ダンジョンにサーヴァント7騎のマスターがいるのは間違っている 作:ルーニー
自分の城であるホームについてからも、ロキは気分が晴れることはなかった。あの場にいた4人には何とかごまかして部屋に戻ったが、これからどうするかを考えると頭が痛んだ。それをごまかすように酒を呷るが、酔えない。酒を呷っても酔う気がしないロキはしかめっ面だった。
「あのどチビのとこかいな……」
思い起こすのは、今日の怪物祭に起きた植物型の巨大モンスターとの戦闘。その中で共闘したあの2人だった。
「リッカ・フジマルか……。確かに聞いた事のない名前だ」
あの時近くにいたギルドの受付嬢に話せる範囲すべてを聞いたが、まさか出てきたのが因縁ともいえる相手の眷族だとは思ってもいなかった。どうしてそこにいるんだと思いつつ、ロキは情報を整理するために最高幹部たるフィン、リヴェリア、ガレスを部屋へと呼んでいた。
「……豊穣の女主人でも奇妙だとは思っていたけど、まさかレベル1だったとはね」
フィンが思い出すのは豊穣の女主人での出来事だった。あの時は酒に酔っていたとはいえ、
しかし、ロキ本人が聞きだしたのはレベル1という、決してあり得る事のないレベルの低さ。それを知った最高幹部らは事態の大きさに顔をしかめた。
「……神の力を使った、というわけじゃないのか?」
「あのどチビがそんな度胸あるかいな」
リヴェリアの言葉を迷うことなく切り捨てる。ロキとヘスティアは出会えばケンカをする間柄ではあるが、それゆえにある程度の信用はある。チビでぐーたらで甲斐性無しで脂肪があるだけの神ではあると思っているが、同時に神の力を使って無双しよう、なんて考えるような小物ではないとも思っている。最も、何かの拍子で出会えば突っ込むつもりではあるが、それぐらいの信用はしている。
「……まぁ、自分の眷族に何かあったら助けに行こうっちゅう無謀さはありそうやけどな」
出会えば弱気な部分は全く見せようとはしないが、しかし仲の良い神相手では眷族ができないと嘆いていたことは伝手から聞いている。そんな中でできた数少ない眷族の1人だ。神の力は使わなくてもダンジョンに突っ込むことぐらいはしそうだ。
「……まぁ、どチビのことはどうでもええ。問題なんはレベル1やっちゅうのにあの強さである理由と、ティオネたちを怯ませるほどの実力者を従えている理由や」
強者と呼ばれるものは、全員が強者としてのプライドを持っている。ロキ・ファミリアに所属しているベート・ローガは特にその傾向が強く出るが、大なり小なり強者であるという自覚は誰もが持っている。だというのに、あの剣士はまるで従っていることが当たり前のような表情でリッカの傍らにい続けた。
「……フレイヤんとこみたいな狂信者、という線もないわけやないけど、神ですらない
「……そういう人もいないことはない。が、話に聞く限りそういうことをするような青年ではなかったのだろう?」
フィンの言葉にロキがうなる。少なくともリッカが誰かが心酔するほどの特別な魅力のようなものはロキには感じなかった。洗脳しているのか、それとも幼いころからの関係なのか、現状の情報だけではわかることは何もなかった。
「……
リヴェリアが考え込むようにうなり始める。
「……1度、あのどチビに問い詰めやなあかんな」
最高幹部らの考察に耳を傾けながらロキは1人呟く。未知は退屈しのぎであり、しかし同時に毒になりえることを理解しているロキは、これが毒にならないことを祈りつつ、コップに残った酒を呷りながらそう決心した。
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あの怪物祭の騒動から数日が経った。怪物祭の騒ぎもひと段落し、ギルドとしての仕事も落ち着いてきた頃であるが、エイナの気分は優れなかった。
リッカ・フジマル。1か月近く前に冒険者になった自分の担当冒険者であり、同時に同じ担当のベル・クラネルをソロで活動させながらも自身は下層へ行きたがる問題児でもあった。確かにギルドに来る前にポーションを使っているのではないかと思うほどにケガらしいケガを1つもつけている様子を1度も見せていない。話を聞く限りソロで活動していることは確認しているため、ある程度の実力はあるのだろうということはわかっていた。
しかし、まさかあの高名なファミリアのレベル5と肩を並べられるほどの実力を持っていたとは思ってもいなかった。いや、冒険者になってからまだ1ヶ月足らずだというのにそれほどの実力があると思うはずがない。レベル5の冒険者が1本相手するのも苦労していた植物型のモンスターを1人で3、4本相手していたところを見て卒倒するかと思うほどにそれは衝撃的だった。
はぁ、と深いため息をつく。途中から有耶無耶になったとはいえ、さすがに高名なファミリアの神ロキから尋問されたからかここ数日はその姿を見ていない。ギルド職員として中立的な立場として神ロキへ物申すことはしたが、しかしそれもあまり効果をなしていないことは目に見えていた。しかし、立場的に中立ではあったが個人としてもあの強さはレベルを詐称していたと思っていてもおかしくはないとは思う。レベル5の冒険者が苦労していた相手を同じように相手取るレベル1なんて、普通ではありえないのだから。
ふと顔を上げると、件の男が鼻歌交じりにギルドの中へと入ってきたのが見えた。ポーチに入れていたらしき魔石を換金しに来たのか魔石のぶつかる微かな音がここにも聞こえていた。
「……フジマルさん、ちょっといいですか?」
それをエイナは意を決したような表情を浮かべて呼び止める。呼び止められたリッカは何でもないような表情をしてエイナへと顔を向け、そのまま受付へと足を運んだ。
「ん?何?頼んでおいた下層の資料まとめてくれたの?」
「違います。怪物祭でのあの騒動のことについてです」
「あぁ。あれね。いやぁ、あの神人に対して失礼だと思わない?こちとら善意で戦っていたってのに、なんか疑ってくるんだぞ?」
呆れたような物言いでため息交じりにそう吐き出すリッカ。徘徊していたモンスターを倒し、住民の避難を優先して、周囲を警戒していた。今日持ってきた魔石もその時に手に入れたものであるし、住民にも感謝されることをしてきたという自負がある、とリッカは言う。
「……それは、確かにギルドとしても助かりました。しかし、無茶をするようであるならそれを止める義務がギルドにはあります」
「第三者から見た無茶は、その人にとって無茶じゃないかもしれないのに?」
「はい。その人の安全のためにです」
本人は無茶をしていないと思っていても、一時の興奮状態による自覚のない過度な疲労状態によって命を落としている冒険者もいる。そういうことを防ぐために注意喚起をしているのだ。
本当であるならばあの植物型のモンスターと戦っているときに止めるべきであった。
「……正直、あの戦いであなたにはレベル詐欺の疑いがありました」
レベル1がレベル5と肩を並べて戦うなど常識外れ、いや、この世の理に反しているといってもいい。それほどまでにステイタスというものは強さに直結しているのだから、あの戦闘はレベルの詐称を疑ってもおかしくはないのだ。しかし、疑いたいのにレベルのことについては真っ先に疑っていた神ロキの手によって否定されているのだから詐称も何もない。あるのは、誰も知らないレアスキルによるものという可能性のみ。
「なぜ、あなたはあそこまで強いのですか?なにかスキルでもあるのですか?それに、あの女性のことについてもお聞きしたい」
それはギルド職員として、踏み込んではいけない領域へ踏み込んだ質問だった。立場上問題を起こした、あるいはレベル虚偽などの規律違反を起こしているとなれば堂々として踏み込めることなのだが、今回はレベル申請に虚偽はないと神が証言しているため、ギルドとして踏み込むことはできない。
しかし、エイナはリッカの担当受付として知る必要があると感じていた。リッカを攻撃するためではなく、中立的に物事を考え、必要であるならばかばうために。
「……それは口が裂けても言えないなぁ」
しかし、返ってきた言葉は否定そのものだった。その言葉自体はおちょけているように聞こえるが、それに反して目は真剣そのものだった。これ以上は巻き込むことはできない。これ以上踏み込むのならば容赦はしない。そう目が語っていると、エイナは感じていた。
「……わかりました。今後は問題がない限り一切お聞きしません。出過ぎた真似をして申し訳ありません」
納得はできない。あれほどの力を持っている理由を隠しているということをはっきりと言っている。しかし、あくまでエイナとリッカは一冒険者と一ギルド職員だ。違反をしているのならともかく、街の危機に駆けつけてくれた人物に、仮にも現段階で何も違反していない冒険者にこちらから過剰に干渉するわけにはいかない。
「……こういう言い方もどうかと思うけど、物わかりのいい担当でよかったよ。面倒がなくて助かる」
リッカのため息交じりのその言葉は安心しているように見える。もしこのまま追及をしていたらどうなっていたのか。今回の騒動を利用して担当を変わるようにギルド側に申請していたのか、それともそれ以上のことが起こるのか。エイナにはそれはわからなかったが、そうならなかったのだから今考えても仕方のないことだろう。
「一応はっきりと宣言しておくけど、これらのことについては今後言うつもりはないからな。聞いても無駄だと思っておいてくれ」
「……申し訳ないですが、ギルド側が今後一切確認しない、とは限りませんのでそれだけはご了承ください」
ギルド側、と言ったのは、少なくともエイナ自身はこのことについて聞く気はないということだった。おせっかいであると自覚しているエイナではあるが、相手はまだ成人していないベルとは違い自分で責任を取ることができる年齢だ。命のやり取りが行われているダンジョンのことであるならともかく、日常生活の中においてとやかく言いうつもりはエイナにはなかった。
「……これ以上は何もなさそうだし、換金して帰るわ」
ひらひらと手を振って換金所へと足を運んでいくリッカ。エイナとしてもこれ以上何か言うことはなく、リッカを見送る。
ギルド職員としてどうするべきなのか。エイナ自身がどうするべきなのか。去っていくリッカを見送りながら、何が正解なのかわからず頭の片隅で悩み続けた。そして、この場でハッキリとするべきであったと後悔することになるのは、少し先の話のことだった。
会議をするために出した幹部の数を3人に絞った理由は単純に自分が大人数を出しても扱いきれないからです。細かな描写は正直覚えていないのであれなのですがレベル6の3人は最高幹部と表記します。テヘッペロリーム(迫真
オリ主の魔術は
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サーヴァントから教えられそうなもののみ
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拡大解釈してもええんとちゃう?
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好きに魔術を使えてもいいじゃん!