おじさん、今年で36歳になるんだけれども 作:ジャーマンポテトin納豆
でもそれでいいのだ!だって一夏と千冬可愛いんだもん!
その内箒と束可愛い!も出て来るヨ!鼻血を出す準備は出来ているか!?
追伸
俺もこんな妹欲しかった……
早くも入学してから一か月が経とうとしていた。
もうそろそろ学年別クラス代表トーナメントなるものが開催される。
これが面倒なこと極まりない。
クラス代表な俺は一夏と共に必ずどちらかが出場なきゃいけない訳なんだが。
「お兄ちゃん!トーナメントに出てよ!」
「嫌だっつってんだろ!?」
「なんで!?皆からちやほやされるかもなんだよ!?」
「こんなおっさんを出場させるとかただのいじめじゃねぇか!?ちやほやのちの字もありゃしねぇ!」
「そんな事無いよ!だってお兄ちゃんじゃん!」
「何その信頼!?お兄ちゃんだからって何でも出来ないよ!?晒されるだけだよ!?」
妹からの謎過ぎる信頼が辛いですはい。
そもそもの事の発端は3日前。千冬の発言から始まった。
「そうだ、お前達どっちが代表トーナメントに出場するのか決まっているのか?」
「「……え?一夏(お兄ちゃん)じゃないの?」」
見事に聞かれたことに対してのハモリ。
いや、本当に何を聞かれているのか分からずそう答えてしまった。多分一夏も同じだったと思う。
「はぁ……その様子じゃ決まっていないようだな。3日後までに決めておいてくれ。決まらなかったらこっちで勝手に決めさせてもらうからな」
「え!?いやちょ……行っちまったぜおい」
いう事を言ってどっかに行ってしまう千冬。流石我が妹。去る姿も何故かかっこいい。
多分職員室に仕事しに行ったんだろうけど。
「……どうするお兄ちゃん?」
と言った感じで始まったこの問題。
最初はすぐに決まるだろうと思っていたのだが全然そうならない。
片やお兄ちゃんを自慢したい妹。
片や年寄りを労ってくれと兄。
そんなんで何時まで経っても決まらない。ずっと平行線を行く為に言われた三日後はあっさりと今日になってしまった。
いや、本心は他にあるんだけどさ。
俺と一夏の激しい攻防は続き、埒が明かない。
一緒に居る箒は手に負えんと言わんばかりにただニコニコと見てるだけ。
俺の事を助けて欲しいなぁ!?
クラスの皆はまぁーたやってると慣れてしまった。
「なんでやりたくないの!?」
「え!?お前俺の話聞いてた!?」
「聞いてたよ!でもなんでやりたくないの!?」
「ぜってぇ聞いてなかっただろ!?」
「聞いてたもん!」
と、こんな感じで話がずれることもしょっちゅう。
「二人共、話がまたずれたぞ」
その度に箒が元に戻す。
それをこの三日間ずっと繰り返している。
「お兄ちゃんのヘタレ!」
「へ、へへへ、ヘタレちゃうわ!」
「このヘタレ!だから出場出来ないんだよ!」
「関係ねぇだろぉ!?もう俺の心を抉るのは止めてくれませんかねぇ!?」
「佐々木さんってヘタレなんだ……」
「ねー。なんか色々と凄いかと思った」
「おいそこぉ!」
妹の言葉により女子高生にヘタレ認定されて、心を抉られ。
つーかなんでこの妹は俺をヘタレだと断定してんの?そんな事無いから!……そんな事無いんだからぁ!?
「俺はもう駄目だぁ……あとは一夏に任せるぜ……ゴフッ……」
「お兄ちゃん、トマトジュース吐き出してもダメだから。絶対に出場してもらうから」
「ちくしょーーーー!!!!」
無茶だと分かっていながら芝居で何とか許してもらおうとしても普通に容赦なくぶった切られ。
とうとう本当に締め切り間近。
あと一時間で決めなければ本気で千冬の手によってランダムで決められてしまう。
「お兄ちゃん、本当にどうするの?このままじゃ決まらないよ?」
「何平然と言ってんの。代表候補生の一夏がやればいいでしょ」
「やだ」
「嫌だってなんでよ?俺よりはISの操縦に慣れてるだろ。勝ち確じゃねぇか」
「それは別問題なの。皆私よりお兄ちゃんが強いって疑ってるんだもん。千冬姉が強いって言ったからある程度は信じてくれてるけど」
「だからって何の関係があるんだ?」
「お兄ちゃんが馬鹿にされてるみたいで嫌だ。ムカつく。だからお兄ちゃんが出場して強いって事を証明すれば……って考えたの」
「でもよぅ……俺ISに乗ったのなんて起動させた時だけだぜ?しかも生身とじゃ大違いだろうよ」
「でも、それを証明出来ればお兄ちゃんの事が嫌いな奴らも下手に手を出そうってならなくなると思う。……あいつらは別として」
ま、こいつなりに俺の事を色々と考えてくれているんだろうがなぁ……
「正直な事を言わせてもらうとキツイ」
俺の声がおふざけではなくちゃんとしたものに変わったのを察すると一夏もちゃんと聞く姿勢になった。
此処まで妹に言われて、と思うかもしれないがそれにはちゃんとした理由がある。
それを取り敢えず説明させてもらおう。
「まず俺がおっさんだという事。いや待って待って!別にふざけてる訳じゃないから!これもちゃんとした理由だから!」
家の妹達は何故怒る時に目があんなにも怖くなるんだろう?
普通におっかない。
「はぁ……ふざけてるのかと思うような事を言うのは止めてよ」
「んな事分かってるよ。そんなに俺を信用できない?」
「うん」
「即答かよこん畜生!」
俺ってば信用本当にねぇな!そこまでの事をした覚えは無いぞ!?
……いやあるわ。山ほどありすぎて困るぐらいあるわ。
じゃねぇってば!
「ま、いいや。そんで、理由の一つだけど俺がおっさんだって事。単純な意味で体力、気力共に確実に劣ってる。長期戦になった場合は間違いなくこっちが負ける。短期決戦となれば勝機はあるだろうが……あ、それとは別の理由もちゃんとあるぞ?」
そう。何を隠そう私35歳です。そんなおっさんが女子高生の闘争に放り込まれて一緒になって暴れまわれると思います?
少なくとも俺は思わないしやりたくもない。だっておっかねぇんだもん。
筋トレとランニング、師範に習った事は毎日欠かさずやっているがそれでも体力の低下は否めない。
「別の理由って何?」
「さっき一夏は俺が出場すればー、なんて言ったけどな、あれはあくまで勝てた時の場合のみだ。これが負けた時の場合を考えてみ?俺が馬鹿にされるぐらいだったらいいけど最悪の場合、直接的な手段に出て来る輩も少なからず居るだろうよ。これが一夏と千冬に危害が及ぶってんなら話も変わって来る。千冬なら返り討ちにしてアジトまで乗り込んでいって殲滅しそうだけどな」
そう。
俺が、もし負けたとしたら?
これは勝った時よりも重要で確実に面倒事が絡んでくる。
どうせ勝っても俺の事が目障りな連中は難癖付けて来るだろうよ。
そこで一夏と千冬が出てくれば、兄のくせに妹に守って貰っている情けないクズ野郎とでも言われるんだろうさ。この今の世の中は世知辛いねぇ……
「ま、唯一のメリットが無いわけでもない」
「メリット?聞いてた感じ無さそうだけど……」
「ま、まだまだおこちゃまって事だーな。一夏は」
「む!そんな事無いよ!ほら!」
「おこちゃまとおっぱいは関係ねぇ!」
何故一夏と話すと毎回脱線するんだろうか?
俺が原因でしたね。すんません。
だから手で胸を持ち上げるの止めてください。(社会的に)死んでしまいます
「はぁはぁ……なんで話してるだけでこんなに疲れにゃならんのだ……」
「それはこっちの台詞だよお兄ちゃん……」
2人して余計な事に体力を使って疲労する。
こういう会話は我が家の伝統なのだ。
……知らず知らずの内に伝統になっちまってた。悪気はない。本当に気が付いたらなんだよ……百パー俺のおふざけが原因だけども。
「で、なんだっけ……あぁそうそうメリットの話だ。このメリットって言うのはな?まず俺の生身での戦闘力を知られないって事だ。これは出場するにしろしないにしろあるメリットだ。正直な所、ISでの戦闘力は俺はあんまし気にしていない。何故なら襲われるとしたら生身の時だから。堂々とIS纏って襲撃するなんざ自分の正体を明かしているようなもんだからな。それにそんな事が出来るってなると限られた組織でしか出来ない。国家ぐるみにしろそうでないにしろ簡単にバレちまうからな。街中で襲うなら間違いなく近接戦闘のプロになって来る。それか狙撃。狙撃でやられると手の打ちようが無いからどうしようもないが少なくとも素手での戦いとなったら負ける気がしないからな。でも考えてみろ。IS同士の戦いってのはステゴロ出来るか?殆どが銃火器を使うだろ。俺は使ったこともないし触ったこともない。刀なら一応使えるが、ブレオンは千冬だけで十分だろ」
長々と理由を説明すると一夏は難しい顔で悩む。
別に面倒だから出場したくなくて妹に押し付けようとかではない。断じて違う……と思う……
「確かにそうだけど……うーん……」
「それに、相手として出て来るのは間違いなく専用機持ちだろうよ。俺が勝てる見込みはあると思うか?」
「あるとは思うよ?でも、操縦時間とかを考えるとなぁ……結構厳しいかも」
「だろ?だったら完全に俺の実力を隠せる出場しないって選択の方が圧倒的に安全なんだよ。よしんば勝てたとしてもどうせズルをしたとか汚い手を使ったって言われるのが落ちだろうからな」
完全に消極的な考えだが少なくとも負けた時のデメリットを考えれば戦わないと言う方を取った方が安全かつ確実。
「ま、博打って事で俺が勝つってのに賭けるのもアリだ。そっちの方が今後色々とやりやすいのは確かだしな」
ここまで言って一夏は悩む。
こいつは頭が良いから色々と悩んでいるのだろう。
出ても構わないのだがさっきから言っている通り、リスクがデカい。出なくてもなんだが出て負けた時の事を考えれば……って事だ。
「想定されるのはほぼ確実に専用機持ちが出張ってくる事。それを前提条件として考えるとやっぱしキツイってのが本音だな。まぁやりようによってはいけなくもないけど」
一応そう言っておく。一夏が俺を出場させるか、それとも自分が出場するのかを選択出来るように。まぁでもキツイって言っている時点で答えを押し付けているようなもんだが、こいつはそんなことを考えずに答えを出す。間違いなく。15年間一夏の兄貴やってんだ、それぐらい分かる。
「………………お兄ちゃん、もし今私が出て欲しいって言ったらどうする……?」
「んぁ?んー……そうだな、ま、出るだろうな」
「なんで?」
「そりゃ妹に此処まで言われてんだ。此処で断ったら兄貴なんて笑える」
「それで……もし負けたら?」
この言い方からして俺が負ける訳が無いとか思っているんだろうなぁ……この妹は何故俺が勝てると確信しているのか分からんがまぁいいや。
「ハッ!出場するには負ける訳ねぇだろうが。そも、俺が負けて妹に恥をかかせられるかよ」
言い切ってやる。
なんせ俺はこの二人の兄貴なのだ。二人が勝てると言ったら俺は勝てるし負けると言っても勝ってしまうスーパーマンなのだ。
「そっか……よし!じゃぁ今回はお兄ちゃんに任せてもいいかな?」
結局俺になるんかい。
……ま、これも人生の山あり谷ありの一つって事か。
「おう。任せとけ。お前の兄貴が大活躍するところをしっかり見とけよ?」
「うん!」
という事で長きに渡る(3日)戦いは幕を閉じたのでした。
「そういや一夏」
「なーに?お兄ちゃん」
「なんで俺の事を無駄に信頼してんの?」
「何意味の分からないこと言ってるの?」
「そのまんまの意味」
「……まぁどうしてその考えが出てきたのか分からないけど、信頼してるのはお兄ちゃんだから。これだけで無条件に信頼できちゃうの。それにお兄ちゃんは、あの時たった一人で私の事を助けに来てくれたでしょ?」
「だからってよぉ……」
「いいの!お兄ちゃんだからなの!はいこれで納得して!」
「釈然としねぇけどまぁいいか」
ーーーーーーーーーーーー
「あ、それと知らないだろうから言っておくけど私もブレオンだからね?」
「え!?お前マジで言ってんの!?」
「本当だよ」
「マジカヨ……ここにもブレードオーガが居やがった……」
「千冬姉に教えておくね。お兄ちゃんが私達の事をブレードオーガって言ってたって」
「すみませんでしたお願いします止めてください死んでしまいます」
「ふふ……だぁめ」
「ウワァァァァ!!!」
突然の一夏ブレオン発覚に驚いて口を滑らせた挙句千冬にも報告されてしっかりと拗ねられてご機嫌を取るのにまた一苦労した。
妹心は難しいよ……
前書きでふざけているのにも関わらず本文はしっかりシリアスしていくとかいう訳の分からなさ。
しかもちゃっかりおふざけも入っていやがるもんだから質が悪い。
自覚はしているとも!反省はしていないがな!
一夏ちゃんがお兄ちゃんをヘタレ断定しているのは度重なる自分だけではないアピールを受けても一切そういう事が起きないから。
因みに作者はウェルカムよ!(もう逮捕されろよ)
あと今回結構グダグダと言うかこう、纏まってない感すっごいし、しかも短い……
けどこれが安定の独イモ納豆クオリティーって事で。
次回は今回結構シリアス?だったのに速攻でおふざけギャグに戻るとかいう高低差の激しい制作になっております。
お気を付けください。
作者は一切自重しませんので悪しからず。