みんなが過保護過ぎるんですが、誰か助けてくれません?   作:因幡の黒兎。

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初めての視点変更に自分の無力さを感じる…。時間が出来たら修正しますから、今はこれで許してくだせぇ…!

あと、気付けばUAが10000越えてました。ありがとうございます!

それでは本編どうぞ〜!


ひっ、一人で学校くらい…グスッ…。

「荷物は大丈夫? 鞄にハンカチとティッシュは入れた? 忘れ物が無いか確認はした?」

『うん、ちゃんと確認したよ! ことりちゃんが!』

「そう。なら大丈夫そうね」

 

 おっはよ〜! 二度目の制服姿に漸く学校に通う実感が湧いてきた南ひばりくんだよ♪ 昨日はなんか撮影会が始まっちゃって、羞恥心なり何なりですぐに着替えちゃったもんね…。でも、今日は撮影会なんて無いもんね! 改めて制服姿の自分を見てみたけど、結構格好良いと思うんだよね〜♪ それに、マフラーを巻いていても似合ってるしね!

 

「そう言えばそのヘアピン、ずいぶん久し振りに見たわね」

『でっしょ〜? ことりちゃんにお願いして着けさせて貰ったんだよ♪』

 

 僕がまだ小学校の時に誕生日プレゼントとしてことりちゃん達がくれた物の一つ。正確にはスリーピンって呼ばれる髪留めなんだけど、実は3人の手作りなんだよ! 大きな山吹色の太陽が穂乃果ちゃんが、その下の青い月が海未ちゃん、そして白い星がことりちゃんの付けた装飾なんだって。気に入ってくれるか不安そうにしてた3人とも、可愛かったなぁ〜♪

 

「ふふっ…」

『どうしたの?』

「まさかひばりが、学校に行くなんてね。そんな事、微塵も考えてなかったと思ってね」

 

 まぁそうだよね。僕も今回のテスト生の話が無かったら学校に興味を持つ事なんて無かっただろうし、今頃は部屋でことりちゃんと話してたと思うもん。

 

『そっか〜。…ねぇ、お母さん』

「何かしら?」

『今でも僕が学校に行く事、反対?」

「えぇ。出来る事なら今からでもテスト生の件を無かった事にしたいもの」

 

 本人の前ではっきり言うなぁ〜。そこがお母さんらしいんだけど…。

 

「でも、ひばりが自分から何かをしたがるなんて全然無かったでしょう? だから、貴方の意思を尊重したいのよ」

『お母さん、海未ちゃんと同じ事言ってるよ?』

「本当の事でしょう?」

『そんなに僕って自分の事に無欲だったかなぁ…』

「貴方ねぇ…。自分の誕生日プレゼントに“ことりや穂乃果ちゃん達へのプレゼントを買いたい”なんて言う子なんて、きっとひばりくらいよ?」

 

 えぇ〜、そうかなぁ? ことりちゃん達が欲しそうにしてたお人形とかって少し高かったから、僕のお小遣いの足りない分を欲しいって言っただけだよ? えっ、「お人好し過ぎる」って? ねぇ、何言ってるの? 僕はことりちゃん達が笑顔で居られるようにしたいだけだよ? ことりちゃん達が笑顔じゃなきゃ、僕が耐えられないもん。

 

「…少しは自分の事も大切にして欲しいのよ」

『僕、充分に自分の事を大切にしてると思うけど?』

「自分を大切にしてる子は真夜中の森に躊躇なく飛び込んだり、強盗の篭城しているスーパーに入ったりしません!」

『あはは…。それを言われると言い返せないね〜』

 

 でも、理由があるんだし…仕方ないでしょ? 森の方は穂乃果ちゃん達が肝試しから帰って来なかったからだし、スーパーの件についてはお母さんが居たんだもん。大した怪我も無かったんだし、問題ないでしょ? ただの骨折くらいだったんだしさ。

 

『まぁ学校に通うだけなんだし、危険な事なんて中々無いよ』

「…とか言いながら、誘拐犯に捕まりそうになってたのは何処のひばりだったかしら?」

『うぐっ…!』

 

 これ以上昔の話をしてたらお母さんの気が変わって学校に行かせて貰えなくなるかもしれない…!

 

「ごめんね、お兄ちゃん! ちょっと準備に手間取っちゃって…」

『お母さんと話してたから平気だよ〜』

 

 流石は僕の自慢の妹、ことりちゃん! ほんと良いタイミングで来てくれたね!

 

「あれ? お母さん、もう時間じゃないの?」

「あら、本当ね。それじゃあお母さんは一足先に、音ノ木坂で待っているわね」

『了解であります♪』

「安全運転で気をつけてね?」

「わかってるわよ。じゃ、行ってきます」

 

『行ってらっしゃーい!』「行ってらっしゃい♪」

 

 小さく手を振って、お母さんは玄関から外へ出て行った。…一瞬だけど、久し振りに自分の目で外を見たなぁ〜。部屋からだとフィルムが貼られてて窓を覗いても真っ白なだけだし、開けられない様に固定されてるからさ。なんだかドキドキする…。

 

「じゃあお兄ちゃん。そろそろ穂乃果ちゃん達も来る頃だし、外で待ってよっか」

『うん!』

 

 制服とは違って明るい空色のスクールバックを背負って、黒がベースのハイカットスニーカーを履いてみる。今日が初めて履くから、まだ少し違和感があるけど…うん、動きやすそうで何よりだね♪

 

「靴のサイズ、ちゃんと合ってた? 靴紐はキツくない? 靴擦れしそうだったら何時でもことりに言ってね!」

『全然問題無いよ。靴擦れも大丈夫だと思う』

 

 靴を履くのなんて何年ぶりだろ? 退院してからは履いてないし…えっ、僕って大概の事が二年ぶりじゃない…?

 

『穂乃果ちゃん達、家の前に来てくれるの?』

「うん。今メールで「今向かってる〜」って送られて来たよ」

『そっか。じゃあ外で待ってよ?』

「そうだね」

 

 ことりちゃんは僕の手を握って、外へと繋がる扉に手を掛ける。

 

 …ほんの少しだけ嫌な事を思い出したけど、それ以上に楽しかった事を思い出せた。うんっ、もう大丈夫! マフラーも巻き直したし、行こっか!

 

 

 こうして僕は、二年ぶりに家の外に出た。

 

 

 

 

 

 ▽▼ ▽▼ ▽▼

 

 

 

 

 

「凛ちゃんっ、そろそろ出ないと入学式に遅れちゃうよ〜!?」

「あっ、あとちょっとだけ待って欲しいにゃ! あとちょっとで食べ終わるから…!」

 

 うぅ〜…! 確かここから音ノ木坂までって15分まで掛かるよね…? このままじゃ入学早々に遅刻だよぉ〜!

 

 …はっ! とっ、取り乱しててすみません! 私、小泉花陽って言います! 今日から音ノ木坂学園に通う一年生なんですけど…親友の凛ちゃんがご飯を食べ終わって無くて、遅刻しちゃうかもです…。

 

「ごめんね、花陽ちゃん。いつもうちの凛が迷惑かけて…」

「い、いえ! 凛ちゃんには何時も助けて貰ってますし、私が勝手に待ってるだけですから!」

「そう? ほら凛、だから言ったでしょ? 今日はご飯大盛りにしない方が良いって!」

「朝にしっかりご飯を食べないと元気が出ないもん!」

 

 凛ちゃんの何時もの元気って、朝ごはんのおかげだったんだ…。

 

「よしっ、ご馳走さま!」

「こら凛! 口の周りにいっぱいご飯粒が付いてるわよ!」

「にゃにゃっ!?」

 

 ぱぱっとお口の周りに付いていたお米を口に入れて、凛ちゃんは椅子に掛けていたスクールバックを片手に立ち上がった。

 

「かよちん、時間が迫ってるから早く行っくにゃ〜!」

「わわっ!? 凛ちゃん!?」

 

 急に腕を引っ張らないでぇー! うぅ…凛ちゃん靴を履くの早いよぉ〜!

 

「じゃぁお母さん! 行ってくるにゃ〜!」

「いっ、行って来ますっ!」

「花陽ちゃん、凛の事をお願いね〜」

「は、はいぃ──いいぃ〜!」

 

 お願いだから凛ちゃん! 話してる途中の引っ張らないでよぉ〜!!!

 

「りっ、凛ちゃん! さっきの道は左だよ!?」

「えぇ!? そうだったの!?」

「う、うん…」

「…やらかしたにゃ」

「と、取り敢えずさっきの道を戻ろ?」

「そうだね! 所で…」

「どうしたの?」

 

「さっきの道って、どこだっけ…?」

 

「…えっ?」

 

 後ろを振り返ってみると、全然知らない道。さっきまで凛ちゃんに引っ張られたままだったから足を動かすの精一杯で、道を見てなかったや…。…あれ? 私は道はわからない。それで、凛ちゃんも私に聞いて来たって事は…

 

「かんっぜんに迷子だにゃ…」

「えっ…」

 

 時計を確認すると、あと少しで9時。…入学式が始まっちゃう!?

 

「ど、どどどどうしよう!?」

「とっ、取り敢えず何となく思い出しながら道を戻ればなんとかなるかも!」

 

 そうだよね! 絶対に後ろの道は通ってるもんね! 流石凛ちゃん、頼りになるよぉ! …あれ? そう言えば迷子になった理由って、凛ちゃんじゃ…。

 

 繋いだ手をそのままに、凛ちゃんは私の手を引いて後ろの道を駆け足で戻ります。

 

「凛ちゃん、走ったら危ないよぉ!」

「でも、走らないともう時間が無いにゃぁ…」

 

 そして、私達は前を見るのをすっかり忘れてしまっていました。そして…

 

「にゃ!?」

「っ!?」ビクッ!

 

 ──ドスッ!!

 

「ぴゃあ!?」

 

 一瞬の事だったけど、路地から出て来た人にぶつかってしまい、凛ちゃんと一緒に尻餅をついてしまいました。

 

「いったぁ…。あっ! かよちん! 大丈夫!?」

「う、うん…」

 

 それよりもぶつかっちゃった事を謝らないと…。怖い人だったらどうしよう…。

 

「ぶつかっちゃてすみません!」

「ごめんなさいにゃ!」

 

「…」

 

 へ、返事が無いよぉ…。今は頭を下げたままだから顔を見れないけど、もしかして相当怒ってるんじゃ…。

 

 ビクビクとしながら、ぶつかってしまった人の言葉を待っていると…

 

「…」トントン

「ふにゃ!?」

「凛ちゃん!?」

 

 隣で凛ちゃんの悲鳴?が上がり、思わず顔を上げてしまいました。するとそこには…

 

 

『ぶつかっちゃてごめんね。怪我はしてない?』

 

 

 そう書かれたボードを持って、不安そうに首を傾げる()()()が居ました。

 

 

 

 




前々回同様に見るに耐えねぇ…。

アンケートの件なんですけど、ほんの数票とはいえ差が出来たので、今回で締め切りにします。

結果は…! 『作者にお任せするよ!』になりました〜! たった2票の差でしたけど、今回はこちらでやらしていただきます!

これで漸くこの先のストーリーを考えられるね! …頑張ろ。せめて一週間は毎日投稿したいし…ここまで来たら、あと2日! そっから急に亀投稿になったらごめん…。
それと沢山の投票、本当にありがとうございました! 短期間に少なくとも300票は越えてるって、結構すごい事なんじゃ…? 文章力はありませんけど、これからも頑張りますんで最後までお付き合い下さい!

☆9評価を下さった士導さん、べーたさん!ありがとうございます! 励みになりますので、これからも読んで頂けると幸いです!

それでは次回投稿で! さよなら〜!

…あと、感想欲しい…。

おい作者ァ! 投稿頻度についてなんだけどよぉ!!!

  • 毎日投稿しろやゴラァ!
  • 週に数本投稿しろや! あ゛ぁん!?
  • 月に数本でえぇんじゃボケェ!
  • 暇なら書いて速攻で投稿せんかい!
  • …あれ? 何を言おうと思ったんだっけ…?

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