1900年
ある少女が神様こと存在Xによって転生させられた。
少女の生前は普通の花屋で働きながらガンダムグッズを買う一般女性であったが、花の手入れをしている時に、客を装ってきた通り魔によって刺し殺されてしまう。
転生してからの彼女の人生は、なんと一国の姫君という存在Xにしては中々の好待遇を受けていた。
存在X曰く、最近までは神を信仰してたのに、花屋になってから信仰を忘れる日が続いたからとの事で、姫君に転生したのは全くの偶然だと言う
少女の生前意識が戻ったのは、彼女が2歳になった時だった
意識が戻って最初に彼女が思ったのは、自分の名前についてだった
彼女の転生後の名は「アナ・ニーア・エレクトロニクス」と言う、どっかの宇宙世紀でよく似た名前の会社が自分である事に、大層大爆笑していた
ちなまに父親は「アムーロ」母親は「ベルトー」というこれまたどっかで聞いた事のある名前だった
それを思い出して再び爆笑するアナだむたが、そこで存在Xが話しかけてきて、彼女に信仰の事や、神に祈りを捧げれば信じられないような力を授けると言われ、アナはそれを聞いて最初こそ信じなかったが、試しに神に祈りを捧げた所、自分の中に何か凄い力が入る感覚を覚えたのだった。
それを皮切りにアナは信仰の力を使って、昔からの夢だった設計図作りを始めていた
設計図といっても、ガンプラのようなプラモデルの設計図で、自分オリジナルの設計図を作っていつかガンプラ工場に持っていく事を夢見ていた
そしてこの信仰の力を使えば、幼いながらも体力や眠気の心配などせずにとにかく書きまくった
試しに宇宙世紀のモビルスーツのプラモデルの設計図を書いてみた所、信仰の力と相まってより正確に書けるようになり、まるで本物のモビルスーツの設計図を書いているかのようだった
時間も忘れて書き続けた結果、部屋中は設計図の紙の山て溢れ、とにかく無我夢中で書いていた
それを見ていたメイドは設計図の山を見て失神し、両親に至っては父は設計図を見て興奮し、母は娘の隠れた才能に恐怖しつつも、変わらぬ愛情を持って見守っていた
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1914年 1月3日
この日、アナの住む『エレクトロニクス皇国』
では、ある物がお披露目されていた
それはアナの書いた設計図を元に、装甲素材こそ違えど完成した『MS-05 ザクⅠ』のお披露目されていた
アナもまさか完成するとまでは思ってもみなかった
完成するまでの経緯としては、アムーロがアナの作った設計図を見てえらく感動し、帝国やレガドニア協商連合などの国に対抗するならこれしかないと考えたらしく、さらにそこへ存在Xが入れ知恵したのも相まって、モビルスーツ開発が始まった
ちなみに入れ知恵した理由は、これから転生してくる信仰心のない愚か者への試練として入れ知恵したらしい
それから嘘みたいに開発速度が上がり、アナが生まれて14年経った頃にはザクⅠが開発されていたとの事だった
通常のザクⅠとの違いは、まず運用法として魔力エネルギーを糧にして動く為、魔導師にしか乗る事ができず、さらに普通のモビルスーツと違って装甲素材が戦車などに使われる素材な為、本家と違ってかなりの紙装甲。
その代わり、従来の魔導師同様に空戦が可能になっている
しかしそれでもこの世界にとっては十分に協力な装甲でもあり兵器でもあるため、エレクトロニクス皇国に住む住民たちはえらく感動していた
ちなみにこの時のアナの表情は、引きつったような笑顔で
「どうしてこうなった」
と心の中で嘆いていた
というのも、彼女はただ単に設計図を書きたいという夢を叶えるが為の準備運動をしていたにもかかわらず、父が勝手に設計図を見て興奮したせいで、モビルスーツ開発が始まり、しかも神様こと存在Xが父に入れ知恵したのもあってますま後に引けなくなり、次第に公務ができる歳になったら軍の開発部への移動が半ば強引に決定したしたのもあり、アナはただただ自分の行いを後悔していた
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1920年 6月9日
アナは現在開発部にて、ある機体の設計図を書いていた
それは後に宇宙世紀時代にて、宇宙に住むスペースノイドをいじめ抜いた白い悪魔『ガンダム』別名『ファーストガンダム』の設計図だった
現在ガンダムの開発は順調に進んでおり、2年前に開発されたザクⅡも量産体制に入っており、着々と戦力を増強していた
他の国の人たちは、モビルスーツの話を話半分程度にしか聞いておらず、全くと言って良いほど警戒していなかった。
というのも、エレクトロニクス皇国は他の国と比べたら小国も良いところで、そんな国に戦況を180度反転させるような兵器があるとは思ってもみなかったのである
その為開発部も思う存分にモビルスーツ開発を進めていた
「…はあ、なーんでこんなことになっちゃったかな〜」
アナはそう言いながら開発部の報告書と睨めっこしていた
「私はただ趣味だった夢を叶える為の準備してただけなのに…まーったくお父様には困ったものよホント…」
愚痴を言いつつも、アナは報告書を読み進めていた
「ふむふむ…ザクⅠの量産はここでストップはいいとして…訓練用に転換か…成る程…んでザクⅡの開発も順調っと…」
そんな感じで読み進めながら、彼女の空いている手は設計図を書いていた
そんなアナの姿に部下達は
「アナ姫様は凄いよな〜、報告書と睨めっこしながら設計図書いてんだもの」「やっぱすげーはあの人」「俺たちも負けてらんねぇぞ!さあ!俺たちは俺たちの出来ることをしよう!」
と、このように中々の高評価をしながら自分達の仕事をしていた
ちなみに部下達が開発しているのは主にパイロットスーツや、最近開発された試作モビルタンク『ヒルドルブ』の改定案を作っていた
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1924年 8月14日
その日
この世界の歴史が変わった
突如としてライン戦線にて現れた謎の飛行物体
それは、エレクトロニクス皇国が開発した攻撃空母『ガウ』の姿だった
これも、アナの設計図によって生まれた兵器である
そしてこの時アナはようやく開発に成功したガンダムと共に、このガウに乗り込んでいた
ガンダムの他には、ザクⅡやザクⅠ、それにヒルドルブが2機ずつ配置していた
アナがガンダムに乗り込み、パイロット達に向けて通信した
『皆様、今日まで我々はこの戦争に介入する事なく、傍観を貫いてきました。ですが、それも今日までです。今この時をもって、帝国や他の国に知らしめましょう、我らエレクトロニクス皇国の力を、そして、このモビルスーツの力を。皆様の健闘を祈ります。では全機、発進準備に入って下さい!』
「「「「「「はっ!皇国に栄光あれ!!」」」」」」
ザクⅡが空中に飛び出し、ザクⅠとヒルドルブは地上へと降下した
『姫様、ご武運をお祈りします』
「ありがとう。アナ・ニーア・エレクトロニクス、ガンダム出ます!」
そしてアナの乗るガンダムが発進し、先に出た部隊と合流する。
そして空中にて戦っている魔導空中部隊と接触した
「お、おい!?なんだアレは!?」
空中部隊の一人がザクⅡに気づくも、速攻でザクマシンガンの餌食にされ、ミンチよりもひどい有様になる
『こちらザクⅡ1番機!1機撃墜!』
『こちらヒルドルブ2番機!戦車砲2機撃墜!』
報告を受けながらガンダムの頭部に取り付けてあるバルカン砲で次々と魔導部隊を撃墜していく
地上ではヒルドルブとザクⅠが一方的に兵隊達を蹂躙していて、空中ではザクⅡとガンダムが蹂躙してたりと、とにかくやりたい放題だった
そして魔導部隊の増援を確認すると、アナは部隊にある命令を出した
「こちらアナ、これよりビームライフルを発射します。味方機は射線上より退避せよ」
『『了解!』』
ガンダムの腰に備えてあったビームライフルの威力は、流石に本家と違って戦艦クラス程の破壊力は無くとも増援部隊を全滅させる程の威力は持っていた
アナはスコープを使って狙いを定め、増援部隊に狙いをつけた
「…悪く思わないでね、兵隊さん」
そう言いながらビームライフルを発射した
発射した瞬間、いつものビーム音が聞こえ、そのまま増援部隊まで行き、全滅とまではいかなかったが、その殆どを撃墜した
「テスト射撃としてみれば、上出来ね。さあ、もう少しテストしてみますか!」
そう言ってアナは再び狙いをつけるのだった
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同年 同月 別視点(ターニャ)
この日までは、何時もと変わらない戦場だった
何時ものように撃墜し、いずれくる昇進の為にと働いていた
そう、アレを見るまでは
「お、おい!?なんだアレは!?」
敵の兵士の驚くような声に私も思わずその方向を見てしまった
私はそれを見た時、夢を見てるかのようだった
だって、それはアニメや漫画にしか出てない筈のものだったのだ
いくら私でも、見た物の正体はわかっていた
そう
あれは
「モビルスーツ……だと!?」
それから私の部隊や敵の部隊にとっては悪夢に出そうな程の惨劇を目にした
敵のマシンガンに当たろう物なら一瞬で肉片と化し、特攻を仕掛けてもその前に察知されて斧で真っ二つにされるなど
しかも、敵の増援部隊は、ガンダムのライフルによって一瞬で殆どが撃墜され、私達の部隊にも被害が及んだ
…このままでは昇進はおろか、部隊の全滅にもかかわる
そうとわかれば、やる事は一つだけだった
「全機!急速離脱だ!アレに肉片にさせられたくなければ即座に撤退だ!!急げ!!」
私が命令したら部隊達は一目散に逃げ出し、私も少しでも時間を稼ごうと撃ち続けながら撤退していた
しかし
ブォン…
「な、何!?」
私は逃げるのに必死で背後から近づいてくるモビルスーツの気配に気づけなかった
私はどうにか逃げようとするも、そのまま捕まってしまい、逃げ出す事が出来なかった
『姫様!捕虜を一人捕まえました!まだ年端もいかない女の子です!』
モビルスーツから聞こえてくる声を横に、私はこれから待ち受けるであろう拷問や尋問を想像しながら、なにより、モビルスーツに握り潰されるかもしれないという恐怖に、私も次第に意識を失っていった。
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1924年 8月15日 ターニャ視点
私が目覚めた時、そこは独房ではなく、普通の部屋の一室だった
私も周りを見ると、そこには一人の男が扉の前で立っていた
「おや、お目覚めですか。しばしお待ちください」
そう言って男は部屋を出て行く
私は一瞬ここは帝国の領土の町かと思ったが、それは違った
窓から見える景色には、数機のモビルスーツが立っていた
私は瞬時にここは帝国領ではなく、敵の領土なのだというのがわかった
私はこれから待ち受ける尋問や拷問を想像しながら、どうにか安全に切り抜ける方法を考えていると、部屋の扉が開いた
「姫様、どうぞ」
「ありがとう」
現れたのは、先程の男に、このような部屋には似合わない程の女がそこにいた
思わず私も見惚れてしまった程だ
女は私と同じ目線になって話をした
「はじめまして、私の名はアナ、アナ・ニーア・エレクトロニクスと申します。どうぞよしなに」
あの日から私の運命は変わった気がしたが
今日のこの日から、私の運命が変わったんじゃないかと思うのは
私の気のせいなのだろうか?
もしそうなら。私はこのチャンスを決して逃さないだろう
そう思い、私は死なない為の選択肢をとった
帝国を裏切るという、選択肢をとって
続きはこれといって考えておりません
また思いついたら、書くと思いますが
まだわからないので、しばしの間お別れとさせていただきます
それでは、また