さて、再び登場した姐さん・・・
「お前こそなんでこんなところにいるんだ?」
「私がどこにいようと勝手だろ。まぁ、強いていうなら」
鳴瀬は俺の傍まで寄ってくるとニヤリとあのときの戦い?喧嘩で見せた獰猛な笑みへと変わる。
「私の男がここにいるからだ」
すぐに俺はコイツから離れて沙織やウサギさんチームの背後へと隠れる。
「せ、先輩ッ」
「十六夜君この人誰?」
「なんか怖そうな人です」
うん、大まかな感想はそれであってる。怖い。
「でも、なんか先輩が可愛く見えます」
「あぁ、分かる」
澤さんッ山郷さんッなにいってんの。
「そんな逃げなくてもいいじゃないかい。ふふふ」
ジリジリと俺の元へとくる鳴瀬。
「ちょ、ちょっと十六夜君が怖がってるから」
沙織が俺と鳴瀬の間へと入る。
「あんたは誰だい?」
「私は沙織、あなたこそ十六夜君のなんなの?」
「私はこいつの女だ」
「えっ」
「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ」」」」」」
「いや、違うからッ」
「つれないねぇ」
「なんだ」
「「「「「ふぅ」」」」」」
安心したかのように息を吐いている。いや、どこに安心する要素があったんですかね。
「まぁいいや、それでなんでここにいるんだい?」
「ちょっと道に迷ってな」
「へぇ、あんたも可愛い所あるじゃない」
「うるせぇ、お前こそ早くどっか行けよ」
「やだね、折角あんたがいるんだ。私もちょっくら混ぜてもらおうじゃないか」
こうして、先日であった時よりも若干丸くなったように感じる鳴瀬がこの場にいる俺以外と仲良く談笑し始めた。
話していて分かったが、俺があいつらをボコったあと、男女ともに風紀委員になったそうだ。
鳴瀬はどうかというと溜まる場がなくなり、船底をブラブラするようになったようだ。
「へぇ、小さいのに根性あるじゃないか」
「えへへ、そうですかぁ~」
なんかウサギさんチームがなついてるし。
「アキラ姉さんは先輩のことが好きなんですか?」
大野なんかアキラ姉さんとか呼んじゃってるよ。
「そうだね。十六夜は私が会った男の中で一番の男だね」
「キャァァァ」
「うるせぇなッ。というかマジで帰れよ」
「いいじゃないですか先輩」
「そうですよ、怖い人かと思ったら結構いい人でした」
「あい」
「・・・・・・」
駄目だこれ、完全に懐柔されてるよ。
沙織はまだなんとか警戒しているようだが、この調子じゃいつ懐くか分からないな。
「そうですよ、アキラ姉さんも一緒に戦車道しましょうよ」
「喧嘩強いんでしょ、きっと先輩と同じく歩兵として活躍できますよ」
「それは面白そうな話だね」
「先輩って、私達になにかあったら守ってくれるんですよ」
「そうそう、なんだかんだいっても必ず私達を守ってくれるんだもんね」
嬉しい事をいってくれるのだが、今はそんなことどうでも良くなってくる。
鳴瀬が歩兵として入ってきたら確実にうちの家族と喧嘩になるだろう。そうなれば、鳴瀬に命はあるのだろうか?
「へぇ、だったら私のことも守ってくれるのかい?」
「い、一応(うちの家族から)守ってやる」
「・・・なかなかやるじゃない。不覚にもキュンって私の女が疼いたわよ」
「疼かなくていい。おっ、どうやら救助隊が来たようだぜ」
「お~いっ」
みほの声が聞こえてくる。声は少しずつ大きくなり、ライトの光も強くなる。
「助かったぁ」
「うわーん、怖かったです先輩」
「あっ、あやちゃんずるい」
「わ、私も怖かったなぁー」
「・・・怖かった」
「ここは私も・・・怖かったです」
「ふふふ、この状態ならあんたも動けないでしょう」
ウサギさんチームの全員と沙織が俺に抱き着いてきたと思ったら鳴瀬までもが俺に抱き着いてきた。
どういう状況だよこれっ、なんかいい匂いする。鳴瀬も先日まで漂っていた煙草の臭いがなくなりフルーティーな臭いがしている。よく見るとルージュもしていない。
不良グループの姐さんから一転して普通のクールな美女へとジョブチェンジしていた。
いや、中身はあんまり変わっていないのだが。
それよりもだ・・・
「十六夜君モテモテダネ」
「十六夜殿」
「逆廻君」
「十六夜・・・」
やめて、そんな目で見ないでッ。みほと冷泉に至ってはハイライトがない。
いや、もしかすると暗いから見えないだけかもしれないが・・・
あと五十鈴さん、そんな不潔な物を見るような目で見ないで。
俺はなにもしてませんから。こいつらが勝手に抱き着いて来てるだけですから。
でもまぁ・・・怖かったのは事実だろうし。
全員の頭を撫でてやる。
「きょ、今日だけだからな」
「先輩・・・」
「デレた?」
「ツンデレですね」
「なんか撫でるのうまくない」
「・・・・・・」
「あわわわわ、な、撫でられた」
「私は撫でてくれないのかい?」
いかにも私も撫でろよという雰囲気を出す鳴瀬を見て溜息を吐く。
「・・・・・・」
ただただ無言で少しだけ撫でてやった。
別に撫でなくてもいいのだが、ウサギさんチームの視線が痛い為仕方なくだ。
「十六夜君ナニシテルノ」
「十六夜ソノオンナハダレダ」
うん、きっと暗いからだ。ハイライトが完全になくなってるなんてことはない。
にしても冷泉よ君もいつからこんなことになってしまったんだ。
「とりあえず・・・不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
俺はツンツン頭の少年のお得意のセリフを叫んだ。
無事救助された俺達は学園へと戻った。
はぁ、早く家に帰ってきよひーたちに癒されたい。
そうと決まれば早速家に帰って癒されよう。
こうして、俺は家に帰り最近ヤンデレが発動しにくくなった可愛い可愛い癒しであるきよひーと久しぶりの嫁道にてさらに嫁力が上昇したネロと同級生組は勿論、お姉ちゃんズ+母さんに癒してもらった。
「旦那様ぁ、膝枕は気持ちいですか?」
「最高です」
「十六夜さん、これどうぞ」
「ありがとう沖田さん、それでこれは何かな?」
「精力剤です」
「そーい」
沖田さんから渡された精力剤と書かれた瓶を投げる。
「十六夜、これを食べろ」
「今度は何かな?」
「マムシの丸焼きだ」
「うん、臭くて食べられないよ」
「そ、そんなぁ~」
沖田さんに変わり沖田ちゃんがなんともいえない真っ黒の物体を渡してきた。食べれないといったら泣かれてしまったので渋々食べることにした。
「い、十六夜」
「その、なんだ、今度は臭みを取ってくれ、あと、マムシはいらない」
「わかった」
なんとか了承してくれたようだ。
「先輩、肩もんであげます」
「余からも十六夜にプレゼントじゃ」
「あらあら、うふふ、母からもご褒美です」
「さぁ、弟君、愛しのお姉さまに甘えてください」
「十六夜、チュッ」
マシュから肩をもんでもらい、ネロにクッキーを貰い、母さんに頭を撫でられBBちゃんに抱きしめられる。
はぁ、これがアヴァロンか・・・
そして、BBちゃんの体を堪能していると突然静謐ちゃんにキスされる。
その後、ドンドン体が熱くなり徐々に動悸も激しくなる。
「静謐ちゃん、これ媚薬だよね」
「うん、たまにはいいでしょ」
「良くないよッ、師匠解除してください」
「何故だ?たまには男となるお主もいいだろう」
「へぇ、あんたドキドキしてんだ」
悪い顔をする邪ンヌに抱き着かれるヤバいヤバい理性が吹っ飛ぶ。
「十六夜、私にも甘えてください」
すると邪ンヌから俺を奪う形でジャンヌが俺を抱きしめた。
「ふふふ、目がトロンってしてます。可愛いです」
ジャンヌが俺の頭を撫でる度に心臓が大きく跳ねる。
俺はこのままではまずいと思い急いでジャンヌから離れて部屋に戻る。
部屋に戻った後カギを掛けてベッドに倒れ込むように自身で意識を刈り取った。
後半少し雑になりました。
そしてアキラ姉さんの歩兵入隊フラグが立っちゃったよ。
それに加え冷泉のヤンデレが表へと出てきたようです。
では次回もお会いしましょう。
せーのっ!パンツァーフォー