ダンジョンにサーヴァント7騎のマスターがいるのは間違っている 作:ルーニー
リッカ・フジマル
LV.1
力:I9→I11
耐久:I7
器用:I14→I16
敏捷:I19→I22
魔力:I0
《魔法》
【】
《スキル》
【】
「……全っ然、増えねぇな」
ベルくんが気絶するまで単身ダンジョンへ潜ってから1日が経った。口うるさいアドバイザーから6階層よりも下の情報をグチグチ言われながらも聞き、さらに下の階層へ行ってはそこで無心にモンスターを狩り続けていた。
時には杖のみを使い、時には魔術のみを使い、時には素手だけで挑み、時には片腕だけ縛るということすらもした。にもかかわらず、ステイタスを更新してもまるで増えていない。魔法やスキルは増えなくても別に問題はないのだが、しかしどうしてまたこんなにも増える気配がないのだろうか。
「まぁ、僕も平均というものはよく知らないけどさ。たぶんそれぐらいが普通なんだと思うよ?」
「まぁ確かに、これが平均なら世の中レベル1ばっかりなのは納得するけどな」
にしても、これはあまりにも増えなさすぎではなかろうか。同じファミリア内でもステイタスに関することを見聞きすることはマナー違反であると聞いているから聞いてはいないが、神ヘスティアからたまに聞こえる愚痴から考えるにベルくんの方はあまりにも成長スピードが速すぎるとはわかっている。はて、俺とベルくんのこの成長の差はどこにあるのだろうか。
「しかし、魔術は魔法にもスキルにもならないのか」
俺の使える魔術は魔法かスキルとして反映されるものなのかと思ったが、特に何も書かれていないのを見るにどちらでもないようだ。魔術が使えるのに魔力が0となっているのは、この世界の魔法に使われる魔力と魔術回路から引き出される
神ヘスティアが書いていないだけなのかと思い以前にそれとなく聞いてみたこともあるが、特に表情の変化もなく平然としていたためただ単に書かれていないだけなのだろう。これがステイタスを得る前に習得しているから表記されていないだけなのか、それともなにか別の理由があるのか。まぁどちらにしても今のところ誰にも言うまいと思っているから特に問題視はしていない。
「何か言ったかい?」
「いや、感想を呟いただけで特に聞かせようとしたわけじゃないですよ」
厄介なことに神には嘘はつけない。ついたところでそれが嘘だってわかるからだ。別に嘘をつくことに何の忌避感もないが、こういうところでの嘘は積み重なりが重要になってくる。嘘についてどうでもいいと感じるのか、それとも突っかかってくるのか。神ヘスティアは後者に近い存在だ。例えわかっているのだとしても嘘にならない言葉を使うしかないのが面倒だと感じる。
「ねぇ、ずっと気になっていたことを聞いてもいいかな?」
傍にあった脱いでいた服を着なおし、自分のソファでくつろいでいると真剣な表情をした神ヘスティアが声をかけてくる。
「構いませんよ。といっても分かることしか答えられないですけど?」
「そんな意地悪言わずにさぁ」
軽い冗談と分かってか先ほどまでの真剣な表情も和らぐ。しかしすぐに真面目な表情へと変わった。
「どうしてベルくんと一緒にダンジョンに行かないんだい?」
そう聞いてくる神ヘスティアの声色は、わずかではあるものの怒りのような、戸惑いのような、そんな複雑な声色のようにも感じた。
「何か考えがあるのかもしれないけど、でもたった1人でダンジョンに行くのは危険だと思うんだ。だから、もうそろそろベルくんと一緒にダンジョンに行ってくれないかな?」
ベルくんが心配なのだろう。確かに戦いなれている俺とは違って小さな農村で過ごしてきたベルくんは戦い方というものを知らない子供だった。最初の頃は戦い方を教える意味でも一緒に潜っていたが、1週間したところで手を出さずにモンスターに戦ってもらい、大丈夫だと思ってからは2、3回ほどしか一緒に潜っていない。と言っても半月の間の出来事であるから別々に潜り始めてからそこまで経ってはいないのだが。
「……まぁ、やりたいことがあったんですよ」
「やりたいこと?」
意外だと言わんばかりに神ヘスティアは軽く首をかしげる。整った容姿でもあったことも含めてなかなかにあざとさを見せる神にわずかながらに苦笑しながら言葉を続ける。
「1人でできる範囲を探る感覚を覚えさせる。多人数でやれば安全ではあるけど、自分のできることというのは把握することはできてもそれを探るということができない。いつでも多人数でいられるわけじゃない、何かがあって1人しかいないということもある。その緊張感に慣れるのと、慎重に自分の限界を探るということをベルくんに覚えさせる必要があると思っていたんですよ」
短い期間だけとはいえ仮にも師事した子だ。ソロでも問題なく活動できる場所であることを知っていたがゆえの行動であることには違いない。
「あとは検証ですね。どこをどうすればどう成長するのか、気になってましてね。まぁ成長率が低すぎて参考にすらならなかったんですけどね」
まぁ正直8割はこれだったりする。魔術がこのダンジョンのモンスターに効くのか、魔術なしでどれだけ通用するのか、サーヴァントのいない状態でどれだけ戦うことができるのか。そういった1人で戦わなければわからない自分の調子を探るという点ではソロでダンジョンに潜る必要があった。
「そういうことだったんだ」
神ヘスティアは嘘を言っていないことが分かってかつ納得もしたのか、しかし少し不満げな表情をしていた。
「でも、それだとリッカくんも危ないし、2人ともそろそろ深くに潜って行くことになると思うんだ。深くまで潜るとなるといつまでも1人というわけにもいかないだろうし、連携をとるという点でもそろそろ一緒に潜った方がいいと思うんだ」
なるほど。確かに、神ヘスティアのいうこともわかる。同じファミリア同士なのに、このままずっとソロで行くというのも確かにおかしな話だ。昔ならいざ知らず、ベルくんも順当に成長しているはずなのだから下の階層に行くことになるだろう。だというのに同じファミリアの俺が一緒に行かないというのも対外的に見てもおかしな話ということになる。
「……まぁ、やりたいこともほとんど終わったし、別に一緒に潜ることに問題はないですからね。ご要望通りそろそろ一緒に潜るようにしますよ」
「なんか引っかかる言い方だなぁ」
実際、やりたいことや確認したいことは半月のうちにいくつもやってきた。そのどれもが納得のいくものかと言われればそうではないのだが、まぁこれ以上ソロで潜ったとしても大した情報も取れないだろう。今後はベルくんと一緒に潜っていくことにしよう。
「ベルくんと一緒に無事に帰ってきてくれるようになれば、僕も安心できるよ」
神ヘスティアは現状ではやはり不安もあるのか、自分とベルくんの2人が一緒に戻ってきてくれるならば、と笑みを浮かべる。
「そうだ。ベルくんにも言ったんだけど、今日は友神のところにパーティに行くんだ。何日かいないかもしれないけど心配しないでおくれ」
「了解です。楽しんできてください」
とことこと出ていく準備をしてそそくさと出ていく神ヘスティア。もしかして俺のステイタスの更新で遅くなっているのかなと申し訳なく思ったが、しかし、神ヘスティアが数日の間いなくなる可能性があるとなるとやることが何もない。
ベルくんにはすでに言ってあるというからにはベルくんも神ヘスティアがいないものだという前提で行動をしているはずだ。おそらくこのままダンジョンへ行って経験値でも稼いでいるのかもしれない。
「……暇だし、街行くか」
ダンジョンに潜ってもよかったんだけど、あれだけやってステイタスが上がらなかったとわかった今、ダンジョンに潜る気にもなれない。ダンジョンについては頭に叩き込んできてはいたが街のことに関しては何も調べていなかったと思い、散策のために使い慣れた杖をつかみ外へと出る。
人気のない廃墟群を抜け、人通りの多い道へと足を運んだが、普段よりも人通りが多いような、微妙な違和感を覚えた。
「……なんか、心なしか賑やかだな?」
メインストリートに近づくにつれて、多くの人が大通りを行き来していた。出店も心なしかいつもより多いようにも見える。
「ようマスター。こんなところで会うなんて奇遇だな」
背後から清涼感のある聞き覚えのある声が聞こえた。それに、この場でマスターなんて言葉を出すのは俺の
「アサシン。久しぶりだな」
久しぶり、本当に久しぶりだ。出会うのはもしかするとこの街で自由にしてもいいと言って解散して以来になるのではないだろうか。
アサシンに限らず、セイバーやランサーはどこで何を強いているのかわかっていない。キャスターは時々出会うこともあるし、アーチャーに関してはあの酒場に行けば出会うこともできる。ライダーに至っては時々ダンジョンに潜っては首をささげると言って魔石を持ってきてくれているのだから呼べばすっ飛んでくるぐらいの場所にいるのだろう。バーサーカーに関しては、あの巨体に威圧感だ。さすがに実体化をしないように頼み込んでいるからどこにいるのかは分からない。
結論から言えば、サーヴァントたちには緊急時には令呪を使うからと言って自由にしてもいいと言ってある。令呪を使うかしない限り、偶然以外でであることはまずないだろう。
「……後ろにいるご婦人方はいいのか?」
「んあ?あぁ、別にいいさ。勝手に言い寄ってきていただけだし」
偶然出会ったのはいいのだが、アサシンの後ろには控えめに言ってきらびやかに着飾っている女性たちがアサシンと話している俺を観察するように見てきていた。英霊たちはみんな顔がいいのはわかっていたが、ここまでとは思わなかった俺は苦笑しか出なかった。
「しかし、後ろのご婦人方といいこの賑わいといい。何があるんだ?」
雑談のつもりで普段以上に賑わいのある様子を聞いてみる。個人的には、俺も知らねーなーそーか残念だなぁあはははは、で終わると思っていたのだが、意外にもアサシンはこの賑わいの原因を知っていたようだった。
「あぁ、なんでも数日後に祭があるらしいぜ?モンスター、なんたらって言ってたっけな」
「祭?」
「そそ。どっかのファミリアが見世物としてモンスターと戦いを見せるんだとさ」
戦いを見せる、というので思い出すのは闘牛や闘剣士だ。前世でも似たようなことが見世物として流行っていたことも考えれば確かにありうることなのだろう。しかし、街には対応できる冒険者がいるとはいえ、まさかダンジョンのモンスターを持ってくるようなことをしているとは思いもよらなかった。
「ありがとうアサシン。気になっていたことがやっとわかった」
「なぁに。これぐらいなんでもねぇよ」
人懐っこい笑みを浮かべたアサシンと別れ、改めて出店を冷やかす。この賑やかさが祭の前賑わいと分かれば前情報としていろんな人から聞き取りをすればどういったものかわかるだろう。
しかし、こんな都市部で行われるような祭か。モンスターも絡んでくるとなればギルドも何かしら噛んでいるとみてもいいだろう。今からでも聞きに行くか。
オリ主の魔術は
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サーヴァントから教えられそうなもののみ
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拡大解釈してもええんとちゃう?
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好きに魔術を使えてもいいじゃん!