前回のあらすじ
ダー様に勧誘される十六夜氏
断ったつもりだったがダー様特有の
「こんな格言を知っていて、イギリス人は恋愛と戦争において手段を選ばないの」がさく裂したァァァ。ってかあんた日本人でしょ。
どうなる十六夜・・・
ダージリンたちとお茶会をしているとすっかり日が暮れてしまった。
おそらく、五十鈴の家での騒動は既に終わってしまっているだろう。
まぁ、俺みたいな問題児が五十鈴と一緒にいたら、それはそれでまた別の心配をされてしまうから良かったのだろうが。
「「「「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」」」」」
学園艦の近くに戻った俺なんだがサーヴァント達とチームメイトに睨まれている。
「十六夜君、あの人とはどういう関係かな?かな」
みほの瞳にはもうハイライトがいない。最近仕事サボり過ぎじゃないかね。
他のみんなも同じだ。
「知り合いだって、お前らは覚えてるだろ。朱美ちゃんだよ。朱美ちゃん」
「えぇ、覚えてますよ『あのクソアマ』」
「忘れるわけがない『あの女ぁ』」
「カカッ『おいたがすぎねぇか』」
「・・・『あの紅茶に毒を混ぜて』」
「浮気はだ・め・で・す・よ『シャァァァ』」
「にしても随分楽しそうじゃったな『鍛錬のメニューをきつくするか』」
「あらあらまぁまぁ『彼女が朱美さんでしたかフフッ』」←怒ってはいません。
「懐かしいですね『でも許しません』」
「鼻の下なんか伸ばしちゃって馬鹿じゃない『あの女は絶対殺す』」
「先輩・・・『先輩は悪くありません。悪いのはあの女です』」
「随分と美少女になったモノじゃ。是非とも余のハーレムに加えたい『そうすれば奏者は余だけを見てくれる』」
「お姉様としては弟君の色恋沙汰には興味があるのよね『まぁ、私が一番なんですけどね』」
ちなみに、十六夜には内心で思っていることはなんとなく伝わっております。
伊達に十年ちょっとも一緒に生活してない。
「十六夜・・・強く生きろ『なんでさ』」
「昔のシロウを思い出しますね『でも、今は私の独り占めです。十六夜、本当にありがとうございます』」
「むっ『お兄ちゃんが居るのに女なんていらないでしょ』」
エミヤとアルトリアはいつも通りラブラブだ。にしてもアストルフォよ、君はまだ優しい部類なんだね。
できればそのままでいてもらいたいのだが・・・無理だな。
そんな時だった。
「西住隊長戦車を放り出して逃げてしまいすみませんでした」
「「「「「すみませんでした」」」」」
ウサギさんチームの謝罪があった。
全員を見ると顔つきはガラっと変わり、大人びている。
「よし、お前らはあとで軽く説教な」
いい感じで終わりそうだったが俺がそこへ入り込む。
「「「「「「・・・はい・・・」」」」」」
「い、十六夜君ッ」
「それは流石に」
「厳しくないですか」
「逆廻殿いくらなんでも」
みほ、武部、五十鈴、秋山が俺を止める。
「そんで、説教のあとは反省会して次からは西住たちをサポートできるようにならねぇとな」
「「「「「「はいッ」」」」」」
ショボーンとした雰囲気から一気に明るい表情に変わりいつも通りのウサギさんチームに戻った。
まだウサギさんチームという名は決まっていないのだがな。
「「「「「「「「「「「十六夜の反省も一緒にしようか」」」」」」」」」」」
今度こそいい感じで終われそうだったのだがそれだけでは終わらせてもらえないようだ。
ダージリンたちからの紅茶も届いており、手紙は二通入っていた。
一枚はアニメと同じ内容だったが、問題はもう一枚の方だ。
『うふふ、楽しいお茶会でしたわ。もう少し待っていてくださいね。必ず十六夜さんを私たちの学園に転入させますから・・・西住さんには負けませんのよ・・・』
とまぁ、綺麗な字で綴られており、読んでいるこちらが恥ずかしくなってしまうような内容だった。
『最後に恋は二人のエイゴズムだ。ふふ、そのお二人が誰かはもうお分かりいただけましたわよね』
手紙の最後にはダージリンのメールアドレスと口付けがあった。
もうこれ、ラブレターだよね。
やっべ、人生初の(前世も含め)がダージリン様からなんて・・・俺ってば超幸せ者じゃね。
でもね、背後にいる可愛くて怖い鬼たちから殺されそうになってるんだ。
さて、あれから数日が経ち俺はアンツィオ高校に来ている。
理由は簡単、千代美がうるさいからだ。
毎晩のように「早く来てくれ」とか「ま、待ってるからな」とか送られてくるんだ。
ということでようやくアンツィオ高校にこれたのだがすごかったよ。色々と・・・
いや、アニメでも学園祭みたいな雰囲気が目立っていた学校だったのは分かるが実際に見ると何倍も驚く。
あちこちから良い匂いが漂い、CV33だって走り回っている。
建物はどれもローマを模しており、ネロと一緒に来ても良かったなと若干後悔する。
ちなみに、今日は普通に学校なのだが会長にアンツィオに偵察に行ってくると伝えてある。
会長は「あぁそう、どうせ全国大会であたるかもしれないし丁度いいや。うん、お願いね」とのこと。
まだP40はないのだがそれでも偵察する価値はあるだろう。
なんたってドゥーチェがいるのだからなッ。
そして、俺は千代美に指定された場所(トレビーヌの泉)で千代美を待っていた。
周りにはカップルが多くみられ、明らかにこの学園の生徒ではない一般の人もたくさんいた。
近くのベンチに腰掛けしばらく待つ。
待つこと十分が経ち
「おーい十六夜」
やっとドゥーチェの到着だ。
まぁ、ドゥーチェだって忙しいだろうからな、この程度では怒ったりはしない。
むしろ、俺の方が客として邪魔してるんだ。すまないとさえ思ってしまう。
千代美の後ろを見てみるとペパロニとカルパッチョらしき人物も見えた。
「ほへぇ~この人が姐さんのいってた十六夜さんっすか」
「カッコいい殿方ですね」
今回は聖グロのときと違い純粋に褒められているようだ。
「ヤハハ、逆廻十六夜だ。十六夜でいいぜ。ペパロニさんとカルパッチョさんだろ。いつも千代美、アンチョビから話を聞いてるぜ」
「ほんとっすか」
「そうでしたか」
「頼りになる後輩だってさ」
「なっ、い、十六夜なにをいってるんだぁ」
「ヤハハ、にしても久しぶりだな」
「う、ゴホン、そ、そうだな」
千代美とこうして直接会うのは五年ぶりだな。テレビ電話とかはしなかったがまぁほぼ毎日電話、メールのやり取りをしていたので久しぶりという感覚はないがな。
「今日は男としての意見を聞かせてもらいたいんだが」
「おう、任せろ。俺はお世辞が下手だからな。思った事はなんでも口にしてやるぜ」
「兄さんもノリがいいっすねぇ」
「呼び捨てでいいぞ。かのアンツィオのペパロニから兄さん呼びというのは恐れ多いぜ」
「おっ、私も有名になって来たんですかね」
「そういやカルパッチョは貴子と友達なんだよな」
「タカちゃんを知ってるんですか?」
カルパッチョの食いつきがすごい。
「ま、まぁな」
あまりの勢いの良さに俺も仰け反ってしまう。
ていうかカルパッチョって絶対百合でヤンデレだよね。
某俺の妹がこんなに可愛いわけがないで有名なあのヤンデレちゃんの声してんだもん。
他にもお兄様大好きっ子な黒髪ロングな美少女魔法師だったり、幼馴染の少年が厨二で会話の内容が分からないことでぶち切れてしまった鳩子ちゃんだったり、奉仕部の部長さんだったりするカルパッチョだぞ
「タカちゃんは元気ですか?」
「あぁ、元気にしてるぞ」
「そっかぁ」
「あぁ・・・ゴホン」
アンチョビがせき込む。
「おっ、わりぃわりぃ、じゃあ今日は案内頼むな」
「歓迎するぞ十六夜。じゃあ、このCV33に乗ってくれ」
こうして、俺のアンツィオ高校ツアーが始まった。
やっとでてきたみんな大好きドゥーチェアンチョビだ。
次回からドラマCDの内容を参考にしたオリジナルストーリーです。
誤字報告ありがとうございます。
感想待ってます。
ではまた次回お会いしましょう。
せーの!パンツァーフォー