絶対転生特典間違えただろ   作:ナカタカナ

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 今回は自動車部の話です。

 普段十六夜が、彼女たちにどのように扱われているのか気になりますよね。
そして、あれ、ホシノの様子が・・・


カオスな自動車部

 アルトリアを召喚してから三か月が経った。

 

 アルトリアは「オカン食堂」の店主の嫁として知られることになった。

 

 エミヤ目当てで来ていた女性客は涙していたのだが、男性の方はというと更に美人が増えて喜んでいる。

中高生がバイトの募集はしていないのですか?と聞いてきたことがあったのだが断った。

 

 だって、明らかに下心丸出しだったし、生理的に無理だった。

 

 他に変わったことといえば、自動車部で徹夜することが増えたのだ。

理由は港に寄港したときに自動車工場の手伝いのバイトをしていたのだが(俺は荷物運びなどの力仕事だが)

あまりにも手際が良すぎて工場で働いている人からヘルプを貰い、徹夜してバイトをすることが多かった。

 

 原作ではそんなことは描写されていなかったのだがここも変わっているのだろう。

しほさんの家元就任が早かったのといい、明らかに俺やサーヴァントのせいだろう。

 

 話は変わるが歩兵の導入で少し問題になっていたことがあったのだが、それがついに解決された。

 

 地雷などの兵器は戦車だけに反応するように重さが1tを超えなければ反応しないなどの対策をしたり、

機関銃に使われる球はペイント弾を使用し万が一に歩兵に当たってしまっても打撲で済むようにしている。

流石に、頭に直撃はヤバいだろうがそこはヘルメットを使っている。

 

 ヘルメットにも戦車道で使われる戦車内の特殊なカーボンをコーティングしているため耐久力は市販されているヘルメットに比べ大幅に高くなっている。

 

 そのヘルメットは工事現場で働く人たちに大人気で戦車道連盟の懐に売れたお金はしまわれたとかなんやら。

 

 よって、高校生でも正式な歩兵の使用を許可されまた戦車道の大会で波乱が生まれることになった。

 

 そして、俺はいまどうしているかというと・・・

 

 「十六夜こっちにその部品もってきてぇ」

 

 「十六夜君、完成した部品持って行ってぇ」

 

 「十六夜ーなんか飲み物買って来てぇ」

 

 「十六夜君「なんだよッ」ヒャッ、い、いや、足元気を付けてって」

 

 「ごめんなさい」

 

 上からナカジマ、ホシノ、ツチヤ、スズキだ。

 

 三人が俺をコキ使うせいで俺の心配をしてくれたスズキに怒鳴ってしまった。反省反省・・・

 

 「はぁ、ほらオ口ナミンCだぞ」

 

 「サンキュー」

 

 「助かった」

 

 「ゴキュゴキュ・・・プハッ生き返った」

 

 「ありがとう、十六夜君」

 

 この通り化け物じみた自動車部だ。そんな奴らにコキ使われてる俺ってなんなんだ?

 

 「十六夜さーん、差し入れに来ましたよぉ」

 

 そんな下手な工場より工場しちゃってる、自動車部の部室に入ってきたのはうちの家族だった。

手にはエミヤが作ってくれたのであろう重箱がある。

 

 「あんたも大変ね、体壊すなんて間抜けな事しないでよ」

 

 ツンデレ台詞を吐いたのは邪ンヌだ。

 

 「あれ、なんで邪ンヌがいるの?」

 

 「別に、この子達だけで夜の学校に行かせるのは心配だったのよ」

 

 なんだかんだ言いながら邪ンヌも立派な姉をしている。ただ、もう少し素直になってもいいんじゃない?とか

思うが、ツンデレがあっての邪ンヌではないだろうか。少なくとも俺はそう思う。

 

 邪ンヌと沖田さんの他には沖田ちゃんとマシュも来ていた。

 

 「助かる。腹ペッコペコだったんだ」

 

 「皆さんもどうぞ」

 

 マシュがランチマットを広げて自動車部の部員に声を掛ける。といっても俺を入れて五人しかいないのだが。

三年生は既に受験勉強の為に引退している。先輩とはあまり話さなかったが間接的に俺をコキ使ってきた。

 

 「ねぇねぇ、この美人なお姉さんって十六夜のお姉さん?」

 

 ナカジマが邪ンヌを見て俺に聞いてきた。

 

 「まぁな、他にも五人いるけどみんなチョー美人だな。家族贔屓抜いてもそう思う」

 

 「へぇ、そうなんだ。噂は本当だったんだね」

 

 「噂って?」

 

 「あぁ、あれでしょ。逆廻の家は美男美女の家系だって奴」

 

 ホシノがそういうとみんなも知っていたようで頷いていた。

 

 「ちょっと、そんな風にいわれてるの家って?」

 

 邪ンヌは初耳だったのか驚いている。

俺も何回か耳にしたことはあったがそういうわけじゃないんだよなぁ。

 

 「家系っていわれても複雑な家系ですからね」

 

 マシュがそんなみんなの質問に返答する。

 

 「あれ、これって聞いちゃまずい奴だった?」

 

 「気にすんな。別にそんな大層な話じゃないしな。なんというか、気が付いたらみんながいたといえばいいのか?俺が物心ついたときにはみんないたからなんも思ってねぇし、ほんとの家族だと思ってる。

ただまぁ、お姉さま方が怖いな」

 

 「あんたそんなこといってるけど、私がいること忘れてないかしら?」

 

 邪ンヌが悪い笑みを浮かべている。どうせ、家に帰ったら師匠たちに言うのだろう。

 

 「まぁ、事実だろ。その分、優しいけど」

 

 「ッ・・・そ、そう」

 

 突然の不意打ちに照れる邪ンヌ、ツンデレ乙。

 

 「にしても十六夜も大変ねぇ、こんな美人ばかりで他の男から嫉妬の嵐じゃないの?」

 

 ツチヤが面白そうに訪ねてきた。

 

 「あぁ、そうだな。まぁ、突っかかってきても全員土下座させるけど」

 

 拳をパキパキ鳴らしながら獰猛な笑みを浮かべる。

 

 「十六夜さんがいえることじゃないですよね。小学校中学校とモテモテだったじゃないですか」

 

 沖田さんがツッコミ?を入れる。

 

 「そうかぁ、いやぁ、私も思ってたんだよね。十六夜って結構モテるんじゃないかって」

 

 ナカジマはホシノの方をチラ見しながらニヤニヤと笑う。

 

 「一度も告白とかされたことないんだがな」

 

 そうなのである。俺は生まれてこの方一度も告白されたことがない。(サーヴァントのみんなのからは抜いて)

正直、俺はそこそこイケメンの部類に入ると思う。なんたって十六夜様だからな。

 

 しかし、そんな浮ついた話題は耳にしない。ただ単に俺が怖い奴って思われてたせいだと思うがな。

 

 「ほんとですよ。沖田さん達で十六夜さんに近づく虫を処理するのはどれだけ大変だった・・・か」

 

 ハッと口を手で覆う沖田さん。

 

 もしかしてとは思ったがまさか本当にやってたとは・・・怖い。

 

 「うわ、沖田さん達そんなことしてたの?何、愛しの十六夜君がとられるのが嫌だったのかなぁ?」

 

 ツチヤが車でドリフトしているときの様な笑みを浮かべてボロを出した沖田さんに追い打ちをかける。

 

 「そ~ですよ。なんか悪いですか?斬ってないだけ、まだ優しい方ですよ」

 

 開き直った彼女はブンブン腕を振り回しながら顔を赤くさせている。

 

 「だ、だってぇ十六夜さんは沖田さんのモノなのにぃ」

 

 突然、腕を振り回すのをやめた彼女は涙をぽろぽろと流す。

 

 「あーらら、泣かしちゃった。十六夜君どうするの?女の子泣かせるなんてさいてー」

 

 ツチヤが悪い笑みからそれはもう真っ黒な笑みに昇華して俺をチラチラとみる。

 

 「はぁ、まったく」

 

 俺は沖田さんの近くに寄り頭を撫でる。

柔らかい髪からはシャンプーのいい匂いが放たれている。

 

 「ほんと馬鹿だな。少なくとも俺は告白されてもオーケーは出さないぞ。それなりに交流がねぇとな」

 

 「で、でも、みほちゃんやチョミちゃんはどうなんですか?」

 

 チョミちゃんとは千代美(アンチョビ)のことである。

 

 「あ、あいつらはまた別っていうか。告白されたら嬉しいけど、まだオーケーする気はねぇよ」

 

 「ほんとですか?」

 

 涙を拭い若干腫れた目で上目使いを発動する沖田さん。

 

 グハッ十六夜は9999のダメージを受けた。スキル即死回避を発動。

スキル回復を発動。スキル再生を発動。十六夜のHPは9999回復した。

 

 一瞬のうちに死にかけた俺はすぐに回復したがあの破壊力はヤバい。

無敵ガードしてても貫通してくる。

 

 「あぁ、今まで俺がお前らに嘘ついたことあったか?」

 

 「ありましたね」

 

 マシュが水を差す。

 

 「グスッ、友達の家に行くっていってみほちゃんの家に行ってました」

 

 沖田さんがまた涙する。

 

 「いや、みほは友達だからな。嘘じゃねぇからな」

 

 「ゲーセンに行ってくるといって女の子と遊んでました」

 

 「いや、確かにそんなことあったかもだけど、それはたまたまだ。ゲーセンで遊んでたらそうなっただけだ」

 

 「グスッ、グスッ。沖田ちゃんと仲良く勉強してました」

 

 「待て、それは違うぞ。あいつの日本史がとてつもないレベルで酷かったから見てやっただけだ」

 

 「十六夜さんは沖田さんのことが嫌いなんで「そんなわけないだろッ。あんまふざけたこといってるとその口

塞ぐぞ「俺の唇でな」なッ」へっ」

 

 沖田さんの発現に割り込むように俺が話すと更にツチヤが割り込んできた。

 

 「ほ、ほんとですか。是非塞いでください・・・ムチュー」

 

 タコの様に唇を尖らせた沖田さんがジリジリ寄ってくる。

 

 「ハムッ」

 

 「い、今はダメだ。恥ずかしいし、代わりにコレ食っとけ」

 

 「モグモグ・・・ヘタレ」

 

 カッチンと来たが言い返しはしない。事実だからだ。むしろ、きよひーのときの方がおかしいんだよ。

なんかあのときはグッて行けたのに、今は無理だ。

 

 やっぱり薬のせいなのかな?でも、俺からきよひーに求めたんだよな・・・かぁぁぁ

 

 「十六夜?何赤くなってんの?」

 

 先ほどまで静かだったホシノが暗い声で呟く。

 

 「い、いや、これは赤くなってるんじゃない」

 

 「ウソつかないで、リンゴみたいだよ」

 

 「どれどれ・・・うわっ、ほんとだあぁ」

 

 「あはは」

 

 「十六夜も結構可愛い所あるんだねぇ」

 

 ナカジマ、スズキ、ツチヤはホシノとは違い、普段見れない俺の顔を赤くする場面を面白がる。

 

 パシャとシャッター音がする。

 

 「ふふふ、あとでみんなに見せてあげないとね」

 

 悪い笑みをした魔女が携帯を持って撮った写真を俺に見せる。

 

 そこにはマジで耳まで真っ赤になった俺が映っている。

 

 「先輩、グッジョブです」

 

 マシュもなんだか良く分からないが興奮している。

 

 「十六夜さん可愛いです」

 

 右から沖田さんに抱き着かれ、左からホシノに抱き着かれる。

 

 「十六夜の・・・バカ」と小さく呟くホシノの声がパチパチと俺の視界をショートさせる。

 

 タンクトップであるがゆえに彼女の立派な胸が腕に当たり、更に視界が爆発する。

 

 バタッと俺は倒れて意識が沈む。

 

 「い、十六夜君?」

 

 「十六夜さん?」

 

 「あちゃぁ、意識飛んだわね」

 

 「何のんきなこと言ってるんですか邪ンヌさん」

 

 「今日は十六夜の面白いところを見れたね」

 

 「だねだね、ドリフトする並みに面白かったよ」

 

 「こらッ、十六夜君がかわいそうだよ」

 

 三人は相変わらずだ。ただ、ナカジマの性格が原作より黒い気がする。

そして、スズキだけが癒しだ。褐色癒し系少女・・・いい

 

 

 




 
 誤字報告ありがとうございます。変換ミスが多くて嫌になります。
 
 さてさて、もうホシノちゃん確実に十六夜君のことが好きでしょ。
そしてスズキ、苦労してるんだよな。

 沖田さん、ごめんね。もっと、十六夜君とイチャイチャさせるから。

 次回から原作突入します。

 次回、西住みほ大洗に立つ。お楽しみにね!

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