お、お久しぶりです。
えっとぉ~こ、今年はコロナが大変ですね。
皆さんも体調にはお気を付けてください。
かくして、アンツィオ戦も大洗学園が勝利したわけだが・・・
夕焼けが美しく辺りを照らす現在、大洗学園の戦車道チームはアンツィオ高校の歓迎を受けていた。
圧倒的なイタリア料理の物量を目の前にして俺を含めた全員が目を輝かせる。
「はぁ~この子達のこのやる気がもっと戦車道に持っていければ・・・」
そして、そんなアンツィオの生徒を見て頭を抱えるのがアンツィオ高校のドゥーチェ・アンチョビ。
「「「「「いただきまぁ~すッ」」」」」
ビュッフェ形式でのパーティーを開いてくれたアンツィオ高校の生徒のみんなには感謝しかないのだが・・・
「はい、まぁすたぁ、あ~ん」
「十六夜さん、沖田さんのも食べて下さい」
「せ、先輩、こっちも美味しいですよ」
とまぁ、いつも通りのことなのだが、みんなからあーんをされていた。
「お、おい十六夜」
きよひー、沖田さん、マシュからそれぞれあーんをされていると、アンチョビがやってきた。
「そ、そのだな。このカルパッチョは私が作ったのだが・・・た、食べてくれないか?」
夕日のせいなのか分からないが、頬を紅潮させたアンチョビは俺の前にそっとカルパッチョの入った皿を差し出してくれた。
「これ、アンチョビが作ったのか?サンキュー、ありがたく貰うわッ。いただきます」
口に入ると牛ヒレのうまみがチーズの濃厚な味と絡みより一層うまみが増している。
「ど、どうだ?」
「滅茶苦茶うまいッ」
「そうかッ。よかったぁ~、もっとあるからジャンジャン食べてくれよな」
「あぁ、ほんと、ありがとなアンチョビ」
「気にするな。だが、次戦う時は負けない、いや、勝つッ」
「そうはいかねぇよ。俺がいるんだ。次もその次も俺達が勝つッ」
「そっか、アハハ、十六夜は昔から変わらないな」
そういってアンチョビは俺の前から去った。
にしても、このカルパッチョマジでうまいな。
カルパッチョを食べる俺の手が止まらない。
一心不乱にカルパッチョを食べている。
しかし、俺の背筋に冷たい何かが走る。
「「「「じぃ~」」」」
きよひー、沖田さん、マシュ、そして少し前に来ていたみほが俺のことを睨んでいる。
さらに違う方からも視線を感じる。
「「「「じぃ~」」」」
沖田オルタ、お栄ちゃん、冷泉と沙織がこちらを睨んでいる。
更にさらに、視線を感じる・・・
ウサギさんチームに、アヒルさんチーム・・・というか大洗学園の全員どころかアンツィオ高校の生徒も俺の方を睨んでいる。
「ど、どうかしたか?」
「十六夜君は随分とアンチョビさんと仲がいいよね」
「まぁな」
「ふ~ん、ふぅ~ん」
「な、なんですか?」
「べっつに~、フンッ」
すんごい冷たい視線を向けてきたみほが急にパスタを巻いたフォークを俺の口に突っ込む。
「
「十六夜君の馬鹿ッ」
そういってみほは立ち去る。
「先輩ってやっぱりモテモテなんだねぇ」
「そりゃそうだよ。あんなにカッコイイもん」
「意地悪だけで優しいし」
「悪い男に引っ掛かる女の人の気持ちがわかる」
「・・・・・・」
ウサギさんチームからそんな言葉を掛けられる。
「ハッハ~ン、なぁ、十六夜どうっすか?アンツィオ高校にこないっすか?アンチョビ姐さんも喜ぶと思うっすよ」
「ヤ、ヤハハ、わりとマジでアンツィオに行った方がいいと思うのは俺の気のせいか?」
「ほんとっすかッ」
「「「「「「駄目です(だッ)(よ)(だよ)(に決まってるだろ)」」」」」」
「じょ、冗談だから」
みんなの眼のハイライトが仕事をしていない。
「そうっすかぁ~。まぁ、うちらはいつでも歓迎っすよ。なぁ、みんな」
「「「「「おおおおおおおお」」」」」
「ヤ、ヤハハ」
十六夜たちのいる場所から少し離れた場所に二人の少女が話をしていた。
一人は蒲さんチームの装填手であるカエサルこと鈴木貴子。もう一人はその親友であるアンツィオ高校のカルパッチョ。
「タカちゃんも装填手だったんだぁ~。最後はやっぱり装填速度の勝負だったね」
「な、なんだよ」
「お友達が心配しているみたい」
そういってカルパッチョが見つめる先にはカエサルと同じカバさんチームの三人がいた。
隠れていたのだが、カルパッチョにはお見通しだったようで、気づかれていたことに驚き、三人は転倒する。
「生徒会がリーダーに召集を掛けているみたいだったから呼びに来たんだが、取り込んでいるのなら、私が代わりに行ってくるぞ」
「今行くよ」
そういってカエサルが招集場所に向かおうする。
すると、カエサルは振り返りカルパッチョの方を見る。
「来年もやろうねタカちゃん」
「タカちゃんじゃないよ。私はカエサルだ」
「・・・ふふ、そうね、じゃあ、私はカルパッチョで」
こうして、アンツィオ戦は幕を閉じた。
じ、次回はプラウダ高校編です。
それじゃあ、久しぶりのせーのっ!パンツァーフォー