自称クールな姪っ子にセクハラをするだけの話。 作:橘田 露草
くーさんこと露草です。
ごめんなさい、昨日寝落ちしてしまったためこちらに投稿できなかったです!
というわけで遅れましたが更新します。
「トモ、今日ウチ誰もいないから来なよ」
ある日の授業終わり。
私こと大谷智希は友人の男の子から声をかけられました。
彼の名前は笠原冬葉くん。
私はフユちゃんって呼んでいます。
私は今のフユちゃんの言葉を意味を考えます。
多分、というか今の言い方はわざとだから‥‥。
「ウチって‥‥どっちの?」
フユちゃんには家が2つあります。
1つはフユちゃんが実家って呼んでる家。
中高の放課後によく遊びに行きました。
あ、ちなみに今のフユちゃんの言葉の意味は『今日ウチに誰もいないから"遊びに"来なよ』だと思います。
お互い恋愛感情なんて1ミリもない癖にこの言い方はどうかと思います。
「別に実家に行ってもいいけど今からじゃ帰りが夜中になるよ」
「フユちゃんのおウチ、久々に泊まるねぇ」
「泊まる気かい。んなことになったら父さんたち同室に寝させようとするからダメ」
おじさんもおばさんもよく可愛がってくれたっけ。
『いつ冬葉と入籍するんだ?』って聞かれて『はぁ?』と答えたらなぜか引かれたんだっけ。
「私は同室でもいいよぉ?」
「僕が色々我慢できなくなるからダメ」
「フユちゃんがその‥‥シてる間は目を閉じてるから
!」
「ハハッ、コイツ聞く気マンマンやん。というか、同室までしといてセルフプレイなん?」
およそ異性間とは思えない会話ですが、小学生の頃からこんな感じなんです。
前はもっと無口で物静かな子だったんですけどね。
でも私は今の優しくてちょっと意地悪なフユちゃんが大好きだったりします。
「それなら‥‥私が手伝ってあげようか?」
「あ、ごめんトモ。僕背が低くて巨乳の子じゃないと無理だから」
「完膚なきまで私と真逆だよぉ!?」
やっぱり優しくないです!
超!超!ちょー意地悪です!
「むぅ〜!」
「いつまで怒ってるのさ?」
「フユちゃんが意地悪しない心優しい男の子になるまで!」
「マジか。じゃあ一生無理なんだけど」
「少しは改めようよぉ!」
線路沿い家までの道を缶ビール‥‥じゃなくて缶ジュースを片手に歩く僕と智希。
会話の中身はこの炭酸飲料の如く無果汁。
さっき自販機で僕が奢った(ここ重要!)のだが、機嫌を直すには至らなかったらしい。
ダ○ドーさんにはマジで120円返して欲しい。
「トモだから意地悪しちゃうんだ‥‥。トモのことが好きだから‥‥!」
「フユちゃん‥‥困ったら告白する癖やめようよ」
わーい、超真顔。
勘違いしてほしくないけど、テキトーに告白するのは智希に対してだけだから。
沙春ちゃんとか桜井先輩に告白するなら、高級ホテル貸し切りするまである。
「トモのことは大好きだよ。異性としてじゃなくて親友としてだけど」
「はぁ‥‥。私もフユちゃんのことはお友達として大好きだよぉ」
すごいね、お互い両思いだとわかったのに1ミリも照れが来ない。
そしてこれは許してもらえたのだろうか。
「あっ、でも!意地悪なフユちゃんはあんまり好きじゃないよぉ!」
‥‥許してもらえたのだろうか?
いや、許してもらえたと思おう!
ケンカ、イクナイ!
「で、おウチってフユちゃんが居候しているお姉さんのおウチなんだよね?」
「その通りだけど、居候って言い方はやめてくれる?」
私の問いに若干嫌そうな顔をしつつもフユちゃんが答えます。
そう言えば、とフユちゃんが口を開きます。
「トモはお姉ちゃんと会ったことあったっけ?」
「ないよぉ〜。フユちゃん家に行った時も会わなかったし」
フユちゃんと仲良くなった頃にはお姉さんはもう結婚して実家を出ていたみたいです。
もちろん女優さんであるお姉さんのことは知っていましたけど。
似てるなぁと思っていましたが、姉弟だと聞いた時にはびっくりしたものです。
「アレでも結構忙しいらしいから。個人的にはなんであんなのが人気あるかわからないけど」
「あはは‥‥結婚したい女優と結婚したくない女優の二冠殿堂入りだっけ?」
「そうそう。したくないの方を知らなくて事務所にお祝いのケーキ差し入れたら‥‥よそう思い出したくない」
お姉さんはフユちゃんと同じで飾らない性格です。
それだけに慕ってくれる人も多いですが、敵も多いと前にフユちゃんが言っていました。
でもフユちゃんとお姉さんはとっても仲良しです。
フユちゃんはお姉さんが出てるテレビを全然見ないから知らないかもしれませんが、たまにバラエティに出るとよくお話してるんです。
マイペースでめんどくさがりで天然タラシで‥‥そして、とても優しい"弟"の話を。
「‥‥ねぇ、トモ。何でそんな慈しむ目で僕を見てるん?」
「んーん、フユちゃんはやっぱり優しいなぁって♪」
「‥‥ならトモ、優しい僕に今日のパンツの色を教えなさい」
「白と黒のシマシマだよぉ〜」
「いや、言うんかい」