絶対転生特典間違えただろ   作:ナカタカナ

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みぽりん絶望する

 授業は終わり昼休みとなった。

 

 俺はエミヤが作ってくれた弁当を持ってみほの元へ向かう。

 

 みほに近くには既に五十鈴と武部がいた。

 

 「みほ、食いに行かねぇか」

 

 「あれ、十六夜君と西住さんって知り合い?」

 

 「うん、幼馴染なの」

 

 武部の質問にみほが答える。

 

 「そうなのですか」

 

 「あっ、十六夜君ごめん、もう誘われちゃってて」

 

 「あのぉ、もしよろしければ逆廻君も一緒にどうですか?」

 

 「そうだな、まぁ、あとから増えるかも知んねぇがいいか?」

 

 「増えるって・・・あぁ、なるほど」

 

 「いいですよ。西住さんもいいですよね」

 

 「私はいいけど増えるって「沖田さんたちだよ」あぁ、うん。いいよ」

 

 俺達は食堂に向かう。

 

 食堂には多くの生徒がおり、テーブルもかなり埋まっている。

 

 「席取っとくから、待ってるぞ」

 

 「あ、うん。ありがとう十六夜君」

 

 俺は空いている席を確保するべく少し早足になる。

 

 

 

 

 

 

 「ねぇ、ねぇ」

 

 「どうしたの武部さん?」

 

 「あれ、私名前教えたっけ?」

 

 「武部沙織さん、六月二十二日生まれ。五十鈴華さん、十二月十六日生まれ」

 

 「誕生日まで覚えててくれたんだ」

 

 「クラスのみんなと友達になれるように」

 

 「へぇ、それでさ。十六夜君って昔からあんな風なの?」

 

 武部はみほに質問した。

 

 「あんな風って?」

 

 「問題児って奴。優しいのは分かるけど」

 

 「そうですね、逆廻君って優しいですけど授業があの様子で・・・」

 

 「アハハ、直ってないよね」

 

 「ってことは昔から?」

 

 「そう、基本優しいけど急にイジワルになったりカッコよくなったりコロコロ変わるの」

 

 みほは小学生時代を思い出して噴き出す。

 

 「やっぱりそうなんだぁ~それで西住さんは十六夜君に惚れてるの?」

 

 「なッ、な、な」

 

 「その反応を見るとあたりみたいですね」

 

 五十鈴がふふふと笑う。武部は目を輝かせている。

 

 「べ、別に十六夜君のことは好きとかじゃないけど・・・その、困ってたら助けてくれるし。遠くにいても助けてっていったらすぐに来てくれるし、確かにカッコいいけど、でも、やっぱり」

 

 「はいはい、ごちそうさま」

 

 三人は十六夜が確保した席に戻るまで仲良く話す。

 

 その途中で名前呼びに変わった。

 

 「遅かったな」

 

 「うん、ちょっとね」

 

 「十六夜君って食堂で食べるの初めてじゃない?」

 

 武部がいったことで初めてそういえばと思う。

 

 「確かにそうだな。アレだ、去年は俺しか男子がいなかったから食べづらかったんだ」

 

 「あぁ、なるほど」

 

 「それは大変ですね」

 

 「えっ、そうなの?でも、今はたくさん」

 

 「俺以外の男子は全員一年だぞ」

 

 弁当の包みを開けているとみほが顔を覗き込ませてきた。

 

 「ねぇねぇ、その弁当ってエミヤさんが作ったの?」

 

 「あぁ」

 

 「・・・ゴクリ・・・」

 

 「食べたいのか?」

 

 コクリ、コクリと頷くみほは可愛すぎる。小動物を彷彿させる。

 

 俺は二ヤリと嗤う。

 

 「だし巻き卵でいいだろ」

 

 「うん、むしろそれがいいです」

 

 見ての通りみほはエミヤの飯にベタ惚れしている。

 

 「はい、アーン」

 

 俺は優しい笑み(俺の中では)を浮かべみほの口元にだし巻き卵を運ぶ。

 

 「えっ、は、恥ずかしいよぉ」

 

 顔を赤くさせるみほだったが諦めたのか素直に口を開けた。

 

 「あ、アーン」

 

 そして口に出し巻き卵が入る直前に・・・

 

 パクリと()が食べる。

 

 「へっ・・・かぁぁぁ」

 

 しばらくたって事態を理解したみほは耳まで赤くなると下を向く。

 

 「ごめんごめん、ついからかいたくなっちまって」

 

 「うわぁ、十六夜君ってドSだね」

 

 「あ、あれが伝説のアーンからのやっぱなしですか・・・初めて見ました」

 

 二人は戦慄しているのだが俺がやっていることはそんな大層な物ではない。

 

 「な、なぁみほ?」

 

 俺が顔を覗き込ませるとプイッと違うところを見る。

 

 「なぁ」

 

 プイッ「なぁ」プイッ「悪かったって」プイッ「ごめんなさい」プイッ

 

 「アハハハハ」

 

 「フフフフフ」

 

 武部と五十鈴が突然笑い出す。

 

 「な、なんだよ」

 

 「いやぁ十六夜君が珍しくやられてるなって思って」

 

 「お二人は仲が良いのですね」

 

 「仲がいいのはアレだが、いっとくがみほは昔ちょーやんちゃだったんだぞ」

 

 「えっ、うそぉ」

 

 「そうなのですかッ」

 

 「い、十六夜君ッ」

 

 「そうだぞ、休み時間の度に俺が寝ていると腕を引っ張ってあちこち走り回った。今は大人しいが

昔は俺よりもやんちゃしてたぞ。俺は精々授業中に寝るくらいだったが」

 

 「も、もう十六夜君のばぁかぁ~」

 

 ポンポンと俺の肩を叩くみほの姿が実に可愛らしい・・・って何回目だ可愛いっていうの。

 

 「旦那様ぁ」

 

 そんななか、きよひーたちが現れた。

 

 「あれ、みほちゃんじゃないですか?なんでここに」

 

 「久しいの。元気だったカ」

 

 「みほではないか。二年ぶりくらいか」

 

 「二年前の三月に会った以来だな」

 

 五人がみほの顔を見て驚く。無理もない。俺がいっていなかったからだ。

 

 「久しぶり。私、今日から大洗に通うことになったの」

 

 「そ、奏者はやらんぞ」

 

 ネロのせいでカオスになってしまう。

 

 「はいはい、そこまで。きよひーたちも昼食べに来たんだろ。武部、五十鈴悪いが「「良いよ(ですよ)サンキュー。ほら、ここ座って。久しぶりなんだから積話もあるだろう」

 

 またサーヴァントのみんなが暴走しないように俺が指示する。

ほんと、何が急に起こるか分からないからな。気は抜けん。

 

 ここから先は俺の胃に穴が空きそうなので聞かないでくれ。ただいえることは女子が集まるとうるさいだ。

 

 

 

 

 このあとは原作通りに進み、俺がお手洗いに行っている間に会長たちが来たみたいでみほの目が死んでいた。

ハイライトが消えた瞳というよりいつぞやのドッヂボール大会で佐藤が見せた死んだ目だ。

ぼっちで目の腐った少年並みの・・・いや、流石にあれよりマシかくらいには死んでいた・・・目がな。

 

 

 

 

 

 授業が全て終わりあとはHRだけとなったときに生徒会の放送が流れ、全校生は体育館に移動した。

ここでもやはり原作通りに戦車道のオリエンテーションが行われた。

 

 ただ違うのは歩兵の説明も行われた。

 

 俺は戦車道を選ぶつもりだ。昨年の弓道ではただの的当てにしかならんかったからな。

というか十六夜の視力が良すぎて普通に見えるのだ。矢だってちょっと力を強くし過ぎると的が粉々になるし

大変だったんだぞ。

 

 放課後になり、自動車部に向かった俺は会長がナカジマとなにか話していた。

 

 「十六夜ちゃん、やっときた」

 

 会長が俺を見つけるとすぐによってきた。なんか嫌な予感が・・・

 

 「やっと来たってなんですか?」

 

 「えっとねぇ」

 

 「何か御用ですか?」

 

 「実はね、久津輪先生が泊まるはずだったホテルの予約がちゃんと取れてなかったみたいで」

 

 「それで」

 

 「十六夜君って実家に住んでるだろ。だから、今日一日だけ先生を泊めてあげて欲しいんだよ」

 

 「・・・はぁ、わかりました。良いですよ」

 

 「えっ、マジ?七割冗談だったのに」

 

 「みゃー先生にはお世話になりましたし、うちの家族だって先生だったらいいっていいそうだからな」

 

 「じゃあ、頼むよぉ。先生には自動車部に来てもらうように言っとくから」

 

 そういってあの腹黒ツインテールは干し芋を齧りながらゆっくりと歩きだす。

歩く姿はまるでラスボスのようだ。というか白夜叉ポジは会長で決定だな。

 

 「十六夜ぃぃぃ、これそっちに運んでぇ」

 

 「あっ、これもお願い」

 

 「はいはい、わかりましたよ」

 

 今日もまたコキ使われる俺ちゃん可哀想だ。

 

 ちなみにだが、自動車部に入部希望だった新入生は何人かいたのだが、全員、ナカジマたちの手際を見て

引いていた。

 

 「す、すみません。僕にはちょっと」

 

 「私も少し・・・」

 

 こんな感じで全員辞めた。

 

 十六夜は知らないが一番引かれていたのは十六夜である。

何十キロもの荷物を同時に三つも四つも軽々と運ぶ彼に全員引いたのだ。

 

 しかも、車の車体を浮かせる姿をみたものはあの人には逆らわないという共通の常識ができた。

 

 

 




 あまり進まなかった。

 まぁ、次回も似たようなもんだろうと思う作者。

 誤字脱字報告ありがとございます。

 感想待ってるね。面白かったらお気に入り追加ヨロ

 次回 四年ぶりの家庭訪問 お楽しみにね!

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