魔王の妖精聖母は迷宮の奥底へ   作:迷走中

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最後はちょっとバブみっぽいのがあります。
苦手な方は気をつけて下さい。



結果として好感度アップ

早朝にリューさんにボコられてから、ミア母さんにリューさんを護衛として借りると説得したら、メチャクチャ苦い顔をしていた。

 

やはり女神フレイヤが、ベルきゅんへの試練の為にオッタルがミノタウロスを鍛えていることは、ミア母さんも驚き、疲れた表情をしていた。

 

ミア母さんは、遠い目をした後、凄まじく長く深い溜め息をついて、「坊主を必ず生きて連れて帰ってきなよ」と言った。

 

俺は「勿論です」と答えて、豊穣の女主人を後にする。

そのあとは、ロキ・ファミリアでリヴェリアさんと話がある。

遠征の知識を伝えるためだ。

 

「手ぶらは止めておいた方が良いよね」

 

と言うわけで、エルフに好まれるお菓子ショップで、高級…………ではなくて、手頃な値段のお菓子を多めに購入。

高級お菓子も買えなくはない。

けれど、リヴェリアさんが「菓子か? そうだな、高級菓子よりも、一般的な菓子の方が好きだな」と前に言っていたので、高いのは買わない。

ヘスティア様も、高いお菓子は美味しいけど、なんか違う。と微妙な顔をして食べていた。

 

で、ロキ・ファミリアへ移動して、直ぐにリヴェリアさんと、話し合いかと思ったら。

 

「リヴェリア様は、現在冒険者ギルドからの急な呼び出しに対応しておりまして」

 

申し訳なさそうに頭を下げるのは、エルフの団員のアリシアさんだった。

なので、出直そうとしたのだが、アリシアさん達にお茶に誘われたので、せっかくだから受けることにした。

 

したのだが、

 

「アルディス様、こちらの色のネックレスが」「髪飾りはこちらを」「え、この色の方が」「やーん、髪さらさら」「肌がスベスベしてますぅ」「アルディス様……」(;´Д`)ハァハァ「貴女は少し落ち着きなさい!」

 

途中から、俺は着せ替え人形と化した。というか、一人だけ危ないエルフが……。

 

 

 

おかしいな、最初は談話室で他の種族の団員もいて、そこで世間話をしていたが、徐々にエルフの団員が集まりはじめて、気がつけば別室に移動して、俺のファッションショーになった。

 

いや、確かに俺が「服ですか? 良く分からないので、似合いそうなのを」と言って、アリシアに「どのようなお召し物ですか?」と聞かれたので、普段服を買っているアマゾネス専門店とヒューマン専門店の名前を出したら、目の色が変わった。

普段エルフ系の服を着ないのか? という質問に反射的に頷いてしまい。

アリシアさんに「エルフには、やはりエルフ専門店の服が一番似合いますわ!」となって、「な、なら、今度買ってみますね」と逃げようとしたが、「いえ、こんなこともあろうかと、いくつか買ってあります!!」と、続いて、俺は不利を悟り大人しく従った。

 

「アルディス様、今度はこのドレスを!」「いえ、今度はこのフリルスカートなんてどうでしょうか?!」「神々が生み出した、ゴスロリというものを!」「ならば、私は極東の巫女服を!」「いいえ、古き良きエルフの聖衣はどうですか!?」

 

「あははは……」

 

途中から暴走しているのは、分かったが止められそうにないので、大人しく従っておくことにした。

下手に逆らって顰蹙はかいたくない。

 

「そういえば、アルディス様の下着は地味ですね」

「っ?! いや、それは」

 

一人のエルフの女性団員の一言で、空気が変わる。

地味にしている理由は、単純にヘスティア様に怒られるからだ。

 

この後、リヴェリアさんが来るまで、俺はエルフの少女らしい、下着についてアリシアさん達に教わることになった。

 

まあ、エルフの下着は清楚なのが中心だが、男の目線から言えば、清楚なエロスもあった……とだけ。

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

ーーロキ・ファミリア 会議室

 

 

 

「ズルいわぁ! 自分達だけで楽しむなんてっ!」

「ロキ、煩いぞ」

「あははは……」

 

リヴェリアさんと共に冒険者ギルドに向かっていたロキ様は、俺が女性エルフ達のファッションショーをしていたことを知ると血涙流さんばかりに悔しがった。

リヴェリアさんは、ロキ様と俺を会わせないようにするために、ソーマを餌に冒険者ギルドに連れていったみたいだ。

 

「ロキは放っておくぞ。それで、アルディス。この新種のいかがわしいモンスターについて、何か知っているか?」

 

差し出された、紙に書かれた絵を眺めて、俺は頷く。

黒い色に、肉のような質感に蜘蛛のような脚。さらに牙や歯がない大きな人の唇のような口と蜘蛛腹の部分に当たる場所にある大きな男根。

まあ、男根の部分はモザイクというか、黒く塗りつぶしてあるけど。

 

「えぇ、やはりコレはわたしの故郷にいたモンスターですね」

 

俺の言葉にリヴェリアさんが、ロキ様を見て、ロキ様は頷いた。

嘘はない、と。

 

「【しがみつく肉】と言われていて、多くの女性が被害に遭いました。兵士もこれにしがみつかれて、身動きがとれずに、別のモンスターに襲われて死んだ者も多いです」

「アルディス、他にもこういったモンスターを知っているか?」

「はい、知っていますが」

 

俺の言葉に、リヴェリアさんとロキさんは難しい顔をしながら、俺に問いかけた。

 

「アルディスがこのモンスターに出会ったのはいつ頃だ?」

「オラリオに来る前、一年前くらいでしょうか」

 

リヴェリアさんの質問に答えると、真剣な表情のロキ様から質問が来る。

 

「なぁ、自分の故郷はどこや? こんなふざけたモンスターが一年前から、存在しとるなんて聞いたことないで」

「……遠いところです」

「地名は?」

 

目は閉じてはいるが、俺の故郷の地名を教えろと告げてくるロキ様。

まあ、怪しいからな。

でも、正直に言うとこの世界にはない地名だ。

そこから、俺が異世界から来たことがバレる可能性がある。

だから、悩んだ末に、俺は方言とか遠い国だと誤魔化す為に、あえて日本語で答えた。

 

『【ユグドラシル】』

「何やて?」

「アルディス?」

「やはり、この言語は分かりませんでしたか」

 

事前にヘスティア様経由で、タケミカヅチ様に日本語が分かるか、確認を取って正解だったな。

怪しまれるかもしれないけど、謎の場所から来たという言い訳にはなるだろう。なってくれたら良いな。

 

「……何処の言葉や? 極東に近い気がするが、別もんみたいやし」

 

探るような視線を送ってくるロキ様に、俺はとりあえずこれだけは、言っておく。

 

「ロキ様、わたしはロキ・ファミリアとオラリオの敵ではありません。24階層での戦いで現れた敵とも関係ありません。今後もロキ・ファミリアとは仲良くしていきたいと思ってもいます」

 

だから、余計な詮索をするな。と、俺はロキ様を見据える。

もちろん、それでは足りないだろう。

 

現に俺の言葉を聞いて、腕を組み少し何事か考えて、俺に何かを聞こうとするロキ様に、俺は質問を投げる。

 

「【アリア】とは、何ですか?」

 

俺の言葉に二人は固まる。

なぜ、知っている? と探る視線を向けてくる。

俺の知らない情報は、夢ということにしているので、夢で見た。と言い訳がつく、押し通すことも出来なくはない。

もちろん、ロキ様がいなければ!

だから、詮索を防ぐために、力業その1だ。

 

「情報には対価が必要です。【アリア】のことを1から10まで、教えてくれるなら、わたしのことも教えます」

 

 

二人は一度、目配せし合い。

ロキ様が一歩後ろに下がり、リヴェリアさんが口を開いた。

 

「【しがみつく肉】の情報。それと、この手のモンスターは他にもいるのか? 知っているなら教えてくれ」

 

少なくとも敵ではない、と分かったからか、ロキ様は引き下がった。

納得はしていない。けれど、下手に踏み込むと俺を怒らせると思ったのだろう。

ここで、怪しくても情報提供者を失うことは、ロキ・ファミリアにとって、デメリットだと判断したのだろう。

 

もちろん、無理やり聞き出すことも考えただろうが、ファミリアや団員の危機でもない限りは、リヴェリアさんが確実に止めるだろう。

正義を掲げているわけではないが、オラリオではロキ・ファミリアは善よりのファミリアだ。

悪評に繋がることは出来るだけ避けたいだろう。

 

「それなりの種類がいたはずです。知る限りは教えますが、この種のモンスターがダンジョンに現れるか分かりません。わたしに支払う情報料が無駄になるかも知れませんよ?」

「構わない。出てくることを前提に備えをしておきたい。モンスターの被害に遭う可能性を少しでも減らす為にも」

「分かりました」

 

この後、俺はスケベモンスターの情報を時間の許す限り教えたのだが。

 

「リヴェリア、落ち着きぃ」

「分かっている……」

 

話している途中で、何度もリヴェリアさんが怒りの意味で、顔を赤くしていた。

 

えぇ、まあ、実体験しないと分からないような、情報もあったからな。

俺も話の途中で顔色を悪くしていたみたいで、休憩を挟みながら情報を伝え終えると、結構な時間になっていた。

 

「アルディス、神ヘスティアに連絡をする。今夜は泊まっていきなさい」

「え、しかし」

「ん~、そやな。流石にその顔色の自分を一人で帰らせる訳にはいかんなぁ」

 

二人から純粋に心配している感じがしたので、俺は迷ったが、今夜はロキ・ファミリアに泊まることにした。

 

「あ、でも、着替え」

「おっしゃっ! 着替えは任せときっ」

「ロキ、また変なものを」

「だーいじょぶやって。あ、それと、アルディス」

「はい、何でしょうか?」

 

軽い感じから、真剣な表情になったロキに少し緊張していると。

 

「アルディスって、呼び方が固い感じがするねん。アルたんって、呼んでええか?」

 

転けそうになった。まあ、問題はない。

 

「ええ、大丈夫ですよ」

「ほんまか~、ありがとうな」

 

笑顔で俺に近づき、握手してくるロキ様に笑顔で答えると、リヴェリアさんは仕方がない、という顔で小さく溜め息をついた。

 

「では、アルディス。そろそろ夕飯だ。食堂に案内する」

「はい」

 

俺は頷き、リヴェリアさんと共に部屋を出る。

 

「ウチは資料かたしてから、行くわ」

「分かっている」

「ロキ様、また後で」

「ほななー」

 

 

 

 

 

 

 

パタンと部屋のドアが閉まり、ロキは目をうっすらと開けて、先ほどハイエルフの美少女が口にした言語を思い出す。

 

「あの言葉、何故、懐かしい気持ちになったんやろ」

 

聞き覚えない言語。だが、どこか懐かしい。

不思議な気持ちではあるが、

 

「ま、アルたんが敵やない。ということが分かっただけでも、収穫はあったわ。もちろん、今のところはやけど」

 

ロキはアルディスへの警戒を少しだけ下げることにした。

冒険者ギルドとは違う意味で、謎があり、怪しいハイエルフの少女。

新しい観察対象を見つけて、ロキは笑みをこぼす。

 

「さーて、今夜のアルたんのパジャマを用意せんとな! アイズたんのお古もあるけど、前にアイズたんの時みたいに、小さい子が加入したときの為に買ったのがあったなぁ、どこしまったかな、探さんと~」

 

夕食後、アルディスとリヴェリアが入浴しているところに乱入しようとするロキと、それを全力で阻止しようとする女性エルフ達の激しい攻防が繰り広げられ。最後は入浴を終えたリヴェリアが、ロキにゲンコツを叩き込んでロキを沈めた。

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

翌朝、俺は普段とは違う感触で目を覚ました。

なんか、ズキンズキンと頭痛がする。なんだこれ?

 

兎も角、起きようとして、右手を動かすと右手のひらに柔らかい感触が伝わってくる。

何だ? と思った直後、口の中にも柔らかい物が入っていることに気づいた。

まだ寝ぼけていて、目がまだ開かない俺が口をモゴモゴと動かすと、

 

「くぅっ……、あ、アルディスッ、起きたのか?!」

「…………」

 

なんか、ヘスティア様以外の女性のしかもハイエルフっぽい声がした。

背中から、ぶわっと嫌な汗が吹き出てきて、ゆっくりと目を開けると、

 

「お、おはよう、アルディス。出来れば、そろそろ離れてくれると嬉しい」

 

ほんのり頬を紅くして、俺の顔を覗き込むリヴェリアさんが目の前にいた。

 

「…………」

 

俺はゆっくりと身体をリヴェリアさんから、離す。

今更だけど、このベッドかなり質が良いなぁ。

どこで買ったか聞くか~、あはは……。

 

離れることで、見えてくるリヴェリアさんの肌色と桜色。

頭が真っ白になる。

 

「リヴェリアさん」

「待て、アルディス落ち着け」

 

顔が熱い。火を吹きそうなくらいだ。

なぜ、こんな状況になっている?! 意味が分からない。

分からないが、今俺がやることは一つ!!

 

 

「すみませんでしたっ!!」

 

 

俺はベッドから、身体能力をフルに使った、後方二回宙返り一回ひねり。

通称、月面宙返りを行い。

 

そのまま、土下座で床に着地。

 

 

オラリオに来て、三度目の土下座の相手はリヴェリアさんだった。

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

事情をリヴェリアさんに聞いた。

どうやら、昨日の夜、眠る前にリヴェリアさんと共に談話室で温かいもの、俺はホットミルクをもらい、リヴェリアさんは紅茶を飲んでいた。

そこに現れたのが、ソーマとグラスを持ったロキ様だった。

 

俺の座っているソファの隣にロキ様が立ち、三人で軽く話し、ロキ様は挨拶だけで直ぐに自分の部屋に行くつもりだったらしいのだが、悲劇はロキ様が別れ際にグラスにソーマをなみなみと注いだ直後だった。

ティオナさんを怒らせて、逃げてきたティオネさんが前を見ずに、ロキ様に体当たりをぶちかまし、なみなみとソーマが入ったグラスがちょうど、ロキ様にしゃべりかけようと口を開けた俺の口を覆うように中身をぶちまけたのがそもそもの原因だ。

 

この時、俺は口に入ったソーマを反射的に多量に飲んだそうだ。

飲んだ時点では問題がなかった。

この後、リヴェリアさんがティオネさんにゲンコツを入れて、俺は再び風呂へ。

ここまでは、言われてみれば、俺も何となく覚えている。

 

だが、風呂から上がった後はまったく覚えてはいない。

そもそも、前世では酒に強かった。

もしかして、この身体になったから、酒に弱くなっている?

確かにゲームでは、アルディスは酒に強くはなかったが。

 

「風呂から上がり、着替えて私の部屋に行き、そのまま寝ようとしたのだが」

「……だが?」

「いきなり、私をママと呼び始めた」

 

そこまで聞いて、俺は顔を上げた土下座体勢から、全力で頭を床に何度も叩きつけた。

 

「アルディス! 止めろ、アルディス!!」

「おおおおおっ!!!! ころせぇっっっっ!!!! いっそ殺せぇえええええっっ!!!!!」

 

ものすごい音を立てながら、叫ぶリヴェリアさんと俺。

慌てて駆けつけるエルフの女性団員。

 

恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にさせながら、顔を両手で覆い、床をゴロゴロと転がり、錯乱する俺を止めに入るエルフの女性団員。

 

俺が落ち着くのに、一時間くらいかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、リヴェリアさんとエルフの女性団員達と何とか朝食をいただき、帰ることになった。

 

 

「御迷惑をおかけしました」

「いや、少量だったから、大丈夫だと判断はして、水を飲ませなかった私の落ち度だ。水を飲んでいれば、あそこまでにはならなかっただろう。アイズの前例があったのに、直ぐに酔わなかったから、平気だと判断したのは間違いだった」

「ご、御迷惑をおかけしました」

 

うん、忘れよう。バブみしたことを忘れよう。

下手しなくてもヘスティア様が拗ねる。

 

「なーなー、アルたん。なんなら、本当にリヴェリアママの娘になるかぁ?」

 

茶化してくるロキ様の頭頂部にリヴェリアさんのゲンコツが叩き込まれた。

物凄い音と共にロキ様が沈む。

 

「んんっ、アルディス」

「あ、はい」

 

シューっと、頭から煙を出すロキ様。

無表情のリヴェリアさんが怖いので大人しく話を聞く。

 

「モンスターの情報と遠征先で唱えられる超長文詠唱の情報料だが」

「遠征が終わって、こちらが要請してから支払いをお願いします。それと振込先は前と同じように、わたしの個人の冒険者ギルドの口座にお願いしますね」

「ああ、分かった」

 

俺は改めて、リヴェリアさんやロキ様、エルフの団員達に軽く頭を下げて、ヘスティア・ファミリアのホームに帰った。

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△

 

ーーリヴェリアの私室

 

 

 

「ふぅっ」

 

午後、書類仕事が終わり、紅茶を飲んでリヴェリアは一息つきながら、昨晩のことを思いだし、ポツリと呟いた。

 

「ママ……か」

 

酔ったとはいえ、ママと呼ばれてリヴェリアは驚き戸惑ったが、同時に納得もした。

アルディスはまだ幼い。大人びてはいるが、本来の姿はあれなのだろう。

 

他の同胞、特にエルフのコミュニティは、普段のアルディスを見て、これからも大人のハイエルフとして扱うだろう。

 

だが、それは本当に正しいことなのか? 酔ったアルディスの姿が本来のアルディスの姿なのではないか?

 

アルディスを抱きしめながら、一晩眠った結果。リヴェリアはアルディスのスキルの影響もあり、本格的に母性に目覚めるのだった。

 

「ここへ、来たときくらいは、アルディスを甘やかしてやろう」

 

母性に目覚めたリヴェリアは、アルディスの今後の為に色々と準備を始めた。

 

 




誤字修正、本当にありがとうございます。


リヴェリアが本格的に母性に目覚めました。
リヴェリアママは、ちょこちょこ出したいなと。

男のオリ主だと、怪しい感じがするかもしれませんが、外見は女の子なので問題ないよ……ね。

年齢部分を修正。

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