これがユキチか!」

 

「……ラウラ、その言い方はやめなさい」

 

「ん?何故だ?クラリッサは日本人は皆この様に呼ぶと言っていたぞ」

 

「ラウラ、それ間違いだから。確かにそう呼ぶ人もいるけど普通はそんな呼び方しないから」

 

「そうなのか」

 

取り敢えず1万円渡しておくと、ラウラが一万円札をユキチと呼んだ。

クラリッサの野郎!あいつまーたラウラに変な事教えやがって! 

 

なーにが、

 

「大丈夫です、これからはそのような事は起こさないと誓います」

 

だ!

しかもばっちりキメ顔だった辺りが何となく信用出来なかったけど!

 

まぁ、そんな訳で三人に一万円づつ渡した。

で、今回買い物に来た理由なんだけども、水着を買いに来たのだ。それ以外の買い物は前部全く関係無いっていうね。

 

あれ、俺ってなんでこんな連れ回されてんだろ……もうスパッと水着だけ買って飯食って帰えりゃいいのに、

 

と思うけどそんなことを言った日にゃどうなるか分からないから、頭の良いおじさんは大人しく連れ回されているのです。

 

 

臨海学校四泊五日中、最初の二日は自由時間となっている。まぁ、臨海学校ともある通り宿泊する旅館の目の前には海が広がっている。

で、今の季節は六月後半とはいえ既に夏に入りかけている。

そんな中、暑い夏、目の前に海、綺麗な砂、と来れば女子高生諸君が我慢出来る訳も無く。まぁそもそも千冬達先生からも水着を持ってくるようにって言われているぐらいだからね。

 

そう言う訳で今、こうして水着を物色している訳だ。

 

 

 

 

 

 

「ねーねー、これなんてどうかな?」

 

「あー、はいはい似合ってる似合ってる」

 

「……もうお兄ちゃん、ちゃんと見てよ!ほら!」

 

「見てるよ、ったく」

 

雑だって?そりゃ2時間も水着選びに付き合わされてたらそうなるよ。

俺なんかその辺にあるハワイアンな水着とアロハシャツ、サングラスと麦わら帽子を一目見てビビッと来たから即買いだったのに、なんだって君達はこんなに時間が掛かるのかね?

本当はウクレレも欲しかったんだけど売ってねぇや。楽器屋に行けばあるんだろうけど弾けないしやっぱいらんわ。

 

 

あと、店員さんの俺を見る目が怪しい奴を見る目なんだよなぁ……

 

そりゃ美少女に囲まれて代わる代わる水着を見せられてるおっさんが居たら変な奴とか怪しいとか思うよ?

だけどその視線が露骨過ぎませんかね?

 

 

 

 

 

「ふふん、どーよ!アタシの水着姿は!」

 

「あー、可愛い可愛い。チョー可愛い。もう掴み上げてブン回して投げ飛ばしたいぐらい可愛い」

 

「そーでしょそーでしょ!……ん?投げ飛ばしたいってどういう事よ」

 

「いや、そんな事一言も言ってませんよ?えぇ、言ってませんとも」

 

「……まぁ良いわ。長時間付き合わせて悪いわね」

 

「ん、まぁ気にすんなや。目の保養にはなるわけだしな」

 

「ふーん……それじゃ次の水着選んで来るから変な奴に絡まれんじゃないわよ。さっき明らかに女尊男卑思想のオバサンが居たから」

 

「そりゃ忠告どうも。ほれ、選びに行って来い」

 

「分かってるわよ」

 

鈴に水着を見せられて、あーだこーだと言いつつもこのちびっ子は優しいから態々俺を気遣ってくれる。

 

まぁ、一夏達が優しくないって訳じゃない。

目の前の事が楽しすぎて夢中になってるってだけだ。それも学生の特権ってな。まぁ俺も今は学生なんだけど。

 

それにしても厄介系のオバサンが居るのかー。

あれだな、絡まれない様に大人しく石像にでもなっておこう。俺の隠密スキルならば誰にも気が付かれる事は無い!……筈。

 

 

 

 

「小父様小父様」

 

「はい小父様です」

 

「この水着なんてどうでしょうか?」

 

セシリアが持って来たのは黄色のビキニ。

うーん、似合ってるっちゃ似合ってるんだけどもセシリアのイメージカラーって俺の中ではISの機体色もあってか青色で固定されてるんだよね。

 

うん、黄色よりも青の方が多分似合う。

 

「似合ってっけど、青の方が良いんじゃね?」

 

「ふむ、ブルーですか。分かりましたわ、探してきます」

 

「いってら」

 

セシリアは少し考えると再び水着探しの旅に出た。

こりゃ、帰ってくるの何時になるかな……

 

 

 

 

 

 

 

「洋介兄さん、これなんかどうでしょう?」

 

「ンガッ……んぁ、箒か。どれどれ」

 

やべぇやべぇ、だーれも来ないから寝ちゃってたぜ。

いや、最後に来たのがセシリアで……げ、あれから一時間も経ってんの!?君ら長すぎでしょ!もう一二時半だよ!昼飯だよ!

 

思わずンガッ、とか変な声出ちゃったじゃねぇか。

まぁいいや。

 

で、箒の水着なんだけど。

白色に、黒色の縁取りがされたフリルが付いている多分ビキニ。

 

んー……

 

「個人的には見てきた中で一番似合ってるな」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「うん、本当本当」

 

「そ、そうですか……えへへ」

 

嬉しそうに笑う箒は、本当にマジで小さい頃とは別人のようだ。

小さい時も海に行ったけどあの時はお守と迷子騒動で大変だったからな。

 

ほんっと大変だった……

 

「で、どうすんだ?それに決定?」

 

「うーん、そうですね、これにします」

 

「ん、それじゃこれで買うておいで」

 

で、チラっと見た値札の金額で流石に一万じゃ厳しいと思って追加で一万円札を渡しておく。

 

本当は値段分だけでも良いかな、と思ったんだけど千円札とかの細かいのが無いんだよ。全部一万円札なんだよなぁ。

 

「な、貰えませんよ。さっき一万円貰いましたし」

 

「でもさ、その水着のお値段四千円もすんじゃん。一万じゃ厳しいでしょ」

 

「う……だけど……」

 

「良いから貰っとけ貰っとけ。俺のへそくりは意外とあるんだぜ」

 

そう言って押し付け気味に一万円札を渡してレジに行かせる。

購入して袋詰めしてもらうと直ぐに帰ってくる。

 

で、それを抱えるとストン、と俺の座っている長椅子のすぐ隣に腰を下ろした。

 

「洋介兄さん、水着ありがとうございました」

 

「ん、気にすんな。兄貴から可愛い可愛い妹へのプレゼントって事だ」

 

箒はご機嫌で鼻歌を歌いながらなにやらニコニコしている。

うん、嬉しそうで良かったよ。

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん、これなんてどう?」

 

「んー……似合ってる!」

 

一夏は黒のハイネックタイプの水着だ。

ちょっと眺めて見ると、うん似合ってる。一夏はビキニなどよりもこういう方がどちらかと言えばしっくりくる。

 

別に似合ってないとかそう言う訳じゃない。どっちが良く似合っているか?と聞かれた時の話なのだ。

 

「それじゃ私これにしよっかな。買ってくるね」

 

「ん、行ってこい」

 

しかしあれだな。何で俺、妹の水着を選んでんだろうな。

もうこの年齢になったら兄貴には近づかなくなるもんじゃねぇの?キモイとか何とか言われて。

 

……あ、駄目だ。そんなこと言われた日には首を吊る自信があるぜ。

 

 

 

「……一夏、俺の事キモイとか思ってない?」

 

「え、急にどうしたのお兄ちゃん」

 

「いや、なんか急に……」

 

「えー?でも私はお兄ちゃんの事大好きだよー!」

 

「うん、ありがとうな……それが嘘でもお兄ちゃんは嬉しいぜ……」

 

「ハグしてあげようか?」

 

「いえ、遠慮しておきます」

 

水着を買い終わって俺の隣に座っていた一夏に聞いてみると、嬉しい返答が返って来た。うん、本当にそれが嘘でも嬉しいよ……

 

でもハグは止めような。こういう公共の場ではやっちゃダメなんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

「父よ、私達は買ってきたのぞ」

 

「お、なんだもう買って来たのか」

 

「うむ、私とシャルロットはお楽しみと言うやつだな!」

 

「そりゃ楽しみだね。で、シャルロットはどこ行った?」

 

「セシリアの所に行ったぞ」

 

そう言ってラウラは当たり前かの様に俺の膝の上に座る。

まぁいいんですけどね。ラウラ軽いし。身長が鈴よりも2cm低いんだよ。驚いたぜ。何となく同じくらいか少し小さいぐらいか?って思ってたけど。

 

だから必然的に体重も軽くなる訳だ。

一夏と箒は女性にしちゃ身長高い方だからな。

 

箒は160cmぐらいだし一夏に至っては164cmもある。

まぁ千冬が166cmだってことを考えると一夏の身長は多分遺伝なんだろうなって思える。

 

箒も両親がかなり高身長な方で、師範が170後半ぐらいだったか?

華さんも170cmはありそうだから納得出来る。

束もなんだかんだで165cmもある。何で知ってんのかって?束が教えて来るんだよ、聞いても居ないのにさぁ……それを俺に教えてどうしろってんだ。

 

バスト、ウエスト、ヒップも教えてくるんだが耳を塞いで聞いてない。

んなもん聞けるわけねぇだろ!お兄ちゃんにそんなもんを聞かせて束はどうしたいんだか本当に分からない。

天才の考える事は時々分からんのだぜぇ……

 

 

 

セシリアは……多分160無いな。シャルロットも間違いなく160は無い。良くて150半ばって所だと思う。

 

何でわかるんですか??変態さんですか?って思うよね。でもこれ癖なんだよ。

 

あ、いやいやいや待ってくれ!変な意味での癖じゃなくて!そんな変態を見る様な目で見ないでくれ!

 

おじさんの戦い方って殴り合いが基本じゃん?そうなると相手の体格によって戦い方がまるっきり変わるんですよ。

 

相手が俺よりも身長が低い奴なら懐に入らせない。

 

相手が俺よりデカかったら逆に懐に飛び込んでいく。

 

とかそんな具合に。だから戦う前は必ず相手の身長体格とかを見極めなけりゃならんのだ。それを師範に身を以て叩き込まれたからついつい癖で測っちゃうんだよ。

 

まぁお胸の大きさとかは全く分からんですけど。

 

あ、ちゃんとラウラとシャルロットにも一万円渡しましたよ。

 

 

 

 

 

で、未だに戻って来ないセシリアさんなんですが。

 

「もー、セシリアってば」

 

「もうちょっとだけですわ!もう少しだけ!」

 

「ブルーって決まってるんでしょ?それなら……」

 

「そう簡単に決められませんわ!小父様にお見せするんですのよ!?」

 

「まぁ、その気持ちは十分分かるけどさ……」

 

どうやらまだまだ時間が掛かりそうです。

 

 

 

それから20分後。

漸く決まったセシリアは会計を済ませて俺の所に来る。

 

「皆さま、お待たせしてしまって申し訳ありません」

 

「気にすんな、女性の買い物が長いのは知ってるからな。そんじゃ腹減ったから遅めの昼飯食いに行こうぜ」

 

「そーだね、もう一時だもんね」

 

「あー、腹減った腹減った……何食う?」

 

「んー、バイキングにしない?それなら好きな物を好きなだけ食べられるし」

 

「まぁ、俺はそれで良いけど皆はどうする?」

 

「私はそれでいいですよ」

 

「僕もそれで良いかな」

 

結果、満場一致でバイキングになった。

うん、美味しかったです。

 

 

 

 

 

 

「そんじゃまぁ、これから自由行動ってことで良いか?」

 

「はい、それで構いませんわ」

 

それから分かれて自由行動になった。

で、俺はと言うと本屋で漫画とか色々十冊ほど購入してそれからは特にやることも無いのでそこら辺のカフェに入って座っている。

 

「そんで、更識だっけ?」

 

「おや、お気づきでしたか」

 

「そりゃな。ウィッグ被っているとは言えあんだけ見られてたらな」

 

俺の後ろの席に座ってる女に声を掛ける。

朝からずっと俺達の事を付けていたんだよ。で、チラッと見たらどこか見たことある顔だ。

 

んで、記憶を掘り返してみたらそういや家に帰ったときに護衛として付いて来た生徒会長さんに似ていた。と言うか本人だった。

 

「他の人も佐々木さんの事を随分と見ていたようですが?」

 

「視線の種類が違うだろ。あれは好奇の視線で更識を含めた視線は監視っつーの?そんな感じだったぜ」

 

あちこちから好奇の視線を向けられてたけど護衛目的で付いて来ている彼女だけは視線の種類が違った。そもそも周りが全部好奇の視線なのにその中で一つだけ違う視線が混じっていればそりゃ目立つわな。

 

まぁ、寧ろ俺に気が付かせたかったんじゃないか?と思ったね。

 

「態々ご苦労さんです。毎回毎回付いて来てんだろ?」

 

「えぇまぁ。仕事ですから」

 

「生徒会長としての仕事は良いのかよ?」

 

「それは任せられる人間が居ますから問題ありません。業務が滞るよりも佐々木さんに何らかの被害がある方が大事です。佐々木さんを失えば人類にとって大打撃ですから」

 

「で、依頼人は日本政府ってこと?」

 

「そうですね。……ただ日本政府の場合は万が一、佐々木さんが篠ノ之博士の元に行きそうになった場合はその尾行、篠ノ之博士の居場所を突き止めるように言われています。他国の手に渡りそうになった場合、最悪佐々木さん本人を殺してでも阻止するように、と言われていますが」

 

「ケッ、ムカつくね。どうせ束の居場所なんざ突き止められやしねぇし。他国の手に渡りそうになったら云々も救えたのならば千冬や束、それこそ俺に恩を作れる。救えなかったとしてもサンプルが手に入る。そう考えてんだろ?」

 

「……その通りです。ただ、依頼人はもう一人いますよ」

 

「あ?依頼人がもう一人?」

 

「織斑先生ですよ。貴方の事を心配してもし外出する時は守ってやって欲しいって」

 

「ほーん?」

 

「その代わり、私の生徒会長業務を分担してやって貰うという条件付きですが」

 

「そりゃ俺が外出した日の千冬の疲れ方が割り増しなわけだ」

 

今日まではあまり外出しなかったが外出した日は千冬が部屋に戻ってくる時刻が遅く、疲れ方も何時もより疲れている。

 

その分、甘え方が尋常じゃないのだ。

抱き着いてきてあ”ぁ”-……とか言いながら顔をぐりぐり押し付けてくるんだからさぁ大変。気が済むのに何時もは十分ぐらいなんだけど、そういう日は一時間ぐらい掛かる。

 

そんな理由があったのか。

 

こりゃ、お土産買って行ってやらんといけないぞ。

何が良いかな?千冬って俺から貰えるものなら全部嬉しい、とか言ってたしな。これだ!と言う物が何も無い。

 

これは後で考えるか。

 

 

 

 

 

 

 

それからたっぷり三時間後。

カフェの中に居れの姿を見つけた一夏達が手を振っている。

 

「おっと、それじゃお嬢ちゃん達がお呼びだ。すまなんけどお暇させて貰うぜ」

 

「えぇ、デート楽しんできて下さい」

 

「やめてくれ、そんなんじゃねぇって」

 

「あの子達はデートだと思っているようですけど?」

 

「よせやい……んじゃまた今度」

 

「はい。私が護衛に就いているとはいっても十分に、お気を付けください」

 

「おう」

 

そう言って生徒会長さんと別れる。

そして俺に対してブンブン手を振っている一夏達の下に向かう。

 

 

 

 

 

 

「おーっす、欲しいもん買えたかー」

 

「うん、買えたよー」

 

「それじゃこれからどうする?他に見たいとことかあるか?一応門限が九時だからあと四時間は遊べるぜ」

 

「うーん……私は別にもう無いわね」

 

「はい、私も欲しい物は買えましたので……普段使っているものなどは実家から取り寄せていますから今日購入したのは水着と書籍、服を何着かぐらいですわ」

 

流石お嬢様、なんか一人だけ世界が違う事を言い始めているんだけどまぁその辺を気にしてはいけない。

で、結局の所皆これ以上買う物は無いってことだった。そりゃ朝の九時から夕方四時まで買い物してたんだから欲しい物は確実に手に入れていなければ何をしていたのかという事になってくる。

 

「あ、お兄ちゃん」

 

「ん?どうした」

 

「私、服を見に行きたい」

 

「あぁ?お前今の今まで服を見てたんだろ?その手に持ってる紙袋の中身はなんなんだよ」

 

「え?私の下着とか下着とか下着とか服とか服とか服とか」

 

「すいませんでした謝るのでそれ以上何も言わないで下さい」

 

「んもう、私の服じゃなくてお兄ちゃんの服を見たいの」

 

「えー……俺、服は持ってるけど?」

 

「よく言うよ。夏は今みたいな無地のTシャツに短パンが三着ぐらいに、冬は長袖長ズボンを三着づつ。これで持ってるなんて言えないよ。それも千冬姉が小学生の時に買ったやつ」

 

「ぐ……」

 

いやまぁ、確かに一夏の言う通りなんだけど。

俺って結構、自分の服装に関しては割と雑なんだよね。ぶっちゃけ運動出来る半袖短パンさえあれば春夏は過ごせるし、ジャージがあれば秋冬だって問題無い。

 

だけど千冬と一夏と暮らし初めてから流石にそれでは不味い、という事でユ〇クロで適当に白か黒のTシャツを三枚、ズボンも適当に三枚購入。

 

結局今の今まで買うのが面倒でそれを着回している。

と言うかよく保ってくれてるね。結構ゆったり目のやつを買ったから筋肉がついても着れてる。

 

そんな俺の服を見繕いたいと。

 

 

「でもよ、今持ってるので十分事足りるんだよな。そこに態々買う必要は無いって言うか……」

 

「私はどちらでも。洋介兄さんのお好きにどうぞ」

 

「洋介さんまだあの服しか持ってないの?無いわー」

 

「うるせぇやい。俺は物持ち良い方なの」

 

「それでも十五年以上前の服ってどうなの?」

 

「小父様、良い機会ですから何着か購入されては?僭越ながら私も小父様の服を見繕わせて頂きたいのですが……」

 

どうやらここに俺の味方は居ないらしい。

 

「しょうがねぇなぁ」

 

「やった!それじゃ早速レッツゴー!」

 

そう言う一夏達に手を引かれながらあちこちの服屋を巡る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからたっぷり三時間、着せ替え人形になった俺はぐったりしていた。

そりゃ

三時間もあの服この服、そっちの服こっちの服、と着せ替え続けられれば誰だって疲れるに決まってる。

 

服が大好きな人間からすりゃ美少女に囲まれながらの着せ替えだから天国なんだろうがそうじゃない人間、俺からすれば辛いのよ。

 

まぁ楽しかったっちゃ楽しかったんだけどもそれでもやっぱり疲れる。

結局、それぞれ選んでくれたのを一着づつ購入する事に。

 

皆センス良いのな。絶対に似合ってないと思うんだけどまぁ、そこはせっかく選んでくれたからってことで。

 

 

 

 

その後は回転寿司が食いたいっていうラウラが言うからそんじゃ回転寿司に行くかという事で近くの某有名チェーン店で済ませた。

 

「おぉ!ハンバーグが回っているぞ!む!?なんだあの緑色の棒が入っている黒い物体は!?何!?ここはウドンも流れているのか!おい鈴!ラーメンもあるぞ!」

 

「日本に住んでたから知ってるわよ。好きなの食べなさい。あ、アタシ茶碗蒸し頼んで」

 

「まっぐろー、はっまちー、いーかー、たーこー、あーじー、さんまー」

 

いやー、相変わらず一夏は馬鹿食いしやがるしラウラもラウラで河童巻きとか寿司を食え寿司を!と思うようなもんばっか食うし。

 

まぁでもセシリアとシャルロット、ラウラの反応は面白かった。

そりゃ寿司なんだから当然生魚も流れてくる訳だが、所謂、変わり種と言うのだろうか?

 

「あら?生魚だけでなく牛肉や豚肉も置いてあるんですの?……意外と行けますわね」

 

「このとびこってやつぷちぷちしてて面白い触感だなぁ……」

 

ハンバーグが乗ってるやつとか最近はそれこそ寿司屋とは?と思うようなネタなんかもある。結構ウケが良かったな。

フランス、イギリス、ドイツなんかの方は生魚大丈夫か?と思ったけど割と皆バクバク食ってたし。

 

俺?俺は青魚は生で行けないんだよ。だからマグロとかタコとか青魚以外の代表格みたいなもんばっか食ってたぜ。

 

ちゃんと千冬にお持ち帰りで頼んだぜ。

 

因みに晩飯ぐらいはな、ってことで奢ってやったぜ。太っ腹だろ?

 

 

 

 

 

 

で、学園に戻って時間も時間だからと言う訳で解散となった。

俺は千冬用のお持ち帰り寿司と今日買った水着やらアロハシャツやらサングラスやら麦わら帽子やら本やら服やらを抱えて部屋に帰った。

 

 

いやー、疲れた疲れた。

まぁでも久々にこんだけ買い物して楽しかったね。

 

あとは臨海学校が来るのを待つだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一夏を除いて他の皆の水着は原作そのままにしました。


作者、ファッションセンス皆無やから……
諦めも肝心なんだよ。皆の私服は読者の皆さんが好きなように妄想してちょーだい。

ぶっちゃけジャージあればどこにでも行ける族な作者に期待されても困る。
割と私服要らないって思ってるタイプだからね。探しても三着ぐらいしか持ってないんじゃないかな?

家の中じゃ年がら年中、半袖短パンだし。
運動とお仕事以外家に引き籠ってゲームしたり本読んだりプラモデル作ったり執筆したりするだけの作者は私服必要無い!

そんな金があるなら本とかプラモ買うんや!



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