絶対転生特典間違えただろ   作:ナカタカナ

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 前回、冷泉がメインヒロインしちゃってるぅとか思った人もたくさんいるでしょう

 私は知りません。十六夜君に聞いてください。

 どうしてこうなった・・・


あんた正気かッ

 冷泉のばあさんが意識を取り戻し二時間が経った現在の時刻は午前九時過ぎだ。

 

 ばあさんは目が覚めるなり、ほんとにさっきまで意識なかったのかよといいたくなるくらい元気なばあさんだった。

 

 昨晩までの落ち込んだ様子とはすっかり打って変わりいつもの冷泉に戻っている。

というか、いつもより表情の変化が多い。可愛いからいっか。

 

 「それよりもあんた、遅刻何てしてないでしょうね」

 

 「し、してない」

 

 「ほんとかい?」

 

 「い、十六夜が迎えてに来てくれる」

 

 「はぁ~、あんたもあんまりこの娘を甘やかさないでもらいたいもんだよ」

 

 「いいじゃねぇか、それに、迎えにいっても最近は自分で起きてるみたいだしな」

 

 「あんたがかい?」

 

 「うん」

 

 そうなのである、前までは迎えにいっても起きていないことがほとんどなのだが最近は自分で起きており、朝食も済ませていることがある。それを沙織に話したときはどんなにビックリされたことか・・・

 

 「にしてもあんたはこの娘の彼氏なのかい?」

 

 突然、じっくりと俺の顔をみたばあさんはそんなことをいった。

 

 「ヤハハ、残念だが違うな」

 

 「そうかい、じゃあ、なんであんたはこの娘にこんなに構うんだい?」

 

 先ほどから質問しかされていないような気がしてくるがなんと答えたもんだか・・・

 

 「そうだなぁ~というか可愛い女の子がいたらほっとけないっていうのが男の性なんじゃないか?」

 

 「かわっ」

 

 「こんなに不愛想なこん娘が可愛いだって?」

 

 若干口元を二ヤリと上げたばあさんがさらに質問する。

そして、冷泉はというと顔を赤くさせている。いやぁ、見てて癒される。

 

 「不愛想だって?そんなことはねぇよ。スイーツとか食ってるときの表情とか滅茶苦茶ニコニコしてたりするしな。ばあさんが倒れたって聞いたときのこいつの表情を見てるとな不愛想だなんて思わねぇよ。こんなにばあさんのことを大事に思ってるんだ。不愛想なんてことは絶対ねぇよ」

 

 「随分とこん娘のことをしったような口ぶりだね」

 

 「そうだな、出会って一年と少しだがその間のことなら知ってるぜ」

 

 「はぁ~分かった。あんた将来この娘と結婚しなッ」

 

 「・・・はぁッ?」

 

 「お、おばあ」

 

 「えっ、おばあちゃん?」

 

 この病室にいた俺と冷泉、沙織はばあさんの言葉にビックリどころか度肝を抜かれる。

 

 「け、結婚って」

 

 「なんだい、嫌なのかい?」

 

 「まさか、で、でも冷泉だって俺なんかじゃいやだろ」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 あ、あれぇ~返事がないぞぉ、あっ、そっか。返事がいえないってことは俺を傷つけないようにしてくれてるんだろ。そうなんだろ。なんだぁ~いつにも増して優しいな。

 

 「嫌・・・ではない」

 

 「ほう」

 

 「なっ」

 

 「ちょっと、麻子ッ」

 

 小さい声ではありながらも嫌ではないといった冷泉は顔を真っ赤にさせて手で顔を隠した。

それからもじもじとしている。なんだこの萌えキャラはッ可愛すぎんってそうじゃなくて・・・

 

 「こん娘もこういってるしあんたも覚悟決めな」

 

 「ちょ、待てよばあさんッ。あんた正気か?こんな問題児に可愛い孫娘を渡して」

 

 「あんたなら信用できる。確かに見た目はチャラチャラしてるが・・・いい目をしてる」

 

 わーい、あの頑固なばあさんからお褒めの言葉を貰ったやったね・・・じゃなくてさぁ

 

 「私の孫じゃあ不満かい?」

 

 「なわけねぇだろ。俺にはもったいねぇくらいに魅力的な女の子だ。だ、だから、その、気が早いし」

 

 「男だったら漢を見せな」

 

 「だ・か・ら・早いっつってんだろぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

 コンコン、ガチャリと病室の扉が開きみほたちが入ってきた。

 

 「失礼します」

 

 「あっ、華にみぽりん、ゆかりんも」

 

 花束を持った五十鈴を先頭にみほと優花里も入ってくる。

まさか、さっきの会話聞かれてたんじゃ・・・

 

 「なんだいあんたらは?」

 

 「戦車道一緒にやってる友達」

 

 「戦車道・・・あんたがかい?」

 

 冷泉の説明を聞いたばあさんはみほたちの方を見る。

 

 「西住みほです」

 

 「五十鈴華です」

 

 「秋山優花里です」

 

 「私達、戦車道の全国大会で一回戦勝ったんだよ」

 

 「一回戦くらい勝てなくてどうするんだい」

 

 ヤハハ、相変わらず頑固なばあさんだ。

 

 「で、戦車さんたちがどうしたんだい?」

 

 「試合が終わったあと、おばあが倒れたって聞いて、それで心配して」

 

 「私じゃなくてあんたを心配して来てくれたんだろ」

 

 「ありがと」

 

 「もっと愛想よくいえないのかいッ」

 

 「ありがとう」

 

 とまぁ、ばあさんの怒鳴り声が病室内に響きわたる。

 

 「逆廻君はどうやってここに来たの?」

 

 「海の上を走ってきた」

 

 「まだ、その設定残ってたんだ」

 

 五十鈴の質問に事実をいったのだが沙織はまだ信じてないらしい。まぁ、仕方ないか。実際に海の上を走っているところを見せでもしないと信じないだろう」

 

 にしても、どうやら見た限りではさきほどの会話は聞かれていないらしい。

冷泉の方をチラッと見るとまだ若干頬が赤く染まっているが何も無かったかのような感じだ。

 

 「あんたも、もう大丈夫だからこんなところで油うってないで、戦車に油刺してな」

 

 「だから怒鳴ったらまた血圧上がる」

 

 「なにいってんだい。もう大丈夫だって」

 

 ほんと元気なばあさんだな。でも、見たところ体の方は相当悪いそうだが・・・

 

 「ほら、もう帰り」

 

 そういって全員を部屋から追い出した。

 

 「さて、帰るか・・・」

 

 全員帰ったのだが俺は一度トイレに行ってくるといってばあさんの部屋に訪れる。

 

 「ようばあさん」

 

 「なんだい、まだいたのかい?」

 

 「おう、それより体の方、ほんとは大丈夫じゃないんだろ」

 

 「だったらなんなんだい?」

 

 「ちょっと待ってろ」

 

 そういって、俺はジャンヌに渡されたちょっとした魔術が付与されたお札をばあさんの腕に張る。

 

 「なんだいこれは?」

 

 「魔法の札だ。これを一時間張ってろ。そしたらあら不思議、体は完全に治ってる。まぁ、騙されたとおもって張ってろ」

 

 「こんなんで治るわけないだろうが」

 

 「ヤハハ、お守りだとでも思って張ってろ・・・剥がすなよ」

 

 「ッ・・・分かった分かった。それで、さっきの話の答えはどうなんだい?」

 

 「だから、まだ早いっていってるだろ」

 

 「締まらないねぇ」

 

 「なぁ、ばあさん。退院したら冷泉と一緒にうちに来ないか?」

 

 「なにいってんだい」

 

 「幸い、うちは部屋が余ってる。人体の知識を持った姉もいる。冷泉もばあさんも一緒にいられる」

 

 「ならなんであの娘と結婚してやらないんだい?」

 

 「・・・その話は大学を卒業してからにしないか、アイツだってきっといい人を見つけるはずだ。今かってに決めてもアイツに悪い」

 

 この話は冷泉がいるときにしたほうがいいだろう。

 

 「そうかい、あの娘のこと頼んだよ」

 

 「あぁ、ばあさんも絶対に札を剥がすなよ」

 

 そういって、部屋から退出した。そして、今度こそみほたちと合流して帰る。

 

 

 

 

 

 

 「麻子さんのおばあさん思ったよりも元気で良かったね」

 

 「なんか、冷泉殿が単位が欲しい絶対留年できないっていう気持ちがわかりました」

 

 「うん、卒業して早くそばにいてあげたいみたい」

 

 「それより十六夜君はどうやってきたの?」

 

 「だから海の上を走ってきたって」

 

 「ほんとなの?」

 

 「あぁ、なんだったら今度見せてやる」

 

 まだ、俺の話を信じていない四人の視線が痛い(冷泉は寝ております)

 

 「そういえば武部殿の十六夜殿への呼び方が変わっているような・・・」

 

 「えっ・・・そ、そんなことないよぉ」

 

 「なんか怪しいです。さては何かありましたね」

 

 「なにもないってぇ~」

 

 とまぁ、ちょっとしたハプニングが起きたが無事に大洗へと変えることができた。

 

 

 





 どうしてこうなった・・・

 いや、十六夜君モテモテすぎんッ少しそのモテモテ要素を分けて欲しい。

 次回、転入生

 せーのっ!パンツァーフォー

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