おじさん、今年で36歳になるんだけれども 作:ジャーマンポテトin納豆
なんか久々の投稿の気がする。
まぁ確かに一カ月ぶりぐらいだもんなぁ……まぁしょうがないよね、他の作品ばっか執筆してたってのもあるけど、もうね、色々大変だったんですよ。
主にエーぺにドハマりしちゃったってだけなんですけど。
あと言いたいことがある!
マドカちゃんがヤンデレだぁ!とか千冬達もヤンデレだァ!とかなんとか感想とかで書かれるんだけど、何度でも言わせて貰うぞ。
この小説にヤンデレは無いんだよ!
そう見えるだけでヤンデレじゃないんだよ!愛が大きすぎるだけでヤンデレじゃないんだよ!
そこんとこマジ理解してくれよな!?
作者ヤンデレ書けねぇんだからさぁ!?変にハードル上げんの止めてチョーだい!
愛が重い、とか愛が大きいってのはヤンデレと違うの!(作者の中では)
千冬達はヤンデレじゃないからな!
何度でも言うぞ!
千冬達もマドカもヤンデレじゃないからな!
マドカとドンパチ危ない火遊びをし始めてからとっくに二十分が過ぎていた。
いやね、マドカちゃん元気良すぎなんですよ。
ナノマシンに強制的に操られているとはいっても元気すぎやしませんかねぇ……?
しかも元々千冬のスペアとして作られたからか身体能力だけでも千冬並み。
ISの操縦技術もめっちゃ高い。
しかも実戦経験がそれなりにあるらしいのか、それともナノマシンの影響なのか分からないが随分と手練れている。
ハッキリ言って厄介な事この上ない。
何しろ千冬と同格ってだけでヤバイのに、しかも射撃特化と来たもんだ。
千冬なら近接特化だから俺と同じリーチだから勝機は幾らでもあるんだけどな、マドカ相手じゃエネルギー切れを待つ持久戦しか出来ん。
アリーナみたいな限られた空間内ならもっと戦えるんだけどな。
だけど正直に言っちまえばセシリアなんて目じゃないぐらいには腕がいい。
狙いも正確だし、偏光射撃もお手の物。
セシリアは出来ないがビットの操作と自分の射撃も同時に行える。
六機のビットを相手にマドカからの射撃。
計七点からの射撃をほぼ同時に捌き続けなけりゃならないってんだから、千冬かそれと渡り合える実力を持つモンド・グロッソ出場経験がある千冬抜きの上位三人ぐらいでなきゃ相手は務まらん。
モンド・グロッソの試合は一試合が平然と一時間、二時間なんて掛かる。
千冬は、自分が近接特化という事を分かっていたから長期戦になると不利ってことは誰よりも分かっている。
だからこそ瞬時加速を用いた瞬殺戦法でたったの十数秒で決着を付けてたってだけ。
千冬が異常なのであって周りが正常なのだ。
しかも今みたいにBT兵器なんて千冬が現役の時は無かったしな。
それを考えると、俺の持久戦は愚策なんだが初手で攻撃する機会を会話で失っちまったもんだから出来ない。
仕掛けようものなら七方向から一斉射撃を食らって俺のSEは瞬く間に底を着き、絶対防御を貫通してハチの巣待ったなし。
流石にそりゃ勘弁してほしい。
ってなると俺が取れる策ってのは応援が来るまで逃げ回ってから共闘するか、相手の弾切れを待つか。
共闘作戦は速攻で却下。
シルバリオ・ゴスペルの相手をしなきゃならんシュヴァルツェア・ハーゼの面々にこっちの応援に駆け付ける余裕は無いし一夏達の参戦はまずもって論外。
シルバリオ・ゴスペルにしろマドカにしろ、今の一夏達が相手するには荷が重すぎる。何しろ第三世代軍用ISか第三世代機遠距離特化型で実力は千冬と同格の二択。
さっきの煽り耐性低い女なら大丈夫だろうがこの二択は究極だ。
どちらを選んでも、誰かしらが大怪我を負う可能性が高い。
それに比べてシュヴァルツェア・ハーゼの面々は元軍人、IS専門部隊だ。
相応の訓練を受けている筈だし、代表候補生の一夏達よりはずっと命のやり取りや死ぬことに対する心構えも出来ているだろうからまだまだ戦える。
となると持久戦一択なわけだ。
と言うか相性悪すぎてこれぐらいしか戦い方思い付かんかった。
そんなわけで、ひたすら耐えている訳なんだけども。
「全然弾切れする様子無ェなァ!?」
嫌な音を立てて飛んで来るビームは俺の直ぐ真横や後ろを掠っていく。
それを無理矢理身体を捻ったり加速させたり、剣で弾いて躱す。
「ウワッホウ!!」
ギリギリ、冗談抜きで超ギリで身体を捻ると続けざまに頭を狙いに来たビームを剣で無理矢理弾く。
もう狙いがいやらしいんだよなぁ!?
避けた瞬間に、身体を捻って無理矢理避けた瞬間とか狙ってくるもんだから避け難いったらありゃしない。
ただ、最初よりも攻撃の間隔が開いて来たような気がする。
多分、そろそろエネルギー切れが近いのかもしれないがこれに釣られてホイホイ行っちまうと、罠だったりして嵌められる。
慎重に越したこたぁねぇんだ。
イザって時に、博打に出られる覚悟と勇気がありゃいい。
ーーーー side マドカ ----
初めて、兄さんと顔を合わせた。
今までは、ずっと画面越しに私が一方的に見るだけ。
思わず嬉しくて、笑いが込み上げてしまった。
私は笑うのが下手らしいから、ちゃんと笑えただろうか。
兎に角、兄さんに会えた。
これだけで今回の任務は私的には大成功だ。
組織からの任務なんてはっきり言ってどうでもいい。
正直、私個人としては組織になんか所属していたくない。
今すぐにでも兄さんに抱き付きたいがナノマシンがそれを許さない。
私の身体に投与されたナノマシンは、もし私が暴れ出した時にそれを抑えるための物と裏切ったときに私を殺すための物。
そして何らかの理由で私が任務中に動けなくなった場合に、私の身体を無理矢理動かすための物。
お陰で下手な行動も取れない。
しかもこの三種類のナノマシン、起動時や起動中には私自身に激痛が走る仕様になっているから、その痛みを味わいたくなければ、という事だ。
ただ、兄さん相手に銃口を向けたくないし戦いたくもない。
まぁ、兄さんに色目を使う女や兄さんを害そうとする奴になら向ける事も吝かではないが……
そう渋っていると何時まで喋っているんだと組織の幹部から通信が入る。
こいつらは無能だ。
兄さんを敵に回す事が何を意味しているのか全く分かっていない。
少なくとも、兄さんと織斑千冬と篠ノ之束と言う世界最強生物トップ3の人間全員を敵に回すという事だ。
織斑千冬は、少なくとも全世界の人間が知っている生身とISでの圧倒的な強さとカリスマの持ち主。
モンド・グロッソを圧倒的な強さで圧勝したのだから、生中継で見ていた誰もがその姿に惹き付けられている。
馬鹿な女共は、訳の分からん主義主張の象徴として。
篠ノ之束はその気になれば何時でも世界を滅ぼすことが出来る科学力と財力、そしてISに依存したこの世界の全ての国家、組織に対する圧倒的な支配力がある。
何せ、ISありきの世界になってしまっているものだから、コアを凍結されてしまえばアメリカだってただじゃすまないぐらいの損失を被るだろうし、IS保有国の中でもあまり財力の無い国であれば国家そのものが破綻するかもしれない。
何しろISの研究開発には米原子力空母一隻を建造するために必要な130億ドル、日本円にして1兆3000億円以上掛かる。
第三世代機の研究開発に掛けている値段は、何処の国もそうだが余裕で1兆円なんて超えるしアメリカはその莫大な軍事費を惜しげも無く注ぎ込んでいるから組織の諜報員が掴んだ一番新しい情報だと、今年度の開発費用は軍事費100兆円の内の23兆3450億円にも上るという。
この数字は各国の開発費の凡そ2倍。
日本が8兆8700億円なのでその違いが良く分かるだろう。
これだけの金を注ぎ込んでいるんだ、今更凍結、ともなればどれほどの金銭的喪失が生まれる事やら。
だからこそ、第三世代軍用ISのシルバリオ・ゴスペルを開発出来たるのだ。
ISという完璧ではないものであるにも関わらず世界はISと言う一つのものに依存し過ぎた。
それを考えると、世界でただ一人、コアネットワークに接続可能でこの世界に存在するコアの停止、起動を握っている篠ノ之束の支配力と言うものは不可抗力であっても計り知れない。
しかも各種の特許などで得た利益で数兆~十数兆円にも上る資産を保有しているから個人としての資産はズバ抜けてトップ。
中小国家の国家予算並みだ。
そして兄さんは、知られてはいないとはいえ二人を抑えて世界最強、その二人との繋がり、それも物凄く深い繋がりがあって手を出した瞬間に、フランスとドイツの惨状が物語っている。
余り言いたくはないが、兄さんの織斑千冬達に対する愛情はおかしい。
妹に向ける愛情なんてレベルじゃない。
この三人の誰か一人でも敵に回せば、その瞬間に世界で敵に回してはいけない人間トップ3を自動的に敵に回す事になる。
という事は、亡国機業は既にこの三人を敵に回したという事だ。
正直に言ってしまおう。
もう亡国機業に未来は無い。
兄さんだけを相手するなら正面からの武力では敵わないとしても絡め手を使えば、まぁ何とかなるかもしれない。
だが、織斑千冬と篠ノ之束は?
どちらも絡め手が通じる様な相手じゃない。
正面から戦っても、武力では敵わず篠ノ之束が既存のISコア以外のコアを持っていない確証も保証もどこにも無い。
絡め手なんて直ぐに看破されるのがオチだ。
例えるなら、兄さんが前衛で織斑千冬が中衛、篠ノ之束が後衛と言うなんともバランスが整った編成。
前衛の兄さん一人を切り崩すのが至難の業なのにそれの後ろに控えているのが最悪だ。
今だってそうだ。
ナノマシンによって私が操られて攻撃しているが、遠距離からの射撃に徹してビームビットを六機に私からの射撃を常に受けているのに兄さんは全てとは言わないまでも避けてられている。
しかも実際に見て本当に驚いた。
ビームを剣で弾いているのだから。
ビットからの攻撃で背後を見せた瞬間に射撃をしても避けられるか弾かれる。
あんなの有り得ない。
少なくとも世間一般的な常識に当て嵌めれば有り得ないというしかない。
ただ、私は知っているから驚愕はするも有り得ないという感情は無い。
それでも凄い。
実弾と違ってビームはその弾速が圧倒的に早い。
それを超至近距離、たったの二十m程度の距離から撃たれるビットのビームや合間合間のいやらしいタイミングに撃つ私のビームも避ける。
しかも、こっちには残存エネルギーの問題もある。
さっきから滅茶苦茶に撃ちまくっていたからそろそろ心配になってくる頃だ。
チラッとエネルギー残量を見てみると既に四十%ほど。
これだと六機のビットに一回ずつ補給をしたらもう終わりだ。
ビットの方が消費が激しい運用上仕方が無い。
ビットの緩慢無い射撃の合間合間に私が撃つのだから、どちらが多く撃つかは明確だ。
ビット六機の一度の補給に大体四十%を消費する。
だから二回分の補給しかできない。
エネルギーパックを入れても、だ。
現状のビーム兵器の問題点と言うのは、エネルギー効率が悪い事。
一度の射撃で使うエネルギー量が多すぎるのだ。
これでもマシになった方なんだがそれでも多い。
だからこそ、兄さんは持久戦でこちらのエネルギー切れを狙っている。
大真面目に接近戦を狙ってもビットに背中を撃たれるだけだし私に逃げられるだけだからそれが一番確実に、私と戦わなくても勝てる方法。
兄さんの勝利条件は、私を仕留める事じゃない。
生き抜いて、これ以上先に私を進ませない事。
要は足止めをすればいい。
しかも私はエネルギー切れになったら撤退するか、接近戦を挑むしかなくなる。
正直に言って、兄さん相手に接近戦を挑んでも今の私じゃ勝てない。断言出来る。
そこそこいい勝負は出来るかもしれないが、勝つ事は出来ない。
そもそもビームを至近距離から撃たれてそれをひょいひょい避ける様な反射神経の持ち主に、私のそこそこ強い程度の体術や剣術が通用する訳が無い。
いやもう、本当にどうして避けられるのか不思議でしょうがないんだが兄さんだからと納得しよう。
それに、そろそろ私の身体の方が限界が近い。
ナノマシンの効果によって激痛が走っているし、脳をビット操作のために酷使しすぎたからか鼻血も出てきて視界が歪んでいる。
しかも、出来るだけ兄さんに有利になる様にナノマシン相手に抵抗しているから体力の限界も近い。
多分、エネルギー切れよりも前に私が倒れる。
ただ心配なのは、私が気絶した後もナノマシンによって戦い続けるかもしれない事だ。
まぁ、もしそうなっても兄さんなら多分大丈夫だろう。
ーーーー side out ----
なんか、ビットの動きがさっきまでと違って機敏さが無くなって来ている気がする。
避けるのも楽になって来ているから多分気のせいって訳でも無いと思う。
BT兵器ってのは操作を行う上で、脳にとんでもない負荷を掛け続けての運用だ。
今、マドカと戦い始めてから既に三十分が過ぎている。
これだけの長時間、ずっと脳に高負荷を与え続けていれば集中力が無くなって来てもしょうがない。
基本的に、セシリアやマドカが扱っているタイプの様なビットと自身の射撃を両立しなければ真価を発揮しない武装ってのは機械側からなんの補助も無いと、絶対的に並列思考が不可欠となる。
並列思考ってのは、物凄く簡単に言えば複雑な作業を同時に行える思考の事だ。
例えば、片手でFPSをやりながら読書感想文を書く、みたいな。
コントローラーを手放さず戦闘を行いながら感想文を書く、という事だ。
この時行われているのは、FPSゲームの中での複雑な戦闘中における状況判断や何時撃つかという思考と同時に、読書感想文とかいう学生ならば誰しも通った死ぬほど面倒な宿題だ。
適当に、ただ面白かったですとか書く訳じゃ無くて起承転結をしっかり構成して、と言う文を書く。
ハッキリ言おう。
FPSやりながら読書感想文なんて絶対に書けねぇから。
おてては二つしかないから、どちらも両手を使わないとそもそも出来ないって言う。
まぁでも一番分かりやすいかもしれない例えだよな。
ただ、これがBT兵器になってくると先ずビットの操作を行わなけりゃならない。
しかもセシリア四機、マドカは六機だぜ?
これを同時に、しかも全く違う機動や射撃タイミングを操らにゃならん。
一つでも面倒だってのに、それが四つ、六つともなるととんでもない。
という事は、だ。
最低でもセシリアは四つの並列思考を、マドカは六つの並列思考をこの時点で行わないといけない。
それに加えて、自分の持っているライフルが加わり、周辺警戒が加わり……と色々合わせるとBT兵器を扱うならば最低でも同時に十の思考を制御出来なくちゃならない。
これが、文面なら出来るとか言うやつがいるかもしれんが、断言する。俺を含めて千冬も絶対に出来ねぇから。
束ならやってのけるだろうけど。
イギリスはBT兵器を開発しているが、このBT適正があるのが現状たったの数人程度。
しかもセシリアはその中でトップの適正を持つ。
ただし、セシリアの戦闘センスはお世辞にも高いとは言えない。
それなら一夏や鈴の方が高い。
だが、決してBT適性が高いからと驕る事無く死に物狂いで訓練してきたからこそセシリアはああやってビットを四つ同時に操作出来る。
その間、自分は動けないし射撃も出来ないとしてもこれはとんでもなく凄い事だ。
思うに、並列思考ってのは5を超える事が難しいんじゃないか、と思う。
理由は、並列思考を同時に五つ出来るならば、最低限相手を攻撃するのに必要なビット四機に加えて自分も行動できるから。
考えて見ろ、四機のビットを操作して敵に攻撃を加えながら敵の攻撃を避けるんだぞ?俺には絶対無理だね。
まぁ、一応機械側からの補助も幾らかはあるらしいんだがまだまだ発展途上でその補助は微々たるもの、今現在は操縦者に大部分の凡そ九割を任せている状況だ。
それを考えるとセシリアとマドカはスゲェんだぞ。
まぁ、話を戻すと並列思考ってのは兎に角脳みそを酷使して成り立つものだ。
並みの人間ならまず出来ないし、出来たとしても二つの物事を同時に進めるのが精一杯。
これが、今のマドカの様に六機のビットと自分のライフル、それ以外の事を合わせて最低十の並列思考を行うとすれば、脳みそに掛かる負担の大きさは尋常じゃない。
それをナノマシンが強制的にやってるってんだから脳みそだけじゃなくて身体全てに掛かる負荷は、最悪臓器の機能や神経がおかしくなっても何ら不思議じゃない。
ただ、恐らくマドカは別だ。
最高の人間を創るだとか馬鹿気た計画で生み出されたんだ、その身体機能などは常人のそれとは大きく違うのだろう。
でなきゃ、優秀な兵士を使い潰すようなこんな方法を取る訳が無い。
「だァらっシャァッ!!」
また、死角の真後ろと右斜め後ろから撃たれたビームを上下逆さに反転、身体を捻りながら真後ろのを避けて剣で右斜め後ろからのを弾く。
すると、その隙を突いてまた撃たれるがそれも無理矢理機体を加速させて避ける。
そんなことを、既に五十分。
まぁ、持久戦をするってんだから数時間程度の戦いは覚悟の上だ。
だが四方八方からバカスカ撃たれて、それを神経尖らせて避けるってのは結構疲れる。
ただ、やっぱし命中精度とか攻撃の波が弱くなってる。
最初の内は被弾する回数も多かったが、この分なら十分以上に避けられる。
あとは、エネルギー切れの前にマドカの方に隙が出来たなら一気に突っ込むだけだ。
持久戦をするってのが目標だが、隙が出来たんなら飛び込まなくちゃぁな。
結局、マドカに隙が出来る事は無かった。
あれからまた十分は戦っている。
そしてここに来て、どうやらビットのエネルギーが底を着き始めたらしい。
補給に戻ったのか、と思ったビットがいつまでたっても攻撃に戻って来ない。
それが、既に四機。
多分、残りの二機もあと数発撃ったら終わりだ。
そして、残りの二機が同時にビームを放った次の瞬間、マドカの元に一斉に戻っていく。
それを見て、機体のブースターを思いっ切り吹かしてマドカに突っ込む。
意識さえ刈り取っちまえば、多分俺の勝ちだ。
「ッ!?」
一瞬、驚いたような、予想していたような顔をして拡張領域から短刀を取り出すと殴り掛かる俺の拳に合わせるように切り掛かる。
「甘ェ!」
「んなぁっ!?オ”ゥ”ッ!?」
拳を思いっ切り振り抜いて鳩尾に思いっ切り捻じ込む。
流石にそれは予想していなかったのか驚きの声と表情を上げた瞬間に鳩尾に捻じ込まれたものだから凄まじい声と共に胃の中の物をぶちまける。
「オ”エ”ッ”……!ゲホッ、ゲホッ……」
「最低な兄貴だって罵ってくれても構わねぇから!ちょっくら気絶しててくれや!」
吐きながら咽るマドカの顎に、そう言って一発キツイのを叩き込む。
すると、マドカは白目を剥いて気を失った。
マドカの意識が失われると同時に機体が解除されて真っ逆さまに落ちていく。
「よっこらせ……」
さっ、と抱き抱える。
ナノマシンの影響で、気を失っても戦い続けるんじゃないかと思っていたから警戒したがどうやら大丈夫らしい。
取り敢えず、束に見せるか……
あいつなら体内のナノマシンもどうにか出来るだろ。
「そんじゃ、帰るか」
一言ぼそりと言って、旅館に向かって飛んだ。
そういや通信入って来ねぇなぁ……
大丈夫なんかな?
旅館に戻ると、大騒ぎになっていた。
なにせ、待機していたISを装備した先生方も臨戦態勢。
マドカを抱えながら降り立つ。
「おじさん!今まで何やってたの!?」
「え、いや滅茶苦茶戦ってたんだけど」
「その子が?」
「まぁ、一応説明すると結構ややこしいから落ち着いたらな。それでなんかあったのか?滅茶苦茶物々しい雰囲気ですけど」
「それを伝えたかったのに通信に出ないし!すっごい心配したんだからね!?」
なんか、帰ってから早々にしこたま怒られたでゴザル。
えぇ、なんでぇ……?おじさん頑張ったのになんでぇ……?
まぁ、連絡付かねぇってなったらそりゃ心配するけどさ。
俺だって滅茶苦茶心配しますよ?なんなら即探しに行くし警察に届け出ます。
「取り敢えず、この子の事頼んで良いか?ナノマシンで多分身体ボロボロだろうから」
「え、あ、うん分かった。クーちゃん、この子の事秘密基地に連れてって医療用ポッドに入れてあげて。あとナノマシンを破壊するナノマシンの投与ね。それ以外はお父さんに投与したナノマシンと同じで良いかな」
「分かりました。それでは」
そうクロエに指示を出すと、頷いたクロエはマドカを担いで月面秘密基地に帰って行った。
「それで、今何が起きてる?」
「シュヴァルツェア・ハーゼの皆がやられた」
「は?」
余りの衝撃的過ぎる言葉に、素で返してしまった。
「取り敢えず説明するね。シルバリオ・ゴスペル迎撃に向かった後に一度は取り囲んで数の差でどうにか撃墜したの。ただ、搭乗者居るかどうか分からなかったからその確認のために近づいた瞬間、ドカン」
「大丈夫だったのか?」
「咄嗟に回避したお陰でその時はね」
「ってことは……」
「うん、報告があって機体の形状が大きく変化してたから多分セカンド・シフトしたんだと思う」
「軍用機が、セカンド・シフトかよ……」
「それからは足止めが精一杯。と言うか足止め出来ただけ凄いよ、シュヴァルツェア・ハーゼの皆は。クラリッサが応援に入ってからは幾らかマシになったけど、広域殲滅型の名に恥じない火力で全員やられた。今は全員医療ポッドに入れてる」
第三世代軍用ISってだけでもやべぇのにそれがセカンド・シフトしたと。
ヤバイなんてレベルじゃない。
セカンド・シフトってのは早い話が進化みたいなもんだ。
ぶっちゃけこれに関しちゃ実例が世界でたったの数例だけだから分からないことだらけ。俺も分からん。
まぁ、ざっくり説明すると、セカンド・シフトした機体は世代が最低でも一世代は上がる。
ってことはだ。
第三世代機がそうなった場合、第四世代機相当になる。
問題なのは、この第四世代機ってのはそもそも構想止まりの卓上の空論ってことだ。
展開装甲がなんたらかんたらってらしいけど、さっぱりだ。
うーん、説明するのがムズイな……
今までの第三世代機までがそれぞれの役割に特化している機体、例えば近接特化、遠距離特化、防御特化、攻撃特化みたいな感じであったり、セシリアのパッケージ換装によってその戦術用途を変える事が出来る機体だとすると。
第四世代機は、パッケージ換装などを必要とせずにありとあらゆる役割をこなせる、所謂マルチロール機、って感じか?
イメージしやすくすると戦闘機だな。
一番有名そうなのは、F‐22とか。
ぶっちゃけISにおける第四世代機って設計すらされてないようなレベルの代物だったんだけど。
なにせ、今までセカンド・シフトした機体は全部第二世代機か、第一世代機の改修型の一.五世代機。
それを考えるとどれだけ高くても第三世代機止まりだった。
その時は第三世代機の方も六割ぐらい完成してたからそこまで驚きは無かった。
セカンド・シフトした機体を元に第三世代機を再設計したりした例もあるぐらいだし。
だがこれが、第四世代機になると別次元の話になってくる。
さっきも言った通り第四世代機は卓上の空論でそもそも設計構想すら何となく、って感じ。
ただでさえそんなんなのに、それが通常の機体では無く軍用機ともなるとその性能は計り知れない。
しかも暴走状態って言う条件も加わるのだから更に絶望的だ。
多分、第三世代機で袋叩きにしようとしても、負けるかもしれない。
第三世代機を使用しているのは、何処の国もまだ十五、十六の嬢ちゃん達。
第二世代機を扱うモンド・グロッソ出場経験がある様な、モンド・グロッソに出場するために国家代表の座を掛けた選抜試合を潜り抜けてきた猛者達と違って本物の試合ってのを体験したことが無い少女諸君だ。
代表候補生になるための選抜試験は国家代表になるための選抜試験と比べると生温いらしい。
他ならぬ千冬から聞いた事だから事実なんだろう。
そんな激戦を潜り抜けたならまだしも、まだまだ強さだけなら半人前も良い所の高校生が軍用機相手に戦えるか?
答えは否。
どれだけ優秀な機体を、数を揃えたとしても負ける。
なんなら手出しすらできないかもしれない。
国家代表達だって、かなり厳しい戦いを強いられるだろう。
早々に勝てる相手じゃない。
そんな存在なのだ、第四世代軍用ISってのは。
説明を聞いた後、不思議に思った。
シュヴァルツェア・ハーゼが負けたんなら、シルバリオ・ゴスペルが何故ここを襲わないのか?
そうなると恐らくは、シュヴァルツェア・ハーゼに代わって誰かが足止めしてる。
嫌な予想が頭をよぎるが杞憂であってほしい。
「で、今シルバリオ・ゴスペルを足止めしてんのは誰だ?」
「ちーちゃんと、いっちゃん達だよ」
多分、今までの人生で俺の中で一番最悪な予想が的中した瞬間だった。
途中の並列思考の例え、元ネタはあれ作者がレポート提出の時にガチでやったことがあります。
結果、クソみたいな戦績に嘆きクソみたいなレポートを出したことによって再提出を食らいました。
並列思考なんて出来ないんや!
皆はちゃんとゲームと課題は別々でやろうな!
じゃないと碌な事になんねぇから!
最後にあまり言いたくないのですが、他の投稿作品を投稿したときに感想書いてくれるのは嬉しいんですけどこの作品の投稿を催促するような事は、出来ればお書きにならないで頂きたいのです。
まぁ、ぶっちゃけてしまうと作者にも波と言うか、ペースってもんがありましてですね。
催促されても文才がある作者じゃない訳でそうホイホイ書けないのが実情なんですよ。
しかも作者の場合、最低でも2つの作品を同時に執筆を進めるぶっちゃけ非効率極まりない執筆方法をするタイプなんで尚更なんですよね。
筆が乗っちゃえば、まぁ速いんですけどね……
そこまで行くのがまぁ、何と言うか時間掛かる……
しかも、無理してまで書いたものなんて、出来の高が知れるもんです。
それなら時間掛けようとも良いのを書きたいし読んでもらいたいじゃないですか。
いやまぁ、どの口が言ってんだっていたい気持ちも分かります。
分かりますけどそこはちょっと我慢して頂きたいのです。
感想書いて下さるのは滅茶苦茶嬉しいんですよ?
何せ感想を何度も読み返す具合には楽しみにしていますし、なんなら催促するぐらい感想書いて欲しいし。
もし不快になられた方がいらっしゃったら申し訳ありません。
これにて後書きを終いにさせて頂きます。